高陣場、洞厳山

高陣場から洞厳山


【日時】 2015年3月28日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 弥彦・角田山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 高陣場・たかじんば・813m・なし・福島県
 洞厳山・どうがんざん・1013.0m・三等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/宮下/宮下、沼沢沼
【コース】 桑原より
【ガイド】 なし

【時間記録】
3月27日(金) 14:45 新潟=(R.49、R.252 経由)=17:26 桑原  (車中泊)
3月28日(土) 5:55 桑原―7:10 650.4m三角点―8:04 高陣場―9:33 洞厳山―9:45〜10:10 大休止―11:04 高陣場―11:50 650.4m三角点―12:40 桑原=(往路を戻る)=15:20 新潟
 高陣場と洞厳山は、三島町の只見川右岸に連なる尾根上のピークである。尾根を西に辿れば、沼沢沼の南岸に位置する登山道のある高森山に至る。

 洞厳山は、昨年登山口の偵察までは行ったものの大雪のために断念し、そのまま機会を逸していた山である。晴天の予報も出て、雪の状態も良いだろうと思って、宿題を片づけるために出かけた。距離が少しあるため、早朝の堅雪を利用することにして、前泊とした。
 国道252号線から鳥海に通じる道に進み、すぐ先の分岐から桑原の集落内に進む。民家の間の細い道を奥まで進むと、鳥居の立つ三島神社があり、その脇には公民館があり、車を置ける広場になっている。雪融けも急速に進んでいるが、周囲の雪の状態をうかがうとたっぷりとあり、登山に問題はなさそうであった。
 除雪はこの広場までで、スノ―シューを履いて歩き出した。この先には三島町営スキー場があるようで、スキーとスノーモービルの跡が続いていた。雪は締まっており、カリカリと音を立てながら快調に歩くことができた。
 300mほど進むと、スキーゲレンデが現れた。ロープトゥやレストハウスも設けられた、思ったよりもしっかりしたスキー場であった。営業はすでに終わったようで、ロープも外されていたが、きれいな雪の斜面が広がっていた。
 高みをめざして登っていくと、ゲレンデの中間部で、Y字状にコースが分かれた。右手に進むと、尾根沿いの登りになって、杉林の広がる台地に出た。南西に向かって進むと、雑木林の斜面が現れ、後は尾根沿いに登り続けることになった。最初の急斜面を登ると、雪に覆われた幅広の尾根歩きになった。
 650.4mの小ピークに到着すると、目の前に高陣場の山頂を望むことができた。ここには三等三角点が置かれているが、点名は「高陣場」となっている。ここでの眺めからは、やはり地図に山名の書かれている813mピークの方が存在感を示している。
 650.4mピークから尾根を辿っていくと、尾根の左に雪庇が張り出し、右側は雪が消えて土が現れるようになった。尾根の方向が変わったために雪の付き方が変化したようである。雪庇が割れて、藪に逃げて土の上を歩くような所も出てきたが、踏み跡があるような無いような、歩きやすい状態であった。
 高陣場の山頂が近づいてくると、急登が始まった。雪が段々になって、迂回するのに苦労する所も出てきた。雪庇が崩れて、尾根の脇が崖になっている所も出てきた。この急坂を登りきると、高陣場の山頂に到着した。木立に囲まれて、尾根上の高まりといった地味な山頂であった。木立の間から洞厳山を眺めることができたが、山頂付近の斜面は、阿寺沢に向かって雪崩落ち、山頂直下の尾根の雪も落ちているように見えた。地図を見てもそう険しいところはないかと思っていただけに予想外であった。ここまで来て引き返すわけにも行かないので、洞厳山に向かうことにした。
 尾根の方向が南西から西向きに変わると、飯豊連峰の眺めが広がるようになった。気温も上がってきて、この先に待ち構えているはずの難所さえなければ、のんびり春山を楽しめる状態になっていた。
 山頂直下に辿りつくと、細尾根の雪が右手の阿寺沢に向かって崩れ落ちていた。上をうかがうと、ここさえ突破すれば、その先の傾斜は緩やかになりそうであった。尾根の左斜面は急ではあるが、雪原が保たれていた。この先はスノーシューでは無理なので、つぼ足になった。足が脛ほどまで潜るが、滑落防止のためには好都合であった。ピッケルは持ってきていなかったので、ストップを逆さに持って、雪に突き刺しながら登っていくことになった。斜面を少しトラバースしてから尾根上へと方向を変えた。しばらくは緊張の登りになったが、急な部分を越すことができた。山頂までは僅かな距離になったが、細い雪稜になっており、右側は踏み抜きの恐れがあるため、慎重に足を運んだ。
 洞厳山の山頂は、三方から尾根が合わさってきて、一人が立つスペースしかない雪の高まりになっていた。ザックを下ろして休むのも危険なため、呼吸が整った所で、すぐに引き返した。
 急坂を下って、さらに傾斜が緩くなって飯豊の眺めが広がるところまで戻った所で大休止にした。つぼ足では、短い距離しか歩けない状態であった。ただ、最後の急坂は、雪が堅く締まっていたら滑落が怖くて登れなかったはずなので、この日の条件は良かったことになる。
 再びスノーシューを履いてから下山にうつった。雪も緩んで、行きは足が置けた所で腰まで落ち込むのも数度に及んだ。下りになると風景に目をやる余裕も出てきて、只見川を挟んで向かい合う三坂山や黒男山を眺めることができた。
 最後は疲れも出てきたが、長い歩きを終えて桑原の集落に戻ることができた。そろそろスノーシュー歩きも終わりで、ワカンの方が適した時期になってきているが、今回の山行は距離が長めのため、ワカンでは歩き切ることは難しくなったであろう。

山行目次に戻る
表紙に戻る