白根山

白根山


【日時】 2015年11月22日(日) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 川内山塊 【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 白根山・しろねやま・918.1m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/粟ヶ岳
【コース】 林道親沢線沿い登山口より往復
【ガイド】 なし

【時間記録】 5:55 新潟=(R.49、亀田、R.403、加茂、R.290、荒沢、R.289 経由)=7:05 林道親沢線入口〜7:25 発―7:46 登山口―7:58 山ノ神―8:36 稜線上―8:45 熊狩の眺め場―9:30 前白根―9:50 白根山〜10:05 発―10:19 前白根―11:02 熊狩の眺め場〜11:20 発―11:25 稜線上―11:49 山ノ神―11:57 登山口―12:17 林道親沢線入口=(往路を戻る)=13:45 新潟
 白根山は、粟ヶ岳の南、笠堀ダムとの間に位置する川内山塊の山である。北の駒出川と南の親沢、さらに東の笠堀川に囲まれて、粟ヶ岳と烏帽子岳に稜線が続いて、西面のみが開けた山になっている。川内山塊入口にあり、山頂付近からは、粟ヶ岳や矢筈岳、青里岳、駒形山、光明山、烏帽子岳といった山々を眺めることができる。この山は、これまでは積雪期の登山を行うか、地形図にも記載されている親沢沿いの破線をたどって最後はヤブコギで山頂に達していたが、最近登山道が開かれて一般登山の山になっている。

 三連休の中日は、なんとか雨からまぬがれそうなので、少し本気の山として下田の白根山に出かけることにした。白根山はこれまで三回登っているが、先回は2006年10月20日で、かなりの時間が経っている。
 下田の日帰り温泉「いい湯らてい」を過ぎて笠堀に向かうと、白根山登山口に到着する。入口には新しい白根山登山口の立てられていた。舗装された林道を進むと、すぐ先で広場に出る。ここは、会越産業の砕石場跡であるが、事業は終了して、広場の周囲は草むらに変わっていた。広場の奥から林道親沢線が始まっているが、先をうかがうと鎖がかかっていたので、広場奥のスペースに車を置いて歩き出した。
 林道親沢線は、数年前の集中豪雨で大きな被害を受けて工事が行われていたと聞いていた。林道の路肩部分の崩れやすい部分は、コンクリートで固められて良く整備されていた。しばらく、烏帽子岳との間の谷間を眺めながら林道歩きが続くが、今は使われていない鎖用のポールを過ぎたところで白根山の登山口に到着する。以前は、枝沢の右岸側から取り付き、少し登った所で沢をまたぎ越して左岸尾根に取り付いた。現在は、先に進むようにという矢印が書かれており、これに従って左岸尾根の末端部を回り込むと、白根山登山道入り口という標柱が置かれていた。
 来た方向に戻るように滑りやすい踏み跡を辿ると尾根上に出て、この先はしっかりした登山道が続くようになった。ひと登りで山ノ神に到着した。木製の男根が小さな祠の前に備えられていた。新しい金属製の標識が置かれており、現在地の「山ノ神」の他に「熊狩りの眺め場まで約1時間」と書かれていた。この先の目標地点までの時間が判るのは良いが、この先は急登の連続なので、足が止まらなければという条件が加わる。幅広の登山道が続き、以前よりも登山道の整備は良くなっていた。
 台地に出ると杉の植林地となり、登山道は右に回り込むようにコースを変えてから東側の尾根に取り付いた。残雪があれば迷いそうな地形であった。尾根に取り付くと、ここまで以上の急坂が続くようになった。標高差200mほどを一気に登る必要があり、一番の頑張りどころになる。
 稜線上に出てひと息ついた。2006年の先回はこの付近で熊に出会ったが、今回は無事であった。緩やかな尾根歩きも僅かで熊狩りの眺め場に到着した。駒出川の谷向こうには粟ヶ岳が大きく広がっていた。紅葉も終わって冬も間近に迫っているが、雪は見られず茶色の姿を見せていた。今年は暖冬のようで、この季節の山行で楽しみな新雪の姿もしばらくお預けのようである。白根山に至る稜線も一望でき、地名の通りに眺めの良い場所である。急登を終えて稜線に出たところで休みたくなるが、ここまで進んでから休んだ方が良い。標識には、「山頂まで約90分」と書かれていた。
 この先は、小さなピークを乗り越しながらの稜線歩きが続くようになる。やせ尾根で、足元に注意が必要なところもあって、適度な緊張感が必要になる。ただ、周囲の展望は素晴らしく、しばしば写真撮影に足を停めることになった。再び急登が続くようになり、これを越して山頂到着と思ってしまうが、ここは前白根山と呼ばれる稜線の張り出し部である。少々がっかりするが、標識には「山頂まではもう一息」と書かれている。
 登りをもうひと頑張りすると、白根山の山頂に到着した。山頂は刈り払いも充分行われた広場になっており、粟ヶ岳や矢筈岳、青里岳の眺めが広がっていた。特に粟ヶ岳から一本岳を経て白根山に至る緩やかな稜線は魅力的に見えた。
 山頂から先には二本の刈り払い道が続いていた。一本は以前も歩いたことのある谷奥の山道へ下り立つ道であろう。刈り払いもしっかりしており、林道終点までこの状態が続いているのか興味がわいた。ただ、このルートを歩くには、まずは谷沿いの山道が歩けるのかを確認する必要がある。もう一本は、粟ヶ岳方面への刈り払いであったが、すぐに笹薮に突き当たった。残雪期に雪田まで下りるための刈り払いなのかもしれない。
 誰もおらず一人占めの山頂でひと休みした。三連休中、これだけの大展望を楽しめる山ということを考えると、静かな山を楽しむことができたのは貴重な体験ということになる。昼食には少し早いので、とりあえず下山を開始した。急斜面は落ち葉と泥で滑りやすく、登山道脇の木の枝も利用する必要があった。小ピークの乗り越しで、往路と同じくらいの体力を消耗した。熊狩りの眺め場まで戻った所で、昼食の大休止にした。
 稜線から急坂を下っていくと、単独行とすれ違った。さらに杉林近くまで下ったところで、単独行とすれ違うと、「熊狩りの眺め場まであとどれくらい」と聞いてきた。大して登っていなではないかと思ったが、半分くらいと言っておいた。光明山を登りにきたが、通行止めだったので白根山にやってきたとも言ってきた。光明山は長らく登山禁止状態だし、光明山を登ろうとするならば時間もかかるので早立ちが必要で、白根山に予定変更したとしても昼にこの辺にいるのはおかしなことである。さらに登山口に下り立つと、谷沿いの山道の奥の方から男女二人が戻ってきて、白根山の登山口はここかと聞いてきた。標識も立っていて一目瞭然なはずなのだが。白根山までどれくらいとも聞いてきたので、3時間ほどと教えた。様子を見ると登山道を登っていったが、昼頃から本気で登るつもりであったのだろうか。以前は地図読みをして藪漕ぎで登った白根山であるが、登山道ができたおかげで、安易な考えの登山者も訪れるようになったようである。

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