尖山、樋曽山

尖山、樋曽山


【日時】 2015年3月7日(土)〜8日(日) 1泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 7日:晴 8日:曇り

【山域】 東山連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 尖山・とんがりやま・591.7m・四等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 長岡/長岡/半蔵金
【コース】 県道栃尾山古志線田代より
【ガイド】 なし

【山域】 弥彦・角田山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 樋曽山・ひそやま・296.7m・三等三角点・新潟
【地形図 20万/5万/2.5万】 長岡/弥彦/弥彦、角田山
【コース】 弥彦スカイライン入口より
【ガイド】 なし

【時間記録】
3月7日(土) 6:50 新潟=(北陸自動車道、中之島見附、R.8、川崎IC、R.351、半蔵金)=8:20 下村寄りの車道入口〜9:00 発―10:25 稜線上―10:45 尖山〜11:28 発―11:42 稜線上―12:31 下村寄りの車道入口=(種苧原、R.352、R.252、小出、R.252、上条 経由)=16:00 渋川  (車中泊)
3月8日(日) 6:15 渋川=(R.290、R.351、R.8、分水、太田、岩室、樋曽 経由)=7:15 弥彦スカイライン入口〜8:30 発―10:08 樋曽山―10:57 弥彦スカイライン入口=(樋曽、R.460、間手橋、R.116、R.16 経由)=12:20 新潟
 長岡東山連峰の東の栃尾市及び山古志村と守門村との境界部には、600m程の標高を持つ山塊が広がっており、地図には、尖山、談合山、三本ぶな山といった山名が記載されている。これらの山を結ぶかのように、山頂近くを林道が通過している。

 弥彦山と角田山の間に、200〜300mの高さを連ねた丘陵地帯があり、その最高点を樋曽山と呼ぶ。新潟周辺でハイキングの山として人気のある両脇の山に比べてこの山の知名度は低かったが、最近では、三山縦走路として登山道もしっかりしてきて、訪れる登山者も多くなっている。

 春めいた陽気になって、ひさしぶりに中越方面に出かけることにした。地形図を見て、スノーシュー歩きに適していそうな尖山とほとら峯を選んだ。
 尖山は、2003年5月に田代の集落から登ったことがある。山頂直下を林道が通過しており、山頂まで山道が通じていた。積雪期に登ろうとするのは、守門岳の眺めが間近に広がっていることを期待してのことである。
 久しぶりの半蔵金方面であったが、東山連峰の裏側に回り込むと、路肩にうず高い雪壁が続くようになった。今年の冬は、下越方面では雪は少なめであったが、中越方面は大雪になって連日報道されていた。それでも斜面の雪は落ちて、地肌が目立つようになっていた。
 先回の登り口の田代に到着してみると、二人連れがスノーシューを履いて歩き出す準備をしていた。ここからのコースも考えていたのだが、尖山直下の急斜面をトラバース気味に登るのに雪崩の懸念があった。また、トレースの後を追うのもいやなので、第二案のコースに変更した。
 種苧原方面に進み、カーブを交えて坂を下った先に車道が尖山方面に延びている。ここから409点経由で尾根を登れば、尖山の南で稜線上に出ることができそうである。車を進めると、車道の入り口と思われる所に、車一台の駐車スペースがあった。ところが雪壁の高さが2m以上あって、乗り越せなかった。車道沿いの雪壁の低い所で、カードレールの上に立って様子をうかがうと、車道が完全に雪に隠されているのは良いとして、幅は狭いものの深い沢が走っており、それを越す橋が確認できなかった。
 ここからの歩き出しは諦めて、さらに南にある車道入口の様子を見ることにした。ここには、車幅二台分の除雪が雪原に向かって入り込んでおり、車の駐車にも適していた。脇の雪壁も,低い所があって乗り越すことができる状態であった。
 車の脇でスノーシューを履いて雪原に上がった。沢にも橋が掛っており、対岸に渡ることができた。横たわる尾根の背後に回り込むと、その先の林道は、谷に向かって落ち込む雪の斜面になっていた。雪も柔らかいので斜面のトラバースもできそうであったが、林道から離れて、409点に続く谷間に進んだ。谷間は、田圃か養鯉池が設けられているようで、段々になっており、脇の農道を辿って進むことになった。谷の終点部から尾根上に出た。この先は、予定通りに尾根沿いに登ることになった。尾根は、間隔のあいた雑木林で見通しも良かったが、沢型が入り込んで、細かくコースを変える必要があった。時おり背後の萱峠方面や目的の尖山から続く稜線を望むことができ、眺めを楽しむことができた。
 少し急な尾根を登り切ると、稜線に飛び出した。ここは二重稜線になっており、行きは奥の稜線通しに歩いたが、手前の稜線でも窪地でもかまわない。
 途中でスノーシューのトレースが尖山から下ってきているのに出会った。どうやら城山越方面に歩いていったようだが、途中で脇に入り込むことが多かった。兎採りの鉄砲撃ちだったのかもしれない。
 尖山への登りも歩いやすい斜面であった。尖山山頂の西側は木立が広がっていたが、東に続く尾根に進むと、粟ヶ岳、川内山塊、守門岳、浅草岳、毛猛山塊、越後三山が並ぶ遮る物のない展望が広がった。萱峠でも守門岳の展望を楽しむことができるが、尖山からはさらに近くから望むことができた。尖山は展望の山として、お気に入りの山のリストに入った。
 展望を楽しみながら大休止にした。急斜面は一気に下ることができたが、傾斜が緩むと、柔らかくなった雪に足が取られて、足にも負担がかかるようになった。
 翌日のほとら峯のため、小出で寄り道をしてから夕方に登山口の渋川の集落に入り、夜を過ごした。夜中になってから雨が降り出し、朝になっても降り続いていた。雪もぐずぐずになっており、この日の登山は諦めることにした。この山からの毛猛山塊の眺めに興味があったので、晴の日に登りたかった。
 予定変更を行い、海岸部の弥彦・角田山塊で花の状況を確かめることにした。雪割草はとじたままであっても、開花の予想がつくはずである。弥彦スカイライン入口から樋曽山に登ることにして、車を走らせた。海岸部が近づくにつれて、雨も上がってきた。
 時間も早かったので、弥彦スカイライン入口の駐車場で、しばらく待機してから歩き出した。弥彦山の山頂部には残雪が見られたが、樋曽山方面は茶色の雑木林が広がっていた。
 樋曽山への登り口に少し前にあった越後三山縦走路の案内板はなくなっていた。登り始めると、雪割草が半開きの花をみせていた。マンサクやキクバオウレンの花も見られ、天気が良かったならば雪割草の花も開いて、春本番の山を楽しむことができたようである。前日の土曜日に登ったならば、お花見もできたはずだが、雪山を楽しんだので、機会を逸したのは仕方がない。
 途中、別な枝尾根の偵察をしたり寄り道をしながら歩いた。250mピークを一旦下った後の急坂は、泥斜面が滑りやすく足元に注意が必要であった。
 稜線沿いに出てからは、小ピークを乗り越していくことになり、樋曽山がどこか判りにくい。以前あった山頂標識も撤去されており、三角点が目印になる。樋曽山に到着したと思って見渡すと、三角点が頭を出しているのが目に留まったが、驚いたことに鮮やかな薄緑色のペンキで塗られていた。測量法では、「何人も、国土地理院の長の承諾を得ないで、基本測量の測量標を移転し、汚損し、その他その効用を害する行為をしてはならない。」と規定されている。ペンキを塗るというのも、三角点の保護という点から外れているとしか思えない。どうもこの樋曽山の登山道整備については、おかしな所がある。戻る途中、トレイルランニングのグループが追い抜いていった。ただ走るだけが目的なら、整備された一般的登山道を使って欲しいものである。昔のように踏み跡だけで、知る者だけが訪れるという状態が懐かしく思われた。

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