ぶなのみち

ぶなのみち


【日時】 2019年4月29日(月) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 粟ヶ岳周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 ぶなのみち・ぶなのみち・628m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/森町、粟ヶ岳
【コース】 五百川登山口より粟薬師へ
【ガイド】 なし

【時間記録】 5:20 新潟=(R.49、R.403、加茂、R.290、森町、R.289 経由)=6:35 北五百川駐車場〜6:55 発―7:16 五百川登山口―8:00 五百川分岐―8:29 ブナの社―8:57 水場〜9:05 発―9:14 山伏塔見晴場〜9:20 発―10:03 粟ヶ岳分岐―10:56 元宮―11:17 粟ヶ岳登山口駐車場―11:39 北五百川駐車場=(往路を戻る)=13:05 新潟
 「ぶなのみち」は、2004年に開かれた袴腰山から粟薬師までを結ぶ登山道である。粟ヶ岳や守門岳の展望を楽しみながらの稜線歩きを楽しむことができる。伐開当時は、土嚢や丸太階段で十分過ぎるほどの整備が施されていたが、刈払いの手は加えられているものの、雪や土砂崩れの影響によって足場に注意が必要な個所が出てきている。袴腰山手前の見返しの丘から粟薬師までの全コースを通しで歩くのはアップダウンが大きく距離も長いことから、中間の五百川登山口から下山するのが無理の無い歩きになる。

 4月14日に袴腰山からぶなのみちに進んだが、五百川登山口に下山してしまい、全コースを歩いていないのが気になっていた。天気予報も晴と出たので、展望も楽しめるぶなおのみちに出かけることにした。前回の続きのため、五百川登山口から歩き出すことにした。  先回利用した八木鼻キャンプ場駐車場は、五月連休に合わせてオープンしており、沢山の車が停められていた。キャンプ場内もテントがびっしりと並んで難民キャンプを思わせる状態になっていた。五十嵐川沿いの駐車場に車を停めた。ここは棚田見学者用に設けられているようである。
 駐車場から集落の北端に通じている車道に進むと、自然に山に向かうように方向を変える。このカーブ地点には「三条市デマンド交通ひめさゆり 北五百川(北)」の停留所の標識があり、五百川登山口の目印になる。最終民家の先は、農道につき車の侵入禁止と掲示してあった。舗装されているが車一台幅で、車のすれ違いが難しい。沢沿いの道は、登ってみると結構急なところもあって、足に負担がかかった。
 林道終点部の先には砂防ダムの堰堤が設けられており、ここでようやく「ぶなのみち」の標識が現れる。堰堤を右側から越し、二つ目の堰堤は沢を徒渉して左側から乗り越す。その先で、沢の左岸へ徒渉。一昨日の雨のせいか水量が多く、飛び石伝いに渡るのにコースを考える必要があった。左岸沿いの踏み跡を辿っていくと、右上に倒木が現れた。前回はその下流部から藪を伝って踏み跡に下り立ったのだが、そのまま踏み跡を辿って折り返すようにひと登りすると倒木の脇に出た。先回は、踏み跡が草に覆われていたため、上流部に曲がらなければならないところを見落としていた。
 倒木の脇からは、林道跡の幅広の切り開きを辿ることになる。杉林の中に入ると、落ち葉で踏み跡が判りにくなって、コースアウトしないように注意が必要になった。普通ならば赤布が付けられているのだが、そのようなものは見当たらなかった。南東にカーブしながら進んでいくと尾根の末端に出て、その後は雑木林の中にはっきりした道が続くようになった。
 急な尾根道で、稜線が近づくと露出した石を踏み台にして登るようになる。背後には真っ白に残雪で彩られた守門岳の眺めが広がっており、汗をぬぐいながら眺めることになった。急登の連続で意外に早く稜線上の分岐に出ることができた。今日の目的であるぶなの道のスタート地点に立つことができた。
 緩やかな尾根道を進んで449m小ピークから急坂を下ると美しいブナ林が広がるようになった。ブナの杜と書かれた標識も現れた。稜線上ではブナがあっても発育がわるいので、「ぶなのみち」という名前が相応しいのはこの付近ということになる。
 鞍部からは409mピークへの登りが続く。409mピークからは、鹿熊川の源頭部を巻いて北側の稜線に移ることになるが、辛い登りになった。440m地点で左に沿う沢が水場になっており、冷たい水を飲んで元気を取り戻した。稜線に上がる手前の急坂は、以前整備された丸太階段が崩れており、滑りやすい斜面を残っている杭を足掛かりにしながら登る必要があった。
 稜線に出て東に少し進むと、ベンチも置かれた展望地になっており、粟ヶ岳の眺めが大きく広がった。加茂水源地からの登山道の途中にある砥沢のヒュッテも見えていた。ここの標識には山伏塔見晴場と書かれていた。ぶなのみちのゴールで今日の下降点になる628mピークへは一旦下った後の登り返しがきつそうに見えた。振り返ると、袴腰山も遠くになっていた。
 山伏塔見晴場からの下りは南斜面の崩壊が進んでおり、尾根が痩せてしまっていた。一旦北側に丸太階段で下りてからトラバースすることになった。一歩の距離であったが泥斜面が滑りやすそうで、ロープを掴んで支えにして、先の木の根元めがけて大股でまたぎ越すことになった。もう少し崩壊が進むと通過が難しいことになるので再整備が望まれる。  細尾根を過ぎると628mピークへの最後の頑張りどころになった。登りの途中で小俣側からの登山道が合わさるはずなのだが、見落としてしまった。登りの途中で注意力が散漫になっていたのか、あるいは廃道化しているのだろうか。傾斜が緩むと台地状になってブナ林が広がるようになった。
 粟ヶ岳登山は近いうちにということで、T字路から下山に移った。少し下った所が粟薬師でお堂の中に石仏が祀られていた。脇には避難小屋も設けられているが、粟ヶ岳は日帰りで登る者が大部分である。ブナ林の中を下っていき、右手に方向を変えると水場が現れた。その先は岩尾根となり、再び幅広尾根に変わった三合目ではブナ林が広がるようになった。最後に杉も見られる細尾根を下っていくと元宮に下り立って、後はほぼ水平な道になる。本宮脇と猿飛橋部の徒渉では、水量が多く、ストックを支えに流れの中の石の上に立って、対岸へと大股で飛び移ることになった。
 二合目の鉄橋を渡ると、後は新しく整備されたような林道幅の道が続いて、登山者用駐車場に出た。トイレも設けられており、数十台が駐車可能になっていた。その先も車のすれ違いに問題の無い舗装道路が続いていた。地形図を見ても、この道路は記載されておらず、新しく整備された車道のようであった。ひと頑張りの車道歩きで車に戻ることができ、ぶなのみちの後半の周回を終えることができた。
 2004年11月の伐開直後にぶなのみちを歩いた際には、木道や土嚢で充分過ぎるほどに登山道が整備されており、見返しの丘から粟薬師上の分岐まで2時間で歩いた。しかしコースも荒れてきている現在では、3時間以上かかると見た方が良いであろう。無理の無いコース設定というのなら、ぶなのみちは二回に分けて歩くのがお勧めである。

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