重平山、城山

重平山、城山


【日時】 2019年12月29日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 五頭連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 重平山・じゅうひらやま・236.7m・四等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/出湯
【コース】 山びこ通りから今板温泉へ
【ガイド】 無し

【山域】 五頭連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 城山・しろやま・246m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/出湯
【コース】 林道五頭山麓南線より
【ガイド】 なし

【時間記録】 6:55 新潟発=(R.49、安田、R.290、村杉温泉 経由)=7:40 山びこ通り入口〜8:00 発―8:20 重平山取り付き―8:30 重平山―8:50 今板温泉―9:25 山びこ通り入口―9:41 取りつき―9:56 城山―10:11 取りつき―10:25 山びこ通り入口=(往路を戻る)=11:20 新潟
 重平山は、今板温泉の背後に聳える五頭連峰前衛の山で、山頂に置かれた「重平山 今板温泉の散策路 郷土史家 川上貞雄」の説明板には次のように書かれている。
 重平山(じゅうひらやま)、地元ではもっぱら「ジュピラ」と訛る。またの名を「今板富士」とも。更に何時の頃か詳らかではないが、近年になって「三輪山」(みわやま)ともいい、麓に「三輪山登山口・権現・国佐自治命」の案内板が建つ。
 国土地理院に記載されている四等三角点の名称は「しげひら」で、その標高は236.3メートルである。
 その突兀(とっこつ)とした威容な山容は周囲から崇められてきた。山頂には石祠と記念碑が建つ。祠の幣束などは失われているが「権現様」(ごんげんさま)が奉られていると伝えられている。
 「三輪山」の呼称は奈良の三輪山の因んだものと推定される。三輪山は大和国の一宮。
 「延喜式」の大神大物主神社(おおかみわのおおものぬしじんじゃ)の神体山であり、先祖崇拝の先駆である。ここでは集落の先霊「国佐自治命」が宿った神体山として古来より崇められてきた霊峰であろう。
 調査に依ってここが山城の一翼を担っていた事が判明した。山頂は人口の二段から成り約850平方メートルの広がりを持つ。北に折居城(権現山)、南に村杉城(城山)を望み、その直線上に位置し、村杉城の出城であろうか。歴史ロマンが漂う。

 村杉温泉の背後にある城山は、村杉城が置かれていたようであるが、城主などの詳細は判らない。

 今年最後の山として、重平山に出かけることにした。重平山は2001年2月2日にスノーシュー歩きで登ったきりで、登山道の様子を知らない。ネットで調べると、今板温泉からの登山道が整備されたものの、最近は整備の手が加えられていないようである。今年は暖冬で雪は積もっておらず、冬枯れの状態なら少々の藪でも歩けるはずと出かけることにした。
 今板温泉の登山口は、旅館の駐車場しかなさそうなので、変則的ではあるが、山びこ通り側から登って今板温泉に下山することにした。
 市内から出ると、青空が広がって山の稜線がシルエットになって浮かぶのが見えてきた。思わぬ晴天で、もう少し高い山を選ぶべきであったかなと少々後悔した。水原から先で五頭連峰をはっきり望めるようになると、白いのは稜線付近だけであった。今年は雪の訪れが非常に遅れている。
 山びこ通りの入り口は、菱ヶ岳の登山口である内ノ沢駐車場の手前である。林道五頭山麓南線の起点部に駐車スペースがあったので、ここに車を停めた。山びこ通りの入り口にはロープが張られて冬季閉鎖になっていた。車は出湯温泉側からの一方通行のようで車の進入禁止のマークが道路に記されていた。
 しばらくは、林道歩きが続く。道路に雪は積もっていなかったが、所によっては氷が張って滑るので注意が必要であった。本来ならうっすらと積もった雪を踏みしめながらの歩きが続くはずである。林道脇には、歌碑が並ぶが、空き地には空きが無いほど並んでいた。あまりに多いので、いちいち読む気にもなれない。
 重平山の取りつきのカーブ地点に到着して、登山道を探すことになった。明らかな登山道は見当たらず、出湯側は急なので手前に戻ると、斜上するかすかな踏み跡が見られたので、ここから登り始めることにした。
 斜めにひと登りすると直登に変わり、踏み跡も判らなくなった。藪も薄いのでそのまま登り続け、尾根上に出るとはっきりした踏み跡に乗ることができた。重平山から下りてくると、そのまま切通しに突き当たって、下り口を探すのに苦労するかもしれない。
 踏み跡を辿っていくと、ひと登りで重平山の山頂に到着し、まず四等三角点が現れた。その先の今板温泉側には寒念佛講の石碑と石の祠、「重平山 今板温泉の散策路」の説明板が置かれていた。ただ、山頂一帯は、藪が広がっており、葉の茂る季節には休憩する気分には慣れそうもない状態であった。
 今板温泉側の登山道の状態はと見ると、尾根通しに辿るのに問題の無い道が続いていた。落ち葉に覆われた道を下っていくと、急な所には丸木で階段状に整備されていた形跡も見られた。境界見出しの杭も連続的に打たれていた。傾斜が緩くなった標高100m手前で、直進する境界見出しの杭の他に左に別の列が分かれた。どこでも歩ける状態で道がはっきりしない状態になっていたが、左に踏み跡が続いているようであった。左に曲がると、地面に壊れかけた「重平山遊歩道」の標識が落ちており、ひと安心することができた。その先で、道はすぐに西に方向を変え、最後には今板温泉の建物の脇から神社の前に下り立った。
 登山道の入り口には、「重平山登山口 未整備のためウォーキングできません」の案内板が置かれていた。歩いた感じでは、気軽なウォーキング気分では歩けないかもしれないが、人がほとんど歩いていない登山道に慣れていれば問題の無いレベルであった。ただ、ただ、今後、この登山道がどうなるかは判らないので、皆で歩いてもらいたいものである。
 予想通りに、温泉旅館の駐車場以外に、自由に車を停めることのできる場所は無かった。車道歩きで車に戻ることになったが、35分の車道歩きなので、我慢の範囲である。重平山のモデルコースとしては、国道から内ノ沢駐車場への沢沿いの道に入った先の適当なスペースに車を停めてから今板温泉に戻り、重平山からは山びこ通りに出て、沢沿いの車道を下ってくるのが良いと思われる。
 車に戻って、時間も早いので城山にも登っていくことにした。城山には2002年2月16日にスノーシュー歩きで登ったきりで、その後に林道五頭山麓南線ができて状況が大きく変わってしまっている。
 入り口の鎖をまたぎ越して林道五頭山麓南線に進んだ。しばらくは林道歩きが続く。高度を上げていくと、沢の向こうに重平山の眺めが広がるようになった。城山と重平山はすぐ近くにあって、関係のある山城のように思われる。標高250m付近で以前はあった村杉温泉から菱ヶ岳への登山道を横断するが、林道の伐開によって登山道は無くなっている。
 その先で、城山への取りつきとなる。ガードレールの先の木立を眺めるが、踏み跡らしきものは見当たらなかった。藪漕ぎとなったが、直線距離は220mほどである。ほぼ平坦な尾根が続き、歩きやすい所を選んだが、所々で倒木の枝に阻まれることになった。
 城山の山頂は、大岩が飛び出しているのが目印になる。その手前の木には、「城山 246m」と書かれたプレートが取り付けられていた。大岩の脇から村杉温泉側に進んで、登山道のようなものが無いか確かめたが見当たらなかった。再び藪漕ぎで林道に戻った。
 城山へは、今回のような林道経由の藪漕ぎか、スノーシュー歩きで登るのが良いと思われる。
 林道を下っていくと、内ノ沢駐車場は満杯になっており、着替える間にも登山者のものと思われる車が上がってくる状態であった。冬の五頭山は、他人が登って踏み跡がしっかりできてからと、わざと遅出する者が多く、違和感を覚えることも多い。

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