矢田城址、夢見平、笹ヶ峰一周歩道、花房山、八石山

矢田城址
夢見平、笹ヶ峰一周歩道、花房山
八石山


【日時】 2018年5月25日(金)〜27日(日) 2泊3日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 25日:晴 26日:晴 27日:晴

【山域】 東頸城丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 矢田城跡・やたじょうせき・80m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 長岡/柏崎/塚野山
【コース】 矢田ポケットパーク駐車場より
【ガイド】 無し

【山域】 妙高連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 夢見平・ゆめみだいら・1230m・なし・新潟県 
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/妙高山/妙高山
【コース】 乙見湖より
【ガイド】 新潟ファミリー登山

【山域】 妙高連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 笹ヶ峰一周歩道・ささがみねいっしゅうほどう・1300m・なし・新潟県 
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/妙高山/妙高山
【コース】 乙見湖より
【ガイド】 なし

【山域】 妙高連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 花房山・はなふさやま・460.1m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/飯山/猿橋
【コース】 高床花房線より
【ガイド】 なし

【山域】 東頚城丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 八石城址・はちこくじょうし・430m・なし・新潟県
 上八石山・かみはちこくさん・494.9m・三等三角点・新潟県
 中八石山・なかはちこくさん・518m・なし・新潟県
 下八石山・しもはちこくさん・513.8m・二等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/岡野町/法坂
【コース】 不動滝登山口から久之木登山口へ
【ガイド】 なし

【時間記録】
5月25日(金) 12:30 新潟=(R.8、R.116、R.402、R.116、西山 経由)=14:40 矢田ポケットパーク〜14:45 発―14:54 遊歩道入口―15:05 矢田城址―15:14 遊歩道入口―15:21 矢田ポケットパーク=(柏崎、R.8、直江津、R.18、妙高高原、杉野沢温泉 経由)=18:15 乙見湖  (車中泊)
5月26日(土) 6:03 乙見湖―7:35 避難小屋分岐―7:55 地蔵桂〜8:08 発―8:22 避難小屋分岐―9:32 夢見平―10:11 乙見湖=10:50 乙見湖側遊歩道入口―11:18 清水ヶ池〜11:26 発―11:06 宇棚の清水―12:00 笹ヶ峰神社―12:22 乙見湖側遊歩道入口=(杉野沢温泉、妙高高原、R.18、稲荷山 宮野原 経由)=13:35 林道分岐―14:00 花房山―14:22 林道分岐=(宮野原、稲荷山、R.18、直江津、R.8、鯨波、安田、北条、飛岡 経由)=16:15 不動滝駐車場  (車中泊)
5月27日(日) 5:25 不動滝駐車場―5:52 石川分岐―6:19 八石城址―6:36 上八石山―6:40 八王子分岐―6:42 婆石展望小屋跡―7:06 中八石山〜7:12 発―7:24 久之木峠―7:45 下八石山〜7:50 発―8:03 久之木峠―8:43 久之木登山口―9:06 不動滝駐車場=(飛岡、北条、柏崎、R.8、R.116、R.8 経由)=11:35 新潟

 矢田城址は、柏崎刈羽の丘陵地にある山城である。北条毛利氏の城代家老を務める石口広宗の居城で、「御館の乱」では、上杉景虎側について、毛利景広が戦死した後に北条城を死守した。戦後に上杉景勝にその忠臣ぶりを評価されて許され、上杉軍の猛将として各地を転戦し、越中・魚津城に於ける籠城軍の武将達と共に討死した。

 夢見平は、妙高笹ヶ峰の乙見湖南岸に広がる台地にある湿原である。かつての森林伐採のためのトロッコ軌道敷を利用した遊歩道が整備されている。春には、ミズバショウやニリンソウをはじめ多くの花に出会うことができる。

 1200から1300mほどの高地に広がる笹ヶ峰牧場には、笹ヶ峰一周歩道が設けられ、周辺の山を眺めながら歩くことができ、途中には清水ヶ池や宇棚の清水などの見どころがある。

 花房山は、妙高山麓近くの関川左岸にある高床山の南に位置する山である。

 八石山は、柏崎市と小国町の境界に位置する山である。柏崎地方では、八石山、米山、黒姫山をまとめて、「刈羽三山」と呼んでいる。八石山は、三つの峰からなり、北に位置する二等三角点の置かれた513.8m峰を下八石山、最高点の518m峰を中八石山、南に位置する三等三角点の置かれた494.9m峰を上八石山と呼ぶ。各方面からの登山道が整備され、 下八石山の山頂には二軒の避難小屋が設けられ、地元の人気の山になっている。

 この時期恒例の妙高夢見平に花を見に出かけることにしたが、途中で柏崎の矢田城址によっていくことにした。この一帯の丘陵地には、上杉配下の武将の山城が幾つも築かれていて、なかなか訪れきれない。
 国道116号線から刈羽交差点で県道73号線に進むと、先日も訪れた赤田城址の入口を通り過ぎる。赤田城の城主の斉藤下野守頼信は景勝側の猛将として知られており、矢田城ににらみを効かせていたようである。
 矢田集落に到着すると、県道73号線沿いに矢田ポケットパークという駐車場があり、ここには石口広宗と矢田城址について書かれた石碑も置かれていた。駐車場脇から標識に従って南に進む車道に進んだ。山城のある丘の麓に到着すると、T字路に出て、地形図には出ていない車道を左に進むことになった。尾根の張り出し部の切通しを抜けて反対側に出ると、案内の標柱が置かれた矢田城址登山口に到着した。ここまでは普通の車道で、車で入ってくるのも問題の無い状態であった。
 杉林の中の登りとなった。尾根に向かう階段状の道があったので周囲をあまり見ずに進むと、道は尾根を横断して下っていった。尾根通しの踏み跡に進むと、壊れたテレビ中継器があり、その先の曲輪跡らしい台地で道が判らなくなった。良く見ると、左手から遊歩道が上がってきていた。帰りにはこの道を使うことにした。
 丸太階段で整備された登山道を登っていくと、再び曲輪に出て、さらにひと登りで本丸に到着した。台地状の本丸からは、刈羽の平野部の展望のみで、他は木立に隠されていた。天守閣風の絵が描かれた看板が置かれていたが、山城としては間違った形になる。
 下りは、途中で見つけた登山道を下ったが、登り始めの杉林の中で合流した。登りの際に、左に曲がる看板を見落としたのがコースアウトの原因であった。本丸からは南に下る道もあって、他にもコースがあるようである。矢田城は、赤田城に比べると、規模の小さな山城であった。
 夕方に乙見湖に到着した。星空撮影の練習のために、笹ヶ峰周遊歩道の入口の空き地で夜を過ごした。すぐ上の空き地は、ヘリポートになっており、カバーを被せたヘリコプターが駐機されており、車の進入はできなくなっていた。この日は半月で、残雪の筋を引いた三田原山が月明かりに照らされていた。
 朝になって乙見湖のダムサイドの駐車場に移動した。すでに4台の車が停められていたが、この日の登山者は少なかった。
 ダムの堰堤に進むと、湖面の向こうに豊富な残雪をまとった焼岳や金山の眺めが広がった。足が停まってしまう眺めであった。堰堤を渡った先は、急な階段登りになる。ひと汗かいて階段を登りきり、改めて、山の眺めを楽しんだ。例年と同じく、階段上には雪が残っていた。
 一段上からは、新緑に彩られた水平道が続く。途中で現れたミズバショウも葉が巨大化して花が終わっていた。夢見平のミズバショウは、期待薄のようであった。ニリンソウは、早朝とあって花はまだ開いていなかった。蓑池にはサンショウウオの卵が浮かんでいた。ここの歩きの目的の一つであるシロバナエンレイソウを探しながら歩いていくと、見つけることができた。
 短い周回コースのうさぎコースから分かれてきつねコースに進むと、杉林の中の九十九折の登りが始まる。ツバメオモトやサンカヨウも現れて花を楽しむことができた。台地を越して緩やかに下っていくと、未舗装の林道に飛び出し、林道終点部には避難小屋が建てられている。
 ここから製材跡への道が始まるが、まずは地蔵桂に向かった。林道を進んでいくと、地形図には書かれていない林道が右に分かれる。350mほどで右手に地蔵桂の大木が現れる。木の周りには、一面にニリンソウが咲いて、大木を飾り立てていた。ニリンソウの中には、イチリンソウも見ることができた。
 避難小屋分岐に戻って、製材所跡へ進んだ。緩やかに下っていくと、製材所跡の台地に出た。製材機械の部品やコンクリートの土台も残されており、静かな森の中の廃墟として、時が止まったような不思議な雰囲気が漂っていた。
 その先は、トロッコ軌道跡の水平道が続く。時おり乗り越し部が現れるが、トロッコ軌道跡が土砂崩れで崩壊したための迂回路部分のようであった。ニリンソウに彩られた台地に出ると、ハルニレの大木が現れる。そろそろ歩きにも疲れが出てくると、六美展望台に出る。崖の縁からは、三田原山が大きな姿を見せていた。
 水平道から夢見平へは、手前と奥の二か所のルートがあるが、手前の分岐でその先は通行止めになっていた。「都合により通行止デス」と書かれていたが、都合によりというのは見たことがない。
 緩やかに下っていくとしょうぶ池に出て、分岐を左折すると少し先で夢見平に到着する。やはりミズバショウの花はほとんど終わっていた。それでも三田原山が美しい姿を見せていた。ミズバショウが終わっていることが知られているのか、誰もいなかった。
 しょうぶ池に戻って、乙見湖に向かった。静かな歩きを続けて再び水平道に戻ると、登山者にもすれ違うようになった。
 駐車場に戻り、時間も早かったので笹ヶ峰一周歩道を歩くことにして車を動かした。遊歩道入口には、案内板も置かれていたので、それを参考にした。
 トクサ沢に下ってから登り返すと、牧場の下部に出る。牧場は柵で囲まれており、遊歩道はそれに近づいたり離れたりしながら続いていた。水平道を歩いていくと、清水ヶ池に出た。小さな池であったが、木々が湖面に影を写し、残雪をまとった金山と焼山、三田原山が美しい姿を見せていた。
 清水ヶ池の東端にはトイレも設けられており、笹ヶ峰グリーンハウスからのものと思われる未舗装の林道が入り込んでいた。林道のすぐ先から遊歩道に入り、緩やかな登りを続けていくと、宇棚の清水に出た。勢いよく沢が流れており、この上部に沢が無いので湧き水であることは判るのだが、水が湧き出ているところが見られないのは残念であった。パイプの水場が設けられていたので、喉をうるおした。
 宇棚の清水から先は、両脇が牧柵に囲まれた中の歩きになった。周囲は広々とした草原が広がっているのに、歩けるところが柵の間の遊歩道に限られているのは残念であった。石の祠が三つ並んだ笹ヶ峰神社を過ぎると、トクサ沢に沿った下りになり、沢に掛かる橋の近くで一周を終えることになった。
 時間もまだ早かったので、もう一か所ということで、花房山を訪れることにした。この山には展望台が設けられているようなので、登山道が整備されているはずであった。
 車のナビをセットしたが、中郷区福崎付近から農道を示すので、山頂近くに通じる林道に入るのに苦労した。宮野原から林道に入り、ひと上りすると、三叉路に出た。「展望台1500m」という案内板が置かれており、山頂方面に続く「高床花房線」は未舗装であったため、ここから歩きだすことにした。カーブをまじえながら歩いていくと、「展望台500m」の案内板があり、未舗装の林道に進むことになった。一旦下ってから登り返すと、「展望台5分」の案内板が現れて、ここからは登山道の歩きになった。
 ひと登りで杉林の広がる山頂に到着し、右に曲がると三角点が現れた。また左に曲がって少し下ると木製のテラスになった展望台で出た。東の関田山塊方面の眺めが開けていたが、山の位置で期待していた西側の妙高山塊の眺めでないのは残念であった。
 車に戻って、翌日の八石山のために柏崎に向かった。八石山は、各方面からの登山道が開かれているが、代表的ピークをつないで歩くことのできる不動滝からの周回コースを歩くことにした。不動滝の駐車場で夜をあかした。
 車止めを過ぎた先に登山道入口がある。杉林の中に進み、すぐ先で深く抉られた沢を木の橋で渡って、尾根の末端部に取り付く。細尾根の急登りがしばらく続く。きつい登りであるが、一気に高度が上がり、背後に飛岡集落の眺めが広がるようになった。
 ひと汗かいて尾根の上に出ると、石川からの登山道が合流する。石川方面の登山道も良く整備されている。この登山道も宿題になっている。この先も、緑の濃い林の中の登りがしばらく続く。標高430mの台地が八石城址で、広場にはパイプを組み立てて作った休憩所の楓亭が設けられいる。崖の縁に進むと、下八石山の山頂を望むことができるが、まだ遠かった。
 この先は、小さなアップダウンの続く尾根道が続いた。登山道の真ん中に三角点が現れて、上八石山に到着したことを知った。山頂標識は無く、八石城址側はほぼ平坦なため、三角点が無ければ山頂とは気が付かない山頂である。
 緩やかに下って登り返すと八王子との分岐になる。この八王子コースも宿題になっている。その先で、ステーキハウス八石からのコースが合わさる婆石展望小屋跡に出る。急坂を下って登り返すと中八石山に到着した。山頂部はきれいに草が刈られて、中央に櫓状のアンテナ施設が置かれている。展望図も設けられて、周囲の展望が広がっている。越後三山や谷川連峰方面も眺めることができたが、春霞でもやっており、展望を楽しむには初冬の晴の日に登るのが望ましい。この中八石山は、現在人気の下八石山よりも展望は優れているが、登る者は少ない。
 目指す下八石山を望むと、大きく下ってからの登り返しが大変そうに見えた。ロープも張られた急坂を標高差にして100m下ると久之木峠に到着。ここから同じだけ登り返すことになる。草が刈られて歩きやすくなっているのには助かった。
 急坂を登り返ると台地状の下八石山に到着。下八石山の山頂には山小屋が二軒設けられており、各所にベンチが設けられている。先回は、早朝にもかかわらず小屋の中から酒盛りの声が聞こえていたのだが、この日は誰もいなかった。後で知ったのだが、この日は八石山の山開きが行われたようで、常連客はセレモニーのために登山口に集まっていたようである。
 久之木峠に戻って、下山に移った。少し下った御堂平から先は、トラバース道が続くようになる。草が生えて足元が見えづらく、泥斜面に注意しながらの歩きになった。あと僅かというところで、草刈り機を担いだ10数名のグループに出会った。集落総出で登山道の整備に上がってきたようである。久之木峠登山口の駐車場も軽トラックで満車状態になっていた。
 後は、車道歩きを頑張ることになった。25分ほどの歩きなので、我慢のうちであった。

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