朴坂山塊縦走

朴坂山塊縦走


【日時】 2016年11月26日(土)
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 朴坂山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 嶽薬師・だけやくし・391m(386.7m・四等三角点)・新潟県
 ミクラ山・みくらやま・399m・なし・新潟県
 朴坂山・ほうざかやま・438.2m・一等三角点本点・新潟県
 タカツボ・たかつぼ・407m・なし・新潟県
 三ノ輪山・みのわやま・303.0m・四等三角点・新潟県
 要害山(加護山)・ようがいさん・281m・なし・新潟県
 物見山・ものみやま・240m・なし・新潟県
 のろし山・のろしやま・200m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/中条、小国/坂町、越後下関
【コース】 小岩内より川部へ縦走
【ガイド】 なし

【時間記録】 6:40 新潟=(R.7、十文字、R.113 経由)=7:50 小岩内登山口〜8:10 発―8:45 姥杉―9:05 朴坂山分岐―9:12 嶽薬師〜9:15 発―9:20 朴坂山分岐―9:50 ミクラ山―10:08 あこや谷鞍部―10:34 朴坂山〜10:40 発―10:57 朴坂分岐―11:17 タカツボ―11:57 滝谷川鞍部―12:18 三ノ輪山―12:21 種松―12:36 要害山〜13:10 発―13:30 のろし山―13:45 佛穴登山口―14:30 小岩内登山口=(往路を戻る)=15:50 新潟
 日本海の海岸平野部と荒川と女川の間に挟まれた一帯には、標高200〜400m程度の山塊が広がっている。その中では、一等三角点の置かれた朴坂山が有名で、朴坂から桂の集落へ周遊するコースが歩かれている。また、要害山と赤坂川をへだてて向かい合う嶽薬師には、薬師堂の奥の院が置かれて、信仰の山となっている。要害山から朴坂山、さらに嶽薬師へと赤坂川の源頭部を周回する登山道が整備されているが、それぞれのピークはともかく、周回する者は少ない。

 嶽薬師から要害山への縦走は2012年5月に行ったが、この時は平林城跡登山口から小岩内登山口への移動には自転車を使った。地図を見ていると、のろし山から佛穴登山口に下れば、最後の車道歩きも我慢のうちのような気がした。この方が一般的な登山コースであろうということで、実際に歩いてみることにした。
 嶽薬師の登山口に到着してみると、すでに三台の車が停められており、私の車で満杯になってしまった。嶽薬師まででは他の登山者には合わなかったことから、縦走路の先行者がいたのかもしれないが、おそらくキノコ採りの車であったようである。
 嶽薬師の登りは尾根沿いに緩やかな傾斜が続くが、早くも汗ばんできた。前日は雨であったが、登山道を覆う落ち葉は乾いており、カサコソと音を立てていた。油こぼしを通過すると、樹齢800年姥杉が現れる。登山道からでは周りの杉の木が邪魔をしており、雪の時期の方が自由に立ち位置を取れるので見やすい。
 姥杉の先は、急斜面の登りになる。雪の時期を思い出しながらの登りになるが、夏道はひと登りという感じでうがい清水に到達することができる。その上で尾根上に出ると、桂からの登山道が合わさり、さらにその先で朴坂山への縦走路との分岐になる。もうひと登りすると、嶽薬師に到着。新しく塗りなおされたお堂は、周囲の風景にまだ融け込んでいない。
 引き返して、朴坂山への縦走路に進んだ。先回と比べて笹が伸びており、登山道は見分けられるものの、腰までの笹や草を押し分けながらの歩きになった。このままだと廃道へと進みかねず、多くの登山者に歩いてもらう必要がある。細尾根に出ると、関川村や飯豊連峰の眺めが広がり、撮影のために足が停まった。ただ、飯豊連峰は逆光気味であったのは残念であった。
 399m峰にはミクラ山という標識が置かれているが、展望は閉ざされている。ミクラ山を過ぎると一気の下りになり、横に広がる朴坂山の稜線が見上げる高さに変わっていった。鞍部までは標高差90mの一気の下りで、少し登り返したところにであこや谷鞍部という標識が置かれている。ここからは、標高差150mの急登になる。地図にも崖マークが記載されている急斜面であるが、足場はしっかりしており、ロープが張られている所もあるが、それに頼るほどではない。ただ、落ち葉の下の泥斜面が滑りやすく、木の枝も掴みながらの登りになった。
 朴坂山の山頂近くで稜線上に出る。一旦、脇に入ると祠が置かれた広場になっており、三角点も置かれている。ひとグループが休んでいた。その先の展望台に進むと朝日連峰と光兎山の眺めが広がっていた。朝日連峰はすっかり白くなっていたが、光兎山に雪はまだ見られなかった。
 縦走コース全体を考えるとまだ先は長く、朴坂山で休むわけにはいかない。展望を楽しんだ後は、歩きを続けた。歩きだすと、もうひとグループが登ってくるのとすれ違った。朴坂山はそれなりに登山者がいるものの、朴坂登山口からばかりというのは残念なことである。朴坂分岐を過ぎると、小さなピークを越していくことになる。朴坂山の山頂付近は刈り払いが行われていたが、その先は、灌木の枝が延びており、葉の茂った季節には歩くのは避けた方が良さそうな状態になっていた。
 タカツボは、山頂付近が刈り払いの広場になっており、ここで休もうかと迷ったが、もうひと頑張りして、要害山で大休止することにした。
 タカツボからは、下りが続くようになる。傾斜が緩んでひと息つくと、大欅の大木が現れる。少し登り返してから再び下ると滝谷川鞍部に出る。ここからは、足には疲労も溜まってきているが、三ノ輪山への登りを頑張ることになる。三ノ輪山を越して下っていくと種松の分岐に到着する。ここから川部の集落に下ることができるが、ここまで歩いてきたならば、要害山も登っておく必要がある。
 要害山への登り返しは、道も良くなっていることから、意外に簡単に感じられた。要害山の山頂に到着して大休止にした。長い歩きにもかかわらず、要害山からは、スタートの嶽薬師がすぐ近くに見えていた。
 下りは、のろし山まで下ってから佛穴コースに進んだ。林道に下ってから車を置いた駐車場までは45分の歩きであったので、この周回コースは単独行でも問題のないことが確認できた。

(付記 2017年4月発刊の「新版新潟100名山」では、この縦走コースは、「近年未整備のため避けた方がよい」と書かれている。2016年11年の段階では、早春や初冬の状態ならば歩ける状態であった。登山道の無い矢筈岳や毛猛山を選んでいる「新潟100名山」がどのようなレベルの登山者を対象にしているのか、充分吟味されていないのは問題である。この魅力ある縦走コースが、この先完全に廃道にならないよう、多くの人に歩いてもらいたいものである。)

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