中丸山から熊野岳

中丸山から熊野岳


【日時】 2016年7月29日(金)〜30日(土) 前夜発1泊2日 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 蔵王連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 中丸山・なかまるやま・1562m・なし・山形県
 熊野岳・くまのだけ・1840.5m・二等三角点・山形県
 刈田岳・かっただけ・1758.0m・三等三角点・宮城県
【地形図 20万/5万/2.5万】 仙台/上山/蔵王山
【コース】 蔵王ライザワールドスキー場より
【ガイド】 山と高原地図「蔵王・面白山・船形山」(昭文社)

【時間記録】
7月29日(金) 14:25 新潟=(R.7、新発田、R.113、赤湯、R.13、蔵王エコーライン 経由)=18:25 蔵王ライザワールドスキー場  (車中泊)
7月30日(土) 5:00 蔵王ライザワールドスキー場―6:20 中丸山―7:36 熊野岳〜7:55 発―8:50 刈田岳―9:14 刈田駐車場―10:15 蔵王ライザワールドスキー場=(往路を戻る)=14:50 新潟
 蔵王連峰の最高峰である熊野岳は、信仰の対象の山としての歴史も有しており、蔵王連峰の主峰になっている。熊野岳の南に隣り合う刈田岳には、蔵王エコーラインが通じて、噴火口が山上湖となった御釜見物の観光客で賑わいを見せている。

 蔵王の中丸山から熊野岳へのコースは、人気の山にもかかわらず静かな山歩きを楽しめることからお気に入りになっている。昨年は噴火の危険性が高まったということで馬の背が通行止めになっていたが、避難路が整備されて、7月に再び馬の背を歩くことができるようになったというので、様子を見に出かけた。
 坊平を過ぎた先のヘアピンカーブの脇の空き地に車を置いて歩き出す。未舗装の林道を歩いていくと、スキー場の管理小屋があり、そこから登山道が始まる。まずは、仙人沢への標高差50mほどの一気の下りになる。登り返しが気になる急坂であるが、周回コースで歩くため、ここには戻ってこない。それでも、仙人沢の橋はかなり高いところに架かっているので、体力的にはありがたい。
 右岸に渡った先は、階段登りの急坂で、一番の難所になる。傾斜が緩むと、ブナ林に入り、カーブを交えながら、高度を上げていく。ひと汗かくと、周囲が灌木帯に変わると、中丸山も近い。木道の敷かれた尾根上に出ると、前方に中丸山の山頂も迫ってきている。沢向こうの台地に蔵王エコーラインの車道が延びているのや屏風岳の眺めも広がって、展望に元気をもらうことができた。
 中丸山の山頂は、藪の脇を通る木道で山頂らしからぬところであるが、下りにかかる所では熊の岳の眺めが広がり、木道に腰を下ろしてひと息入れた。休憩場所も無い中丸山の山頂であるが、登山者が現れることはほとんどないので、木道の上でも安心して腰を下ろしていられる。
 中丸山からは一旦下ってから鞍部を過ぎると、今度は針葉樹林帯の登りになる。この山は、標高によって樹林層がはっきりと分かれてくるのが面白い。尾根沿いの登りから再び急な登りになると、周囲は低灌木帯になって、ガレ場に飛び出す。熊野岳の山頂もすぐ上に迫って、遊歩道状の幅広の登山道が一直線に登ている。振り返ると、越してきた中丸山が下に遠ざかっていた。ここには、以前は無かった刈田岳方面への迂回路が新しく整備されていた。コマクサの時期には少し遅くなっていたが、それでもきれいな花を見かけることができた。
 熊野岳に到着して、大休止にした。気温が高いためか朝日連峰などの遠望は利かなかったが、雁戸山や面白山方面の幾重にも重なる山並みの眺めを楽しむことができた。朝の早い時間のため、他の登山者も登ってくるものの、静かな山頂であった。
 お釜の眺めを楽しみながら、避難小屋から馬の背に向かった。場所によって姿を変えていくお釜の写真を撮りながら歩いていくと、大勢の登山者にすれ違うようになった。馬の背付近では、噴火の際に逃げる方向が掲示されていたが、尾根上にある避難小屋へというのは、緊急時に急坂を駆け上がることから無理であろう。
 刈田岳にも寄っていくことにしたが、この山頂は観光客のテリトリーになっている。一旦戻って、刈田駐車場への道に進んだが、途中、笹が覆いかぶさっているところもあり、あいかわらず整備状態は良くなかった。あくまでリフトに載せたいといったところか。
  刈田駐車場からは、再び静かなコースになる。お田神の湿原を通ってから、坊平への登山道に進んだ。一旦迂回してきた車道脇に出てからは、蔵王ライザワールドスキー場の下りになる。草むらの中の道のため、日差しに苦しまされる区間であるが、幸い霧が出てきて涼しい状態になっていた。
 今回は、花の時期としては少し遅かったが、また季節を変えて訪れたいコースである。

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