飯谷山、笠ヶ森山、麓山、箕輪山

飯谷山
笠ヶ森山、麓山
箕輪山・鬼面山


【日時】 2013年10月12日(土)〜14日(月) 2泊3日各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 12日 雨 13日:曇り 14日:晴

【山域】 会津
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 飯谷山・いいたにやま・782.9m・三等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/野沢/柳津
【コース】 野老沢より
【ガイド】 新ふくしまの低山50(歴史春秋社)、新分県登山ガイド「福島県の山」(山と渓谷社)
【温泉】 柳津つきみが丘町民センター 300円

【山域】 安積山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 笠ヶ森山・かさがもりやま・1012.6m・三等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 福島/猪苗代湖/岩代中野
【コース】 岩瀬村登山口より
【ガイド】 新分県登山ガイド「福島県の山」(山と渓谷社)

【山域】 猪苗代湖周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 麓山・はやま・783.6m・三等三角点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 福島/猪苗代湖/山潟
【コース】 屋敷登山口より
【ガイド】 なし

【山域】 安達太良山
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 箕輪山・みのわやま・1728m・なし(1716.4m・二等三角点)・福島県
 鬼面山・きめんざん・1481.6m・三等三角点・福島県
【コース】 箕輪スキー場より入山、横向温泉下山
【地形図 20万/5万/2.5万】 福島/二本松/安達太良山、
【ガイド】 山と高原地図「磐梯・吾妻・安達太良」(昭文社)

【時間記録】
10月12日(土) 6:40 新潟=(R.49、R.252 経由)=9:20 野老沢〜9:35 発―10:02 林道出口―10:08 登山道入り口―10:46 飯谷神社奥の院―11:14 飯谷山―11:50 林道〜12:06 発―12:17 登山道入り口―12:22 林道出口―12:46 野老沢=(R.252、R.49、堂島、R.49、上戸、浜路 経由)=16:00 御霊櫃峠  (車中泊)
10月13日(日)6:40 御霊櫃峠=(浜路、中地、諏訪峠 経由)=7:20 下の登山口〜8:00 発―8:59 登山道分岐―9:05 鶏峠―9:26 笠ヶ森山〜9:33 発―9:46 鶏峠―9:51 分岐―10:24 上の登山口―10:35 下の登山口=(滝原、長沼、R.118、R.294、舟津 経由)=11:37 麓山遊歩道入口―12:11 麓山〜12:17 発―12:41 麓山遊歩道入口=(上戸、R.49、R.115 経由)=14:30 横向温泉  (車中泊)
10月14日(月) 5:40 横向温泉―5:51 箕輪スキー場登山口―6:45 ゲレンデ上―7:43 箕輪山〜8:00 発―9:13 鬼面山〜9:24 発―9:48 旧土湯峠―10:11 横向温泉=(R.115、猪苗代、磐梯町、R.49、堂島、R.49 経由)=14:10 新潟
 飯谷山は、只見川左岸にあり、柳津町と向き合う山である。麓に飯谷神社の社殿、山頂下に奥の院跡、さらに山頂には石の祠が置かれ、信仰の山になっている。

 猪苗代湖の南岸と郡山のある中通りの間には、安積山塊と呼ばれる1000m級の山が連なっており、額取山や高旗山が登山者に親しまれている。笠ヶ森山は、高旗山の南にある山で、笠を伏せたようなドーム型の山頂が目に付く山である。

 麓山は、猪苗代湖東岸の岸辺にある山である。この山も、各地にある「はやま」信仰の山で山頂には神社が置かれている。

 箕輪山は、安達太良連峰の北部にあり、連峰の最高峰である。縦走路を始め、この山頂に直接登る登山道も整備されているが、冬季は、西山麓に広がる箕輪スキー場から短時間で登ることができる。

 秋の三連休であるが、晴天になるのは最後の三日目だけのようである。天気の回復が早そうな会津方面の山に出かけることにした。
 初日は雨の中でも可能な山として飯谷山を登ることにした。新潟から行きやすい山であるが、先回登ったのは2007年5月なので、再度出かけてみるのも良い。福島県の山は、登山を始めた初期に良く登っていたため、登ってからかなり時間が経っている山も多く、再訪の計画を立てる必要がありそうである。
 新潟を出発する時は雨は降っていなかったが、途中から本降りになった。出発時からこの雨であったら、初日は山を諦めていたかもしれない。幸い、会津坂下に到着した時には、雨は止んでいた。
 これまで二回の飯谷山登山では、下山は野老沢集落の西側の沢沿いにある山道を下ったので、車を集落の西の外れの幅広の路肩に停めて歩き出した。集落内の狭い道を抜けていき、田圃の中に進む道に進む。尾根の末端部からひと登りすると飯谷神社のお堂が現れる。神社の脇をかすめるように続く山道を登っていくが、道を覆う夏草の状態ではあまり歩かれていないようであった。
 ひと登りすると舗装された林道に飛び出し、左に辿ると、登山道の入り口になる。登山道は、緩やかに下っていき、沢を渡ってからもしばらくトラバース気味の登りが続いた。一旦止んでいた雨も再び本降りになった。長靴に雨具の上下を着込んでいるので、雨の中の歩きの覚悟はできていた。
 本格的な登りが始まるが、標高510m地点に記されているお宮マークの地点には、何も見当たらない。さらに登りを続けて、標高590m地点まで登ると、石の祠が置かれた広場があるので、ここが飯谷神社の奥の院のように思われる。
 ここからはブナ林の中の登りを続けていくと、細尾根の上に出た。木立が切り払われた展望台に出たが、雨雲のために展望は閉ざされていた。
 山頂への最後の登りを終えると、痩せ尾根状の飯谷山の山頂に到着した。西側は切り落ちてロープの張られた崖になっており、東は草地の斜面になっている。腰を下ろして休める山頂ではない。山頂を越した先の杉山への登山道との分岐が小広場になっているので、ここでひと息つくことになった。
 下りは、南側の登山道を歩く。ブナ林の尾根を一気に下っていくと、登山道が左右に大きくカーブするようになった。GPSでトラックデーターをとっていない限り、登山道の走り具合を把握するのは難しい。登山道として切り開くなら、もっと直線的になるはずなので、植林のための作業道を一部利用しているのかもしれない。
 車道を見下ろすところまで下りると荒れた作業道に飛び出した。車道までは階段状の登山道を下れば良いのだが、ロープが張ってあって進入禁止になっていた。のぞいて見ると、土砂崩れで、道が無くなっていた。
 作業道をそのまま下っていくと、車道に飛び出した。以前の沢沿いの道を下ろうとして、土砂崩れの下まで戻って沢沿いの道に進んだが、灌木が倒れこんでおり草も茂っていた。以前は、登山道の延長線にあったので整備されていたが、下り口が違ったために利用されなくなったようである。
 車道を戻っていくと、東屋が現れた。最近ではこの車道を上がってきてから歩き出す者が多くなっているのかもしれない。東屋からはわずかな歩きで登山道の入り口に出た。ただ、飯谷山は登山にそれほどの時間もかからない山なので、麓の飯谷神社から歩き出すのが本来の姿であろう。
 車に戻ると、汗やら雨でずぶ濡れになっており、柳津の温泉へと急ぐことになった。
 二日目は、天気の回復を期待して、中通りの高旗山を登ることにした。猪苗代湖の東岸を通ると、雨は止んだものの、強風によって白波が立っていた。狭い車道を進んで御霊櫃峠に到着したが、車を下りると立っているのも困難な強風が吹き抜けていた。高旗山への登山道を眺めると、裸地になった稜線伝いに続いていた。このような強風の中では歩くことができない。とりあえず天気の回復を待つことにして、峠から少し下った所に車を停めて夜を過ごした。
 朝になってから峠に戻ったが、あいかわらず強風が吹き抜けていた。風が収まるとも思えなかったので、別な山を考えることにした。結局、笠ヶ森山に変更することにした。笠ヶ森山は、2004年2月に登っているが、これは積雪を利用して諏訪峠からダイレクトに山頂を目指して登っており、登山道はまだ歩いていなかった。
 諏訪峠に至る道は県道になっているものの、峠近くなると道幅が狭くなって車のすれ違いが困難な状態になった。笠ヶ森山の登山口は、峠から須賀川方面に下ったところにあった。この登山口付近からは道幅が広くなってきていたので、帰りは一旦須賀川方面に下って国道294号線を走った方が楽なようであった。
 上の登山口と下の登山口があるが、ガイドブックに記載されているように、「笠ヶ森山登山道出口」と書かれた標柱の置かれた下の登山口から歩き出すことにした。
 登山道は緩やかに沢に向かって下っていった。沢は徒渉することになったが、石を踏み台にして簡単に越すことができた。
 沢を越すと、ススキが茂った荒れ地に出た。草を掻き分けていくと、足元に木道が敷かれており、ガイドブックに出ている湿地に出たことを知った。しばらく杉林の中を登っていくと、ナラやブナの雑木林が周囲に広がるようになった。そう高く山ではないが、深山の趣があった。
 枝尾根を越すと、道は一旦下りになった。笠ヶ森山が近づいてきた所で、前方の登山道にクマが現れた。一瞬、みつめあったが、すぐに林の中に消えていった。熊鈴は持ってきていなかったので、ストックで木を叩きながら進むことにした。その直後、シカが現れて逃げていった。前日の御霊櫃峠への林道ではイノシシに出会っており、この山塊は東西に人家が広がっているのに、自然は豊富なようである。
 上の登山口からの登山道との分岐からひと登りすると、尾根上に出て、木ににわとり峠の標識が取り付けられているのが目に留まった。地形図にあるような西に向かう道は見当たらなかった。
 名前に現されるように、笠ヶ森山への最後の登りは急登になった。虎ロープも取り付けられていたが、無くても登れる状態であった。
 反射板が見えてきて山頂到着を知った。反射板の立つ山頂は更地になっており、猪苗代湖や高旗山方面の眺めが広がっていたが、足を踏ん張らないと立っていられない強風であった。もう一つ立つ反射板の近くで三角点を発見したところで、早々に退散することにした。
 分岐に戻ってから上の登山口への道に進んだ。山裾に広がる林の中をコースに気を付けながら下っていくと、林道跡に飛び出して、この後はコースに気を使う必要は無くなった。この道は、地形図に記載されている破線と一致しており、昔からの峠道が植林のために維持されてきたようである。
 沢をアルミ板を渡した橋で越すと、そのすぐ先で上の登山口に出た。その後の林道歩きも下り坂のために快調に歩くことができた。
 時間が早かったので、午後は五色沼でも散策しようかと思い、車を走らせた。須賀川方面は、少し下ったところからは二車線の車道になった。
 国道294号線を回り込んで、猪苗代湖の東岸に出ると、路肩に広場があり、登山標識らしきものがあるのが目に留まった。「麓山遊歩道 頂上まで1220m」と書いてあった。時間もあることから登って見ることにした。
 登山口に進むと、杉の植林地の中の直登が始まった。足も停まりそうな急登であったが、山の標高からして、そう長くは続かないはずであった。左にコースを変えると、枝尾根の登りになった。相変わらずの急登であったが、次第に緩やかになってきて、山頂から北に延びる稜線上に出た。ナラやブナの雑木林の中を緩やかに登っていくと、猪苗代湖を望む展望台に出た。南からは林道跡が登ってきていた。麓山神社と書かれて鳥居をくぐると、その先に小さな祠が置かれていた。祠の前の石の上には、盛った塩で羽黒山、月山、麓山と書かれていた。脇には、真新しい紙の御幣がまとめて置かれていたので、午前中に、集団でのお参りが行われたのかもしれない。
 展望台に戻って展望を楽しんだ。猪苗代湖や磐梯山の遮るものの無い眺めが広がっていた。低いながら、素晴らしい展望を楽しむことのできる山であった。
 展望台から下っていく道が始まっていた。良く整備されているので、この道を下ることにした。どこに下りるか判らないが、猪苗代湖畔に続く国道に出ることは確かであった。 雑木林の中を下る気持ちの良い道が続いた。この道は麓山神社への参拝のための道として使われてきたようである。
 最後は細かい九十九折となって、鳥居をくぐると国道から少し入り込んだところの車道に飛び出した。この入口には、登山道の標識は置かれていなかった。ここから車までは僅かな歩きで済んだ。
 今日の山歩きはこれで充分と思い、翌日の箕輪山の登山口である横向温泉へ移動した。道路は渋滞までもいかないが、観光客の車で混雑していた。
 横向き温泉を過ぎた先のヘアピンカーブ入り口に広い空き地があったので、ここから歩き出すことにして、夜を過ごした。下山予定の旧土湯峠から下ってきた際には、すぐ上で車道に飛び出すので、帰りの車道歩きを短くするには都合が良い。
 翌朝は、明るくなってきたところで歩き出した。箕輪スキー場脇の登山口には、すでに二台の車が停められていた。ここの駐車スペースは少なく、下山後に通りがかった時には、路上駐車の列ができていた。
 登山道の始まりは、ブナ林の登りである。紅葉には少し早いが、ブナ林は歩いていても気持ちが良い。カーブしながら続くゲレンデの管理道を横断しながら登っていくと、クワッドCリフト山頂駅に到着する。ここまでは幅広の道であるが、この先は幅が狭くなる。登山道周囲の笹薮の刈り払いが行われているのは有難いが、刈った枝が登山道を覆って表面の状態が判らない状態になっており、歩き難い状態になっていた。
 Dリフト終点で、ゲレンデ最上部になるが、この先はオオシラビソなどの針葉樹林帯に変わる。あいかわらず歩き難い登山道の登りを頑張ることになった。大岩が見えてくると、山頂が近づいてくる。傾斜がゆるくなり、大岩の脇をかすめていくと、箕輪山の山頂に到着した。
 二日待ったかいがあって、快晴の空が広がっていた。鉄山を経て安達太良山に至る稜線を一望でき、那須連峰、磐梯山、飯豊連峰、吾妻連峰などのパノラマが広がっていた。ただ、期待していた紅葉は見られなかった。二日間の強風によって、稜線に広がる灌木の紅葉は散ってしまったようである。
 先回夏道を歩いて登った2007年9月の時は、安達太良山まで往復したが、連休で混雑が予想されることと、登山道を刈り払った笹が覆って歩き難いことを考えて、無理はしないで、このまま鬼面山経由で下山することにした。鬼面山への登山道は、安達太良山への下り口から少し下ったところから分かれるので、少し判りにくい。
 鬼面山への登山道は、堀状にえぐれて泥で滑りやすい上に、今回は笹の刈り枝が表面を覆っていて、歩き難いこと甚だしかった。慎重に足を運ぶ忍耐の下りが続いた。登ってくる登山者にも多くすれ違った。
 鬼面山との鞍部が近づくと、ようやく紅葉を目にすることができた。山のかげになって風当たりが弱く、紅葉が散らなかったようである。
 鬼面山へは標高差80mほどの登り返しになるが、笹薮はないので、歩きやすく感じられた。鬼面山に登りついて、朝食にした。箕輪山への登山者、鬼面山までの登山者で賑わっていた。
 鬼面山からの下りは、ここまでと変わった良く整備された登山道が続き、気楽に歩けるようになった。笹原の中の十字路である旧土湯峠からは、送電線の巡視路として、これもまた良く整備されている。
 車に戻った時間は早かったが、道路が混む前に家に戻ることにした。


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