葉山(長井)、荒倉山、八森山

葉山(長井)
荒倉山、八森山


【日時】 2014年5月2日(金)〜4日(日) 2泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 2日:晴 3日:晴

【山域】 朝日連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 葉山・はやま・1237m・なし・山形県
 八形峰・はちがたみね・1289m・なし・山形県
【コース】 葉山森林公園より
【地形図 20万/5万/2.5万】 仙台、村上/赤湯、荒砥、朝日岳/長井、荒砥、羽前葉山
【ガイド】 山と高原地図「朝日連峰」(昭文社)
【温泉】 りんご温泉 300円

【山域】 鶴岡周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 荒倉山・あらくらやま・307.0m・三等三角点・山形県
【コース】 竹ノ浦より
【地形図 20万/5万/2.5万】 酒田/三瀬/三瀬
【ガイド】 なし

【山域】 鶴岡周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 八森山・はちもりやま・416.1m・三等三角点・山形県
【コース】 三ノ瀬スキー場より
【地形図 20万/5万/2.5万】 酒田/三瀬/三瀬
【ガイド】 なし

【時間記録】
5月2日(金) 14:30 新潟=(R.7、新発田、R.290、R.113、手ノ子、白兎 経由)=18:00 葉山森林公園  (車中泊)
5月3日(土) 5:07 葉山森林公園―7:30 尾根分岐―7:59 葉山神社―9:20 八形峰〜9:42 発―10:48 葉山神社―11:01 尾根分岐―12:35 葉山森林公園=(R.287、左沢、R.458、R.112、志津 経由)=15:30 自然博物園 (車中泊)
5月4日(日)5:10 自然博物園=(R.112、R.345、R.7、西目 経由)=6:45 竹ノ浦〜6:55 発―7:16 荒倉神社―7:41 荒倉山―7:59 荒倉神社―8:19 竹ノ浦=(西目、R.7、五十川、三瀬 経由)=8:47 三瀬スキー場―9:04 尾根上―9:20 八森山―9:36 尾根上―9:53 三瀬スキー場=(R.7、朝日まほろばIC、日本海東北自動車道、荒川胎内IC、R.345、R.7 経由)=13:00 新潟
 山形県には、葉山と呼ばれる山が幾つもあるが、長井葉山は、朝日連峰の末端の山である。上杉の家臣の直江兼続が属領の米沢と庄内を結ぶために切り開いたという朝日軍道は、この山が基点であったという。山頂は、これといったピークの無い台地状で、一隅には葉山神社が置かれている。八形峰は、縦走路がこの山の肩を通過しているにもかかわらず山頂は通っておらず登山の対象にはなっていないが、残雪期には朝日連峰と飯豊連峰の遮るもののない展望が広がっている。

 荒倉山は、鶴岡の西側の日本海の海岸線沿って延びる丘陵地帯にある山である。山頂近くには、荒倉神社が置かれており、山頂までの登山道も整備されている。

 八森山は、山形・新潟県境近くの日本海の海岸線近くにある山である。山頂近くまでスキー場が開かれているが、山頂までの道は整備されていない。

 連休後半は、残雪の山の締めくくりとして村山葉山と湯殿山を登ることにした。5日は天気が崩れるようなので、鶴岡周辺の低山を登ることにした。
 前日に家を出て、食料の買い込みに長井に寄ってから白兎の登山口に向かうと、夕暮れの空に豊富な雪に覆われた葉山が浮かんでいた。夜は葉山森林公園近くの空き地に車を停めて寝た。
 快晴の空に期待を膨らませて歩き出した。葉山森林公園の入り口から杉林の中に続く林道を歩いていくと、鳥居の立つ登山口に到着する。ここからは階段状に整備された道を尾根上まで登るが、一気に息が上がった。尾根上に出れば、後は緩やかな登りが続くことになる。飯豊・朝日の山では、最初に急登が待ち構えているが、この葉山は緩やかな登りで高度を上げていくので登りやすい。南の谷向こうに平行に走る尾根には、勧進代コースとして使われている林道を眺めることができたが、登るうちに残雪の中に続くようになっていった。
 ブナの新緑やイワウチワの花を眺めながら登っていくと、堀状に抉られた登山道に残雪が現れるようになった。踏み抜きをしやすく、歩き難くなった。700mを越えて尾根が広がると、残雪歩きになった。稜線も近づいてきているが、まだ頑張る必要がある。傾斜も少し増してくるが、雪もほどほどに柔らかく、キックステップで問題なく登れる状態であった。この日は、アイゼンとピッケル、さらに八形峰までの稜線歩きの際に雪が柔らかかった時用にスノーシューも持ってきていたが、二本ストックだけで充分であった。
 1098m点に続く尾根に出て、ようやくひと息つくことができる。ブナ林の広がる幅広尾根で気持ちよく休むことができるが、下りの際には分岐点が判りにくいので注意が必要である。
 北側に沿う谷の源頭部では、前回は雪庇が張り出していたが、今回は平らな斜面が続いており、問題なく葉山山頂の台地に出ることができた。雪原を進んでいくと、避難小屋の葉山山荘が現れた。足跡の様子から、中に人はいないようであった。二基並んだ葉山神社のお堂にお参りし、天候や体力に問題ないことから八形峰まで進むことにした。
 お堂脇の湿原は雪に埋もれた窪地になっており、それを横切ると大朝日岳が姿を現した。ピラミッド型の朝日連峰の盟主に相応しい姿である。この姿を見に登ってきたので、目的がかなえられた。右手によりそう小朝日岳もピラミッド型の存在感のある姿を見せていた。
 八形峰までは1237mピークと1254.4mピークを越えていく必要があって、体力も必要になる。さらに沢が深く入り込んでいるので、コースを良く見極めないと、歩きのロスを生じることになる。
 八形峰は、左に傾いた台形をしており、1254.4mピークとの鞍部からは山頂台地めざしての直登になる。最後の力を振り絞って急坂を登りきると台地に出て、奥に進むと八形峰の山頂に到着する。島原山から小朝日岳、大朝日岳、大玉山、祝瓶山と広がる朝日連峰の遮るものの無い眺めが広がっていた。月山や飯豊連峰も見えており、大展望の独り占めで楽しんだ。
 葉山山荘までの戻りはピークの登り返しに苦労することになった。GPSを見て、できるだけ登りが少なくなるようにピークをトラバースした。
 葉山からの下りは、雪もほどほどに柔らかくて足元も安定し、気持ちよい歩きになった。登ってくる登山者にも多く出会うようになった。
 下山したのは早い時間であったが、雲が出てきており、早立ちの価値はあったようである。
 翌日の湯殿山のために移動を行った。途中、りんご温泉で汗を流して食料を買いこんで月山に向かったが、意外なことに雨が降り出した。
 自然博物園に到着後、雨が止むのを待ち、日暮れ間近になってから入口付近の様子見に出かけると、石跳川の橋が昨年流失し、スノーブリーッジの通過は危険なため通行禁止と掲示されていた。石跳川を渡るのが難しそうなので、湯殿山は諦めることにした。
 三日目に予定していた鶴岡付近の低山歩きを行うことにして、まずは荒倉山に向かった。登山口の竹ノ浦集落に到着すると、竹野浦公民館の壁に荒倉山散策道の看板が掛けられていた。標識に従って、集落の中を抜けて山に向かう道に進んだ。
 民家が尽きて左手に溜池が現れるところで舗装は終わった。先の未舗装の道は細いようなので、ここから歩き出すことにした。未舗装の道も僅かな歩きで、鳥居が現れ、その先で石段の続く参道になった。車は、鳥居の周囲に停められるが、うっかり石段下まで進んでしまうと、方向転換もままならず苦労することになる。
 長い石段が続き、一気に息が切れた。石段は苔むしており、下りは足元に注意が必要であった。石段を終えてからは、薄暗い杉林の中の登りが続いた。
 荒倉神社も跡僅かかなと思った所で車道に飛び出した。自動車が一台上がってきていた。山口からの道から上がってきたようである。
 池があり、そこに架かる赤く塗られた橋を渡ると、再び石段が始まった。石段を登り終えると、ようやく荒倉神社の境内に到着した。この神社の入り口には、狛犬代わりに馬の像が一対置かれていた。
 境内から山頂に向かう道を探したが見つからなかった。左上の尾根沿いにあるはずと藪をこぐと、登山道に出た。下山時に確かめると、登山道は境内の左下の隅から始まっていた。始まりは下り気味であったため見落としてしまった。
 その先は、登山道の緩やかな登りが続いた。脇道もあって、詳しい地元の人なら、荒倉山にはいろいろなコースで登れるようであった。
 荒倉山の山頂は台地状で、広場になっていた。広場の脇の藪際には、シラネアオイが咲いていた。数株あり、自生しているもののようであった。
 荒倉山は、軽い山歩きには良い山であった。
 続いて八森山に向かった。三瀬の集落に入ると、八森山と藤倉山の案内板が目立つようになった。三瀬付近は、高速道路の開設によって道路状況がかなり変わっているので、案内は助かった。機会があったら藤倉山にも登ってみたいものである。
 九十九折の車道を上がっていくと、スキー場の駐車場に到着した。キャンプと山菜取りが訪れていた。八森山の案内板が置かれているが、このスキー場一帯を散策するためのもので、山頂を目指すものではないようであった。
 八森山の山頂は左上の高まりのようで、そこから北に延びる稜線上までは草地のゲレンデが広がっているようであった。スキー場といっても、ロープトーがあるだけの小規模のものであった。
 ゲレンデの右脇から登り始めた。中間部で保守道に出て少し左に進むと、階段状に整備された道が現れた。急な登りで息も上がった。階段登りを終えると林道に飛び出し、左に回り込んでから草地を登ると稜線上に出ることができた。ゲレンデ上の稜線部は吹き流しが置かれており、パラグライダーの発着地になっているようであった。
 この先はヤブコギになった。笹薮は濃くはなく、それほどの苦労はなく登っていくことができた。傾斜が緩むと、パラグライダーの離陸台に出て、林道に飛び出した。林道は稜線の一段下を通過していたので、藪に入って稜線沿いに進んだ。地図に破線が記されているようにかつては道があったようであったが、完全に藪に帰っていた。
 八森山の山頂は、幅広尾根状態で、GPSに入力した山頂付近で三角点を探したが、見当たらなかった。山頂標識のようなものも見つからなかった。ゲレンデ上まで遊歩道を整備するなら、もう少し努力して山頂まで道を整備した方が、八森山を訪れる登山者も多くなるはずなのだが残念である。
 ゲレンデに戻ると、山菜採りの人間で賑わっていた。
 予定よりも早くなったが、一旦家に戻ることにした。

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