大力山、黒禿ノ頭、笠倉山、長森山、六万騎山、城が沢山、小貫木山

大力山から黒禿ノ頭、笠倉山
長森山から六万騎山
城が沢山から小貫木山


【日時】 2015年5月1日(金)〜4日(月) 前夜発3泊3日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 2日:晴 3日:晴 4日:晴

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 大力山・だいりきさん・504m・なし・新潟県
 黒禿の頭・くろはげのかしら・790m・なし・新潟県
 笠倉山・かさくらやま・907.2m・二等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田、日光/小千谷、須原/小出、大湯
【コース】 宝泉寺より
【ガイド】 なし
【温泉】 湯沢岩の湯 400円

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 長森山・ながもりやま・538m・なし・新潟県
 六万騎山・ろくまんきやま・321.0m・四等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/十日町/五日町
【コース】 六万騎山登山口より周回
【ガイド】 なし

【山域】 権現堂山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 城が沢山・じょうがさわやま・330.2m・三等三角点・新潟県
 小貫木山・こつなぎやま・510.0m・四等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/須原/須原
【コース】 林道権現堂北線より
【ガイド】 なし

【時間記録】
5月1日(金) 16:30 新潟=(R.49、R.403、黒水、R.290、森町、栃尾、R.290、R.252 経由)=7:10 小出  (車中泊)
5月2日(土) 5:50 宝泉寺―6:53 大力山―7:08 城山分岐―8:44 黒禿の頭〜8:50 発―9:38 笠倉山〜10:10 発―10:30 黒禿の頭―11:50 城山分岐―12:05 大力山―12:42 宝泉寺=(R.17 経由)=16:00 三俣  (車中泊)
5月3日(日) 4:10 三俣=(R.17、六日町、R.291 経由)=5:00 六万騎山登山口〜6:00 発―6:19 長森山登山口―6:49 地蔵ピーク―7:48 長森山〜8:20 発―9:55 六万騎山〜10:15 発―10:33 六万騎山登山口=(R.291、六日町、R.17、R.252、須原 経由)=14:00 林道権現堂北線入口  (車中泊)
5月4日(月) 5:45 林道権現堂北線入口―6:18 城が沢山―6:53 林道口―7:38 取り付き―7:40 小貫木山〜8:00 発―8:08 取り付き―8:48 林道口―9:30 林道権現堂北線入口=(R.290、栃尾、森町、R.290、黒水、R.403、R.49 経由)=12:00 新潟
 小出町の南で魚沼川にそそぎ入る大池川の源頭部には、城山から大力山、黒禿の頭、駒の頭、トヤの頭を経て鳴倉山に至る稜線が環状に続いている。このうち、城山から黒禿の頭までの間と鳴倉山には、一般登山道があり、越後三山を望みながらの山歩きを楽しむことができる。小出町の最高峰である黒禿の頭の東には、広域基幹林道高石中ノ又線が通過しており、この林道を利用すれば短時間でこのピークに立つことができる。林道を挟んで黒禿の頭に向かい合うピークの笠倉山には現在は登山道が開かれており、山頂からは越後駒ヶ岳と八海山の大展望を楽しむことができる。

 八海山の大崎登山道の三合目から南西に延びる尾根は、猿倉山、堂平山を経て六万騎山で終わる。長森山は、堂平山と六万騎山の間のピークで、地図には名前が記載されていないが、麓の集落の名前が山名として使われている。長森山への登山道に加えて、六万騎山への縦走路が整備されている。

 城ヶ沢山と小貫木山は、下権現堂山から北に延びる尾根の末端部にあるピークである。現在では、小貫木山の山頂直下を林道権現堂北線が通過しており、城が沢山からはこの林道への山道も通じている。

 連休明けに海外旅行を控えているため遠出は行わず、近場の中越の山を登ることにした。まずは、小出の笠倉山を登ることにした。先回登った時は、充分な展望が得られなかったので、山頂からの展望を楽しむのが目的である。高速代を節約するのと早起きを避けるため、前夜に家を出た。
 夜は小出の公園で過ごしたが、早朝に道の駅をのぞくと、駐車場は満杯になっていた。奥只見スキー場の客が夜を過ごしているようであった。最近は、道の駅も混み合って、夜を過ごすのは難しくなっている。
 小出側からの城山へのコースなど確かめたいところもあったが、一般的な宝泉寺から歩き出すことにした。宝泉寺から大力山へは、中部北陸自然歩道として整備されており、最近は人気が高まっており、冬の登山者も多くなっている。
 三十三番観音の石仏を眺めながら登っていくと秋葉堂に出て、広場からは大力山の眺めも広がる。山は新緑に彩られており、残雪も僅かになっていた。送電線の鉄塔下を抜けると階段登りになって、尾根上の三叉路に出る。尾根道を進んだ七合目からは谷沿いの道と尾根沿いの道に分かれる。尾根道を登っていくと、八合目付近からは残雪の上を歩くようになった。初心者がハイキング気分で登ってくると緊張してしまうかもしれない。左手の尾根沿いの通じている登山道に乗ると、ひと登りで大力山の山頂に到着した。あずまやが置かれており、最高点は少し先であるが、ここが山頂とされている。残雪をまとった尾根の上に広がる越後駒ヶ岳、中ノ岳、八海山の眺めは素晴らしかった。1時間程の登りでこれだけの眺めが広がるのは素晴らしい。
 大力山から黒禿の頭にかけての稜線を眺めると、残雪もかなり残っていた。ただ、雪庇も落ちて、安定した雪堤が続いているようであった。先も長いことから、残雪を踏んで先に進んだ。尾根が細くなる所では登山道も出ており、快調に歩くことができた。
 三叉路に出て、ここは左折。南斜面には杉林が広がっているが、林床は一面の残雪に覆われていた。三角点ピークを越えると、尾根沿いの登りが続くようになる。標高580m地点で、以前利用したこととのある「松の木尾根を経て芋赤に至る」コースが分かれるのだが、看板も無くなっており、道型も残雪の影響もあるのかもしれないが確かめることができなくなっていた。そこからひと登りした所が展望台とされており、「一の沢尾根を経て芋赤に至る」コースが分かれる。尾根沿いにはかすかな踏み跡が認められるが、ここを下るにはかなりの覚悟が必要になる。
 その先のピークに出ると、痩せ尾根が続くようになる。尾根上からは残雪も完全に消えており、安全に歩くことができた。シャクナゲの花も現れて、写真撮影のために足が止まった。黒禿の頭が近づくと尾根も広がって雪原の上を歩くようになった。ここからはもうひと頑張りで黒禿の頭に到着した。振り返ると、大力山から歩いてきた稜線を一望でき、達成感にも浸ることができる。以前は、ここが終点となって大休止になるところであるが、笠倉山まで登山道が整備されたとなると、まだゴールではない。大池川方面に通じる登山道を確認すると、刈り払いも行われて維持されているようであった。秋にでも周回に使って状態を確かめる必要がある。
 黒禿の頭から登山道を先に進むと、すぐに林道が現れる。深い切り通しのため、階段を下って林道に下り立つことになる。切り通し付近は、舗装道路も現れていたが、すぐ先で残雪歩きになった。林道歩きで問題になるのは、雪の斜面が谷に落ち込んで滑落の危険性があることであるが、特に問題なく進むことができた。笠倉山からの尾根がすぐ上に迫り、地形図を見ると幅広尾根のようであったので、林道を離れて少し藪を漕いで尾根上に出たが、藪が広がっていた。雪原も刈り払い道も無かったので、林道に戻ることになった。新しく開かれた夏道がどこから始まっているのか、一面の雪原で見当が付かなかった。
 笠倉山の西の肩に通じる尾根に雪が乗っていたので、ここから登ることにした。あと僅かで尾根上というところで雪が消えてしまった。戻るのも面倒なので、藪を突破することにした。すり抜けるのに力と時間を要するヤブコギモ10m程で尾根上に出ると、刈り払い道に出ることができた。
 歩く者は少ないようで荒い刈り払い道であったが、ひと登りで笠倉山の山頂に到着した。前回は湿気が多くてもやっていたが、この日は絶好の展望日和であった。越後駒ヶ岳や八海山の眺めも、近づいたためか大力山よりも迫力を増していた。残雪は白く輝き、谷間の木々は緑に染まっていた。春山としてもっとも美しい瞬間を迎えていた。振り返ると、すっかり雪が消えた魚沼平野を見下ろすことができ、季節の進み方の違いを感じた。大展望を独り占めにしながら大休止にした。
 笠倉山からの下りは、できるだけ刈り払い道を辿ってみることにした。標高850m付近で雪原が尾根上まで続くようになって、この先は雪原を辿って林道に下った。下っていくと、足跡が登ってきて、途中で引き返していくのに出会った。刈り払い道が雪堤と藪に隠されて判りにくくなっていたので、諦めて戻ったのだろうか。黒禿の頭からの下りでは、三人の登山者とすれ違っただけで、連休中としては静かな山であった。
 時間にも余裕があったので展望を楽しみながら歩いていたが、昼近くになると気温が上がってきて熱中症が心配な状態になってきた。五月連休頃の夏日は、体が暑さにまだ慣れていないので注意が必要である。大力山に戻って、本来ならばここでのんびりしていたかったが、水が残り少しになっていたので、そのまま下山を続けることになった。
 二日目は、雁ヶ峰に登ろうと思って湯沢の三俣に入ったが、脱水症状気味で、途中のコンビニで買ったペットボトルのお茶もがぶ飲み状態であったため、この暑さの中でのロングコースは無理ということで、予定変更になった。他の山の準備をしていなかったので、歩き慣れた山ということで長森山に向かうことにした。
 いつものように八万騎山の南側登山口近くの空き地に車を停めて歩き出した。しばらくは、長森山から続く稜線を眺めながらの車道歩きになる。長森山の登山口付近は、山菜採りが入って、藪の中でがさがさする音が聞こえていた。登り初めは杉林が広がって陰気な道であるが、雑木林に変わると、新緑が美しくなった。カタクリの花も終わっているのが少しさみしい感じであった。
 長森山も六万騎山の支城であったようで、地蔵が置かれている小ピークの前後には、空堀の跡があり、登り下りに余計な体力を使わせてくれる。地蔵のピークから八海山の工場を見下ろしてひと息入れて、さらに尾根沿いの登りを頑張ることになった。高さを増すと、ピンクのイカリソウも見られるようになったが、花は終盤のようであった。
 山頂が近づくと急坂となり、息も上がる。山頂手前の痩せ尾根も、良く踏まれて、以前よりも幅が広がった感じである。ここからひと登りで長森山の山頂に到着となる。
 長森山の狭い山頂に腰を下ろし、魚沼平野や坂戸山に巻機山方面を眺めながらの大休止にした。
 目の前の草むらを見ると、ワラビが何本も生えていた。登りの途中でもワラビを見かけていたが、ここだけでもひと握りはとれそうなため、ワラビをとっていくことにした。このおかげで、下山はワラビを探しながらの歩きになり、いつもとは違った歩きのペースいなってしまった。
 下りの途中の崩壊地も、以前のロープを張った鉄杭は崩れ落ちてしまっていたが、藪際に踏み跡が付けられて安全に通過できるようになっていた。誰にも会わないまま歩き、分岐から六万騎山への登り返しに移った。ここからはピーク越えのアップダウンもあるが、空堀の通過に体力を使う。最後にロープにも頼って泥斜面の急坂を登りきると、山頂のいっかくに到着する。花の時期にはカタクリのお花畑になるが、葉っぱが広がるだけであった。
 山頂のベンチに腰を下ろし、下山前の最後の休みにした。初めは数組の登山者がいるだけの静かな山頂であったが、トレイルランの30名程の団体が登ってきて騒々しくなってきた。話を聞いていると、コースもろくに把握していないようであった。軽装とも言えないような登山の装備無しであった。話を聞いていると長森山まで行くようであるが、水や食料は充分なのであろうか。ただ騒がしいだけであって、山の自然を楽しみに来たとは思えず、山中では出会いたくない一行であった。幸いすぐに先に進んでいってくれたが、下り口のロープ場で渋滞しているようで、人声がなかなか消えなかった。
 静かになった山頂を後に、六万騎山を後にした。階段状の登山道が続き、低山であっても登ろうとすると結構体力が必要になる。途中で休憩しているグループともすれ違った。
 この日も暑く、山歩きもこれで終えることにした。とりあえず、六日町のブックオフに行き、古本を見てまわった。時間をつぶしながら移動し、三日目の小貫木山のため、須原近くの林道権現堂北線入口に移動した。
 県道小出守門線は、抜け道として良く使われているが、この林道権現堂北線入口の先のトンネル部前後は冬季閉鎖になる。5月に入ったというのにかかわらず、現地に到着してみると、ゲートの先は雪に埋もれていた。道路脇の斜面の雪が落ちてきて道路をふさいでいた。斜面の雪が消えるまでは道路は開通しないようであった。ゲート前に車を停められるのは良かったが、小出方面から車が走ってきてはユーターンしていくのが度々見られたので、須原側を迂回して松川側のゲート部で夜を過ごした。
 朝になって、再び林道権現堂北線入口に移動した。小貫木山へは、2001年1月26日に須川の集落からスノーシュー歩きで登ったが、今回は林道権現堂北線が山頂近くまで延びていることを知って、城が沢山と合わせて歩こうという計画である。地形図にも記されている林道権現堂北線の下部は、2007年3月17日の城が沢山のスノーシュー歩きの際に使ったことがあるが、その際に小貫木山近くまで延びていたかは知らないでいた。
 林道権現堂北線は、入口のすぐ先で雪に埋もれていた。ここも脇の斜面から雪が落ちてきたためのようであった。細い谷間を抜けると、溜池があり、その脇から送電線の巡視路が始まっている。雪の残る杉林の中のジグザグ道であるが、幅もあるので見失わずに辿ることができた。尾根上に出ると、夏道も現れて気楽に歩くことができるようになった。すぐ先で送電線の下を抜け、緩やかに登っていくと城が沢山の山頂に到着した。中央部は草むらとなり、残雪もあって三角点は見つけることができなかった。山頂は三叉路になっており、向松川方面に向かってしっかりした刈り払い道が続いていた。地形図の破線道が生きているようであった。
 城が沢山からは南に向かう山道に進む。少し藪っぽいが問題なく歩ける状態であった。緩やかに下っていくと、残雪に道が隠されるようになった。ただ、尾根沿いの歩きなので迷う心配は無かった。小ピークを越した後は登り坂となりさらにピークを越えた先が林道との出会いになる。切り通しは深く、林道に下りるには階段下りになるが、整備されてから時間が経って階段が崩れかかっている所もあって足場に注意が必要であった。
 林道に下り立つと、目指す小貫木山に向かって林道が長々と延びているのが見えた。林道の残雪も谷側が融けて路面が出ているようであった。林道は尾根のすぐ下を巻くように続いていた。一ヶ所、路肩の斜面から崩れ落ちた残雪がブロック状に積み重なって、すり抜けるのに苦労する場面もあった。この林道は、斜面の雪が落ちた後でないと雪崩の危険が高そうである。
 林道脇の法面は高さもあって、山に取り付ける所は限られていた。小貫木山の山頂下を通り過ぎ、北東に延びる尾根に回り込んでいくと、杉林が広がっており、ここから山頂に向かって取りつくことができた。林道の先は確かめなかったが、尾根を巻いた後、名平尾沢源頭近くまで延びている林道につながっている可能性がある。
 残雪を辿って尾根上に出たが、杉林の中は下生えは少なく、夏の時期でも歩くのは簡単そうであった。尾根沿いは、植林地の縁になって刈り払われ歩きやすくなっていた。残雪と土の上を歩いていくと、ヤブコギも無く小貫木山の山頂に到着した。山頂の三角点を確かめることができたが、その周囲は木立に囲まれて展望は閉ざされていた。少し先に進んで雪原に出ると、守門岳の眺めが広がった。雪が消えてから林道に車を乗り入れれば簡単に登れる山頂であったが、白く輝く守門岳の眺めは残雪期ならではのものである。
 帰りは、林道をそのまま辿って、車に戻った。帰りは、守門岳の眺めを楽しむことができ、楽しい歩きになった。

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