ねずみ薬師

ねずみ薬師


【日時】 2020年1月2日(木) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 雪

【山域】 下田周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 ねずみ薬師・ねずみやくし・285m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/森町
【コース】 八木前バス停より
【ガイド】 新潟県ふるさとの散歩道(新潟県観光協会)

【時間記録】 7:25 新潟発=(R.49、R.403、加茂、R.290、森町、R.289 経由)=8:30 八木前〜8:55 発―9:45 ねずみ薬師〜9:55 発―10:19 庭月登山口―10:45 八木前=(往路を戻る)=12:20 新潟
 ねずみ薬師は、下田村の代表的景勝地の八木ヶ鼻に向かい合う五十嵐川左岸の山である。昔は庭月集落の祭神が奉られ、信仰の山として、近郷近在の参詣者が多く訪れたという。現在ではお堂や祠といった物は失われ、山頂の杉木立が僅かに昔を偲ばせるだけである。ねずみ薬師へは、かつて下越スキー大会が開かれたこともあるというスキー場を経由するコースと、庭月からの登山道が整備されている。

 年も改まり、山も新たなスタートになる。年初めの山は、干支にちなんでねずみ薬師に出かけることにした。ねずみにちなんだ山はほとんど無く、同じ干支の2008年も1月2日にねずみ薬師で登り初めとしている。
 家を出るときは小雨であったが、雪に変わることを期待して車を進めた。途中で麓を通過する新津丘陵、猿毛岳、重倉山に雪はほとんど無かったが、森町から五十嵐川沿いの道になると、急に雪が現れ、路肩にも雪が積もった状態になった。
 いつものように八木前先の三叉路に車を停めたが、目の前の八木ヶ鼻の岩壁が白く染まって美しい姿を見せていた。路肩の雪は数センチであるが、山の上ではもっと多くなるはずである。雪山装備として、スノーシューも持ってきていたが、ワカンをザックに入れ、スパイク長靴で歩くことにした。おそらくつぼ足で充分で、ワカンは使わないはずである。朝のコーヒーを飲んでいると除雪車がやってきた。八木前付近ではまだ除雪の必要はないが、奥地に進むと本格的な積雪になっているのかもしれない。
 少し戻って、八木前のバス停脇から林道に進んだ。干支にちなんだ山ということで他の登山者もいるかもしれないと思っていたのだが、まっさらな雪道が続いていた。林道上には10センチほどの雪が積もっていたが、脇の林の林床は地肌が現れていた。
 ひと汗かいて旧スキー場に出ると、背後に八木ヶ鼻の眺めが広がった。霧がかかった中、雪をまとった岩壁は、水墨画のように美しかった。スキー場上部は、急斜面となり、滑落のような危険性は無いものの、足場に苦労することになった。雪も10センチを超えるようになったが、もう少し多くて足がずぼずぼ潜る方が楽だった。一旦傾斜は緩むが、周囲の木立は雪をまとって美しい姿を見せていた。悪天候の中、登ってきた甲斐があるというものである。再び急坂となり、これを越せば山頂となる。
 ねずみ薬師の山頂に置かれたベンチには20センチほどの雪が積もっていた。山頂に立つ杉木立だけがかつての宗教的名残りで、以前あったねずみ薬師の標識は無くなっている。干支に合わせて、山頂標識だけでも新しく取り付けてくれると良いのだが。斜面の縁に出れば展望が広がるのだが、展望は完全に閉ざされていた。
 ひと休みの後、庭月登山口へ下山した。下るにつれて雪が少なくなると、滑りやすくなって足元に注意が必要になった。
 庭月登山口から車道歩きで八木前登山口に戻ったが、登山者の足跡は私のものだけであった。家に戻る途中、猿毛岳の登山口を通り過ぎると、8台の車が停められていて賑わっていた。今年は申年ではないのだが。


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