兎ヶ倉山

兎ヶ倉山


【日時】 2014年11月24日(月) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 加茂三条丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 兎ヶ倉山・うさんくらやま・698.1m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/大日岳/日出谷
【コース】 倉ノ平より
【ガイド】 なし

【時間記録】 6:30 新潟発=(R.49 経由)=7:50 倉ノ平〜8:05 発―8:30 林道終点―9:13 沢離れ―9:45 兎ヶ倉山〜10:08 発―10:30 沢離れ―11:06 林道終点―11:27 倉ノ平=(往路を戻る)=12:50 新潟
 津川町の東の、阿賀野川、国道49号線及び新潟福島県境で挟まれた一帯には、鋭い山頂を持つピラミッドピークがいくつかあるが、兎ヶ倉山もその一つである。一等三角点の土埋山や国道49号線の車窓からこの兎ヶ倉山を見ると、登って見たいと思わずにはいられない。山頂にはテレビの中継基地が設けられており、津川町最高峰の山頂からは周囲の展望を楽しむことができる。

 連休三日目は晴の予報がでた。11月下旬に登るには、真っ白に染まった飯豊連峰の展望が得られる山が良い。飯豊の展望台といえる山も多いが、晩秋の山として考えなければならないのは、太陽の昇る高さが低く、西側や北側からだと、山頂に到着する午前中は逆光になってしまうことである。南側か東側に位置する山が良いことになる。地図を眺めていき、兎ヶ倉山を登ることにした。兎ヶ倉山に登ったのは1998年9月であったので、ひと昔以上経っている。ここのところ気になって昨年登ろうと考えたが、ネットで最近の記録をあたると、工事のために山頂まで工事用リフトが設置されて歩きにいようであったので、登るのを先送りにしていた。
 津川に近づくと霧が立ち込めるようになったが、国道から倉ノ平に向かう道に進むと、青空が広がってきた。倉ノ平の集落に入ると、集落の説明板が置かれており、その手前の路肩スペースに車を停めて歩き出すことにした。先回の山行の時は林道の路面が荒れていたので、現在の状態は判らないが、そう遠くもないので歩くことにした。
 車道が左に曲がった所から林道大将陣線に進む。ここには起点の杭が立っているのが目印になる。以前の目印であった「NHKテレビジョン放送局(兎ヶ倉ノ698メートル)」と書かれた標識も字が薄れて脇に立てかけてあったが、目立たなくなっていた。
 畑の中を抜けて谷の斜面に出ると、兎ヶ倉山がピラミッド型の山頂を見せていた。この眺めを得ただけでも林道を歩いた甲斐があった。林道の舗装は途中までであったが、砂利も敷いてあって、車の走行には問題は無い状態であった。
 沢がすぐ脇に近づいてきたところで、林道の終点になった。ここから始まる登山道の入り口には、「NHK」と書かれた杭が打たれており、これは山頂までの途中の何か所にもあって登山標識の代わりになった。
 導水路に沿っての歩きから始まり、その後は沢の左右に何度も移動しながらの歩きになった。沢には丸太を並べた橋が架けれていたが、壊れてしまっているものもあった。谷奥へと進むうちに、沢の水量も減っていった。以前の記憶も無くなっており、いつ山頂目指して登り始めるのかと思いながら歩いていくと、前方に落ち込んでくる尾根が見えてきた。どうやら山頂から北西に落ち込む尾根のようであった。
 ようやく沢から分かれると、窪地をひと登りして尾根に取りついた。急登であったが、ジグザグに道が付けられているので助かった。直登方向にも切り開きが続いていたが、昨年の工事のために敷かれたリフトの跡のようであった。山頂が近づくと、さらに傾斜が増して直線的な登りになったが、ロープが固定されており、助けになった。
 ひと汗かいて到着した兎ヶ倉山の山頂は、三基のテレビ中継の建物やアンテナに占領されているが、期待通りの大展望が広がっていた。大日岳から左右に広がる飯豊連峰の眺めに目が引きつけられた。棒掛山や蒜場山、高陽山といった飯豊の端山を目で追うのも楽しかった。建物の反対に回ると、御神楽岳と笠倉山を中心とした眺めが広がっていた。谷間を埋める雲海も、まだ消えずにいて、山の美しさを増していた。腰を下ろして飯豊の眺めを楽しんだ。
 下りの急斜面もそう長くはなく、後は沢沿いの道を浮石に注意しながら戻った。
 兎ヶ倉山は、晩秋の山として定番になりそうである。
 
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