たきがしら湿原

たきがしら湿原


【日時】 2018年7月29日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 御神楽岳周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 たきがしら湿原・たきがしらしつげん・474m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/野沢/安座
【コース】 かもしか歩道
【ガイド】 新潟の山歩き50選(新潟日報事業社)

【時間記録】 6:50 新潟=(R.49、上川、七名 経由)=8:35 たきがしら湿原〜8:45 発―9:30 林道―10:00 たきがしら湿原=(往路を戻る)=12:15 新潟
 たきがしら湿原は、会越国境近くにあり、かつてはたきがしらという集落があったが昭和51年に全戸が集団移転し、その放棄田を自然公園として整備したものである。春から夏にかけて湿原の花を楽しめるのと同時に、かもしか歩道と呼ばれる遊歩道も整備されている。

 関東から九州へと異常な動きをした台風は、雨風の点では新潟には全く影響を及ぼさなかった。ただ、フェーン現象によって、気温が上がる可能性があるため、軽い歩きで済ませる必要があった。そこで、たきがしら湿原に出かけることにした。たきがしら湿原は、花を見るために時期を変えて訪れたいと思っている。2015年6月6日の時は、ヒオウギアヤメとニッコウキスゲ、2017年5月6日の時はミズバショウの花を楽しむことができた。
 たきがしら湿原への林道には少し手前でゲートが設けられており、開くのは8時半であるので、到着時間を考えて家を出た。少し前にゲートに到着したので、パンとコーヒーの朝食をとっていると、時間丁度にゲートが開放された。
 たきがしら湿原の駐車場に入って車に停めると、アブの大群が乱舞して車に体当たりしてきた。エンジンを切って少し待つと、体当たりの音も無くなって、車の外に出ることができるようになった。
 ニッコウキスゲの季節も終わって、花にはあまり期待していなかったのだが、湿原を眺めると、コオニユリの花が一面に咲いて、オレンジ色に染まっていた。花は後回しにして、まずはかもしか歩道に進んだ。帰りは学習の森コースを歩くか迷っていたのだが、土砂崩れのために通行禁止になっており、林道経由で戻ることになった。
 歩き始めは汗の臭いにつられてかアブが寄ってきたが、かもしか歩道のブナ林に入ると、アブは消えた。気温は朝から高くなって少し登っただけで汗が噴き出したが、尾根上に出ると風が気持ちよく吹き抜けるようになった。小さなアップダウンが続くが、それほどきつい道ではない。
 474mピークを越して下っていくと、西側の展望が開ける場所に出る。787.7mの無名峰がスラブを抱いた険悪な姿を見せている。その先の高まりを越して下りに入る所でも、展望地になっており、こちらの方が広い展望が得られる。谷奥には鍋倉山の山頂を望むことができ、その周辺のスラブに目が引き付けられる。この展望地からは、ひと下りで林道に出る。
 なお、「新潟の山歩き50選」では展望地は、474mピーク付近となっているが、実際には林道から登山道に入ってひと登りしたところである。登山コースの赤破線も実際と違っており、執筆者がGPSは持たずに歩いているように思われる。市販のガイドブックを著すならGPSでコースを確認するのは最低限の条件だと思うのだが、新潟県山岳協会はどう考えているのであろうか。
 学習の森コースは通行禁止になっているため、林道をそのまま下った。学習の森コースは、カーブの連続とアップダウンもあるため、林道を下った方が時間的には早い。
 湿原に戻って、一面に咲くコオニユリの撮影を行った。風があるため、花のアップを撮影するには、風が一瞬止むのを待つ必要があった。この日のコオニユリの群落は、ハイカーや観光客を呼び寄せるに充分なものであったが、他には数組がいるだけであった。木道の上に三脚が並んでも不思議はないのだ。私自身もこれほどのコオニユリの群落を見られるとは思っていなかったので、たきがしら湿原はまさに穴場であった。
 昼には家に戻ったが、午後になって情報が入ってくると、三条市で39.5度、新潟市で38.4度の猛暑になったという。猛暑の日にもかかわらず、花を楽しむ山歩きができたことに、満足することになった。

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