三角点、湯蔵山

三角点から湯蔵山


【日時】 2015年4月12日(日)
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 朝日連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 三角点・さんかくてん・576.5m・三等三角点・新潟県
 元光兎山・もとこうさぎさん・717m・なし・新潟県
 湯蔵山・ゆぞうさん・726.2m・三等三角点・新潟県
【コース】 畜産団地コース
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/小国/越後下関
【ガイド】 なし

【時間記録】 6:20 新潟=(R.7、新発田、R.290、R.113、小見橋 経由)=7:40 清原林道入口〜8:05 発―8:40 登山道入り口―10:20 三角点―11:25 元光兎山―12:15 湯蔵山〜12:20 発―13:00 元光兎山〜13:17 発―14:18 三角点―15:30 登山道入り口―15:55 清原林道入口=(往路を戻る)=17:20 新潟
 湯蔵山は、関川村の荒川左岸に位置する山である。この一帯は、かつて修験道の山として開かれ、湯蔵山の西隣の元光兎山には、現在の光兎山祭祀以前には、本尊がここに置かれていたという飛来遷宮説もあるという。途中の576.5m三等三角点ピークは、地元では「三角点」と呼ばれ、ここまでは登山道が良く整備されており、ハイキングの山として知られるようになっている。

 昨年5月5日の新緑の季節に湯蔵山を登ろうとした。しかし、「三角点 松平登山口」の標識が置かれているで畜産団地脇の登山口から歩き出したものの、登山道が見当たらなかった。その後、こうもり沢登山口から歩き出し、ようやく三角点に辿りついたところ、畜産団地脇の登山口に向かう登山道はしっかり続いていることを発見した。この登山道がどこに下り立つのかを確かめるため、湯蔵山へ向かうのは諦めて下山に移った。この時、三角点から先の登山道は笹が被っており、登るなら残雪期が良いかなとも思った。結局、畜産団地からの登山道は、麓近くで林道が合わさってきており、そこより下部は藪化していることが判った。アプローチの仕方が判ったので、残雪の季節に再訪することにした。
 日曜日は晴天の予報が出た。近場の雪山ということで湯蔵山を目指すことにした。バイパスに乗ると、朝霧が濃くなって車の速度も控えめになったが、新発田近くで青空が広がった。
 小見橋を渡ってから右折すると、吹の沢川の上流に向かう林道の入り口になったが、作業の車が行きかったのか泥だらけの状態であったので、湯沢方面に進んでから畜産団地と「三角点 松平登山口」を経由して、77標高点近くのカーブ地点で車を停めた。
 この日の装備は、アイゼンとピッケル、ワカンを持っていくことにした。結局のところ、これらの装備は使わず仕舞になったが、安全対策として持たないわけにはいかない。
 農道を通って吹の沢川に通じる林道に出ると、すぐ先の77標高点で右手に林道が分かれる。これが登山口へ通じる林道である。地形図に記載されているものよりも先に延びている。しばらく車道と平行に歩くが、高みに向かうようになる。杉林の造林作業のための道で、左右に道が分かれるが、直進して高みをめざすことになる。ひと登りすると、林道を残雪が覆うようなところも出てきた。すでに車で通過できる薄さになっていたが、轍はできていなかった。足跡もないことから、このルートで歩いている者は最近はいないようであった。
 広い空き地が現れると、ここが登山道入口になる。伐採された枝を注意しながら乗り越えていくと、尾根沿いに通じている登山道に乗ることができる。ここから下は藪状態になっているが、この上はしっかりした道が続いて、赤布も短い間隔で取り付けられている。杉林を抜けると尾根沿いの登りになり、急坂を登りつめると、赤松に囲まれた小広場に出る。湯蔵川の谷奥に見えるのが湯蔵山のようであるが、まだ遠くにある。
 ここで気になったのは、尾根に登りついた所で、南に向かう山道があったことである。下山時に前方を二人連れが歩いているのが見えたのだが、残雪の足跡から、途中で別な道に進んだようである。地形図を見ると、松平の畜産団地の東寄りの75m標高点から破線が延びており、これが続いているのかもしれない。
 広場から尾根沿いに進むと、356m標高点の下でトラバース道になる。このトラバース道に大木が倒れこんでおり、上を越すのが危険な状態になっていた。大木の上には滑り止の切込みが入れられていたものの、木が古くなってぬるぬるしていた。前回の下山時には、ここを乗り越えたが、登り方向からだと足が出ない状態であった。良く見ると踏み跡があり、倒木の脇を巻いて通過することができた。尾根に戻った所には尾根通しの道が通じており、下山時に歩いてみると、356m標高点を通ってトラバース入口に戻ることができた。
 この先は急な登りが続くようになったが、ブナの大木も現れた。傾斜が緩んで台地に出ると、一面の雪原が広がるようになった。500m標高ほどでこれだけの残雪が現れるのは、さすが朝日連峰の端山ということができる。雪原に広がるブナ林の撮影のために足が止まるようになった。
 幅広尾根を辿っていき、小山にひと登りすると三角点の山頂に到着した。登山道はトラバースして湯蔵山の分岐からひと登りすることになるが、雪の季節には直登することになる。三角点の山頂広場は雪が消えて土が現れていた。
 三角点の山頂から湯蔵山をうかがうと、まだかなりの距離があった。体力的には問題はないが、時間の余裕はなさそうであった。もう少し早起きをするべきであった。
 意を決して湯蔵山に向かって歩き出すと、二人連れの足跡が続いていた。どうやらこうもり沢から登ってきたようである。足跡の一つは小さいことから男女のようであった。短い間隔で赤布が付けられていた。雪原が続き、気持ちよく歩くことができた。小さなアップダウンがあったが、特に644mピークは帰りに苦労しそうな下りがあった。二重になった尾根を登っていくと元光兎山の山頂に到着した。山頂は雪原になっており、光兎山と頭布山の眺めが広がっていた。ゆっくりと眺めを楽しんでいたいところであったが、まずは湯蔵山を登り、引き返してからここで大休止にすることにした。
 元光兎山からは、急斜面の下りになった。幸い雪がほどほどに柔らかいので、踵でキックを入れながら下れたが、凍結していれば滑落に注意が必要なところであった。急な下りは、四ツ坂とも呼ばれるように緩急の坂が続いている。最後の鞍部への下りは雪が消えて藪尾根になっていた。ここで、先行の二人連れとすれ違った。立ち話をすると、やはりこうもり沢から登ってきたとのことであった。旧登山口から登ろうとしたものの、道が見つけられなかったとも言っていた。登山道が廃道化しているのは仕方がないにしても、登山口の標識はなんとかしてもらいたいものである。
 藪尾根には踏み跡が続いており、歩くのには支障はない状態であった。鞍部近くで右手の斜面の雪原に逃げたが、もう少し雪解けが進むと、ヤブコギも必要になりそうであった。
 鞍部からは幅広の雪原登りが続くようになった。下から山頂に見えていた高まりは尾根の張り出しで、山頂までもうひと頑張りする必要があった。苦労して辿りついた湯蔵山の山頂であるが、木立に囲まれてあまりぱっとしなかった。
 時間の余裕もあまりないため、すぐに引き返した。元光兎山への急斜面の登りは体力的にはきつかったが、キックステップのしやすい状態に助けられた。
 元光兎山の山頂に戻って、展望を楽しみながら大休止にした。湯蔵山の山頂は、残雪期と藪山の時期の二度登ったので、これで充分ということにして、次回からは元光兎山を目標に登ることにしよう。
 下山もそれなりに急いだが、やはり遅い時間に登山終了になった。

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