鋸山、萱峠、桝形山、三ノ峠山、刈羽黒姫山

鋸山、萱峠、桝形山、三ノ峠山
刈羽黒姫山


【日時】 2018年6月2日(土)〜3日(日) 1泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 2日:晴 3日:晴

【山域】 東山連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 鋸山・のこぎりやま・764.9m・一等三角点補点・新潟県
 桝形山・ますがたやま・718.5m・三等三角点・新潟県
 萱峠・かやとうげ・670m・なし・新潟県
 三ノ峠山・さんのとうげやま・468.6m・三等三角点・新潟県
【コース】 花立峠登山口から周回
【地形図 20万/5万/2.5万】 長岡/長岡/半蔵金
【ガイド】 なし

【山域】 東頸城丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 刈羽黒姫山・かりわくろひめやま・891m・なし(889.5m・二等三角点)・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/岡野町/石黒
【コース】 磯之辺コース
【ガイド】 新・分県登山ガイド「新潟県の山」(山と渓谷社)、新・にいがたファミリー登山(新潟日報事業社)

【時間記録】 
6月2日(土) 6:45 新潟=(北陸自動車道、中ノ島見附IC、R.17、R.352、栖吉 経由)=7:00 花立峠登山口〜7:16 発―8:25 花立峠―8:52 鋸山―9:16 花立峠―10:14 桝形山―10:18 萱峠〜11:05 発―12:12 コバ清水―12:31 花立峠登山口分岐―12:45 観鋸台―13:02 三ノ峠山―13:20 観鋸台〜13:35 発―13:50 花立峠登山口分岐―14:30 萱峠登山口―14:40 花立峠登山口=(栖吉、R.352、R.17、小千谷、R.117、R.252、岡野、高柳 経由)=18:00 磯之辺登山口  (車中泊)
6月3日(日) 5:15 磯之辺登山口―6:09 鵜川神社―6:20 刈羽黒姫山〜6:25 発―6:31 鵜川神社―7:03 磯之辺登山口=(高柳、岡野、R.252、R.116、R.8 経由)=9:50 新潟
 鋸山は、長岡市の東に連なる東山連峰の最高峰であり、古くからの信仰の山である。鋸山の名前は、小さな峰を連ねて、鋸に似ていることから付けられている。一等三角点が置かれ山頂からは、守門岳をはじめとする展望を楽しむことができ、地元の登山者にも親しまれている。三ノ峠山は、長岡市街地から望む時、東山連峰の主峰の鋸山の前に見える前衛峰である。北西部の山腹に長岡市営スキー場やファミリー牧場が設けられ、遊歩道や山小屋も整備されたことから最近では人気が高まっている。萱峠は、鋸山の南の稜線伝いにあり、牧場として使われていたため、芝地が広がっている。

 日本海に臨む米山の南東部の内陸部にあるこの山は、他の黒姫山と区別するため、刈羽黒姫山と呼ばれている。米山、八石山とともに、刈羽三山に数えられ、里人の信仰の山であり、各方面からの登山道が開かれ、山頂一帯には、ブナ林が残されている。

 5月12日に鋸山の環状縦走を行うつもりで花立峠登山口に到着したところ、登山道が通行止めになっており、他の山へと計画変更になった。家に戻ってネットで調べると、長岡市のホームページでは、「復旧の見込みは立っておりません」とのことであった。鋸山への利用者の多いメインコースでもあり、いつ復旧するのだろうと気にかかっていた。先週再び調べると、通行止めのアナウンスは見当たらなくなっていた。現状を確かめるため、改めて出かけることにした。
 早起きをして出かけたが、花立峠登山口の登山口に到着してみると、広場の脇の駐車スペースはほぼ埋まっていた。もっとも広場の中央や行き止まり国道の車道脇など、スペースはいくらでもある。
 通行止めになっていた個所が気になるので、まずは花立峠へ登ることにした。歩き始めの沢を見下ろすトラバース部で、土砂崩れが起きていた。土を削って道が付けられており、現在の状態は問題なく歩ける状態であった。土砂崩れ直後は沢への滑落の危険性が高かったものと思われる。すぐ先でも土砂崩れ部の通過があったが、こちらは以前に起きたもののように思われた。この部分の土砂崩れは、以前も起きている。
 木橋で沢を渡ってひと登りすると、左に烏滝の展望台が新たに造られていた。周囲の岩が黒いのが名前の由来であろう。その先は急な登りが続くようになる。以前は、杉林の中から沢に下り、その後は山頂めがけて登る長稜尾根コースが設けられていたが、入口を見ても判らなくなっていた。また山頂部の下降点も草が被って歩ける状態ではなくなっていた。残念ながら長稜尾根コースは廃道になってしまったようである。
 鋸山の西面は崖状に落ち込んでいるので、急登を頑張る必要があるが、昔からの峠道なので九十九折状態に道が続いていて歩きやすくなっている。ただ、上方に見えるのが稜線かと期待するが、これには何回か騙される。早くも下ってくる登山者にもすれ違うようになった。駐車場の車の多くは、早朝登山を行う地元民のものであったようである。右手が切り落ちて長工新道の通る稜線が見える細尾根に出ると、花立峠へはもうひと頑張りということになる。
 花立峠に到着して、まずは鋸山を往復した。稜線に上がってひと安心するためか、花立峠から鋸山へは、意外に遠く感じる。到着した鋸山の山頂は、途中で追い抜いた女性が一人到着しただけで、静かな雰囲気が漂っていた。昼になれば大混雑の山頂になるので、周回で歩く際には、まず鋸山を登ってしまうのが正解のようである。長岡市街地を良く見下ろすことができたが、反対側の守門岳は霞んでいた。気温が上がってきているためのようであった。
 花立峠に戻って、萱峠への長工新道へ進んだ。歩き始めは崖際を歩くため、各所で展望が開けた。尾根が広がるとブナ林となり、仁王ブナと書かれた木も現れた。小さなピークを越していき、萱峠手前の三角点ピークに掛かる所で、上がってくる登山道と合流した。三ノ峠方面からの登山道が整備されたようであった。この分岐からはひと登りで三角点ピークに到着した。ここには桝形山という標識が置かれていた。これまでこのピークは通り過ぎていたのだが、改めて山の名前を知ることができた。スノーシュー歩きなどえは萱峠を目的に歩くことが多かったが、今後は桝形山までもう一足延ばすことになろう。
 桝形山からひと下りすると三ノ峠山方面への登山道の分岐になった。窪地の萱峠への旧道は廃道になって、尾根沿いに上がってきてから、桝形山への直登コースと牧場跡へのトラバース道に分かれるように変わっていた。また、萱峠の標識も分岐先の平坦部といった中途半端な所に置かれていた。その先の高まりが、守門山塊、浅草岳、毛猛山塊、越後三山、巻機山の眺めが開けて休むには相応しい。一旦下った先が旧峠で、その先の高まりがコンクリート製の水道施設らしきものがあって、スノーシュー歩きで最終目的地にしている所である。腰を下ろして休むことなしに、ワラビ採りを行った。
 萱峠からはブナ林の中をトラバース道を進んでいくと、桝形山との分岐に出て、その先は尾根沿いの下りになった。この道も途中で登山道が溝状に窪んでおり、古くから歩かれている感じであった。下りの途中、長岡高専の学生らしき一団とすれ違った。長工新道の開設もこの学校のおかげである。また、三ノ峠山が良く知られるようになったためか、萱峠まで歩く登山者も多くなっていた。
 旧道に戻ってからは一旦登りになって、再び汗を流すことになる。振り返ると桝形山から花立峠付近へ続く稜線を良く眺めることができた。トラバース道を進み、竹之高地への林道跡を過ぎると、コバ清水が現れる。冷たい水を飲んで元気を取り戻した。先はまだ長い。
 緩やかな、しかし長く感じる下りを続けると、南蛮山方面への林道跡の分岐になる。竹之高地や南蛮山方面への林道跡は草も短く刈られて歩くには支障の無い状態に見えたが、夏草が茂ると状況は変わるのかもしれない。その先で歩き始めの花立峠登山口への下降点となる。
 ここで体力の残りを考え、もう少し頑張れるなと判断し、三ノ峠山を往復することにした。僅かに下った後、緩やかな登りが始まった。ベンチの設けられた観鋸台はそのまま通り過ぎて、戻ってきてから休むことにした。小ピーク手前で、尾根通しとトラバース道が分かれた。トラバース道を進むと、小ピークの先で再び合流した。1212年のGPSログを見ると、このトラバース道を歩いていた。尾根通りの道は、残雪期用に新しく開かれたもののようである。
 分岐からはひと登りで三ノ峠山の山頂に到着した。木立に囲まれて展望は無く、時間の関係もあってか誰もいなかった。引き返して観鋸台で大休止にした。鋸山から長工新道の通る稜線を振り返ることができ、縦走の最後に相応しい眺めであった。
 疲れもたまってきたが、花立峠登山口への下りをもうひと頑張りすることになった。地形図の破線とも異なったコースで登山道が続くが、歩く者が多くなったのか、以前よりも登山道はしっかりしており、迷う心配は無かった。沢を渡って砂防ダムの堰堤脇を過ぎると車道に下り立ち、後は車道歩きをもうひと頑張りすることになった。
 木陰で少し休んでから翌日の山として、ブナ林の美しい白倉コースを歩くつもりで刈羽黒姫山に向かった。岡田集落の細い道を抜けて小清水からの車道の合流点に出ると、
「平成27年6月1日から平成31年12月28日まで林道工事のため全面通行止め」と書かれた看板が置かれていた。歩行者の通り抜けもできないとのことで、白倉コースは諦めることになった。
 思わぬ計画変更となり、結局、磯之辺登山口から歩くことにした。磯之辺コースは、刈羽黒姫山のメインコースといえるが、他にも多くのコースがあるため、2007年6月以来歩いていない。
 高柳から磯之辺へは、カーブを交えながら一気に高度を上げていく道が続く。このような高所にと思ってしまう所で磯之辺集落が現れる。その先で農地の広がる台地に出ると、崖を落とし込む黒姫山の山頂が迫ってくる。岡野町から一気に300m上って、黒姫山の山頂まではあと500mほどとなる。
 黒姫山登山口は、草地の広場になっており、脇にはトイレが設けられている。広場の奥の林道幅の道が黒姫山の登山口になる。静かな夜を過ごして、早朝に歩きだした。
 林道幅の道をひと登りすると、黒姫キャンプ場跡の広場に出る。広場はきれいに草が刈られていたが、キャンプ施設としては竈跡くらいしか残されていない。現在では、キャンプ場といっても車横付けのものしか利用されないのであろう。
 キャンプ場跡から先は急な登りが続く。ひと登りした所で、鬼殺しの清水が現れる。地形図では一直線に破線が延びているが、実際には細かいジグザグが切られて歩きやすくなっている。途中からは、ブナ林の中の登りになり、麓を見下ろすことのできる展望地も設けられていた。途中には合目表示も設けられていたが、失われたのか見落としたのかで、飛び飛びの番号しか見なかった。
 苔むした石段を上がると木のお堂の鵜川神社の置かれた広場に出る。鵜川神社の後ろに上がってくる登山道には、白倉コースは通行止めで、清水谷方面には下山できると掲示されていた。
 三十三観音の脇をひと登ると山頂のいっかくに到着する。以前あったアンテナ施設は撤去されて草地に変わっていた。最近は、衛星を利用した通信方法に変わったのか、山頂に設けられたアンテナ施設が撤去されていることが多い。その先で避難小屋と石の祠が置かれた山頂に到着する。展望図には越後三山、巻機山、谷川連峰の名前が書かれていたが、霞んでいて見えなかった。むしろ付近の低山の名前を掲示して欲しかった。
 一気に山を下ると、登山口近くで一人の登山者とすれ違った。刈羽三山の中でも、米山や八石山と比べると、この山の登山者は格段に少ない。汗びっしょりとなって、時間は早かったが登山は終わりにして家に帰ることにした。

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