クルミ遊歩道、坊谷山、俎倉山、金石が鳥屋山

ルミ遊歩道、坊谷山
俎倉山、金石が鳥屋山


【日時】 2016年7月16日(土)〜17日(日) 1泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 16日:曇り 17日:曇り後雨

【山域】 山古志周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 月見の峰・つきみのみね・344m・三等三角点・新潟県 【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/小千谷/小平尾
【コース】 根小屋花と緑と雪の里より
【ガイド】 なし

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 坊谷山・ぼたんやま・306.8m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/十日町/五日町
【コース】 登り:柳古新田コース、下り:門前コース
【ガイド】 なし

【山域】 南会津
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 俎倉山・まないたぐらやま・963m・なし・福島県
 金石ヶ鳥屋山・かないしがとやさん・969.6m・二等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/小林/会津小林
【コース】 日宮沢入口より
【ガイド】 分県登山ガイド「福島県の山」(山と渓谷社)、南会津・鬼怒の山50(随想社)、うつくしま百名山(福島テレビ)、会津百名山ガイダンス(歴史春秋社)

【時間記録】
7月16日(土) 6:00 新潟=(北陸自動車道、中之島見附IC、R.17 経由)=7:50 根小屋花と緑と雪の里〜8:24 発―8:42 分岐―8:53 第二展望台―9:19 第一展望台―9:34 クルミ・水口遊歩道入口―9:47 第一展望台〜9:52 発―10:13 第二展望台―10:23 分岐―10:49 根小屋花と緑と雪の里=(R.17 経由)=11:25 柳古新田登山口〜11:49 発―12:07 山城―12:16 坊谷山〜12:25 発―12:32 大日堂―12:37 塔之山―12:56 門前登山口―13:10 柳古新田登山口=(R.17、小出、R.252、只見、R.289 経由)=16:00 入叶津  (車中泊)
7月17日(日) 4:30 入叶津=(只見、R.289)=5:00 日宮沢入口〜5:27 発―6:38 分岐―6:53 俎倉山〜7:00 発―7:14 分岐―7:53 金石ヶ鳥屋山〜8:00 発―8:35 分岐〜8:50 発―9:48 日宮沢入口=(R.289、只見、R.252、渋川、R.290、栃尾、下田、R.290、加茂、R.403、R.49 経由)=13:00 新潟
 クルミ遊歩道は、堀之内PAに隣接する根小屋花と緑と雪の里から北側の根小屋放牧場方面に向かって延びる遊歩道である。ひと登りすると、展望の良い細尾根が続くようになる。

 坊谷山は、八海山から西に延びる尾根が、魚沼平野に突き出て最後の盛り上がりを見せる小山である。山中の登山道沿いには石仏が置かれて、地元の信仰の山になっている。最近登山道が整備されて、魚沼平野の展望台として注目されている。

 金石ヶ鳥屋山は、只見町小林の集落を見下ろす双耳峰の山である。金石の名前は、この山に鉱山があったことに由来するという。また麓には、観音の形をした自然石が信仰の対象になった「 日宮沢観音」がある。

 せっかくの三連休であるが、天気がぱっとしない。海の日の休日は、梅雨明けが間に合わず、アウトドアの遊びには時期が悪い。遠出もいやなので、中越方面で雨でも歩ける山を考えた。堀之内の根小屋花と緑と雪の里から遊歩道が延びているようだが、ネットで調べてもコースが判らなかった。現地で歩いて確かめることにした。おそらく、これだけでは時間が余るはずなので、最近整備されたらしい坊谷山を組み合わせることにした。二日目は、一応入叶津側からの浅草岳をメインに考えたが、天気の様子で変更する可能性も考えた。
 高速代の節約のために、中之島見附から先は一般道を走った。堀之内ICの入口を見送って、公園入口への道に進んだ。人気の芝桜の季節は終わって、公園の駐車場には、管理人の車が停まっているだけであった。公園の案内図を見たが、自然観察遊歩道なるものは書かれていたが、クルミ遊歩道なるものは見当たらなかった。公園の西に流れるのがクルミ川と書かれているので、西奥の駐車場に車を進めた。
 身支度をして歩き始めたが、トンボ池の脇から丸太の階段状に整備された自然観察遊歩道が始まっていたので、これに進んだ。ひと登りすると公園の中央部から延びてきた遊歩道が合わさってきたが、そのまま北に向かって進んだ。道はしっかり整備されていたが、これがクルミ遊歩道であるのか判らないのが少し不安であった。登りが続き、どうやら公園の敷地からは出てきたようであった。来た方向に向かって公園中央と書かれた新しい石柱が現れて、どうらや間違ってはいないようであった。その先で、三叉路に出て、左は第二展望台、右は公園東台地と書かれていた。
 ここから急坂を登ると、細尾根上に出て、第二展望台に到着した。ここで不思議なのは、最初に第二展望が現れたことであった。曇り空で、越後三山の山頂部は隠されていたが、魚沼平野の眺めは広がっていた。山に囲まれた魚沼平野のため、気温が上がってきており、汗がしたたり落ちるようになっていた。
 この先は、細尾根が続き、先のピークへと続く遊歩道も一望することができた。展望を楽しみながらの尾根歩きが始まった。崩壊地のヘリを伝うような所もあったが、ロープも張られており、尾根の幅もあることから家族連れでも歩けるであろう。川山旧道への分岐を過ぎ、ひと登りすると第一展望台に到着した。ここも良い展望地になっていた。東の谷間に棚田が広がっており、すぐ先に田毎の月と書かれた標識が置かれていた。
 小ピークを越すと下りになって、車道に飛び出して、遊歩道の終点になった。ここで、ようやくクルミ・水口遊歩道案内図の案内板が現れた。クルミ遊歩道は、ここが起点で下っていくのが順路になっているようであった。現地の様子が判った帰宅後に再度ネットで調べると、公園の西側の車道を少し進んだところから始まる川山旧道を登りに使って、クルミ遊歩道を下るのが標準のコース設定になっているようである。細尾根歩きなので、体力に余裕があるのならクルミ遊歩道を往復しても楽しめる。
 来た道を戻ることにして、案内図によるところの月見の峰に登り返し、その先の第一展望台でひと息いれた。展望の開けた細尾根の下りは楽しめるものであった。正面に見える御嶽山は、他の登山者に合わないことはない状態になっているが、ここは一人占めの山を楽しめる。
 分岐に戻って、公園東台地へのコースに進んだ。208m点への登り返しがあって少し時間がかかり、最後は芝桜園を見下ろす展望台の上に出た。このコースは草が延びていたりしてあまり歩かれていないようであった。
 クルミ遊歩道は、展望が楽しめそうで、晴の日に改めて再訪したいと思う。また、第二展望台までのスノーシュー歩きとしても楽しめそうである。
 続いて、坊谷山に向かった。小出から浦佐方面に向かって、R.17の浦佐バイパスができており、移動時間が短くなっていた。坊谷山の南西の山裾をかすめる県道脇に柳古新田登山口が設けられていた。工場のような敷地の隅にボタンと書かれた登山者用駐車スペースが設けられていた。この山の名前は、以前出ていた「新潟のハイキング」では、「ぼうやさん」と書かれていたのだが、地元では「ぼたんやま」と呼ばれていることを知った。この山に登ったのは2002年11月だったので、ずいぶんと時間が経って、登山道の状態も大きく様変わりしていた。
 柳古新田コースは、丸太の階段で整備された急登で始まった。車の中で昼食をとってから歩きだしたが、お茶をがぶ飲みしたせいもあるのか体が重かった。幼稚園児も登るようなことが書いてあったが、暑さも厳しく大汗をかいての登りになった。
 ひと登りして傾斜も緩くなり、尾根沿いに登っていくと、山城(くるわ、見張り所)と書かれた標識が木に取り付けられていた。そこから緩やかに登っていくと、刈り払いの広場に三角点が置かれた坊谷山の山頂に到着した。浦佐駅と上越新幹線の線路を良く見下ろすことができた。
 坊谷山の登山道整備のことを知ったのは、上越新幹線で新しく走ることになった現美新幹線の展望地として、この山がテレビで紹介されたことによる。登山口にも「現美新幹線展望」と書かれた案内板も置かれていた。汗を拭いながらしばらく待つと、通常運行の新幹線であるが、下りの列車が走ってきた。確かに遮るものの無い展望が広がっているが、距離が少しあるので、新幹線の撮影には、望遠レンズが必要である。
 さらに進んでいくと、右手に下りていく道があり、稲見神社へと下ることができるようであった。その先僅かで広場に出て、ここには大日堂と書かれ、石仏が置かれていた。ここが本来の山頂であるような感じであった。さらに150mで塔之山に到着。ここには江戸時代中期に大崎の地に災いが降りかからぬように造られた五重の塔が置かれている。
 尾根沿いに細越への登山道が続いているが、南に下っていく門前コースに進んだ。尾根沿いの道の途中には石仏も置かれていた。最後に左に尾根を外すと谷間に下り立ち、杉林の中を進んでいくと山裾に走る車道に飛び出した。門前コースの案内は杉林の中に少し進んだところに置かれているので、こちらから登ろうとすると、登山口を探すのに迷うかもしれない。後は、山裾を走る農道を伝って柳古新田登山口に戻った。
 最近は、六万騎山も大賑わいになってきたので、軽い登山を楽しむのなら、坊谷山も良いかもしれない。
 暑さにまいり、翌日の浅草岳のために入叶津へと移動する途中、六十里峠近くの標高の高いところで涼みながら時間をつぶして、夕方に入叶津に到着した。登山口には、時間が遅いにもかかわらず5台の車が止められていた。ヒメサユリの時期は終わっているが、人気は高いようである。
 少し戻った所の空き地に車を停めて夜を過ごした。翌朝、ようやく明るくなった空を見上げると、雲がどんよりと垂れこめていた。早い時間に天気が崩れそうなため、浅草岳は諦めて、金石ヶ鳥屋山に変更することにした。
 一旦、只見の街に戻り、伊南川沿いのR.289を走り、亀岡橋で対岸に渡って上流部に向かうと、貯水施設のある日宮沢の入口に到着した。空き地もあって、車を停めるには好都合であった。朝食をとっていると、車がやってきて、釣りの用意をして川に下り立っていった。林道入口には、日宮沢観音の案内板が置かれていたが、金石ヶ鳥屋山登山口の標識は無かった。金石ヶ鳥屋山は、分県登山ガイド「福島県の山」の新版からは除かれてしまっているが、看板がたてられていることの多い「うつくしま百名山」であることから、案内板が無いのは意外であった。
 林道は細く先が判らないので、入口から歩くことにした。金石ヶ鳥屋山に前回登ったのは、1999年9月なので、かなりの時間が経過して、記憶もほとんど無くなっている。以前は未舗装であったはずなのだが、舗装された林道が続いていた。こうの沢に入って傾斜が増すと、短い区間であるが、舗装がはげて路面の悪い所も出てきた。車を進めるか止めるか迷う状態になっており、これなら最初から歩いていた方が気持ちが良い。
 ジグザグの登りが始まると、右手の斜面にはスラブ状の岩場が現れてきた。その上の台形状の山頂が金石ヶ鳥屋山のようであるが、まだまだ高いところにあった。大汗をかいて金石ヶ鳥屋山との鞍部に到着した。金石ヶ鳥屋山方面へは、赤布が付けられていて、少し下った先に登山道が続いているのが見えた。
 まずは、俎倉山を先に登っておくことにした。林道をそのまま進んでいくと、俎倉山の山頂に到着した。俎倉山の山頂は、いくつものテレビ塔や中継基地で占められていたが、伊南川沿いの里の眺めや馴染みの薄い南会津の山の眺めが広がっていた。金石ヶ鳥屋山の山頂も眺めることができたが、そこに至る尾根筋ははっきり見分けられず、急な登りが待ち構えているようであった。
 林道を戻り、分岐から金石ヶ鳥屋山に向かった。少し下ってからブナ林の急斜面を登ると、尾根沿いになったが、道型ははっきりしているものの、灌木が倒れこんでいる状態であった。幸い、赤布が一定間隔に付けられていたので、迷う心配はなかった。前ピークを越すと大下りになって、帰りの登り返しが気になった。鞍部付近は、夏草が茂っており、登山道が隠されているほどであった。この状態は、初心者向けというよりは、軽い藪山という感じであった。
 金石ヶ鳥屋山へは、足元に注意が必要な急登になった。到着した金石ヶ鳥屋山の山頂は、小広場になっており、むしろが敷かれていた。保安林内作業許可済標識の掲示が置かれており、アナログテレビ施設撤去後の植生回復が行われているとあった。以前は、施設に占められていて腰を下ろす場所もない山頂であったが、好ましい雰囲気に変わっていた。
 金石ヶ鳥屋山からの急な下りは、木の枝をつかみながら短い時間で済んだが、その後の前ピークの登り返しは、きつく感じた。
 分岐に戻って、周辺のブナ林を眺めながら大休止をとっていると、本降りの雨が始まった。浅草岳からの変更は正解であったが、金石ヶ鳥屋山の半藪漕ぎ中の雨はご免こうむりたいので、タイミングがぎりぎり合ったということになる。
 傘をさしながら下っていくと、林道脇の草刈りに大勢の人が集まっていた。集落総出の作業のようであった。
 雨になったので、山も終わりにして家に戻ることにした。

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