三坂山、磐梯山

三坂山
磐梯山


【日時】 2019年8月12日(月)〜13日(火) 1泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 12日:晴 13日:晴

【山域】 会津
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 三坂山・みさかやま・831.9m・三等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/宮下/沼沢沼、宮下
【コース】 美坂高原より
【ガイド】 分県登山ガイド「福島県の山」(山と渓谷社)、うつくしま百名山(福島テレビ)、会津百名山(歴史春秋社)

【山域】 磐梯山
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 磐梯山・ばんだいさん・1818.6m・三等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 福島/磐梯山/猪苗代、磐梯山
【コース】 裏磐梯スキー場より周回
【ガイド】 山と高原地図「磐梯・吾妻」(昭文社)

【時間記録】
8月12日(月) 6;10 新潟=(R.49、R.252、会津宮下 経由)=8:35 美坂高原入口〜8:52 発―9:29 登山道入口―10:06 三坂山〜10:20 発―10:46 登山道入口―11:20 美坂高原入口=(会津宮下、R.252、R.49、塔寺、喜多方、R.459 経由)=14:30 裏磐梯  (車中泊)
8月13日(火) 4:40 裏磐梯スキー場下―5:03 噴火口分岐―5:14 銅沼〜5:25 発―6:00 八方台分岐―6:57 お花畑分岐―7:05 弘法清水〜7:10 発―7:36 磐梯山〜7:55 発―8:14 弘法清水―8:41 沼ノ平分岐―10:15 噴火口分岐―10:30 裏磐梯スキー場下=(R.459、喜多方、塔寺、R.49 経由)=14:05 新潟
 三坂山は、会津三島町の只見川左岸にある山である。奥州二ノ宮、会津総鎮守である伊佐須美神社は、御神楽岳、三坂山、博士山、明神ヶ岳と移った後に、現在の地に遷座されたという伝説もある信仰の山である。登山道は、北側の美坂高原からと、南の只見川の畔の滝原口からの二つのコースがある。

 磐梯山は、会津の中心部猪苗代湖の北側に位置する火山である。磐梯火山は、大磐梯山、櫛ヶ峰、赤埴山の三つから構成されており、方向によって姿が異なる。1888年の水蒸気爆発によって大磐梯山の北に位置していた小磐梯山は吹き飛び、流れ出た土砂は川をせき止め、裏磐梯の湖沼地帯が作られた。

 相変わらず猛暑が続いており、山登りもそれに対する作戦が必要になる。メインを磐梯山として、早朝発のために前夜入りする。ただ夜に登山口に入るだけでは無く、途中でどこか登っておきたい。ということで、三坂山を美坂高原より登って裏磐梯に移動し、翌日に早立ちで磐梯山を登ることにした。
 美坂高原への車のナビでは、高清水大橋を渡って只見川の左岸に渡った先で細い林道に進むように指示されたが、以前の記憶ではここではなかったはずということでそのまま川沿いに進んだ。三島大橋を通り過ぎた先で、美坂高原への案内板があり、その後は分岐にある看板に従って進んで無事に到着できた。R.252からは宮下集落に下った後に三島大橋を渡ったところで右折というのが正しい順路になる。
 駐車場には1台の車が停められているだけであった。車を停車させると同時にアブが体当たりしてくる状態となり、しばらく車内での待機になった。すでに気温も上がっていた。美坂高原は、以前は、登山者は無料であるが、200円の入場料をとってサイクリングのための自転車や遊具を貸し出していたものの、現在は無料になっていることをネットで知っていた。入り口の管理棟にはだれもおらず、静けさが広がっていた。
 しばらくは園内の車道歩きが続く。脇のサイクリグ道にも草が生えていた。前回訪れた2008年8月31日の際には、美しい蕎麦畑が広がっていたが、まばらなひまわりの花が咲いているだけであった。それも前年の種が落ちたものが咲いたもののような感じであった。カフェの建物やトイレも閉鎖されており、荒廃が進んでいた。所々で掘り返した跡の泥地はイノシシの仕業であろうか。園内の刈払いは行われていたが、荒れ地に帰ってしまうのも、時間の問題であろうか。
 正面に三坂山を眺めながら歩き、少し下り坂になった先で左に分かれる林道に進む。地図を見れば判ることだが、ここには登山標識が欲しいところであった。ひと登りした先で、尾根沿いの緩やかな道に変わる。送電線の鉄塔を過ぎて、300m弱進んだところで、三坂山への案内板が置かれた登山道の入り口に到着する。以前は、ここが林道終点広場になっていたが、新しく伐開された林道が先に続いており、登山道を少し進んだ先でも脇に沿うのを見ることができた。
 緩やかに登っていき、三坂山が近づいてくると美しいブナ林が広がるようになった。登山道も良く整備されており、悪条件の時に登るのには良い山である。山頂が近づいたところで、下山してくる登山者とすれ違った。
 三坂山の山頂には、マイクロウェーブの反射板が置かれ、広場になっている。湿度が高いためか遠望は利かない状態であったが、只見川を見下ろすことができた。大汗をかいて登ってきたが、山頂には快い風が吹き抜けていた。
 車に戻って、時間をつぶしてから裏磐梯に移動した。美坂高原は標高550mほどあるので、暑さもそれほどではなかったが、山を下ると猛暑が襲ってきた。裏磐梯で夜を過ごしたが、夜中には毛布が必要なほど気温が下がった。
 猛暑対策のため、薄明るくなったところで、裏磐梯スキー場に移動した。4台の車が停められていたが、人気は見当たらなかった。八方台の駐車場は歩き出す準備の登山者でにぎわっているはずで、予想外の静けさであった。
 最初はゲレンデ歩きが続く。二番目のリフトの急斜面を左に迂回すると、噴火口への登山道との分岐に到着した。木立の中に続く登山道は薄暗かったので、中ノ湯温泉跡から登って、噴火口コースは下山時に使うことにした。裏磐梯スキー場から中ノ湯温泉跡経由で磐梯山に登ったのは、1991年6月29日以来ということになる。
 分岐からひと登りすると二番目のリフトの山頂駅があり、その先は平坦な道を進むと銅沼に到着した。荒々しい姿の火口壁と剣ヶ峰が湖面に影を落としていた。美しい眺めであったが、写真的にはもう少し太陽が昇ってからの方が良さそうであった。眺めを楽しんでから先に進んだ。
 銅沼の先からは、沢沿いの急登りが始まる。ひと汗かくと中ノ湯温泉跡の上部で八方台からの登山道に出ることができる。この先は傾斜も緩やかになって歩きやすい登山道が続くが、八方台から歩き出したまだ元気の良い登山者に追い越されることになった。南に方向を変えてトラバース道が続くようになり、台地に出るとお花畑との分岐が現れ、そこからもうひと歩きで弘法清水に到着した。
 弘法清水の冷たい水を2杯続けて飲んで、元気を取り戻した。この水場のおかげで、夏の磐梯山登山が楽なものになっている。弘法清水から山頂までは窪地の急登が続き、いつも辛い思いをする区間になる。
 到着した磐梯山の山頂は早い時間にもかかわらず登山者で賑わっていた。360度の展望が広がっており、荒々しい剣ヶ峰や安達太良、吾妻山塊、飯豊連峰といった山々、猪苗代湖や檜原湖といった湖沼の眺めを楽しむことができた。次々に登山者が登ってくる状態であったので、休みも切り上げて下山に移った。
 弘法清水に戻って再度水を思いきり飲んだ後、剣ヶ峰を正面に眺めながら下った。傾斜が緩んでザレ場の尾根歩きになると火口壁の眺めが広がった。写真を撮るために度々足が止まった。剣ヶ峰との鞍部で急降下の開始になるが、振り返ると荒々しく崩壊した火口壁の上に磐梯山の山頂が聳えるのを眺めることができた。迫力のある眺めであるが、裏磐梯から噴火口コースを登ってきて眺めると、山頂はまだまだ高いと気分的に折れそうになってしまうかもしれない。
 剣ヶ峰鞍部から先は初めての歩きになる。下りの開始部に置かれた登山標識には、川上温泉方面としか書かれていないが、裏磐梯スキー場に戻るには問題はないはずである。火口壁の下りは、登山地図では破線区間になっている。足場の悪いガレ場の下りかと思っていたのだが、灌木帯の中に登山道が続いていた。急坂に入ると、溝状にえぐられた登山道の両脇にユー字型のパイプが埋め込まれるようになった。下りには良い手掛かりになって楽に下ることができたが、登りに使うと苦労させられそうであった。この区間で、5名ほどの登山者とすれ違い、結構歩かれているコースであることを知った。
 傾斜が緩むと、土石流の跡に出て登山道が判りにくくなり、岩に記されたマークを辿りながらの歩きになった。下流方向に入り込まないようにロープが張られていた。振り返ると火口壁の眺めが広がっており、眺めを楽しみながらひと息入れることになった。
 この辺りで川上温泉への道が分かれるはずと思いながら歩いていくと、分岐の登山標識を見つけることができないまま、樹林帯の中に続く裏磐梯山スキー場への登山道に進んでしまった。川上温泉コースは、一般的には往復で使うはずであるが、下りだけに使う際にはこの分岐には注意が必要である。
 川上温泉分岐から先は小さなアップダウンがあり、結構長く感じた。最後にゲレンデに戻って、もうひと下りして車に戻った。朝よりは車は増えていたが、駐車場の片隅に停まっている状態であった。
 今回歩いた感じでは、先に中ノ湯跡経由で磐梯山に登り、剣ヶ峰鞍部付近で火口壁の眺めをのんびりと楽しんだ後、一気に急坂を下るのが良いと思った。

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