函山城址、桜峰、一本杉、鳴倉山、トヤの頭、駒の頭、黒禿の頭、大力山

函山城址、桜峰
一本杉、鳴倉山、トヤの頭、駒の頭、黒禿の頭、大力山


【日時】 2016年10月29日(金)〜30日(日) 1泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 29日:雨  30日:曇り

【山域】 魚沼丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 函山城跡・はこやまじょうせき・291・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/小千谷/岩沢
【コース】 林道岩沢線登山口
【ガイド】 なし

【山域】 魚沼丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 桜峰・さくらずんね・377.1m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/小千谷/岩沢
【コース】 林道岩沢線登山口
【ガイド】 なし

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 一本杉・いっぽんすぎ・290m・なし・新潟県
 鳴倉山・なりくらやま・578.6m・三等三角点・新潟県
 トヤの頭・とやのかしら・671m・なし・新潟県
 駒の頭・こまのかしら・680m・なし・新潟県
 黒禿の頭・くろはげのかしら・770m・なし・新潟県
 大力山・だいりきさん・504m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田、日光/小千谷、須原/小出、大湯
【コース】 響の森公園駐車場から宝泉寺へ環状縦走
【ガイド】 無し

【時間記録】
10月29日(土) 9:15 新潟=(R.49、R.403、加茂、R.290、下田、栃尾、R.351、長岡、R.17、小千谷、R.351、R.117、岩沢、林道岩沢線 経由)=12:00 林道岩沢線函山城跡登山口〜12:10 発―12:20 函山城址二の丸―12:27 林道岩沢線函山城址登山口=(林道岩沢線)=12:34 林道岩沢線桜峰登山口―12:37 桜峰―12:41 林道岩沢線桜峰登山口=(林道岩沢線、岩沢、R.117、越後川口、R.17 経由)=14:30 小出  (車中泊)
10月30日(日) 5:45 響の森公園駐車場―6:07 一本杉―6:17 送電線鉄塔―6:46 大西台―7:09 鳴倉山―7:54 トヤの頭―8:27 駒の頭〜8:32 発―8:54 大池川分岐―9:32 黒禿の頭〜10:00 発―11:10 城山分岐―11:21 大力山―11:41 尾根分岐―11:51 秋葉堂― 11:57 宝泉寺―12:12 響の森公園駐車場=(小出、R.252、渋川、R.290、栃尾、下田、R.290、加茂、R.403、R.49 経由)=14:50 新潟
 函山城跡は、信濃川右岸の飯山線越後岩沢駅の東方、桜峰(標高377m)から北側から延びる尾根上に置かれた山城である。伝承によれば建武元年(1334年)新田義貞の一族、粟田左近頭により築城されたといわれ、粟田氏戦死後は、その一党田中筑後守有重が居城したという。さらに正平17年(1362年)には、上杉憲房の将泉沢氏がこれにかわり、文明年間には、上杉家重臣泉沢河内守年親が拠っていたといわれていう。

 桜峰は、一等三角点の置かれている高場山の南西に隣り合う山である。地図に「さくらずんね」という変わった読みがふられていることから興味を覚える山である。

 関越道小出ICの東側の大池川を環状に取り巻くように一本杉、鳴倉山、トヤの頭、駒の頭、黒禿の頭、大力山が連なっている。この山塊では、新しい登山道が次々に開かれているが、今年になって、一本杉から大力山までの環状縦走路が完成した。末端部の大力山や鳴倉山の人気は高まっているが、この山塊は、越後三山や権現堂山、魚沼平野などの展望が優れていることに加え、環状縦走路の完成によって魅力はさらに増すと思われる。

 先週、新しく開かれた一本杉から鳴倉山の区間を歩いたが、今年のうちに環状縦走を歩きたいと思っていた。雪の訪れも近づいてきており、秋山のシーズンも残り少なくなっている。土曜日は雨になるようだが、日曜日は天気が回復するというので、出かけることにした。
 土曜日は、昼から雨は上がるような予報が出ていたものの、栃尾の道の駅で様子見をしていると、本降りの雨は上がる気配は無かった。予定のうち、傘をさして歩ける最低クラスの山ということで函山城跡を訪れて、とりあえず登山を成立させることにした。
 遠回りをしたが、岩沢に到着。国道から林道岩沢線に入る所には、函山城跡の案内板が置かれており、集落内を抜けて線路を渡った先にも案内板が置かれていた。林道岩沢線は舗装されているが、道幅は狭く車のすれ違いに注意が必要であった。幸いというか、本降りの雨の中を山に出かけるものはおらず、車には出会わなかった。一気に高度を上げて西に林道が分かれるところが函山城跡の登り口であった。案内板が置かれて、林道脇には駐車スペースも設けられていた。本降りの雨は続いており、傘と長靴での歩きになった。
 遊歩道といった感じの未舗装の林道を進んでいくと、右に城跡への道が分かれた。堀切状の窪地を上がると、左右に道が分かれ、右に進むと函山の広場になった本丸に出た。広場の周囲は木立に囲まれて見晴らしはあまり良くなかった。引き返して、分岐から尾根沿いに先に進んだ。二ノ丸は台地状になっており、信濃川の眺めが広がっていた。休むには、こちらの方が良い。分岐は十字路になっており、本丸の北側に道が続いていた。元は、帯曲輪であったのかもしれない。これを辿っていくと、入口のすぐ北側に飛び出した。
 桜峰は2001年に訪れたことがあったが、すぐ近くなので、これにも登っていくことにした。林道を進んでいき、右手の道路脇に現れる尖がりピークが桜峰である。登山標識も置かれており、駐車スペースもある。山道が続いており、杉林の中をひと登りすると桜峰の山頂に到着する。広場の真ん中に塚状の高まりがあり、その上に三角点と石碑が置かれている。木立が広がっており、展望はあまり良くない。
 雨は止まないので、山歩きは終わりにして、小出周辺の登山道の偵察を行った。
 環状縦走路なので、どちらから歩き始めるか考える必要がある。新しく開かれた登山道は、まだ刈り払いが粗いので、足元に注意が必要である。新しい区間を疲れの少ない最初に歩いておくことにして、一本杉から歩きだすことにした。またロングコースで早立ちするため、先週も歩いて様子の判っている響の森公園駐車場から歩きだすことにした。
 高速の小出インター近くに響の森公園が設けられているが、山側にも公園が広がっており、駐車場も整備されている。薄明るくなったところで出発。遊歩道上部の溜池の右側から一本杉遊歩道に進んだ。林泉庵からの登山道を合わせた先の分岐は、先回と同じく右の登山道に進んだ。尾根沿いに登っていくと、一本杉に到着した。ようやく明るくなってきたが、小出の市街地もまた街灯りがともっていた。雲が広がっていたが、雨の心配はなさそうであった。
 台地を進んでいき、311.5m三角点ピークに出ると、目の前に鳴沢峰が大きく広がっていた。ゴールの大力山は目の前であるが、折り返し地点となる黒禿の頭ははるか遠くにあった。三角点ピークから下っていくと送電線鉄塔下に出て、少し登り返したところで、干溝への送電線巡視路が分かれる。
 ここからが新しく開かれた登山道の歩きになり、胸突きの急登が始まる。今回は、ロングコースの歩き始めで気合が入っているためか、意外に楽に突破することができた。一旦傾斜が緩やかになるが、再び急坂が現れる。これを登り切ると大石台となって、突キ分ケコースが合流する。この先も最近開かれた登山道ではあるが、鳴倉山の周回コースとして歩く者が多いため、良く踏まれた登山道になっている。鳴倉山の山頂も目の前に迫ってきている。
 もうひと登りすると山頂直下で林道に飛び出す。振り返ると、一本杉からの尾根が長く続いているのを見下ろすことができる。林道を歩いていくとパラグライダーの離陸台の設けられた鳴倉山に到着。谷を挟んで向かい合う大力山もすぐ目の前に見える。
 鳴倉山から縦走路へは、鏡ヶ池への案内板に従って進む。ロープも張られた急な下りになる。足場が少なく濡れて滑りやすい急坂のため、最後はロープを握ってバックステップで下ることになった。
 急坂を下ったところにある鏡ヶ池は水が少なくなっていて中央部に草地が現れていた。右手の杉林に向かって踏み跡が延びているが、縦走路は左に池を巻いていくことになる。小ピークを二つ越していき、鞍部に出ると林道に通じると思われる山道が分かれた。この先は、トヤの頭に向かっての登りが続いた。
 トヤの頭は、二つの高まりに分かれており、手前のピークに古い山頂標識が置かれており、先のピークでは新しい山頂標識が取り付けられていた。地形図での671m標高点はこちらである。ここには、湯之谷健保センターから桑原山、涸沢山を経て上がってきた登山道が合流する。今年の4月に、この登山道を使ってトヤの頭へ登ってきたが、その時は、駒の頭方面への登山道はまだ開かれていなかった。この先が、いよいよ初歩きの区間になる。
 山頂標識の上には、「笠倉新道登山口へ (駒頂)1.30分」、「桑原山 鳥目当 登山口(涸沢)1.30分」、「鳴倉山 明神 登山口 1.45分」と書かれていた。笠倉新道というのが判らないが、どうやら駒の頭から湯之谷健保センター近くに落ち込む尾根に開かれた新しい登山道のようである。
 トヤの頭からは標高差100mほど下って、駒の頭へは標高差100mの登り返しになる。歩きやすい尾根道であるが、体力が必要になる。駒の頭の山頂にも新しい登山標識が取り付けられていた。駒の頭は、初登のピークになる。湯之谷健保センター方面に向かう尾根には、登山道が設けられていて、下り口の急坂にはロープも取り付けられていた。前日の偵察では、湯之谷健保センターの奥の浄水施設の脇から道が切り開かれていたので、そこが登山口のように思われる。ただ、かなりの急坂が続くように思われる。駒の頭からは、黒禿の頭から大力山方面に落ち込む尾根を一望することができた。
 駒の頭からは、ブナ林の広がる幅広尾根の下りになった。647.9m小ピークの乗り返しは、急坂も現れて、きつく感じられた。乗り越した先の鞍部で右手から山道が上がってきており、これは以前も歩いたことのある大池川からの道である。歩いてから少し時間が経っていたため、この道の状態が気になっていたのだが、まだ歩けるようであった。
 この鞍部から黒禿の頭までは、昔からの道で歩きやすくなったが、疲労も溜まってきて、長く感じられる登りになった。
 急登を頑張ると、ようやく黒禿の頭に到着した。登ってきた駒の頭方面は木立の間から望む状態であったが、大力山方面は展望が開けていて、紅葉に彩られた縦走の眺めを楽しむことができた。紅葉を眺めながら大休止にした。紅葉の盛りとあって、登山者で賑わっているかと思ったが、誰もいない山頂であった。
 充分休んだ後、大力山への下りに移った。道は良く整備されており、紅葉を眺めながらの歩きになった。黒禿の頭から大力山へは、登り返しがあるものの小さなピークなので、一気の下りが続く。展望の良い尾根道が続き、写真撮影のためにしばしば足が止まった。
 大力山の山頂で、ようやく二人連れ、その先の下りで単独行とすれ違い、出会った他の登山者はこれだけであった。大力山からの下りは急坂が続くが、階段状に整備されているので、一気に下ることができる。登山口の宝泉寺からは、車道歩きもそう長くなく車に戻ることができた。
 黒禿の頭の環状縦走路は、最高点770mの低山歩きながら6時間強の歩行時間となって、充実した山歩きを楽しむことができる。せっかくできた登山道なので、登山道維持のためにも大勢に歩いてもらいたい。登り口をどちらにするかは、一本杉から黒禿の頭までは、アップダウンも大きいことから、最初に歩いておいた方が良いと思う。

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