大穴山

大穴山


【日時】 2017年3月26日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 飯豊連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 大穴山・おおあなやま・534.3m・三等三角点・山形県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/飯豊山/長者原
【コース】 滝倉より
【ガイド】 なし

【時間記録】 6:00 新潟=(R.7、十文字、R.113、玉川橋、新田橋、市野沢 経由)=7:50 滝倉〜8:20 発―10:00 大穴山〜10:25 発―11:15 発=(往路を戻る)=13:10 新潟
 大穴山は、飯豊連峰の北側の足水側右岸にある樽口集落を見下ろす山である。登山道も無いことから登る者はほとんどいないようだが、山頂からの飯豊連峰の眺めは一級品である。

 飯豊の端山として登れそうな山を探していくうちに大穴山に目が留まった。標高もそれほどないが、地形図上で展望図を描くと、飯豊連峰の展望が開けている可能性があった。木立の関係で見えるかどうかは判らないが。
 登山口手前の菅沼までは二車線幅の快適な道で、その先は道幅は少し細くなるものの、登山口の滝倉までドライブに問題はなかった。飯豊の懐深く入り込むことになるが、今の時期は、道路状況に問題は無くなっている。
 滝倉集落手前の不動橋を渡った所にスペースがあり、車を停めた。ここから尾根の末端に取り付く予定であったが、中腹は杉林に覆われ隠されており、その上に急斜面が見えていた。地形図を見ると、崖状というわけでもなさそうなので、登る途中でコースを考えることにした。
 車道脇は身長を越す雪壁になっていたが、沢岸部が低くなっていて、雪原に上がることができた。雪はまだ締まっておらず、スノーシューを履いての歩きになった。杉林の中に入ると、弱い尾根状地形が現れたので、それに沿って登ることにした。雪が固く、スノーシューの爪を頼りに急斜面を登ることになった。下山時は尾根から東側の広斜面を下ったが、登りの時もこのコースをとった方が楽であったようである。
 取り付きの急斜面を越えて、後は気楽な尾根歩きと思ったが、それは甘かった。尾根の合流部は、雪庇の関係か直登できず、トラバースして脇の尾根に迂回して登る所もあった。また、尾根上の雪が消えており、脇の雪堤も割れていて通れず、スノーシューを履いて藪をかき分け、倒木を乗り越える所も出てきた。土の上を強引に歩くのは、ワカンよりもスノーシューの方が楽である。
 標高440m付近からは幅広尾根になって、気持ちよく歩けるようになった。右手には大境山と枯松山が見え、木立の間からは飯豊連峰も見えるようになった。山頂から展望が開けているかが気になるようになった。
 大穴山の山頂は雪に覆われた小さな高まりで、南の展望が開けており、えぶし差岳から飯豊本山に至る飯豊連峰の主脈を一望することができた。飯豊本山の山頂部に雲がかかっている以外は、晴天のもとに純白の稜線を眺めることができた。飯豊連峰を北側から眺める展望地としては、倉手山や樽口峠展望台があるが、この大穴山もそれらに勝るとも劣らない。この季節に倉手山に登るのは難しい。樽口峠展望台も素晴らしい展望が広がっているが、スノシュー歩きで登ってきても、車道が通じている点が少しものたりない。大穴山は、少し距離が離れるが、飯豊連峰主脈の全体を眺めるには都合が良い。周辺には大穴山よりも高いピークが並んでいるにも関わらず、奇跡的な位置関係が出来上がっていた。
 雪の上に腰を下ろして大休止にした。飲むのはノンアルコースビールであるが、飯豊連峰の眺めで充分酔うことができる。
 下りは、雪も固くて足元に注意が必要であったが、短時間で下ることができた。
 大穴山は、飯豊連峰の大展望台としてまた登りたい山ではあるが、それだけに晴天に恵まれないと登る気にはなれないであろう。
 この日は快晴のもとで雪登山を楽しんだが、午後には天気は下り坂になった。月曜日には、那須で雪山訓練の高校生グループが雪崩にあって8名が亡くなった。季節外れの大雪が降って新雪雪崩が発生したようであるが、やはり雪山は慎重に行動をする必要がある。

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