大倉山

大倉山


【日時】 2018年3月24日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 会越国境
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 大倉山・だいくらやま・950.2m・三等三角点・新潟県、福島県
【コース】 安座川沿いの林道より
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/野沢/安座
【ガイド】 会津百名山(歴史春秋社)

【時間記録】 6:05 新潟発=(R.49、西会津、安座 経由)=7:50 林道大山美坂高原線分岐〜8:18 発―11:52 大倉山〜12:05 発―13:58 林道大山美坂高原線分岐=(往路を戻る)=16:30 新潟着
 大倉山は、西会津の西側、新潟と福島の県境線上にあるピークである。周辺には、標高は低いながら雪崩に磨かれたスラブを抱く峻険な山が連なっているが、大倉山は比較的なだらかな山頂を持っておりあまり目立たない山である。この山の北側には大倉峠があり、この峠道は、かつては新潟側の最奧の集落の柴倉の生活路として使われていたというが、津川方面の車道の整備によって、消えようとしている。

 ここのところ土日に登山日和が巡ってくるという良い周期になっている。開花情報の伝わってきている雪割草をどちらの日に行くか迷ったが、1日でも開花の進んだ日曜日に行くことにして、土曜日は雪山とした。お彼岸の日に古道山から大倉山が見えたことから、この山に決めた。コースは、西会津側からとした。
 津川に入ると霧が立ち込めて、雨も降りだした。迷ったが、天気が回復することを祈って車を進めた。安座の集落で橋を渡って、安座川の左岸に沿って延びる道に進む。関根集落に向かって分かれる林道大山美坂高原線の起点部で除雪は終わっていた。先回は、林道の除雪が少し先の作業施設までされていたが、今回は林道歩きが少し延びることになる。到着して周囲を見回しているうちに雨も止んで、登山もできる状態になった。
 雪の状態を確認すると、靴が数センチ潜る状態であった。三日前の古道山では雪も締まっていたので、スノーシューを持ってこなかったことを後悔することになった。ワカンをザックにくくりつけて歩き出した。雪の上にはつぼ足歩きの跡が見られた。
 杉林を抜けると、作業施設があり、その先で橋を渡って右岸に移る。橋詰付近の杉林を登れば、上部を通過している林道に出るはずであるが、雪も柔らかく、急斜面に苦労しそうなので、忠実に林道を辿ることした。林道の中央部の雪が無くなって、池になっているところもあった。
 橋から400m程で大倉山の中腹に向かう林道が分かれる。結構距離があるので、帰りはショートカットしようという気が起きてくる。
 林道はひと登りした後、来た方向に折り返し、橋のほとんど真上で折り返す。その先のカーブ地点で、林道から別れて杉の植林地の中に進んだ。見通しの効かない杉林の中で、あらかじめGPSに入力したルートに従いながら登りを続けた。589点の北側から大倉峠に続く破線道の通過してる西側に向かった。
 ようやく杉林を抜けることができ、後は幅広尾根の登りが続くようになった。靴は5センチほど雪に潜る状態で、ワカンを履くほどではないものの、速度の上がらない歩きになった。ただ、キックステップも容易に入るので、急斜面も問題なく登れる状態なのは良かった。
 705点を過ぎると、左に沢の突き上げの窪地を見ながら痩せ尾根を辿ることになった。尾根の状態が悪い時は、一旦窪地に下りた方が安全である。尾根が南に方向を変えると、再び幅広尾根に変わる。ひと登りすると、幅広の雪原となって、飯豊連峰の眺めが広がる。稜線部は雲で隠されていたので、下山時を期待することにした。
 幅広尾根が延びている先に山頂があるためか、なかなか山頂が目に入ってこない。ようやくドーム型のピークが見えてきて山頂かと思ってしまうが、これは手前の940mピークで、大倉山は次のピークである。幸い、940mピークから先は、さほどの登りではない。ただ、天然杉の林があり、梢の雪が融けて雨降り状態になっており、予期せぬ難所になっていた。
 大倉山の山頂は雪原になっており、日向倉山や台倉山、磐梯山の眺めが広がっていた。尾根の延びる方向の関係で飯豊連峰が見えないのは残念である。
 ここまでの登りで時間もかかっており、休憩も短時間にして下山に移った。下山は、重力まかせの早歩きになった。途中の展望地で足を停めて真っ白な飯豊連峰の写真を撮った。大倉山の魅力は長々と続く雪原歩きとここの眺めといって良い。
 杉林に戻ってからは、踏み跡を見落とさないように辿った。下山時には、右寄りに下っていく必要があり、感覚頼りだと真直ぐ下ってしまってコースアウトしかねない。
 林道に戻り、トラバース部に入ったところで下を見ると、杉林の中は下れる斜度なので、ショートカットすることにした。杉林の中は、足がずぼずぼ潜ったが、滑落の心配がないのは良い点であった。結局、橋の少し南側で林道に下り立った。後は、林道歩きに力を振り絞ることになった。
 家に戻って先回の記録と比べると、大幅に時間がかかっていた。今回の雪の状態なら、スノーシューを履くのが望ましかった。教訓としては、「雪山に出かける時には車にスノーシューをつんでいき、現地で雪の状態を見て装備を考える」ということになる。

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