荒川山

荒川山


【日時】 2019年4月28日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 五頭山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 コマタ・こまた・634m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/新発田/天王、上赤谷
【コース】 剣龍峡から花ノ木平コースへ周回
【ガイド】 新潟日帰りファミリー登山(新潟日報社)

【時間記録】 5:45 新潟=(R.7、豊栄、月岡、荒川、剣竜峡 経由)=6:35 剣龍峡登山口〜6:58 発―8:13 焼山―8:39 コマタ山頂〜9:07 発―9:34 穴マクリ展望台〜9:40 発―10:08 花ノ木平―10:34 花ノ木平コース登山口―11:05 剣龍峡=(往路を戻る)=12:15 新潟
 最近の登山ブームもあって、松平山から五頭山、菱ヶ岳、宝珠山に至る縦走路がつながっているが、松平山以北は、手つかずであった。2005年の秋に、荒川集落の奥の荒川川源頭部に登山道が開かれた。荒川山登山道と呼ばれているが、最高点は地図には名前の記載されていないコマタ(634m)である。

 例年にない10連休ということで、世間一般の旅行熱は例年以上に高まっている。そのため道路や観光地の混雑が予想され、遠出の気分になれない。連休初日は雨のために山はお休み。休みが多いと、山は後でも登れると、かえってモチベーションが下がってしまう。二日目は平成最後の晴天という天気予報が出たので山に出かけることにしたが、すいている山を考える必要がある。2015年以来歩いていない荒川山に出かけることにした。
 月岡温泉を通り抜けて、荒川の集落から山に向かう。道が林道に変わると、山の神のある剣龍峡に到着する。トイレと駐車スペースが現れると、その手前が登山口になる。時間が早いためか車は停められていなかった。
 少し戻って橋を渡るとあずまやが設けれており、その奥が登山口になる。登山届のポストが置かれていたので、名前を書いて入れた。昨年の五月連休の親子の松手山での遭難事故があるため、登山届を出さざるとえない。
 いきなり痩せ尾根の急登が始まる。ロープが固定され、露出した岩に足場が刻まれているが、表面が苔むしていたり濡れ落ち葉が積もっていて、足元には注意が必要であった。急登でひと汗かくと、その先は緩やかな尾根道に変わり、新緑とピンクのミツバツツジの花を楽しみながらの歩きになった。
 尾根の張り出し部を巻くように登ると、右上に小広場が現れて、ここが奥の院となる。石の祠が置かれ、荒川集落方面の眺めが広がっていた。
 その先は歩きやすい尾根道が続くようになる。標高420mの台地に出ると、「スズメノ口」と書かれた新しい看板が現れた。登りを続け、539mピークに出ると、正面に残雪に彩られた金鉢山の眺めが広がった。尾根道は、金鉢山に続くように見えるが、登山コースは東に大きくカーブしていくことになる。
 焼山からは一旦下りになり、再び登りに転じて548m小ピークに出ると、「コマタ」と書かれた案内板が置かれていた、以前には、ここは「カツラノマ」という案内板が置かれていた。新しい案内板には、「コマタ山頂20分」というコースタイムも書かれていた。登山道の最高点がコマタだと思っていたのだが。カツラノマへの下山路があって分岐になっていたことからここがコマタと呼ばれ、登山道最高点は名前が無かったことからコマタ山頂と呼んだのだろうかと推測する。いずれにせよ、この案内板は混乱を招く。
 その先で、尾根の南側を下ってきた沢が、堀切によって北側にも落ち込む「堀切清水」に出る。農業用水のための工作なのであろう。流れをまたぎ越して沢に一歩入ると、アルミ梯子が掛かっており、これを登ると尾根上に戻ることができる。
 堀切清水からは再び急登に変わるが、さほど長くはなく、コマタ頂上に到着する。以前は標高630mとされていたが、東京スカイツリーの高さと同じで634mという標高に変わっていた。頑張って登ってきて、人工物の高さと同じというのは興覚めでしかないのだが、いろいろな山で「634m」標高のアピールを見る。東には二王子岳や飯豊連峰の前衛の山の眺めが広がっていたが、飯豊の主稜線は雲に隠れていた。昨日は雨であったので、天気の回復が遅れていた。
 金鉢山方面の踏み跡を確認すると、山頂広場からはっきりした道が続いていた。今回はアイゼンなどを持ってきていなかったので登るのは諦めたが、いずれ機会を見て再訪したピークである。
 コマタ山頂からは短いが急な下りになった。土砂が流出して、崖際に木の根が網状に広がっている所もあって注意が必要であった。崩壊地の脇を登り返し、小ピークに出ると穴マクリ展望台となる。展望写真が掲載されているが、二王子岳、飯豊連峰、蒜場山などの展望が広がっている。林道を車で上がってくれば、花ノ木平登山口からはそれほどの労力も必要としないであろうから、初冬の季節の目的地として適当であろう。
 穴マクリ展望台からは下りに専念することになるが、小さなピークの乗り越しがあり、足も次第に疲れてきた。細尾根の標高540m地点で花ノ木平の案内板が現れるが、以前の案内板よりも少し南側に置かれていた。平という名前が付けられている理由は判らない。
 上藤沢、安産岩、夫婦杉といった案内板を見ながら下っていくと花ノ木平登山口に下り立って、後は林道歩きになる。途中で剣竜峡の案内板に従って、林道のカーブ地点をショートカットした。
 剣竜峡の登山口に戻ると、五台の車が停められていた。林道歩きの途中で単独行と一人すれ違ったが、全部が登山者の車というわけでもなさそうであった。いずれにせよ、荒川山は、静かな山であった。


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