尾瀬ヶ原、鬼ヶ面山

尾瀬ヶ原
鬼ヶ面山


【日時】 2015年6月17日(木)〜19日(土) 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 18日:曇り後雨 19日:曇り

【山域】 尾瀬
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 尾瀬ヶ原・おぜがはら・1400m・無し・群馬県、福島県、新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/燧ヶ岳、藤原/燧ヶ岳、尾瀬ヶ原
【コース】 裏燧林道
【ガイド】 山と高原地図「尾瀬」(昭文社)
【温泉】 駒の湯 500円

【山域】 浅草岳
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 鬼ヶ面山・おにがつらやま・1465.1m・三等三角点・新潟、福島
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/須原/毛猛山
【コース】 六十里峠登山口より
【ガイド】 山と高原地図「越後三山、平ヶ岳、巻機山」(昭文社)

【時間記録】
6月17日(木) 13:45 新潟=(R.49、安田IC、磐越道、会津坂下IC、R.49、会津坂下、会津本郷、芦ノ牧温泉、R.118、湯野上、R.121、会津田島、R.289、南郷、内川、R.352 経由 経由)=19:30 御池  (車中泊)
6月18日(金) 5:40 御池―7:12 裏燧橋―7:45 三条の滝分岐―8:56 温泉小屋―9:11 三叉路〜9:20 発―8:40 見晴〜9:50 発―10:22 竜宮三叉路―10:48 ヨッピ橋―11:04 東電小屋―11:26 三叉路―11:46 温泉小屋〜12:05 発―12:36 三条の滝分岐―13:35 裏燧橋―14:55 御池=(R.352、内川、R.401、R.289、只見、R.252 経由)=18:00 六十里登山口  (車中泊)
6月19日(土) 5:30 六十里登山口―5:57 峠部―6:27 反射板―6:41 登山道入口―7:22 南岳―8:05 鬼ヶ面岳―9:01 南岳〜9:15 発―9:45 登山道入口―9:58 反射板―10:25 峠部―10:49 六十里登山口=(R.252、R.290、栃尾、森町、R.290、黒水、R.403、R.49 経由)=13:30 新潟

 尾瀬ヶ原は、群馬県、福島県、新潟県の三県にまたがり、約1400mの標高に、東西約6km、南北約1kmにわたって広がる本州最大の湿原である。尾瀬ヶ原は、季節を変えて、ミズバショウやニッコウキスゲを代表とする高山植物や紅葉に彩られ、訪れる登山者も絶えない。

 鬼ヶ面山は、浅草岳の南に位置する稜線続きの山である。六十里越峠から岩壁の縁を辿りながら鬼ヶ面山に登り、さらに浅草岳に至る縦走を行うなど、体力に応じた登山を楽しむことができる。最近では、ヒメサユリの花を目当てに登る者も多くなってきている。

 梅雨入り間近であるが、山は花を楽しめる季節になっている。平日に山に行けることになったので、空いているはずの尾瀬で花を楽しみ、翌日は鬼ヶ面山でヒメサユリを見ることにした。二日目に鬼ヶ面山のために六十里越えを行うので、行きは会津を回っていくことにした。いつものように、御池の手前で夜を過ごして、朝になってから御池の駐車場に入った。幸運なことに、御池の駐車料金は19日までは無料で、20日からは1000円取られるということであった。沼山峠へのシャトルバスは、途中で不通になっており、乗り換えのために中間で15分ほど歩く必要があるということであった。夜通し停められている車は泊り客のもので、早朝に歩き出そうとしている登山者は少なかった。
 尾瀬沼経由で周回しようかとも思ったが、単純に裏燧林道を往復することにした。登山口から歩き出すと、すぐに燧ヶ岳の登山道が分かれるが、見晴らし新道は通行禁止になっていた。温泉小屋道は廃道になっているので、燧ヶ岳からは尾瀬ヶ原に下りることができないことになる。登山道の復旧が望まれる。
 分岐のすぐ先で御池田代に出るとコバイケイソウの花が出迎えてくれた。また湿原の脇にはミズバショウの花も咲いていた。田代坂を登ると、姫田代、次いで上田代に出る。湿原の上に聳える燧ヶ岳の眺めが素晴らしかった。また残雪の筋を描く平ヶ岳も眺めることができた。ヒメシャクナゲも多く見られ、足を停めて撮影を行うことになった。タテヤマリンドウの花も沢山あったが、まだ開いておらず、ネジリンボウの蕾が見られるだけであった。
 上田代を過ぎると、しばらくは樹林帯の中を黙々と歩くことになった。裏燧林道は全線にわたって木道が敷かれているが、朽ちている所もあって、足元にかえって注意が必要になっている。
 天神田代で渋沢への登山道が分かれるが、歩く者は少ないようで、泥に埋もれた状態になっていた。その先で裏燧橋に出ると、イメージ的には温泉小屋までの半分。もうひと頑張りする必要がある。周囲のブナ林も見事になってくるが、この先も長く感じる道である。三条の滝への分岐からは、山側の段吉新道に進んだ。
 温泉小屋に到着してからは、花の写真に専念しようと思っていたところ、雨が降り出し、東電小屋分岐のベンチで雨具を着こむことになった。ここまで雨に当たらなかっただけでも幸運であったと思う必要がある。
 平日のためか、天気予報が悪かったためか、人のほとんどいない湿原を見晴に向かった。タヌキランが風に吹かれてブーラブラと揺れていた。見晴で、奥のキャンプ場の状態を眺めにいくと、八木沢道は橋が落ちて通行止めとあった。尾瀬に入るには、事前に情報を確認する必要があるようである。
 とりあえず、竜宮三叉路から東電小屋に周遊して戻ることにした。尾瀬ヶ原の中に進むと、雨にもかかわらず、燧ヶ岳や至仏山、景鶴山などは見えており、湿原の眺めを楽しむことができた。尾瀬ヶ原は、木道が完備されているが、歩いていると足の裏が痛くなってきて、結構つらくなってくる。
 雨の中、ベンチで休むこともできず、結局温泉小屋の屋根の付いたベンチで大休止になった。その後の御池への歩きは、雨に濡れてしんどいものになった。驚いたことに、上田代が近づいた頃に尾瀬ヶ原に向かう登山者にすれ違ったことである。見たところ、コースタイムを大幅に短縮できる健脚とも思えず、雨の中を夕暮れ近くなって急ぐのは危うく思えた。
 雨に見舞われたものの、目的のトガクシショウマの花も見ることができ、花を楽しむことのできた山行であった。
 翌日の鬼ヶ面山のため、只見町経由で六十里トンネル入り口の登山口に向かった。ここには広い駐車場が設けられているが、早朝から起こされるのはいやなので、少し手前の空き地で夜をすごした。
 朝になって六十里トンネル入り口の駐車場に移動すると、すでに沢山の車が停められていた。県外ナンバーが目立ち、どうやら浅草岳まで往復する者が多いようであった。鬼ヶ面岳の往復なら、もう少しゆっくり出発して丁度良い。コーヒーを飲みながら見ていると、続々と歩き出していった。
 登山口からは、流水で抉られた溝状の登山道を登ることになるが、すぐに尾根に出て、後は歩きやすい道になる。T字路に出て、ここは右折。この道は、送電線巡視路として管理されているようで、この先も鉄塔への道が分かれるので注意が必要である。
 沢を横断しながらのトラバース道を進み、峠部の少し手前で、尾根の登りを開始する。九十九折の道が続き、この日一番の頑張り所になる。急坂を登りきると、マイクロウェーブの反射板が置かれた台地に飛び出し、残雪を留めた鬼ヶ面山の山頂も見えてくる。
 ここからしばらくは、吹峠方面から延びてきた林道の歩きになる。前岳から南西に延びてきた尾根の末端に到着したところで、再び登りが始まるが、幸い傾斜は緩やかである。崩壊地の縁に出て展望が開けると、雲海の上に燧ヶ岳も望むことができたが、展望が開けたのは朝の一瞬であった。  サンカヨウやツバメオモトを眺めながら登っていくと、前岳に到着した。尾根の先を見下ろすと、登山道脇にヒメサユリのお花畑が続いていた。前岳からの下りは崩壊が進んで、足場が悪くなっていたが、緩やかな尾根に下り立つを、後は花の撮影を楽しみながらの歩きになった。この先は、足場に要注意なトラバースもあるため、一旦カメラをしまって歩きに専念した。ヒメサユリは、途中で現れる小ピークで咲いており、息を整えながら写真撮影を行うことになった。
 誰もいない鬼ヶ面山に到着した。先行者は浅草岳を目指したようであった。ガスが広がって展望は閉ざされていたので、ヒメサユリの写真を撮りながら引き返すことにした。引き返す途中、大勢の登山者とすれ違った。ヒメサユリの咲く山として、鬼ヶ面山の人気は高まっているようであった。
 下山後、栃尾を回って名物の油揚げを買って家に戻ることにした。峠を下っていくと、入広瀬付近で豪雨に遭遇した。その後も、雨にあったり止んだりの繰り返しになった。局所的豪雨になっており、鬼ヶ面山や浅草岳の登山者の状況が心配になった。豪雨の中、鬼ヶ面山の稜線歩きは危険度が増し、やりたくはないものである。この日は、鬼ヶ面山でヒメサユリを見物したことに満足して下山したのは正解であった。

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