青田難波山と大明神山、尾神岳、雁金山、霧ヶ岳

青田難波山と大明神山、尾神岳
雁金山、霧ヶ岳


【日時】 2017年5月26日(金)〜28日(日) 前夜発2泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 27日:曇り 20日:曇り

【山域】 南葉山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 青田難波山・あおたなんばやま・949.3m・二等三角点・新潟県 
 大明神山・だいみょうじんやま(海前峰・かいぜんぼう)・660.9m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/高田西部/高田西部、重倉山
【コース】 くわどり湯ったり村コース
【ガイド】 くわどり湯ったり村コースは無し

【山域】 東頸城丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 尾神岳・おがみだけ・757.1m・二等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/柿崎/柿崎、原之町
【コース】 林道峠部より
【ガイド】 新潟100名山(新潟日報事業社)、新潟日帰りファミリー登山(新潟日報事業社)

【山域】 東頸城丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 雁金山・かりがねさん・143m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/柿崎/潟町、原之町
【コース】 林道登山口より
【ガイド】 なし

【山域】 東頚城丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 霧ヶ岳・きりがたけ・507.1m・二等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/高田東部/安塚
【コース】 登り:霧ヶ岳温泉ゆあみより 下り:小谷島コース
【ガイド】 新潟日帰りファミリー登山

【時間記録】
5月26日(金) 15:40 新潟=(R.8、R.116、R.402、R.116、R.8、有間川 経由)=19:40 くわどり湯ったり村  (車中泊)
5月27日(土) 4:50 くわどり湯ったり村―6:08 二俣―6;33 大明神山分岐―7:00 明神峠―7:55 青田難波山―8:33 明神峠―9:02 大明神山分岐―9:22 大明神山〜9:55 発―10:10 大明神山分岐―10:25 二俣―11:41 くわどり湯ったり村=(有間川、R.8、直江津、R.253、横川、河沢、尾神 経由)=14:00 林道峠部〜14:28 発―14:48 展望台―15:06 尾神岳―15:32 展望台―15:45 林道峠部=(尾神、河沢、横川、R.253 経由)=17:30 雁金山林道登山口  (車中泊)
5月28日(日) 4:53 雁金山林道登山口―5:00 本丸―5:07 のろし台―5:17 雁金山林道登山口=(R.253 経由)=5:58 霧ヶ岳温泉ゆあみ―7:06 水場―7:22 肩ノ峰―7:35 霧ヶ岳〜7:40 発―8:19 林道終点―8:31 入山橋―8:47 霧ヶ岳温泉ゆあみ=(R.253、横川、吉川、旭町、R.8、R.116、R.402、R.116、R.8 経由)=12:10 新潟
 南葉山塊は、高田の町の背後に広がる山塊である。南葉山という地名には、南葉、難波、南波という字が用いられている。地図を見ても、山塊の南端の籠町南葉山、北端の青田難波山、さらにはその中間の稜線には南葉山と記載されており、少々ややこしい。青田難波山は、ハイキングの山として親しまれているが、北西の桑取方面、さらに籠町南葉山までの縦走路、及び籠町南葉山への登山道など、多くの登山道が最近整備されている。

 尾神岳は、米山、刈羽黒姫山とともに三角形を形づくる位置にある山である。山麓部には、キャンプ場等の野外活動施設等も設けられているが、現在では、ハンググライダーの基地としての知名度の高い山である。

 雁金山は、大池いこいの森として整備されている大池の東に位置する山である。この山に置かれた雁金城は、上杉謙信が本城である春日山城を守るために置いた大小約120の支城群の一つで、越後府中から直峰城に通じる花ヶ崎街道を監視する要所にあり、重要な城であった。上杉謙信逝去後の御館の乱の際には、上杉景勝方の武士が守っていた。
 
 霧ヶ岳は、旧安塚町と旧浦河原村との境界に位置する山である。現在、北側の霧ヶ岳温泉から登山道が開かれている。

 先週の青田難波山登山は、案内板でくわどり湯ったり村からの登山コースを確認する目的があった。しっかりした案内図で、登山コースを地図に移すことができた。来週からしばらく山にいけなくなるので、この課題を片付けておくことにして、二週続けて青田難波山に出かけることにした。  上越に向かう途中、豪雨にあって、パーキングでしばらく様子見をすることになった。夜になって雨は止んでくれたが、翌日の天気はあまり良さそうではなかった。桑取近くで夜を過ごし、早朝にくわどり湯ったり村の駐車場に入った。温泉客向けの他にも広い駐車場が設けられていた。
 案内図によれば、くわどり湯ったり村(100分)二俣(70分)明神峠(70分)青田難波山で、合計4時間の行程とあった。現在、体調の問題であまり速足では歩けず、また余裕があったら大明神山にも寄り道したいので、早立ちすることにした。実際には、良く整備されて歩きやすい登山道のおかげで、コースタイムよりも短い時間で済んだが、地図でみるかぎりは距離の長いコースである。
 山裾に置かれた登山案内の下には、←散策路入口 →登山道入口と書いてあった。案内板の右わきにゆったりカタクリさんぽ道という看板が置かれ、擬木の丸太階段が設けられた道が始まっていた。これが登山口と思ってひと登りすると草むらに出てしまい、その先に道は無かった。建物の裏手のレンガ敷きの道を進むと、引き返す方向に踏み跡が続いていた。草が茂り気味であったが、東に向きを変える頃には、しっかりした山道に変わった。トラバースとカーブを交えながら上っていくと、尾根上に出て、周回する遊歩道と青田難波山への登山道との分岐に出た。
 登山道に進むと、すらりと延びたブナ林に出た。二次林なのであろうが、あまり見られない風景であった。この後しばらくは緩やかな尾根の登りが続いた。アップダウンは小さく、道もしっかりしており、歩きやすい状態であった。沢の源頭部になる窪地に出ると、1/5の登山標識が置かれていた。青田難波山までは、五分割の標識が置かれているが、間隔が長いため、ペース配分の役にはたたない。ここは、皆口の南葉神社からの破線が上がってきているが、その方向に道らしきものは見当たらなかった。おそらく、青田難波山への登拝路であったものが、くわどり湯ったり村からのコースが整備されたために廃道になってしまったようである。
 この先も緩やかな登りが続いた。標高よりも距離をかせぐ道であった。前方に大明神山が迫ってきたところで、緩やかな下りになって沢に下り立った。沢の中を進むと、沢の二俣に出た。左の沢に入った先で、再び山道が始まっており、2/5二俣の標識が置かれていた。沢の中を少し歩くため、下りだけにくわどり湯ったり村コースを使うと、ここは不安に思ってしまうかもしれない。
 沢に挟まれた中尾根の登りを頑張って稜線上に出ると、大明神山方面からの登山道が合流した。ここの標識には、「海前峰まで500m 南葉林道まで2100m」と書かれていた。南葉山と同じく、この一帯の山は、呼び名が一つに定まらないようである。大明神山方面の道をうかがうと、ここまでの道と変わらずにしっかりしているので、下山時に寄っていくことにした。この先は、幅広尾根の登りとなり、ブナの原生林がとりわけ美しかった。
 ブナ林の中を気持ちよく歩いていくと、意外に早く明神峠に到着した。この先の登山道は、ここまでよりも歩き難くなった。というよりは、ここまでが遊歩道並みの道であった。明神峠にある標識には、山頂まで30分とあるが、この時間では歩けない。一週間前と同じく、標高830m付近からしばらくは、残雪の上を歩くことになった。相変わらず灌木の枝がうるさい状態で、夏道の入口を見落とさないように注意しながら歩く必要があった。
 再び夏道に戻り、最後の急登を越えると、青田難波山の山頂に到着した。山頂標識周辺は、雪が消えて、土の広場に変わっていた。先回は見当たらなかった、明神沢方面への標識も、今回は二つあるのを確認できた。一つは標柱が傾いており、もう一つは取り付けられた木が横たわっている状態で、一週間前には雪に覆われていたようである。この日は、雲がかかって展望は閉ざされ、冷たい風が吹き抜けていたので、そのまま下山に移った。
 明神峠まで戻ると、後はしっかりした道で気楽に歩けるようになった。分岐まで快調に戻ることができたので、大明神山に寄っていくことにした。標高差30mほど下って、標高差70m程の登り。そろそろ足にも疲れが出てきた。到着した大明神山の山頂は、草地の刈り払い広場になっており、直江津方面の展望がひらけていた。山頂からは、西に向かう切り開きがあったので、二俣に下りる旧道かと思って進んでみると、急斜面に変わる所で行き止まりになっていた。この終点部からは、権現岳と鉾ヶ岳、その左手に朝日岳を中心とした北アルプスの眺めが広がっていた。また、北に延びる南葉林道への道をうかがうと、草がかぶり気味であるが、なんとか歩けるといった状態であった。振り返ると、台形状の青田難波山も眺めることができた。大明神山は、これだけを目的としても満足できるピークである。くわどり湯ったり村コースを使い、分岐付近のブナ林の紅葉見物と合わせると、より楽しみの増す山行になるであろう。
 大明神山から分岐に戻り、後は気楽な下りになった。最後に尾根をそのまま直進する遊歩道に進んだが、最後は駐車場の小屋の脇に下り立った。こちらから歩きだしても時間はさほど変わらないようである。
 一週おいて同じ山ということで物好きとも思えるが、コースが変わって、別な魅力を見つけることができた。
 この日のメインは終わり、続いて尾神岳に向かった。尾神岳は、頚城平野の奥にあって、道順は複雑で車のナビ頼りになった。尾神集落から林道に進むが、舗装されて整備は良いが、カーブが連続いて道幅も狭く、車のすれ違い注意の道である。峠近くで、スカイスポーツのための基地であるパノラマハウスへの道が分かれる。そこからも登れるようであるが、その先の峠の方が少し高いようなので、先に進んだ。峠部からは、未舗装の車道が山頂方向に延びており、その入口に駐車スペースも設けられていた。本来は、ここには夕方に到着して、翌日に尾神岳に登る予定であった。時計を見ると、尾神岳登山には充分な時間があった。とりあえず、尾神岳を登ってしまい、翌日の予定は下山後に考えることにした。  未舗装の林道を登っていき、その終点を過ぎた先でパノラマハウスからと思われる道が合わさり、そのすぐ先で展望台が現れた。残念ながら老朽化のために、展望台は登れない状態になっていた。その下の広場からは、直江津方面の眺めは広がっていたが、妙高連山は雲に隠されていた。
 展望台から先は、小さな高まりを越していく道が続いた。周辺には美しいブナ林が広がっていた。尾神岳を訪れたのは、1995年5月だったので、それからずいぶん時間が経っている。その時は、登山道に草が被っている状態であったが、遊歩道並みのしっかりした道に変わっていた。
 三つの石の祠を見ると、すぐ先で尾神岳の山頂に到着した。山頂広場には、三角点が頭を出しており、片隅には絵馬奉納所が設けられていた。これも以前は無かったものである。下りも、道が良いので、のんびりと下ることができた。
 車に戻り、翌日は霧ヶ岳を登ることにしたが、夜を明かすため雁金山登山口に向かうことにした。先回は雁金山の東を通過する林道の入口から歩きだしたが、今回はそのまま車で進んで、山頂直下の駐車場に車を停めた。この林道は、大池と上岡方面を結ぶ近道になっているようで、夜になっても通過する車がいた。
 翌朝、まず雁金山を登ることにした。駐車場から鞍部までは、擬木丸太の階段登りが続いている。鞍部で左に曲がってひと登りすると窪地状になった台地に出て、ここが本丸になる。ひき返して鞍部を越して直進すると、アルミ製階段が設けられた急坂になる。これを登った先の小ピークが烽火台ということになる。モルゲンロートに染まった妙高連山を眺めることを期待していたのだが、厚い雲に覆われて稜線部は隠されていた。展望は諦めて車に戻り、霧ヶ岳に移動した。
 国道253線を進んでトンネルを抜けると、登山口の霧ヶ岳温泉ゆあみに到着するが、驚いたことに2017年3月末をもって閉館とあった。温泉の建物は閉鎖されていたが、背後の遊具移設は使えるようで、駐車場に入ることはできた。
 上部の駐車場のトンネル近くから登山道が始まっている。ひと登りすると、滝見所になるが、木立が延びて滝は見えなくなっていた。管理が行き届かなくなっているのかと思い、登山道の状態が心配になったが、その先も問題の無い道が続いた。尾根が細くなって急坂になると、胸突八丁の標識が現れた。その後もしばらく、木の根を足がかりにするような所もある急坂が続いた。傾斜が緩やかになると、さえずり広場に出た。
 さらに尾根沿いの登りを続けた後、右手にトラバース気味に下っていくと、沢の源頭部の水場に出た。そこから尾根を乗り換えての登りが始まった。水場からは、比較的短時間で肩ノ峰に出た。南西に延びる尾根に草地が広がっていた。
 肩ノ峰から一旦僅かに下った後に登り返すと霧ヶ岳の山頂に到着した。草地の広場になっており、ヤマツツジが花を咲かせていた。石の祠には傍らの木立が被ってきていた。霧ヶ岳の山頂は展望図も置かれており、晴れていれば眺めもよさそうなのだが、曇り空で妙高連山などは雲に隠されていた。霧ヶ岳という山の名前からすれば晴天はできないような気もする。
 霧ヶ岳の山頂からは、急な下りになる。一か所、登山道上に苔の生えた大岩が出ており、ここを下るのには、ロープを握ってバックステップになる必要があった。傾斜が緩やかになったところで、南東に延びる尾根からはずれて北に方向を変える。以前は、この尾根を直進するように坊金コースが続いていたが、その道には気づかないままに通過していた。
 沢状の窪地に沿って下っていくと、左に水の流れも現れてきた。伐採地のような台地が迫ってきた所で右にトラバースすると、パイプから水の流れ出る水場が現れた。台地からの下りは、昔から使われていた感じのしっかりした道に変わった。
 杉の植林地を下っていくと、溜池の脇に上がってきている林道に飛び出した。後はこの林道を下って入山橋に出て、車道歩きで霧ヶ岳温泉ゆあみに戻った。
 霧ヶ岳の登山道が霧ヶ岳温泉ゆあみの付属施設として設けられたものだとすると、閉館によって今後の整備状態がどう変わるか、心配なところがある。
 6月に手術を予定しているので、今年前半の山はこれで終わりになる。再び自由に山を歩きまわることができますように。

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