一切経山、東吾妻山

一切経山・東吾妻山


【日時】 2017年10月1日(日) 前夜発日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 吾妻連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 一切経山・いっさいきょうざん・1948.8m・一等三角点本点・福島県
 東吾妻山・ひがしあづまやま・1974.7・三等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 福島/福島、吾妻山/土湯温泉、吾妻山
【コース】 浄土平より周回
【ガイド】 アルペンガイド「東北の山」(山と渓谷社)、山と高原地図「磐梯・吾妻・安達太良」(昭文社)

【時間記録】
9月30日(土) 15:00 新潟=(R.49、会津坂下、磐梯、猪苗代、R.115、土湯峠、磐梯吾妻スカイライン 経由)=19:30 兎平  (車中泊)
10月1日(日) 5:50 兎平―6:08 浄土平入口―6:40 酸ヶ平分岐―7:12 一切経山〜7:33 発―8:13 酸ヶ平分岐―9:05 姥ヶ原分岐―9:48 東吾妻山―10:05 展望台〜10:22 発―11:24 景場平―11:55 鳥子平登山口―12:14 兎平駐車場=(往路を戻る)=16:10 新潟
 福島・山形県境に広がる吾妻連峰は、東北では飯豊・朝日に次ぐ大きな山塊である。主稜線は、一切経山から烏帽子山、東大巓、西吾妻山へと、2000m級の峰々を連ねて続いている。東大巓を境に、その東を東吾妻、西を西吾妻と呼ぶ場合がある。東吾妻を代表するピークは、一切経山であり、磐梯吾妻スカイラインの開通によって浄土平から容易に登れることから、多くのハイカーで賑わっている。その南の東吾妻山は、鎌沼や姥ヶ原の散策と合わせて、登る者も多い。

 標高の高い山では紅葉が始まっているようである。翌週からインドに出かけるので、紅葉の盛りを逃す可能性がある。今回は、紅葉を目的に山を考えることになった。土曜の午前中に用があって山歩きは日曜だけになるので、そう遠くないということで、一切経山から東吾妻山への周回コースを歩くことにした。このコースは、展望が良いことに加えて湖や湿原の眺めも楽しむことができる。歩き慣れたコースであるが、先回の2011年8月から結構間が開いてしまっていた。これは、一切経山で火山噴火の危険度が増して、浄土平からの登山道が閉鎖されてしまっていたためである。
 午後に家を出て、一般道を走って夜になってから浄土平に到着した。いつもは無料の兎平駐車場で夜を過ごすのだが、結構車が停まっていた。浄土平駐車場も混み合っているようであった。一旦戻り、兎平駐車場を過ぎた先の兎平と標識の立つ路肩スペースに車を停めて、夜を過ごすことにした。結果的には、ここで車を停めたのは正解であったことを翌日知ることになった。
 夜が明けると、道路沿いの木立が紅葉して、朝日に赤く染まっていた。歩いて浄土平に向かうと、噴煙が上がる一切経山が見えてきた。火山活動は依然として活発なようであった。駐車場手前から湿原に巡らされた木道に進むと、酸ヶ平への登山道に出ることができた。早朝にもかかわらず登山者や三脚を持ったカメラマンが多く見られた。直登コースは閉鎖になっているので、酸ヶ平に向かった。沢越しに噴気を眺めながら登っていくと、急坂も僅かで台地に出て、酸ヶ平の避難小屋が見えてきた。
 三叉路から避難小屋に向かい、沢を越すとガレ場の急坂になる。登りの途中振り返ると、酸ヶ平の湿原や鎌沼が眼下に遠ざかっていった。直登コースからのトラバース道が合流するとこの先は緩やかな登りになる。砂礫地で吹きさらしのため、強風が吹き抜けて、体が冷えてきた。
 一切経山の山頂に到着して、まずは五色沼の眺めを楽しむため、北側の下り斜面の縁に進んだ。写真撮影の前に、風対策のために雨具の上着と毛糸の帽子を着込むことになった。五色沼は青い湖面を広げ、湖畔の木立も紅葉に染まっていた。池の向こうには、家形山から東大巓に続く稜線が広がっていた。素晴らしい眺めであるが、腰を下ろしてゆっくり休むには、風が強すぎた。西吾妻山や磐梯山の写真を撮りながら戻ることになった。下りの途中には、続々と登山者が登ってきていた。
 三叉路に戻って鎌沼に向かった。木道が整備されて、のんびりと歩くことができる。草紅葉も進んだおり、その間に生えた灌木の葉が赤く染まっていた。鎌沼の西岸遊歩道に進み、浄土平からの登山道に出てから姥ヶ原分岐に向かった。
 姥ヶ原分岐からは、樹林帯の中の見通しのない道が続く。東吾妻山は、一切経山よりもきつく感じる登りが続く。山頂手前でガレ場の登りになると、背後に一切経山から西吾妻山の稜線が一望でき、足を停めて写真撮影になった。雲もほとんどない、絶好の登山日和になっていた。
 東吾妻山から鳥子平に向かうと、笹が倒れこんで、藪化が進んでいた。ひと下りしたところの展望台でひと休みした。磐梯山の眺めが広がっていたが、山頂には雲がかかっていた。この先は、雨水で削られて、登山道の荒れ方がひどくなった。木の根が出ていたり、苔の生えた岩が出ていたりして、足場を確認しながら下る必要があった。以前よりも登山道の荒廃が進んでいた。登山道の整備が進んでハイキング気分で歩ける一切経山とは大違いであった。
 途中の馬場平の湿原では、湿原の向こうに東吾妻山の山頂が緩やかに広がる様子が見えて、ひと息つくことができた。池もあって美しいところである。この先も、悪路を耐えながらの下りが続いた。
 東吾妻山の鳥子平コースは、展望台や馬場平での眺めで魅力あるコースであるが、現在の登山道の荒廃の状態だと、この先が心配になる。
 最後の車道歩きを頑張っていると、兎平近くで、浄土平方向に向かって車の列が続いているのに出会った。紅葉の盛りとあって、駐車場に入れないで渋滞しているようであった。列の最後尾から浄土平の駐車場へは2kmほどはありそうであった。浄土平や兎平の駐車場も大混雑になっていそうであったので、手前の路肩で車を停めておいたのは正解であった。
 浄土平は、紅葉めあての観光客で大混雑になるということを改めて思い知った。
 
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