浅草岳、愛宕山

浅草岳
愛宕山


【日時】 2017年7月14日(金)〜16日 前夜発2泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 15日:曇り 16日:曇り

【山域】 守門・浅草岳
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 浅草岳・あさくさだけ・1585.5m・一等三角点本点・新潟県、福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/守門岳/守門岳
【コース】 ムジナ沢コース
【ガイド】 山と高原地図「越後三山・卷機山・守門岳」(昭文社)
【温泉】 浅草山荘 620円

【山域】 谷川連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 愛宕山・あたごやま・360m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/十日町/塩沢
【コース】 吉山新田より
【ガイド】 なし

【時間記録】 
7月14日(金) 15:40 新潟=(R.49、R.403、加茂、R.290、森町、R.290、栃尾、R.290、渋川、R.252、大白川 経由)=18:00 五味沢  (車中泊)
7月15日(土) 5:00 ムジナ沢登山口―6:02 ヤジマナ沢―7:19 桜ゾネ広場―8:50 カヘヨノポッチ〜8:55 発―9:20 前岳分岐―9:43 浅草岳〜10:05 発―10:22 前岳分岐―10:46 カヘヨノポッチ―11:48 桜ゾネ広場―12:51 ヤジマナ沢―13:00 発―14:04 ムジナ沢登山口=(大白川、R.252、小出、R.17、六日町、R.291 経由)=18:00 吉山新田  (車中泊)
7月16日(日) 5:10 吉山新田登山口―5:30 愛宕山頂上―5:35 踏み跡終点―5:42 愛宕山頂上―6:00 吉寺コース登山口―6:13 吉山新田登山口=(R.291、小出、R.252、渋川、R.290、栃尾、R.290、森町、R.290、加茂、R.403、R.49 経由)=9:10 新潟
 浅草岳は、江戸時代より越後と会津を結ぶ交易路として利用されてきた六十里越と八十里越に挟まれた新潟と福島との県境沿いにある山である。なだらかな山容の西面に対し、福島県側の浅草岳から鬼ヶ面山に続く稜線の東側は、大岩壁になって、対称的な姿を見せている。一般には、歩行時間の短いネズモチ平あるいは桜曽根から登る者が大部分であるが、沼の平のブナ林と組み合わせることのできる入叶津に至るロングコース、急登の連続となるが鬼ヶ面山の岩壁の眺めが素晴らしい田子倉登山口からのコース、六十里越峠から岩壁の縁を辿りながら鬼ヶ面山を越して浅草岳に至るコースなど、それぞれ特徴のあるコースを楽しむことができる。

 愛宕山は、谷川連峰あるいは巻機山の登山口である清水から流れ出る登川左岸にあり、飯士山から北東に延びる尾根が魚沼平野に落ち込む所に位置する里山である。

 海の日がらみの三連休ではあるが、天気予報では、最初の土曜だけで、あとは雨に見舞われそうである。手術後の体調も良さそうなので、そろそろ本格的な山とは思うものの、体力低下でスピードも上がらないので混み合う山は避けたい。慣れ親しんだ山でまだ歩いていないコースを考えていくうちに、浅草岳のムジナ沢コースが思い浮かんだ、ムジナ沢コースは、浅草岳へのクラシックルートで、藤島玄氏の「越後の山旅」でも最初に紹介されている。
 猛暑が続いているため、早朝歩きをするために前夜に五味沢に入った。前日のうちに登山口の確認を行ったが、ムジナ沢に掛かる橋の手前から沢に向かって下る旧車道があり、その入口には「浅草岳ムジナ沢登山口」の案内板が置かれていた。旧車道を下っていくと、ムジナ沢の右岸部から登山道が始まっていた。山道に入ったとこころには、上部の字が消えて、登山口としか読みとれない標柱が立っていた。登山道の状態も、しっかり刈り払いされていたので、予定通りにムジナ沢コースから浅草岳を目指すことにした。
 旧車道入口近くの路肩に車を停めて歩きだした。ムジナ沢の右岸沿いに歩きだしたが、すぐに尾根に上がって、北側の沢沿いに移る。沢を短い間隔で徒渉して、緩やかな登りが続いた。地形図の破線や「越後の山旅」の概念図では、660.8m点を時計回りに巻いて白崩沢方面に進むように書かれているが、660.8m点の東側に登るように続いていた。660.8m点の南側で、「五味沢〜浅草岳 1/10 堀之内缶詰(株)山岳部」と書かれた古い標識が置かれていたが、これ以降に、このシリーズの標識は見当たらなかった。682点の南東側を過ぎると、本格的な下りになって帰りが思いやられることになった。急坂を下り切ったところで、地形図では林道を横断することになるが、草が茂って歩ける状態ではなかった。この林道が歩けるなら、県道から簡単にアプローチできるのだが、途中で通行不能になっているのであろうか。再び下りに変わると、ヤヂマナ沢に到着した。飛び石伝いに渡るのは問題はなかったが、増水には注意が必要である。ここまではアップダウンが多く、ぬかるんで足場が悪く、歩いていて楽しい道ではなかった。
 ヤヂマナ沢からはようやく本格的な登りになった。ぬかるんで足場の悪い所もあり、大汗をかいての登りになった。標高720m地点で尾根の末端部に出ると、周囲の展望が広がったが、山頂はまだ遠いようであった。しばらくは、緩やかな細尾根が続いたが、林道終点の桜ゾネ広場が近づいたところで、再び急な登りが現れた。辛い登りを終えて桜ゾネ広場に出て、ほっとひと息ついた。
 この先は、さほどの苦労も無く何度も歩いている区間なのだが、今回はここまでの登りで体力を消耗しており、辛い登りになった。曇り空ではあるが気温は高く、水の消費が多くなったが、まずいことに500mlしかもってきていなかった。下山時にヤヂマナ沢で水を汲めるが、それまでもたせるために水の消費を控える必要があった。しばらくハードな山を行っていなかったので、夏山の準備にずれが生じてしまった。
 早くも下山してくる登山者ともすれ違いながら登りを続けていくと、ようやくカヘヨノポッチに到着した。山頂は雲に隠されていたが、もうひと頑張りである。この先は草地に木道が敷かれているが、周囲にはヒメサユリが咲いていた。そろそろニッコウキスゲの季節と思っていたので意外であった。ニッコウキスゲは二輪しか咲いておらず、ヒメサユリの花盛りであった。前岳分岐を過ぎると、残雪の通過が現れた。谷に向かって落ち込んでいるが、スプーンカットもできており、問題なく歩けた。木のテラスが設けられた草原に出ると、もうひと登りで浅草岳の山頂に到着した。
 いつもだと山頂は登山者で大賑わいなのだが、二組の先客がいるだけであった。三連休ということで混雑を覚悟していたので、意外であった。雲の切れ間から田子倉湖の眺めが広がっていたが、山の眺めは閉ざされていた。山頂下の木のテラスに戻って大休止にした。風の通り道になっていて、直に汗も引いて、涼しいくらいになった。
 元気を取り戻し、長い下りに取り掛かった。桜ゾネ広場からは、林道歩きで戻ろうかとも考えたが、距離が長くなるので、来た道を忠実に戻ることにした。ヤヂマナ沢で思い切り水を飲んで元気を取り戻したが、その先の登り返しで、足取りは重くなってしまった。ムジナ沢コースの往復はやはりきつく、一度歩けば充分というコースであった。
 翌日は、天気が悪くなりそうなため、簡単な山として愛宕山を登ることにした。この愛宕山は、地形図にも載っておらず、以前入っていた山の会の報告で知った。ただ、この報告では、吉山新田に登山口があることしか判らなかった。ただ、ヒントとして、吉山新田登山口の案内板の写真に、「火の用心 ゴミを捨てるな 自然を愛そう愛宕山に登ろう会 H10年」と書かれた木製の看板が写っていた。最近、道路脇の登山標識の確認のために利用しているのが、Googleマップである。吉山新田の南にある丘陵地を走る道路沿いの風景を見ていくと、この看板を見つけることができ、登山口を確認できた。
 愛宕山の位置を説明すると以下のようになる。吉山新田の南東部にある丘陵地の336.3m標高の三角点(点名愛宕山)の南東部の台地が愛宕山の山頂になる。登山口は北西部の尾根末端部にある。
 登山口前の駐車スペースに車を停めて歩き出した。細尾根の急な登りが始まった。早朝にもかかわらず、気温が上がっていた。ひと登りすると、尾根の途中に石の祠が置かれており、その先は、細尾根にもかかわらず細かいジグザグが設けられて歩きやすくなった。三角点の置かれた尾根の合流点に出ると、金城山や魚沼平野など周囲の展望が広がった。  三角点から緩やかに登っていくと、標柱に吉寺コースと書かれた道が右に下っていた。この分岐には、苔むした石の祠と字がすり減っていて読めない石碑が置かれていた。この分岐のすぐ先で、夏草の茂った台地に出ると、山頂と書かれた杭が置かれていた。木が伐採された人工的な広場で、マイクロウェーブのような施設を撤去した後のような感じがした。広場の奥に踏み跡が続いていたので進んでみると、二つある高まりのうち手前の高まりで踏み跡は終わっていた。この付近や台地に宗教的な遺物がないか探しながら戻ったが見つからなかった。
 下山は吉寺コースに進んでみた。どこに下るか判らないが、小さな山なので、最初の登山口に戻るのも、それほどの歩きにはならないはずである。南西に向かって、幅広の切り開きが続いていたが、丈は短いものの草が茂って、最近歩いた者のいる気配はなかった。尾根沿いになって、このまま下るのかと思ったが、北側の谷間に方向を変えた。カーブを交えながら杉の植林地になった谷間に下ると、道が判らなくなった。他に行くところもないので谷間を下っていくと、田圃脇に下り立つことができた。付近に登山口を示す標識やテープのようなものがないか探したが、見当たらなかった。この吉寺コースを下るのは問題はないが、ここから登るのは経験者でないと無理である。ここからは山裾を辿って、最初の登山口に戻ることができた。
 前日の歩きで暑さにまいった影響が残っており、この日の山歩きは充分ということで家に戻った。

山行目次に戻る
表紙に戻る