磐梯山、裏磐梯野鳥の森探勝路展望台、三坂山

磐梯山、裏磐梯野鳥の森探勝路展望台
三坂山


【日時】 2016年5月27日(金)〜29日(日) 2泊3日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 28日:晴 29日:曇り晴

【山域】 磐梯山
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 磐梯山・ばんだいさん・1818.6m・三等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 福島/磐梯山/猪苗代、磐梯山
【コース】 押立コース
【ガイド】 山と高原地図「磐梯・吾妻」(昭文社)

【山域】 裏磐梯
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 裏磐梯野鳥の森探勝路・うらばんだいやちょうのもりたんしょうろてんぼうだい・1098m・なし・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 福島/吾妻山/檜原湖
【コース】 野鳥の森遊歩道
【ガイド】 山と高原地図「磐梯・吾妻」(昭文社)

【山域】 会津
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 三坂山・みさかやま・831.9m・三等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/宮下/沼沢沼、宮下
【コース】 滝原登山口より
【ガイド】 分県登山ガイド「福島県の山」(山と渓谷社)、うつくしま百名山(福島テレビ)、会津百名山(歴史春秋社)

【時間記録】
5月27日(金) 16;00 新潟=(R.49、宮古橋、R.49、磐梯 経由)=19:30 猪苗代リゾートスキー場登山口  (車中泊)
5月28日(土) 5:45 スキー場登山口―6:38 ロープウェイ駅分岐―8:06 磐梯山〜8:25 発―9:24 ロープウェイ駅分岐―10:00 スキー場登山口=(翁島、猪苗代町、R.115、R.459、雄子沢 経由)=11:00 細野登山口―11:16 遊歩道終点―11:36 馬の背―11:43 つげの台―11:59 分岐―12:09 展望台〜12:32 発―12:40 分岐―12:55 つげの台―13:00 馬の背―13:16 遊歩道終点―13:33 細野登山口=(R.459、R.121、塩川、会津坂下、R.49、R.252 経由)=15:30 滝原  (車中泊)
5月29日(日) 5:12 滝原登山口―5:35 巡視路分岐―6:20 728mピ−ク―6:57 三坂山〜7:00 発―7:35 728mピ−ク―8:02 巡視路分岐―8:18 滝原登山口=(R.252、R.49 経由)=10:40 新潟

 磐梯山は、会津の中心部猪苗代湖の北側に位置する火山である。磐梯火山は、大磐梯山、櫛ヶ峰、赤埴山の三つから構成されており、方向によって姿が異なる。1888年の水蒸気爆発によって大磐梯山の北に位置していた小磐梯山は吹き飛び、流れ出た土砂は川をせき止め、裏磐梯の湖沼地帯が作られた。

 野鳥の森は、檜原湖の西岸の細野から設けられた遊歩道の終点部で、檜原湖と磐梯山の展望が開けている。

 三坂山は、会津三島町の只見川左岸にある山である。奥州二ノ宮、会津総鎮守である伊佐須美神社は、御神楽岳、三坂山、博士山、明神ヶ岳と移った後に、現在の地に遷座されたという伝説もある信仰の山である。登山道は、北側の美坂高原からと、南の只見川の畔の滝原口からの二つのコースがある。

 磐梯山の登山コースは幾つもあるが、そのうち押立コースはまだ歩いていなかった。昨年の夏に登ろうと考えたが、猛暑のため、直登の続くこのコースは厳しそうということで直前に中止したことがある。暑さも本格的でない、この時期に登っておくことにした。
 時間に余裕をもたせるため、前夜入りした。スキーゲレンデの少し上部に登山口があった。駐車スペースは、道路脇のゲレンデになっている草地で、駐車場が満杯という心配はない状態であった。早朝に到着した車の音で目が覚めた。山菜採りがはやばやと到着してきているようであった。
 登山道は、ゲレンデの左から始まったが、途中で林道に出ると右側に移動し、右に沿うようになった。傾斜はそうきつくはなかったが、見晴らしの無い木立に囲まれて単調な登りになった。
 ひと汗かくと、左からロープウェイ終点からの登山道が合流した。夏山だけかと思っていたのだが、看板を見ると、6月からは土日に運行されるとのことであった。今日は、5月の最後の週末なので、比較的空いた時に登れて良かったということになる。このロープウェイの始発は9時なので、歩き始めは遅くなってしまう。ここまでの傾斜は緩やかであったが、ここからがきつい登りになるのでロープウェイを利用してもそれほど楽をしたことにならない。磐梯山を一番楽に登りたいというのなら、八方台コースであろう。
 傾斜は増してきて、石が露出して歩き難くなってきた。南西に落ち込む尾根を目指して登っていくと、その直前でロープもかかる岩場が現れた。大岩一個分であるが、足場が濡れていたので、慎重に通過した。
 その先で尾根沿いの登りになると、前方に岩が突き出ているのが見えるようになった。この先はガレ場の登りになり、岩の中に踏み跡が乱れているので、コースを見定める必要があった。急な登りに汗していると、飯豊連峰が姿を現し、山頂からの眺めが楽しみになった。途中、岩に四合目と書かれているが、磐梯山の山頂は五合目なので、それを知らないと足が止まってしまう。
 到着した磐梯山の山頂は、先着していた登山者が入れ違いに下山していき、しばらくは一人占めになった。薄雲が広がっていたが、遠くの山まで見ることができた。まず、一番目を引きつけるのは、豊富な残雪をまとった飯豊連峰であった。その右手には朝日連峰と月山。櫛ヶ峰は荒々しい崩壊地を見せ、その向こうには吾妻連峰。安達太良山も間近に見えていた。振り返ると、猪苗代湖を眼下に見下ろし、那須連峰、日光連山、尾瀬周辺の山、越後の山、名前を上げきれないほどの山々が見えていた。
 食事にも早いので、展望を楽しんだ後、下山に移った。下山途中、大勢の登山者とすれ違った。
 押立コースは、直線的な上り下りで山頂近くでは展望が開けるが、いささか変化に乏しい。おそらく、このコースは今回限りになりそうである。
 磐梯山から下山しても時間が早かったので、裏磐梯野鳥の森探勝路展望台をもうひと歩きすることにした。檜原湖沿いに走っていき、細野に到着すると、広い駐車場が設けられており、ここが入口であった。探勝路は、板敷きの遊歩道が断続的に続いていた。周囲は湿地が広がっていたが、花は見られなかった。眺望遠レンズを付けたカメラと大型三脚をかついだ野鳥ファンも見かけた。
 しばらく道路に沿って歩いた後、谷間に入っていくと池が左に現れ、この先は登山道並みの道になった。左側の尾根にカーブを交えながら登っていって尾根上に出て、ここには馬の背という看板が置かれていた。通常馬の背というと細尾根なのだが、幅広の尾根が続いていた。小さなピークの乗り越しもあって、体力が必要になったが、登山道周辺にはブナ林が広がって気持ちの良い道であった。団体が下ってくるのにすれちがい、それなりに歩くものがいることを知った。
 もうひと登りして尾根上に出ると、三叉路に出た。直進すると檜原に下ることができるのだが、左折して展望台を目指した。分岐からはひと登りで展望台に到着した。
 展望台は、尾根の上りの途中に設けられた小広場で、ベンチが置かれ、檜原湖と磐梯山の眺めが広がっていた。磐梯山の眺めは良いが、場所が尾根の途中で中途半端である。せめてその先の1144mまで登山道が延びていれば、登った際の充実感も増すと思うのだが、中途半端な気がした。展望を楽しみながら、誰もいない展望台で昼食とした。
 車に戻った後、この日の歩きは終わりにして、会津坂下経由で只見川沿いの道に進んだ。翌日は、三坂山を登ることにしたが、登山口は国道沿いのため、夜は沼沢湖の湖畔で過ごし、翌朝登山口に戻った。
 三坂山への登山コースは、美坂高原からとこの滝原からの二通りあるが、充実した歩きを行うことのできるのは滝原コースである。美坂高原コースは簡単過ぎるし、入場料も取られる。
 駒形神社の入口に置かれた三坂山登山口の標識に従って草地の広場に進むと、登山コースの案内図が柱から取れて地面に転がっている。その脇の畑際から山裾に進むと、登山道が始まっている。 杉林の中から尾根に取り掛かると、急な登りが始まる。ひと登りすると石の祠が置かれており、先回はここに古峯神社のお札が置かれていたが、今回は見られなかった。尾根沿いに登っていくと、右に硬質ゴムの階段が整備された巡視路らしきものが下っていくのに出会った。その先で、道は二手に分かれる。直進は送電線の巡視路で、下山時にはこれを下ることになる。正規な登山道は左へとトラバース気味に続いている。地形図では、三坂山への破線が尾根沿いに書かれているが、実際とは全く異なっているので注意が必要である。
 緩やかに谷を巻くと、西側に走る尾根の登りになった。コナラ平という標識が現れたが、幅広尾根ではあるものの、平といった感じではない。霧が流れると、木立に雨音が立ったが、雨具を着るほどのことはなかった。大きくカーブして西に落ち込む尾根に乗り、尾根沿いに進むと723mピークに到着する。この723mピークからは、標識は置かれていないが、幅広の道が南に向かって落ち込んでいる。これは、前回の歩きで、送電線巡視路で下山に利用できることが判っている。
 この先は緩やかな尾根沿いの道になるが、登山道も幅広になる。巡視路の一部として整備されているようである。送電線の鉄塔下に出ると、やせ尾根の先に三坂山の山頂を望むことができた。見晴らしの尾根という標識も置かれていた。山頂までもうひと頑張りである。やせ尾根も短い区間で終わり、ブナ林が周囲に広がるようになった。
 山頂が迫った所で、コースは左にコースを変え、トラバースして西に延びる尾根上の送電線鉄塔下に出た。ここからの眺めは素晴らしく、飯豊連峰や歩いてきた723mピークからの尾根を望むことができた。この鉄塔からはひと登りで三坂山の山頂に到着した。
 三坂山の山頂は、、只見川方面の眺めは開けているものの、マイクロウェーブの反射板に占領されておりあまり面白くない。ここまでの歩きを楽しむ山といって良い。ひと息ついて引き返した。
 山頂下の鉄塔に出ると、雲海も切れてきて、展望も広がってきていた。やせ尾根の鉄塔付近ではヒメサユリが咲いており、写真撮影にしばらく足を停めることになった。自然に生えた花は、数が少なくともひと際美しく思う。
 723mピークからは、送電線巡視路を下った。南東に落ち込む尾根の急降下になった。途中、泥斜面で滑りやすく木の枝をつかんで下るところも現れたが、道幅自体は広く、迷う心配はない。鉄塔下に出たところで、送電線に沿ってのトラバース道になった。道型はしっかりしているが、夏草が伸び始めていたので、時期によっては草がうるさくなるかもしれない。西側の尾根上に見えている鉄塔下に出て、ここからは尾根沿いの下りになり、上りの際に通り過ぎた分岐に戻ることができた。せっかく整備されている道なので、上りは正規の登山道、下りには巡視路を使うのが良いと思う。
 分岐からは、ひと下りで登山口に戻ることができ、時間は早いが家路につくことにした。

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