花見山、鳴沢峰、菅名岳

花見山から鳴沢峰、菅名岳


【日時】 2017年11月5日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 菅名山塊 【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 花見山・はなみやま・649.1m・三等三角点・新潟県
 大谷山・おおたにやま・660m・なし・新潟県
 鳴沢峰・なりさわみね・880.1m・三等三角点・新潟県
 菅名岳・すがなだけ・909.2m・二等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/新津/馬下
【コース】 小山田彼岸桜樹林駐車場より周回
【ガイド】 無し

【時間記録】 5:25 新潟=(R.49、馬下橋 経由)=6:20 小山田彼岸桜樹林駐車場〜6:43 発―8:14 花見山―8:36 鹿返道―9:36 鳴沢峰―10:16 菅名岳〜10:32 発―11:33 椿平―12:03 尾根上―12:20 菅名岳登山口―12:32 小山田彼岸桜樹林駐車場=(往路を戻る)=13:20 新潟
 菅名山塊は、蒲原平野の東端に阿賀野川と早出川に挟まれ、五頭山塊と川内山塊の中間に位置する山塊である。北より鳴沢峰、菅名岳、910ピーク(三五郎山)、大蔵岳と頂稜を連ねている。美しいブナ林、酒の仕込み水として有名になったどっぱら清水など、手頃に自然と親しむことのできる山である。菅名山塊には、多くの登山道が整備され、周遊コースをとることもでき、下越地区における人気の山のひとつになっている。

 菅名山塊は、新潟市からも近く自然度も高くて良い山であるが、問題は蛭で、シーズンは限られている。三連休最終日ということで道路も混雑が予想され、近場の山として菅名岳に出かけることにした。コースは、花見山から鳴沢峰、菅名岳と周回することにした。
 小山田彼岸桜樹林駐車場に到着してみると、その先の林道は工事のために通行止めになっていた。鳴沢峰への最短コースの五葉尾根はしばらく林道工事のために通行止めになっているが、現在の状況は、下山時に確かめることにして、花見山から登ることにした。三連休にもかかわらず、他に車は停まっていなかった。
 小山田彼岸桜樹林として公園化されているが、歩き始めは階段登りが続いて息が切れる。桜の大木が現れるようになると傾斜は緩やかになって尾根上に出る。ここからは、送電線鉄塔に向かうが、その手前は夏草が茂っており、登山者は少ないようであった。鉄塔下に出ると、その先はしっかりした刈り払い道になっていた。特に二番目の鉄塔に向かう急斜面は、幅広く刈り払いが行われており、逆にジグザグに付けられた登山道を辿るのに注意が必要な状態であった。二番目の鉄塔に出ると、平野部も一気に下に遠ざかっていた。前方には、花見山の山頂も望むことができ、ひと息入れることになった。
 少し下った後に尾根を辿ると、再び急な登りが始まる。前日の雨で濡れ落ち葉で覆われた泥斜面が滑りやすくなっており、足元に注意が必要であった。送電線巡視路を左に分けた後、ブナ林の中を登っていくと灌木帯に変わっていき、傾斜が緩やかになった尾根を少し辿ると、花見山の山頂に到着する。三角点の周りの刈り払い部も、以前よりも狭まって灌木が延びてきている感じであった。目の前の五頭山塊や阿賀野川、新潟平野を望むことのできる展望ピークであるが、前夜の雨の影響か遠望はきかず、飯豊は見えなかった。台地の先にはピラミッド型をした鳴沢峰を望むことができ、気合を入れなおすことになった。
 花見山から一旦下った後、大谷山への登りが始まる。ブナ林が広がって、深山の趣がただよっている。登り返して台地状のピークの上に出ると、鹿返ノ峰という標識が取り付けられているのに気付いた。花見山と大谷山は、踏み跡しか無い時から歩いてきたが、最近になって、三角点ピークに大谷山と書いた標識が置かれるようになったが、大谷山と呼んできたこのピークも鹿返ノ峰と呼ばれるようである。新潟の山のバイブルといえる藤島玄氏の「越後の山旅」では、この660mピークは大谷山と書かれているので、この標識をどのような人が取り付けているのか知りたい。
 大谷山から僅かに下ると鹿返道と看板が置かれた広場に出て、ここには馬下保養センターからの登山道が合わさる。この道もしばらく歩いていないので確かめたいと思っているのだが、この先の五葉尾根分岐には、「保養センターコースは、現在、登山道としてご案内しておりません。ご了承下さい。 五泉市役所商工観光課」と書かれた案内板が置かれていた。分岐から見た限りは廃道にはなっていないようであったが、どのような状態なのだろう。
 鹿返道からは、大下りになって、前方の鳴沢峰の山頂が高みに遠ざかってしまう。細尾根に変わると、灌木の枝が足にあたるようになった。沢向こうの斜面のブナ林は、すっかり葉を落としていたが、幹が朝日に照らされて輝いて美しい姿を見せていた。再び急登が始まって、一番の頑張り所になった。泥斜面で滑りやすく、固定ロープも握りながらの登りになった。
 急登を終えると、五葉尾根コースとの分岐になる。五葉尾根コースの状態はとみると、立ち入り禁止のロープもなく、良く整備された登山道が下っていくのが見えた。再び歩けるようになったようである。次回は、五葉尾根コースを歩いて確かめることにしよう。
 分岐から先は、傾斜が緩くなった尾根をもう少し尾根に辿ることになる。尾根が右に曲がる所で、左に花咲温泉コースが分かれる。このコースも刈り払いは行われて、登山禁止のようなロープも張られていなかった。
 分岐からすぐ先が鳴沢峰の山頂である。山ランの一団が休んでいた。最近は、山ランの若者に多く出会うようになったが、山との向き合い方が登山とは違っているのが気に入らない。
 鳴沢峰からは、細尾根歩きが続き、途中の小ピークからは展望が開けるので、度々足が停まった。最後の坂を登り切ると、菅名岳の山頂に到着した。菅名岳は、人気の山であるはずなのだが、誰もいないのに驚かされた。三連休の初日にほとんどの人が登ってしまったということか。青空が次第に広がってきて、白い筋をひいた飯豊連峰も見え始めていた。大休止にしている間に3名の登山者が現れたが、それにしても静かな山頂である。
 丸山尾根の下りは、山頂直下が急斜面である。階段状に整備されているが、滑りやすく、一段一段注意しながら下ることになった。途中で、数名の登山者にはあったが、それにしても少なかった。下っていくと、ブナ林の紅葉が盛りになって、カメラを首に下げての歩きになった。黄金色に輝くブナ林は美しかった。雲が隠された太陽が現れるのを待つために、足を停めて待つこともあって、歩きのペースとしては大幅ダウンになった。杉の植林も現れると、紅葉の眺めも終わりになって、カメラをしまって歩きに専念することになった。尾根から外れると急斜面の階段下りになる。横木が滑りやすく、土の部分に足を下ろすために前かがみになるため、途中で腰が痛くなった。鳴沢峰への急登よりも、体にはこたえた。
 下り立った沢の上流部には、大きな砂防ダムが工事中であった。完成までにはもう少し時間がかかるようであった。林道に出ると、五葉尾根方面の案内板も置かれており、ルートは再開していることが改めて確かめられた。この登山口からは、林道歩きも僅かで小山田彼岸桜樹林駐車場に戻ることができた。
 紅葉も山の麓に下がってきており、紅葉の山を楽しめるのも、今シーズンはこの日で最後かもしれない。

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