万太郎山、中荒沢雪渓

万太郎山
中荒沢雪渓


【日時】 2014年8月1日(金)〜3日(日) 前夜発2泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 2日:晴 3日:晴

【山域】 谷川連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 大ベタテノ頭・おおべたのかしら・1499m・なし・新潟県
 井戸小屋沢ノ頭・いどごやさわのかしら・1620m・なし・新潟県
 万太郎山・まんたろうさん・1954.1m・三等三角点・新潟県、群馬県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/越後湯沢、四万/茂倉岳、土樽、水上
【コース】 吾策新道より
【ガイド】 山と高原地図「谷川岳・苗場山・武尊山」(昭文社)

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 中荒沢雪渓・なかあらさわせっけい・910m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/八海山/奥只見湖
【コース】 銀山平キャンプ場より
【料金】 協力費 200円
【ガイド】 山と高原地図「越後三山・平ヶ岳・巻機山」(昭文社)

【時間記録】
8月1日(金) 11:30 新潟=(R.8、R.403、加茂、七谷、R.290、下田、栃尾、R.290、上条、R.252、小出、R.17、湯沢、土樽 経由)=16:10 五策新道への林道途中 (車中泊)
8月2日(土) 4:30 吾策新道への林道途中―4:36 ゲート―4:41 五策新道登山口―6:36 大ベタテノ頭―7:28 井戸小屋沢ノ頭―8:55 万太郎山〜9:24 発―10:25 井戸小屋沢ノ頭―11:08 大ベタテノ頭〜11:30 発―12:52 吾策新道登山口―12:58 ゲート―11:05 五策新道への林道途中=(土樽、湯沢、R.17、小出、R.352、奥只見シルバーライン 経由)=16:00 奥只見ダム  (車中泊)
8月3日(日) 6:44 中荒沢林道駐車スペース―7:00 中荒沢雪渓登山口―7:33 中荒沢雪渓―8:16 中荒沢雪渓登山口―8:27 中荒沢林道駐車スペース=(奥只見シルバーライン、R.352、小出、R.252、上条、R.290、栃尾、下田、R.290、七谷、加茂、R.403、R.8 経由)=11:30 新潟
 万太郎山は、谷川連峰縦走路の仙ノ倉岳と谷川岳の中間に位置するピークである。谷川連峰には二つのピークがあり、こちらはサゴーノ峰とも呼ばれる。万太郎山は、谷川連峰の縦走時に登る他に、新潟県側から直接山頂に突き上げる吾策新道が開かれている。

 中荒沢雪渓は、奥只見銀山平の荒沢岳の北側に流れ出る西本城沢にできる雪渓である。標高はさほどないが、豪雪地のため、秋まで雪渓を眺めることができ、遊歩道が整備されている。

 谷川連峰のピークのうち、万太郎山は2000年9月5日に谷川連峰縦走の途中に登っているが、単独では登っていなかった。新潟県側からせっかく吾策新道が開かれているので、この登山道を使って登ることにした。
 金曜日に時間があったので昼前に家を出て、高速を使わずに湯沢に向かった。冷房を強くする必要のある猛暑になって、翌日の登山が厳しくなる予感がした。食事のパンに加えて、塩入飴も買って、暑さに備えた。
 土樽を過ぎて土樽パーキングが近づくと、魚野川を渡る橋があり、分岐には万太郎山を示す標識が置かれている。土樽パーキングの脇をかすめて林道に進むと、未舗装の道に変わった。
 砂防ダムの堰堤脇を過ぎると、路肩が崩壊して通行注意の箇所が現れた。この手前に駐車スペースがあったので、車を停めた。登山口まで入ってしまうと、登山者や釣り客の車が夜中に到着して起こされてしまう可能性が高い。地図を見ると、登山口まではそれほどの距離ではないようであった。果たして、夜中に車が一台通過していき、翌朝歩いていくと、テントを撤収しているところに出会った。
 暑さ対策として、水1Lとアクエリアス、それに塩飴を持った。荒れた林道を歩いていくと、林道に鎖が掛けられていた。この手前は広場になっており、駐車場になっていた。林道は、ここまでの未舗装の道とは変わって、ゲートの先はきれいな舗装道路になっていた。
 登山口を探しながら歩いていくと、350m程先の小さな沢を過ぎた所で、草に埋もれ気味の登山標識が現れた。林道の工事の関係で、以前の登山道とは様子が変わっているようである。
 入口は草がうるさい感じであったが、登山道はしっかり踏まれており、辿るのに問題はなかった。杉林の中の登りに汗をしぼることになった。地形図には、登山道がカーズするように描かれているが、クワノ沢右岸を直登するように登山道は続いていた。登りを続けると、ブナ林が周囲に広がるようになった。標高1300mまでは直登が続いたが、朝の涼しいうちになんとか登りきることができた。
 舟窪に出て傾斜が一旦緩むが、すぐに急登に変わる。稜線上に出て細尾根に出ると、ピラミッド型をした万太郎山の山頂が目に飛び込んできた。登頂意欲がそそられる姿であった。大ベタテノ頭到着を期待して進んだが、もうひと歩きする必要があった。
 大ベタテノ頭に到着すると、一旦下った後に万太郎山へと続く稜線を一望することができた。万太郎山の山頂部も細かいところが見えるようになってきたが、岩峰が連なっているようであった。気温も上がってきて、日向にいるのが苦痛になってきていた。稜線上に続く登山道ははっきりと見分けることができ、日陰が無いようであった。
 大ベタテノ頭からの下りは標高50m程であるが、帰りは辛くなりそうであった。稜線を辿っていくと、崩壊地のトラバースになった。ロープも張られていたが、足元に注意が必要であった。
 急坂も僅かで井戸小屋沢ノ頭に到着した。稜線上の小ピークであるが、万太郎山の山頂が頭上に迫ってきていた。登山道を目で追うと、急坂が待ち構えているようであった。標高差は350m。山頂まではもうひと頑張りで、ここで休んで体力を回復しておく必要がある。
 井戸小屋沢ノ頭の先は、尾根横の急斜面を登ることになった。雪崩で削られた崩壊地なのか、足場の少ないザレ場で、木の枝が掴める所は利用したが、手がかりも得られない所もあって、足元に注意が必要であった。数か所のザレ場を乗り越すと、尾根の反対側に回り込んだ。
 ここからは露出した岩を足場にしての登りになった。滑落の危険性はないものの、大股になったりして体力も必要で、体温が上がって途中で休みを入れる必要がでてきた。幸い、ガスが流れてきて、太陽が隠された。風景は閉ざされたが、この際には暑さ対策の方が優先であった。岩峰を巻きながら登っていくと、尾根の上に杭が立つのが見えた。到着して判ったことだが、縦走路との分岐に立つ杭であった。頭上に見えるものの、そこに辿りつくには体力を振り絞る必要があった。
 分岐まで上がると、その先は緩やかな尾根道で万太郎山の山頂に到着した。誰もいない山頂で、ガスが晴れるのを待った。出発が早かったので、急いで下りても、下界の猛暑に苦しめられるだけであった。待つうちにガスが晴れてきて、仙ノ倉山方面と谷川岳方面の眺めも開けてきた。万太郎山からは、縦走路の真っただ中のピークとして相応しい眺めが広がっていた。笹原の中に登山道が続く眺めは、歩くように誘い込むようであった。
 ひと休みしてから下りを開始した。分岐の先の岩場を下っていくと、6名の登山者とすれ違った。万太郎山の往復組に加えて、谷川岳への環状縦走組もいた。夏の盛りの山としては、吾策新道の利用者は少ない。
 ザレ場を注意しながら下って井戸小屋沢ノ頭に戻ると、朝は逆光で良く見えなかった茂倉新道が谷向こうに平行に走っているのを眺めることができた。
 大ベタテノ頭に戻って大休止にした。暑さも厳しくなって、山頂を越した先の日陰で休む必要があった。その先の下りも、かなりばててきて、休みを入れながらの下りになった。夏の盛りの谷川連峰は、暑さのために余計に厳しいものになってくる。
 汗びっしょりになって、下山後はお馴染みの岩の湯へと急ぐことになった。
 二日目は、銀山平の中荒沢雪渓を訪れることにした。夏でも残る雪渓であるが、歩行時間がさほどかからないため、出かけるための移動時間との関係もあり、これまで見たことがなかった。
 車の中で冷房を利かせても暑さが堪える猛暑であったが、シルバーラインを通って奥只見湖まで入ると、気温も下がって過ごし易くなった。夜を過ごした後に、銀山平に戻った。
 中荒沢林道の入り口はキャンプ場になっており、ゲートが下りていた。入口の駐車場から歩き出そうとすると、協力費200円という掲示がしてあり、受付をすると、車でもっと進むことができると教えてくれた。ゲートを上げてもらい、車を林道に進めた。
 舗装道路が終わった所で、駐車のためのラインを敷いた広場になっていたので、ここから歩き出すことにした。未舗装ではあるが車の走行には問題のない道が続き、登山口手前まで車で入ることができることが判った。800m程の余計な林道歩きになったが、途中で、荒沢岳の眺めが開け、特に前クラの岩場に登山道が続く様子も眺めることができ、歩くだけの価値はあった。
 遊歩道とは書かれていたが、登山道なみの道が始まった。滑りやすそうな丸木橋を過ぎると、急な登りが続くようになった。遊歩道という名前にだまされて迷い込んだ観光客は泣きをみそうであった。歩き出すとやはり暑く、汗が噴き出てきた。
 最初は雪渓の上部だけが見えていたが、近づいて眺めが広がると、下にも延びていることが判った。
 雪渓に向かって緩やかに下っていくと、雪解け水の流れる沢岸に出て、さらに登りを続けることになった。早い時期なら、この付近から雪渓の上に出ることができそうであった。
 一旦高みに上がると、雪渓の眺めが広がった。急峻な荒沢岳の岩壁から落ちてきた雪が沢を埋め尽くしているようであった。雪渓の途中に滝が現れ始めていた。
 雪渓に向かって下ると、鎖が取り付けてあったので、これを手がかりにして雪渓の上に出ることができた。雪渓にはスプーンカットができていたので、足元に注意すれば歩き回ることができた。この雪渓は、季節外れの花が咲くといわれているが、草付き部は枯草に覆われており、花は見られなかった。時期が悪かったようである。
 雪渓の上は冷たい風が吹き抜け、涼むことができた。もっとも帰りには暑さが堪えて汗びっしょりになってしまった。
 歩行時間は短かったものの、この猛暑の中での歩きはこれ以上は無理ということで家に帰ることにした。

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