不忘山、葉山

不忘山
葉山


【日時】 2013年8月9日(金)〜11日(日) 前夜発2泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 10日:曇り  12日:曇り

【山域】 蔵王山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 不忘山・ふぼうさん・1705.3m・三等三角点・宮城県、山形県
【地形図 20万/5万/2.5万】 仙台/白石、上山/白石、不忘山、蔵王山
【コース】 みやぎ蔵王白石スキー場より
【ガイド】 分県登山ガイド「宮城県の山」(山と渓谷社)、山と高原地図「蔵王・面白山・船形山」(昭文社)
【温泉】  温もりの湯 300円

【山域】 朝日連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 葉山・はやま・1237m・なし・山形県
【地形図 20万/5万/2.5万】 仙台、村上/荒砥、朝日岳、赤湯/荒砥、羽前葉山、長井
【ガイド】 山と高原地図「朝日連峰」(昭文社)
【コース】 高玉コースより

【時間記録】
8月9日(金) 14:20 新潟=(R.7、新発田、三日市、R.290、大島、R.113、横川橋 経由)=18:45 みやぎ蔵王白石スキー場 (車中泊)
8月10日(土) 4:55 みやぎ蔵王白石スキー場―5:24 白石女子高山小屋跡―6:02 アザレア平―6:32 弘法清水―7:23 不忘の碑―7:40 不忘山〜7:50 発―8:01 不忘の碑―8:43 弘法清水―9:10 アザレア平〜9:25 発―9:53 白石女子高山小屋跡―10:13 みやぎ蔵王白石スキー場=(横川橋、R.113、今泉、R.287 経由)=15:00 高玉登山口
8月11日(日) 5:00 高玉登山口―5:54 アンテナ施設分岐―6:07 林道終点―9:21 崩壊地―6:40 林道終点〜6:57 発―7:06 アンテナ施設分岐―7:42 高玉登山口=(手ノ子、R.113、大島、R.290、三日市、R.7 経由)=11:00 新潟
 蔵王連峰は、蔵王エコーラインを境にして、北蔵王と南蔵王に分かれる。南蔵王を代表するピークは、一等三角点が置かれている屏風岳であるが、その南の不忘山は、花の多い山として人気が高い。

 葉山は、朝日連峰の東端にあり、端山として信仰の対象になってきた山である。他にもある葉山と区別するため、長井葉山と呼ばれている。昔からの信仰の名残りか、高玉、白兎、勧進代、草岡のそう遠くない各集落から登山道が開かれている。

 お盆の連休に入ったが、月曜日が平日で仕事があるため、通常の週末と変わらない日程になった。道路の混雑を避けるため、一般道で行ける山を考えることになった。7月から局地的豪雨の被害が出ているが、この週末も秋田を集中豪雨が襲っているようである。あまり北上しないですむ蔵王山塊の不忘山を初日の山として、二日目は家に近づいたところの葉山をまだ歩いていない高玉登山口から登ることにした。
 新潟から高畠までは何度も通っている道である。その先の県境越えはは七ヶ宿街道あるいは羽州街道と呼ばれる峠道であるが、良く整備された道で快適なドライブを楽しむことができた。渋滞もなく、みやぎ蔵王白石スキー場の駐車場に入ることができた。
 みやぎ蔵王白石スキー場の駐車場はだだ広いが、翌日は水引入道までの周回を行うつもりで、林道入口で車を停めた。夜中に、強風で車が揺れるので目が覚めた。天気が期待していたよりも悪いようであった。朝には、風は少し弱くなったものの、時折強い風が吹き寄せる状態であった。山の稜線部も雲に隠されていた。天候の回復を祈って歩き出した。
 しばらくは、ゲレンデ下の連絡コースを緩やかに登っていくことになる。白石女子高山小屋跡から登山道が始まる。ブナ林の中の登りで、早くも汗が噴き出てきた。樹林帯の中の見通しのきかない登りであるが、ブナ林の背が次第に低くなっていくので高度が上がっていくのが判る。
 アザレア平という標識が木に取り付けられた台地に出ると、目指す不忘山の眺めが広がるが、山頂部は雲に隠されたままであった。コースが左に曲がると、小沢を跨ぎ越し、その先で再び登りが続くようになった。水が流れて登山道が掘り込まれ、歩き難い道になっていた。土砂流出防止のために打ち込まれた杭が、飛び出して障害物になっていた。登山道の荒れがひどくなったためか、灌木帯の中に新しく切り開かれた道が設けられており、これを辿っていくと、弘法清水に到着した。清水を飲んで元気を取り戻したかったのだが、飲む気のはなれない水溜りになっていた。
 この先も堀状に抉られて荒れた道が続いた。ガレ場が現れるとようやく山頂も近づいてくる。急坂を登り切って草付きをトラバースしていくと不忘の碑の置かれた分岐に出た。風が冷たく、山シャツを着こむことになった。視界も閉ざされており、縦走は諦めて、不忘山の往復だけにした。
 不忘山の山頂に到着しても、見えるものは山頂の碑だけであった。山頂直下のお花畑ではミヤマシャジンやイブキトラノオが咲いていたが、風が強く写真を撮れる状態ではなかった。今日は、山頂に立てたことだけで満足することにした。
 下山途中、10名ほどの登山者にすれ違ったが、連休の山としては少ないほうであろう。アザレヤ平まで下りたところで、朝食のための大休止にした。振り返る山頂は相変わらず、雲に隠されていた。
 高畠まで戻った所で、観光モードに入って以前から気になっていた犬の宮と猫の宮を見学した。残念ながら、猫の宮には以前いたという捨て猫はいなくなっていた。温泉に入り、長井で食料を買い込み、高玉登山口に向かった。置賜西部広域農道に進むと、葉山の各登山口を通り過ぎることになる。高玉登山口の林道には、葉山登山口を示す標識は見当たらなかったので、GPSを立ち上げて確認を行った。高玉の薬師堂からの車道が広域農道にぶつかるところの十字路の先の林道が登山口になる。林道に少し入ったところに空地があったので、車を停めて夜を過ごした。
 高玉コースは、しばらく未舗装の林道歩きが続く。大鮎貝川沿いに歩いていくと、川が氾濫した後の護岸工事を行っていた。林道が川から離れて登りになると、土砂崩れも起きていたが、ブルで道はならされていた。以前の記録では、一般車でも林道を上がっていけたようであるが、オフロード四駆でもないと無理な状態であった。
 ひと登りすると、T字路に出た。直進はアンテナ施設に通じるようで、葉山へは左の道に進む。この先も林道歩きが続いたが、雨量計施設が現れると、林道終点になった。標高630mなので、ここまで車で入ることができれば、ずいぶんと楽ができる。
 この先は、林道幅の切り開きの中に登山道が続いていた。草が茂っているところもあったが、ズボンの裾を濡らす程度であった。
 汗をかきながらも快調に歩いていくと、登山道が土砂崩れで無くなっていた。前方に道の続きが見えており、崩れ落ちた土砂もでこぼこ状態で、横断の際に滑落の心配は少なかった。柔らかい土砂に足場を確保しながら横断し、登山道に戻ることができた。
 難所を通過してひと息ついたものの、すぐ先でさらに大規模な土砂崩れに遭遇した。見上げると、崩壊地には亀裂もできており、さらに崩れそうであった。ここを通過するには、一旦下に下ってから横断し、その先で藪を直登するしか無さそうであった。崩壊地がここだけならば頑張って通過するところであったが、地図を見ると、その先の登山道は尾根の横腹を九十九折状態で登っていくように記されている。崩壊地はこの先でも起きている可能性が高そうということで、引き返すことにした。
 崩壊地を慎重に通過し、雨量計広場に戻ったところで、朝食の大休止にした。気になるのは、この高玉コースの将来である。葉山から三本楢にかけての登山道沿いには、涸沢に向かって延びる山道が何本も分かれていた。地元民の使う山菜・キノコ採りのための山道のようであったが、そのアプローチには、この高玉コースが使われていたように思える。このコースがそのまま廃道になるよりは整備され直される可能性が高い。数年したら、歩けるか確かめたいと思う。
 車に戻った時間は早かったが、汗びっしょりになっており、着替えをして登山道を終えることになった。


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