品倉山

品倉山


【日時】 2015年4月18日(土)
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 月山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 品倉山・しなくらやま・1210.9m・三等三角点・山形県
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/湯殿山/湯殿山
【コース】 湯殿山有料道路入口
【ガイド】 なし

【時間記録】
4月17日(金) 15:10 新潟=(R.7、蓮野IC、R.113、荒川胎内IC、日本海東北自動車道、朝日まほろばIC、R.7、温海IC、日本海東北自動車道、鶴岡西IC、R.7、R.345、R.112 経由)=18:55 湯殿山有料道路入口  (車中泊) 4月18日(土) 5:35 湯殿山有料道路入口―6:47 細越―8:05 品倉山―8:55 細倉―10:00 湯殿山有料道路入口=(往路を戻る)=13:35 新潟
 品倉山は、月山から西に延びる品倉尾根上にあり、湯殿山と向かい合う山である。登山道は無いが、北側の湯殿山スキー場からの山スキヤーが訪れることが多いようである。

 昨年の5月4日に湯殿山有料道路入口から登ろうとしたが、この時は雪融けが進んでいたため、諦めて鶴岡周辺の低山歩きに計画変更してしまった。4月中旬ならまだ雪も残っているだろうと思って、宿題を終えるために品倉山に出かけることにした。
 鶴岡を経て湯殿山有料道路入口までの道は、途中で高速道路の無料区間やバイパスができて近くなってきている。湯殿山有料道路入口の湯殿山ホテルは廃業されて、建物も荒廃が進んでいる。古びたホテルであったが、良い温泉であったので残念である。このおかげで、車中泊もしやすくなっている。
 湯殿山有料道路は除雪が行われていたが、立ち入り禁止になっていた。旧国道は雪に埋もれていた。品倉山は、仙人沢の右岸に位置しているが、旧国道を西に進んでこの沢を越してから尾根に取りつくことにした。道路脇の雪壁も身の丈を越える高さで、雪はたっぷりとあった。
 翌朝は快晴となり、自然に早起きになった。わかんにピッケル、アイゼンを持って歩き出した。雪は締まって、靴はほとんど潜らない状態であった。仙人沢を渡った先で、送電線の鉄塔の立つ尾根に取りついた。谷を少し進んでから尾根の横腹を登りだしたが、キックステップもほとんど入らないのでアイゼンを装着した。尾根を辿っていき鉄塔下に出ると、急斜面の雪原になっていた。アイゼンの爪を利かせて急坂を登った。
 鉄塔の先は、しばらく緩やかな登りが続いたものの、標高830m付近で傾斜が増したので、右手の尾根に回り込んでから登った。雪が柔らかければ、キックステップで直登できる傾斜であるが、この日は雪が堅いため、滑落の恐れが高くなっていた。
 948mピーク付近から先は、ブナの大木が並んで、歩いていても気持ちの良い幅広尾根になった。仙人沢を見下ろすと、湯殿山神社の大鳥居が目に入った。尾根の前方には品倉山、仙人沢の対岸には湯殿山、谷奥には月山山頂の眺めが広がり、風景を楽しむためにしばしば足を停めることになった。
 948mピークから緩やかに下っていくと、鞍部の細越に出た。ここは旧六十里越街道歩きで訪れてはいるが、ブナの大木が並ぶ雪原が広がって印象は全く違っていた。細越からひと登りすると、台地に出た。品倉山の山頂も近づいてきていたが、その手前には急斜面が待ち構えていた。
 尾根の右手は崖状になって落ち込んでいるので、左よりから登り始めた。木が並んでいるので、根元を取り巻くドーナツ状の穴の縁でひと休みしながら登りを続けた。途中で急な所に行き当たり、ピッケルも取り出すことになった。先週の湯蔵山では、これくらいの傾斜はキックステップで余裕で登れたのだが、やはり標高の高い山は、難しくなってくる。
 ピッケルを突き刺しながら慎重に登っていくと、品倉山の稜線部に到着した。幅広尾根であるが、藪も出てきていた。左右の崖では雪が落ち始めていた。湯殿山スキー場方面からの山スキーのシーズンは終わっていた。
 幅広尾根が続いていたので、先に進んでいき尾根が狭まる所で足を停めたが、気が付かないままに品倉山の三角点部分は越していた。尾根の先には月山の山頂が広がっていたが、その手前の1281mピークが難所になっていた。1281mピークの両脇は急斜面になって落ち込んでおり、藪が出ていて、張り付いた雪も落ちかけていた。湯殿山の山頂も目の前に大きく広がっていた。振り返ると、赤見堂岳から岩見堂岳にかけて広がるなだらかな稜線も眺めることができた。腰を下ろしてゆっくりとしていたい山頂であったが、風が強くて寒く、長居はできない状態であった。また鶴岡方面は黄砂で煙っていた。展望をひととおり楽しんでから下山にうつった。
 急斜面を慎重に下ると、後はブナ林を楽しみながらの下りになった。
 結局、品倉山では誰にも会わなかった。残雪期の登山としては、良い状態であったが、山スキーのシーズンは終わっているのが、静かな山の原因であったようである。品倉山は、アプローチの条件も良いので、もう少し早い時期にスノシュー歩きで登ってみたい。
 車を動かして鶴岡に向かうと、強風とともに黄砂で視界も悪くなり、一旦家に戻ることにした。

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