三角点、元光兎山

三角点、元光兎山


【日時】 2018年4月13日(土)
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 朝日連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 三角点・さんかくてん・576.5m・三等三角点・新潟県
 元光兎山・もとこうさぎさん・717m・なし・新潟県
【コース】 平ノ木平コース
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/小国/越後下関
【ガイド】 新潟の山歩き50選(新潟日報事業社)

【時間記録】 6:10 新潟=(R.7、新発田、R.290、R.113、小見橋 経由)=7:25 清原林道入口〜7:44 発―8:10 登山道入り口―9:43 三角点―11:04 元光兎山〜11:14 発―12:07 三角点―13:17 登山道入り口―13:47 清原林道入口=(往路を戻る)=15:30 新潟
 関川村の荒川左岸に位置する湯蔵山の北西に隣り合う717mピークは、地形図には名前が記載されていないが元光兎山と呼ばれる。この一帯は、かつて修験道の山として開かれ、現在の光兎山祭祀以前には、本尊が元光兎山に置かれていたという飛来遷宮説もあるという。途中の576.5m三等三角点ピークは、地元では「三角点」と呼ばれ、ここまでは登山道が良く整備されており、ハイキングの山として知られるようになっている。

 ここのところ元光兎山を候補に挙げていたものの、天気が悪かったり黄砂で視界不良になったりして延び延びになっていた。ようやく晴天に恵まれたので出かけることになった。ただ、雪の状態に不安があり、雪融けが進んでいるならば三角点までで満足しよう思った。今年は小雪であったが、春になってからも低温が続いており、意外に雪が残っているという感じももっている。
 滝原からは畜産団地経由で山に向かった。以前あった畜産団地脇の「三角点 松平登山口」の標識は、廃道に伴い撤去されていた。林道入り口の東側の車道カーブ地点に車を停めた。迷ったが、簡易アイゼンは持ったが、わかんは置いていくことにした。
 車道を畜産団地方向に少し戻った所で畑脇を抜けると、登山口に通じる林道に出ることができて少し楽ができる。この林道は途中までしか地形図には記載されていないが、さらに奥まで続いており、標高185m点で広い空き地が現れると、その奥の林が登山口になる。2015年4月に歩いた時は無かった「平ノ木平コース 三角点山」と書かれた標識も置かれて判りやすくなっていた。この登山口までは松平登山口からの登山道が上がってきていたが、現在ではここから下部は藪に変わっている。
 登山道も刈払いが行われて歩きやすくなっていた。ひと登りして尾根上に出ると、「平ノ木平」という標識が置かれているが、細尾根の上で平といった感じではない。久しぶりの青空が広がり、木立の間から飯豊が白く輝いていた。この先はへつり道を交えながらの緩やかな登りが続く。先回は倒木によって通過が難しくなっていた356mピークのへつり道は、尾根通しに変更になって道も刈払われていた。
 356mピークを越すと、本格的な登りが続くようになる。ここまでの歩きで雪が全く見られなかったので、元光兎山は無理かと諦めかけていたのだが、標高400m付近から雪がみられるようになった。断続的に残雪を横断することを繰り返すうちに、一面の雪原が広がるようになった。ただ雪は柔らかく、つぼ足で十分であるものの、足が取られてスピードは上がらない歩きになった。
 533m点を過ぎると、コースは北に方向を変える。ブナが並ぶ幅広尾根で、どこでも歩ける代わりに、下山時には枝尾根に入り込まないように注意が必要である。ガイドブックには登山の時期は4月から11月と書かれているが、4月の残雪期にはGPS必携といえる。
 北に方向を変えて緩やかに登っていき、高みに到着するとそこが三角点である。三角点周囲は雪が融けて地面が露出していた。先行者がいると思っていたが、知り合いの二人連れが休んでいた。
 雪の状態も悪くは無いので、元光兎山に向かうことにした。三角点から下ると、その先は小さなアップダウンが続く。幅広尾根の残雪歩きは、このコースの醍醐味と言って良い。細尾根部分では藪が出ていたがうっすらと踏み跡もあり、通過に問題は無かった。644mピークからは、三角点から元光兎山までの間で、一番急な下りになる。鞍部からの登り返しで二重稜線が現れると、元光兎山への最後の登りになる。
 元光兎山の山頂は雪原となって周囲には大展望が広がっていた。まず目に入ってくるのは、谷を挟んで向かい合う光兎山と頭布山。光兎山は、雪が落ちて茶色の岩壁を見せていた。稜線の間から見える真白な朝日連峰の峰を家に帰ってから調べると以東山や祝瓶山であった。南には、二王子岳とえぶり差岳から飯豊本山に至る飯豊の稜線を眺めることができた。湯蔵山へは藪山と残雪の山として二度登っているので今回は省略とした。雪が柔らかいせいか体力が衰えたためか、ここまでで体力を消耗したこともあるが。残雪期の元光兎山は大展望の山としてお勧めである。
 展望を楽しんだ後に下山に移ると、単独行とすれ違った。湯蔵山まで足を延ばしたのかは判らない。帰りは644mピークの登り返しが一番の難所になった。三角点からは幅広尾根の下りが難しく、気楽に歩いているとコースを外しそうになって、GPSの指標に従って歩くことになった。
 元光兎山は残雪の山の展望を楽しみに、定番の春山としてまた登ることになりそうである。

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