三角点

三角点


【日時】 2014年5月5日(月) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 朝日連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 三角点・さんかくてん・576.5m・三等三角点・新潟県
【コース】 清原林道入口より周回
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/小国/越後下関
【ガイド】 新潟日帰りファミリー登山(新潟日報事業社)

【時間記録】 5:30 新潟=(R.7、新発田、R.290、R.113、小見橋 経由)=6:45 畜産団地登山口=7:25 清原林道入口―7:50 蝙蝠沢遊歩道口―9:18 三角点―10:21 林道登山口―10:50 清原林道入口=(往路を戻る)=12:30 新潟
 湯蔵山は、関川村の荒川左岸に位置する山である。この一帯は、かつて修験道の山として開かれ、湯蔵山の西隣の元光兎山には、現在の光兎山祭祀以前には、本尊がここに置かれていたという飛来遷宮説もあるという。途中の576.5m三等三角点ピークは、地元では「三角点」と呼ばれ、ここまでは登山道が良く整備されており、ハイキングの山として知られるようになっている。

 連休後半の遠征も、湯殿山での橋流出による断念で1日早く家に戻ってきてしまった。5日は天気が崩れるというので、鶴岡付近の低山を登る予定であったが、新潟から近い低山を考えることになった。昼までに登り終える山ということで関川の三角点を二つの登山道を使って周回し、もし天気が持ちそうなら湯蔵山まで足を延ばすことにした。
 畜産団地に通じる道に入り、西のはずれで車道が直角に曲がるところに、「三角点 松平登山口」の標識が置かれていた。休日にもかかわらず、周辺の田や畑では農作業を行っていた。残雪をまとったえぶり差岳が大きな姿を見せていた。
 歩き出すと、草が茂っているのが気にかかった。牧場の縁を回り込んでいき、尾根への取り付きを探したが見当たらなかった。何度か行き来したが、登山道は消えていた。
 このコースを歩いたのは、2004年10月30日のことでかなり時間が経っている。しかし、登った後の2007年に出版された「新潟日帰りファミリー登山」で取り上げられているので、登山道が無くなっているとは思っていなかった。このガイドブックでは、ファミリー登山といいながら、ヤブコギ覚悟の湯蔵山を紹介しており、編集者の常識を疑うところがあるが、その三角点まではファミリー登山の範疇とされているので、登山者に忘れられたとも思えない。家畜の防疫のために、ここからの登山道が閉鎖になったのかもしれない。そうなると、立派な登山標識はなんなのだということになる。
 ここからの登山は諦めたが、こうもり沢からの登山道を確かめることにした。車を移動させ、車道が滝原に向かって直角に曲がるところから歩き出した。
 杉林の中の林道を歩いていくと、吹の沢川に架かる橋の手前にゲートが設けられていた。橋を渡って右手の林道を進むと、木の標柱の立つ蝙蝠沢遊歩道の入り口に到着した。トラバース道を辿ると沢に出た。流れの中に置かれた石を踏み台にして、渡ることができた。
 この先は、杉林の中の歩きになった。落ち葉が積もっていたが、道型ははっきりしており、テープが連続的に付けられていた。緩やかな尾根であったが、足が疲れており、辛い登りになった。谷向こうには、松平コースの尾根が平行に走るのが見えていた。二つの尾根が合わさる沢の源頭部が目指す三角点ピークになる。杉林が終わった後も、尾根には赤松が生えており、昔から植林が行われていたようである。尾根の途中の傾斜が急になったところでは、虎ロープが固定されており、登山道として整備されていることが判った。
 美しいブナ林が広がるようになると、三角点の山頂に到着した。ブナ林に囲まれた広場になっており、三角点が置かれているだけで、山頂標識のようなものはなかった。ここまでは2時間の登りなので、目的地とするのに充分だが、三角点という名前が損をしている。点名の大倉沢から、大倉山とでもした方が登る者が多くなっただろうに。
 もう一本の松平登山道はとみると、しっかりした道が上がってきていた。山頂からひと下りした所が湯蔵山との分岐になる。踏み跡はあるものの、草が倒れこんでいる状態であった。残雪を利用して登るのが良さそうである。
 松平登山道は、笹が刈り払われてから少し時間が経っているようであった。美しいブナ林の広がる尾根の下りになった。下生えは密度の薄い笹で歩きの支障にはならないものの、登山道を見失わないように注意が必要であった。問題の無い登山道とはいえ、ファミリー登山には適しない状態であった。落ち葉を蹴散らかしながらの下りが続いた。蝙蝠沢コースよりは、こちらの方がブナ林の中の歩きで楽しい。
 356mピークは一段下をトラバースするが、足元に注意の急斜面なので、積雪期にはピークを乗り越える必要がある。赤松の大木のある平ノ木平を過ぎると、尾根も広がって杉の植林地が広がるようになった。
 登山口までもうひと頑張りと思うと、林道が登山道脇に上がってきていた。登山道の先をうかがうと、藪化が進んでいた。場所は標高185m点であった。この林道によって、これより下の登山道は使われず、藪になってしまったようである。
 この林道がどのように続いているかは判らないが、二つの登山口の間に下り立つはずと考えた。歩いて判ったことだが、この林道は、地形図の144.8m三角点の南に書かれているものが、さらに延長したものであった。
 結局、蝙蝠沢遊歩道への林道の入り口に出て、すぐに車に戻ることができた。周回には都合が良くなったが、新しいコースの案内板を整備されることが望まれる。

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