尾瀬沼、雄国山

尾瀬沼
雄国山


【日時】 2013年8月24日(金)〜17日(日) 前夜発2泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 24日:雨 25日:晴 

【山域】 尾瀬
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 尾瀬沼・おぜぬま・960m・無し・群馬県、福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/燧ヶ岳/燧ヶ岳
【コース】 七入より
【ガイド】 山と高原地図「尾瀬」(昭文社)
【温泉】 駒の湯 500円

【山域】 磐梯山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 雄国山・おぐにやま・1271.2m・三等三角点・福島県
 雄国沼・おぐにぬま・1090m・なし・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 福島/磐梯山/磐梯山
【コース】 パノラマコースより
【ガイド】 山と高原地図「磐梯・吾妻」(昭文社)

【時間記録】
8月23日(金) 14:00 新潟=(R.49、会津坂下IC、R.49、会津坂下、会津本郷、芦ノ牧温泉、R.118、湯野上、R.121、会津田島、R.289、南郷、内川、R.352 経由)=7:10 七入  (車中泊)
8月24日(土) 5:43 七入―5:55 林道終点―6:27 道行沢橋第一番橋―7:15 道行沢橋第五番橋―7:35 抱返滝―8:19 沼山峠休憩所―8:39 沼山峠展望所―9:01 小渕沢田代分岐―9:25 尾根沼ビジターセンター〜9:42 発―10:22 尾根乗り越し―10:34 小渕沢田代〜11:00 発―11:41 小渕沢田代分岐―12:05 沼山峠展望所―12:21 沼山峠休憩所〜12:37 発―13:04 抱返滝―13:10 道行沢橋第五番橋―13:56 道行沢橋第一番橋―14:25 林道終点―14:38 七入=(R.352、内川、南郷、R.289、会津田島、R.121、R.118、R.121、喜多方、R.459 経由)=18:50 裏磐梯  (車中泊)
8月25日(日) 5:30 ラビスパ東口―5:51 ラビスパ西口分岐―7:18 雄国山〜7:34 発―8:05 雄国山休憩所―10:24 湿原入口〜8:50 発―9:08 雄国山休憩所―9:35 見晴らしベンチ〜9:52 発―9:57 雄国山―11:06 ラビスパ西口分岐―11:27 ラビスパ西口分岐=(R.459、喜多方、塔寺、R.49 経由)=14:40 新潟
 群馬県の沼田市から尾瀬沼を通って福島県の会津若松へ至る道は、群馬側からは会津街道、福島側からは沼田街道と呼ばれ、会津と上州を結ぶ交易路として使われていた。現代になってから国道401号として車道が整備されることになったが、車道が、福島県側では桧枝岐から御池、さらに沼山峠入口へ、群馬県側では大清水から三平下に延びる中で、尾瀬の自然保護の機運が高まり、環境庁の発足もあって1971年に車道計画は廃止になった。現在、沼山峠口までのバスを使って尾瀬に入るものが大部分になって、七入から沼山峠口までの旧街道は整備されているにもかかわらず、歩く者もまれな道になっている。

 猫魔ヶ岳は、磐梯山の西に八方台を挟んで向かい合い、雄国山、厩岳山、古城ヶ峰などとともに古い火山の外輪山を形成している。その中心のカルデラ湖である雄国沼は、福島県では尾瀬の大江湿原と並んでニッコウキスゲの大群落地として有名で、シーズンともなれば、観光客やハイカーで大賑わいとなる。

 夏も終わり近くになって、ここらでテント泊でもと思って、尾瀬が頭に浮かんでいた。ところが週末は雨の予定ということになって、御池から尾瀬沼・尾瀬ヶ原周回か、七入から尾瀬沼までを歩こうかとトーンダウンした。車を走らせていくうちに、まだ歩いていない七入から沼山峠口までの旧街道を歩こうという気になった。尾瀬ヶ原は、雨の中でも歩けるが、視界が狭まると広大な湿原であるだけに、原っぱの中に通じる木道しか見えないことになる。
 七入には御池の駐車場が満杯になった時用の大駐車場がある。到着は夜になってからであったが、レストハウスや他の建物は、入口に横板が固定されて閉鎖されていた。最近は、尾瀬の入山者も最盛期に比べると少なくなっているようで、この駐車場が使われることもほとんど無くなっているのかもしれない。
 中学から高校時代には、尾瀬へ毎年出かけていたが、その当時、うらひうち林道を歩いて御池に出て、バスで七入まで下った後に旧街道を歩いて沼山峠を経て尾瀬沼に戻るという計画を立てたことがあった。七入の民宿で一泊したものの疲れて歩く気にはなれず、バスを乗り継いで会津田島を経て鬼怒川に出て、そこからは東武鉄道で戻ったことがあった。30数年ぶりの宿題を果たすことになった。
 小雨が降っており、雨具を着こんでの出発になった。七入山荘の手前で未舗装の林道に進み、小屋の脇をかすめて谷奥に進む。右手に駐車可能な広場が現れると、そのすぐ先で林道が終わって沢に向かって下る山道になった。車はこの広場まで入って来られるが、その時は、広場を行き過ぎないように注意が必要である。
 硫黄沢には、しっかりした木の橋が架けられていた。温泉源があるのか、硫黄臭がしていた。幅広の橋ではあるが、歩く者が少ないためか、苔がついており、濡れていることもあって、足元に注意して渡った。
 赤法華と地名の書かれている一帯は、伐採地になっており、頭上を送電線が延びていた。実川沿いの緩やかな登りが続き、赤法華沢を渡ると、その先で道行沢橋第一番橋が現れた。ここからは、道行沢沿いの登りが始まった。美しいブナ林の中を登っていくと、道行沢橋第五番橋が現れて、ここからは九十九折の登りが続くようになった。
 途中で抱返ノ滝が右手に現れた。脇に入ると、すぐ先で一枚岩に流れおちる滝を見ることができた。  登りを頑張ると、ようやく傾斜も緩やかになって幅広尾根の上に出た。人声が近づいてくると、沼山峠休憩所のトイレ脇に出た。この後は、お馴染みの道になる。
 雨のせいか、登山者も見当たらなかった。以前よりも整備が進んで、ほとんどテラスといった感じの木道歩きになっていた。もうひと頑張りして最高点を越し、さらに進んで下りが始まったところに沼山峠展望台がある。雲がかかって展望は閉ざされているので、そのまま通過した。
 大江湿原に出ると、広大な湿原の眺めが広がる。夏の花と紅葉の間の時期のせいか、湿原に人影は見られなかった。静かな湿原を楽しむには良かったが、雨が激しくなってきた。
 尾瀬沼ビジターセンターまで進んで、無料休憩所の脇から尾根沼の眺めを楽しんだ。さすがに、この付近には、登山者が行きかっていた。
 帰りは、小渕沢田代を回って戻ることにした。キャンプ場の中を抜けていくと急な登りが続くようになった。登山道を雨水が流れて歩き難くなっていた。結構きつい登りで、そのまま引き返した方が良かったかなとも思った。
 登山道は地形図の破線とは違って、南寄りに通じており、1911mピークの北の肩を越していた。尾根の乗り越しから先は急な下りになったが、思ったよりも短い距離で小渕沢に下り立った。地図を確認すると、尾瀬沼からは標高差230mの登りなのに対し、小渕沢田代への下りは標高差80mほどしかない。
 大江湿原分岐から右に曲がると、すぐ先で小渕沢田代が現れる。檜高山の麓に広がる静かな湿原である。木道を進むと小さな池も現れる。登山者もまれな秘境になっている。湿原の奥まで進んでみることにしたが、雨水があふれて、木道の上は沢状になっていた。
 湿原で昼食をと思っていたのだが、雨が激しくなったので、そのまま歩き続けることになった。大江湿原までは、緩やかな下りが続いた。小渕沢田代を訪れるなら、大江湿原から入って、尾瀬沼に下るのが楽そうである。
 大江湿原に戻ると、登山者も見られるようになっていた。尾瀬沼は初心者ハイカーも多いようで、ビニール合羽を着た者も多く見られた。
 沼山峠休憩所に戻ったところで、休憩所の軒先のベンチに腰を下ろして大休止にした。休憩所には、遅い出発の登山者が休んでいたが、シーズン中とは違った静かな雰囲気が漂っていた。
 普通なら後はバスに乗るだけなのだが、まだ七入まで下る必要があった。歩く者は少ない割には良く整備されている道のため、快調に下って七入に戻ることができた。
 日曜は、家に近づいた雄国山を登ることにした。登山口近くで夜を明かしてからラビスパ裏磐梯に移動した。ラビスパ口は、温泉施設脇の西口とキャンプ場脇からの東口があるが、今回はまだ歩いたことのない東口から登ることにした。大きな駐車場が設けられており、宿泊施設の客の車が一郭を占めていたが、登山者の車は無いようであった。
 キャンプ場から指導標に従って登山道に進んだ。段々状に整備されているが、歩く者が少ないため、草が延びてきていた。いきなりの急登になった。ひと汗かいて尾根上に出ると、西口からの登山道が合わさった。
 ここからは1102mピークに向かっての緩やかな登りになった。ブナ林の中を登っていき、ピークを越すあたりからは登山道を草が覆うようになった。イバラやアザミなどの棘のある草が多く、掻き分けながら歩くのに苦労した。今のところ歩くことはできるが、このまま放置しておくと、一般登山向きでなくなる恐れがある。
 緩やかに下っていき、沢が流れる鞍部を越すと、笹原の登りになった。倒れこんだ草の露で、下半身はずぶ濡れになってしまった。ここからは、再び急な登りになった。傾斜が緩やかになると、やがて雄国山の山頂に到着した。山頂の小広場は灌木に囲まれているが、展望台が設けられており、その上に立つと猫魔岳や雄国沼の展望が広がった。朝食にパンを食べた後、雄国沼湿原まで足を延ばすことにした。
 山頂を後にして尾根沿いに下っていくと、急な下りに入る所にベンチが置いてあり、雄国沼の展望が広がった。ここまで引き返してから大休止にすることにした。段々に整備された登山道を、展望を楽しみながら下った。左に折れて尾根を外すと、九十九折の下りになったがすぐに直線状の緩やかな下りに変わった。
 雄子沢登山口からの登山道が合わさると、その先で休憩小屋の脇に出た。この先は、観光客向けの遊歩道が整備されている。沼を垣間見ながら歩いていくと、蚊に何か所も刺されてしまった。遅ればせながら虫除けスプレーを振りかけたが、体をかきながらの歩きになった。
 雄国沼の湿原は木道が整備されており、ニッコウキスゲのシーズンには観光客も含めて大賑わいになるのだが、誰も見当たらなかった。湿原を独り占めしての散策になった。雄国沼の湖面は、猫魔岳や雄国山、さらに白雲の影を映していた。ようやく、夏山らしい風景を楽しむことができた。
 雄国山に登り返し、見晴らしの良いベンチに腰を下ろして大休止にした。雄国山を目指す登山者にも出会うようになった。
 ラビスパ登山口に戻る途中、家族グループとすれ違ったが、半ズボンの子供も交じっており、草を掻き分けて歩くのに苦労しそうであった。
 土日と曇り時々雨といった天気予報が出ていたが、土曜日に終日雨に降られたせいか、日曜には晴になって、今年の夏山シーズン初めての青空の山を楽しむことができた。


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