葉山(長井)、倉手山

葉山(長井)
倉手山


【日時】 2016年10月14日(金)〜16日(日) 前夜発2泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 15日:晴  16日:晴

【山域】 朝日連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 葉山・はやま・1237m・なし・山形県
【地形図 20万/5万/2.5万】 仙台、村上/荒砥、朝日岳、赤湯/荒砥、羽前葉山、長井
【ガイド】 山と高原地図「朝日連峰」(昭文社)
【コース】 登り:勧進代コース 下り:白兎コース

【山域】 東山連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 倉手山・くらてやま・952.5m・三等三角点・山形県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/飯豊山/長者原、飯豊山
【コース】 倉手山登山口より往復
【ガイド】 新・分県登山ガイド「山形県の山」(山と渓谷社)

【時間記録】
10月14日(金) 14:00 新潟=(R.7、十文字、R.113、手ノ子、飯豊町、置賜西部広域農道 経由)=17:30 勧進代登山口  (車中泊)
10月15日(土) 6:23 勧進代登山口―かんかね館跡登山口―7:12 葉山登山口―8:25 草岡分岐―8:34 昭和堰入口―9:28 葉山―9:08 奥の院〜9:22 発―10:02 葉山―11:55 葉山森林公園―12:06 勧進代登山口=(置賜西部広域農道、飯豊町、手ノ子、R.113、玉川橋、玉川 経由)=14:30 倉手山登山口  (車中泊)
10月16日(日)6:15 倉手山登山口―7:17 前ピーク―7:47 倉手山〜8:10 発―8:42 前ピーク―9:33 倉手山登山口=(玉川、玉川橋、R.113、十文字、R.7 経由)=12:00 新潟
 葉山は、朝日連峰の東端にあり、端山として信仰の対象になってきた山である。他にもある葉山と区別するため、長井葉山と呼ばれている。昔からの信仰の名残りか、高玉、白兎、勧進代、草岡のそう遠くない各集落から登山道が開かれている。

 倉手山は、飯豊連峰北部の重要な登山口である飯豊山荘手前の、玉川右岸に位置する山である。標高も1000m近くあって、それなりの高さを持つ山ではあるが、その山頂からは飯豊の大展望を楽しむことができることから人気の山になっている。

 この週末は二日とも晴の予報が出たので、紅葉の眺めを楽しむために、朝日連峰の祝瓶山と長井葉山に出かけることにした。ところが、荒川沿いのR.113に入っても周囲の山に紅葉の気配は無かった。祝瓶山に先回登ったのは2012年10月8日であったが、この時は快晴のもと展望は楽しめたが、紅葉は始まったばかりで、その点が残念に思った。今回も紅葉の時期を外すのはいやだっため、祝瓶山は今回はやめにして、長井葉山に向かうことにした。
 長井葉山は、山頂の葉山神社への参道として多くの登山道が開かれており、歩くコースを変えて楽しむことができる。ただ、2013年8月に高玉コースより登り始めたところ、大きな土砂崩れによって登山道が消えていて、登山を断念したことがある。この時の集中豪雨によって他のコースも被害を受けたようだが、そろそろ登山道も復旧しているはずで、様子を見に歩くことにした。今回は、勧進代から登って白兎に下山することにした。勧進代コースは下山に使ったことがあるものの、登りには使ったことがない。
 良く整備された置賜西部広域農道を走っていき勧進代登山口に到着すると、立派な登山口の標識が置かれていた。最後に車道歩きなる葉山森林公園へ一旦車を走らせて様子見をした上で、勧進代登山口に戻り近くの空き地で夜を過ごした。
 置賜西部広域農道沿いには、走行車両もそれなりに多く適当な駐車スペースがないので、登山口の前のT字路から勧進代に向かう道の路肩に車を置いた。
 葉山へは、まずは林道歩きとなる砂利道を歩いていき、砂防ダムの池を過ぎて左にカーブしたところで、車の進入防止のゲートが置かれていた。カーブを交えながら高度を上げ、かんかね館跡登山口を過ぎると、谷を見下ろしながらのトラバース道になる。谷向こうには白兎コースの通っている尾根が並行して走っている。登山口は林道歩きの途中のために地図上では場所を見極められないが、葉山登山口の標識がおいてあった。登山道に進み、急登をひと頑張りすると尾根上に出ることができた。尾根の下方からも登山道が上がってきており、かんかね館跡からも道が続いているようであった。
 この後は、ブナ林に囲まれた中の登りになった。ひと登りした所で、ブナ原生林道分岐の標識が置かれていた。ブナ林の中を林道に下る道が付けられているようであったが、ただ、道は落ち葉に覆われており、歩く者は少ないようであった。
 尾根の急な所は細かくカーブになっており、歩きやすい登山道であった。ようやく傾斜が緩むと草岡分岐となり、その先は台地の歩きになって昭和堰入口を通過。再度、傾斜がきつくなって、これを越すとほぼ平坦の歩きなり、右手から白兎コースが合わさるが、すぐ先で避難小屋と葉山神社に到着する。ここが一応葉山の山頂ということになるが、ここは展望がないので、奥の院に進んだ。色づいた湿原の脇を抜け、御影森山への縦走路から分かれて左に曲がり、一旦下っていくと、昭和堰からの道が左から合わさり、その先をひと登りした小ピークが奥の院である。露岩帯になって展望が広がっているが、祠や山頂標識のようなものはない。紅葉は葉山の山頂部で始まったばかりで、縦走路の通じている稜線部は緑が勝っていた。ただ、快晴のもと、大朝日岳から祝瓶山に至る稜線を一望でき、至福の時を過ごすことができた。時間も早いせいもあるが、独り占めの山頂を充分楽しんだ後、下山に移った。
 湿原脇に戻ると、ようやく単独行とすれ違った。白兎コースに進むと、何組かの登山者とすれ違たったが、晴天に恵まれた秋山としては、登山者は少なかった。
 白兎コースは登山道が溝状に掘りこまれているところが多く、足元に注意をしながら歩く必要があった。足元にそれほど気にせず下れるという点ならば、勧進代コースの方が歩きやすい。最後の車道歩きもそれほど時間もかからなかった。次回に歩くのなら、白兎コースを登りに使って、勧進代コースを下りに使うのがよさそうである。
 車に戻り、二日目の山を考えた。今回は、雨による予定変更はないと思って、予備の山は考えていなかった。朝日連峰の眺めを楽しんだので、次は飯豊連峰の眺めということで、家への帰り道の途中となる倉手山を登ることにした。
 山形・新潟県境脇の玉川橋でR.113から分かれ、玉川に進む。周囲の山を望むが、やはり紅葉はまだ進んでいなかった。梅花皮荘入口を過ぎて玉川沿いに進むと、倉手山登山口の広い駐車場に到着した。時間も早かったので、天狗平まで進んでみた。駐車場には多くの車が止められていた。飯豊への登山者の他にブナ林でのキノコ採りも訪れているようであった。
 倉手山の登山口で夜を過ごしたが、夜明け近くから多くの車が天狗平方面に進んでいった。飯豊の日帰り登山というよりは、キノコ採りのようであった。
 倉手山への最初の登山者になって歩きだした。登山ポストの置かれた登山口からいきなりの急登りになる。泥斜面にはステップが切られているがスリップには注意が必要な道であった。前衛といっても飯豊ならではの険しい道である。ひと汗かいて傾斜が緩やかになると、見晴らしになっており、倉手山の山頂や飯豊の稜線の眺めが広がった。
 標高780mの小ピークに登りつくと、目の前に倉手山の山頂が迫ってきた。細尾根に進むと、えぶり差岳の眺めが広がった。えぶり差岳に関しては、山頂での眺めでは木立が少しかかってしまうので、ここからの眺めが一番になる。
 緩やかに細尾根を下った後に、再び山頂への急登が始まる。一気に登り詰めると台地状の山頂に出て、灌木の間を抜けていくと、三角点の置かれた広場に出る。倉手山は飯豊の展望台として知られており、えぶり差岳から頼母木山、門内岳、北股岳、御西岳、飯豊本山に至る稜線を一望することができる。稜線部が茶色に染まっているだけで、紅葉の盛りには早かったが、満足のいく眺めであった。北股岳の脇の鞍部に梅花皮小屋を望むことができた。
 先回登った2012年11月11日の時は、山じまいのグループで大賑わいになっていたのだが、山頂で休んでいる間には誰にも会わず、780m小ピークからの下りでようやく他の登山者ともすれ違うようになった。それでも登山者の総勢は10名にも及ばず、静かな山であった。倉手山は、飯豊の稜線に雪が見られる春と初冬に人気があるようであった。
 時間は早かったが、朝日連峰と飯豊連峰の眺めを楽しんだことに満足して家に戻った。

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