城ヶ峰、新田山、大毛無山

春日山から城ヶ峰
新田山
大毛無山


【日時】 2013年5月3日(金)〜5日(日) 2泊3日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 3日:曇り 4日:晴 5日:晴

【山域】 高田周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 春日山・かすがやま・160m・なし・新潟県
 城ヶ峰・じょうがみね・295m・なし・新潟県
【コース】 桑取道
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/高田西部/高田西部
【ガイド】 なし

【山域】 妙高連峰周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 新田山・しんでんやま・923.7m・三等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/妙高山/湯川内
【コース】 旧焼山温泉スキー場より
【ガイド】 なし
【温泉】 焼山温泉・清風館 500円

【山域】 矢代山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 大毛無山・おおけなしやま・1429.0m・二等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/妙高山/関山
【コース】 旧アライマウントスキー場より
【ガイド】 なし

【時間記録】
5月3日(金) 5:30 新潟発=(北陸自動車道、柿崎IC、R.8、高田 経由)=7:40 御前清水駐車場〜8:02 発―842 桑取道入口―10:26 城ヶ峰〜11:00 発―12:38 桑取道入口―12:53 春日山本丸―13:24 御前清水駐車場=(高田、R.8、梶屋敷、焼山温泉 経由)=15:20 旧焼山温泉スキー場 (車中泊)
5月4日(土) 6:57 旧焼山温泉スキー場―8:40 新田山〜9:25 発―10:36 旧焼山温泉スキー場=(焼山温泉、梶屋敷、R.8、高田、R.18、両善寺 経由)=14:30 御備川沿い林道駐車場 (車中泊)
5月5日(日) 5:20 御備川沿い林道駐車場―7:20 小毛無第一リフト終点―9:10 大毛無山〜9:34 発―10:20 小毛無第一リフト終点―11:32 御備川沿い林道駐車場=(両善寺、R.18、高田、R.8、柿崎IC、北陸自動車道 経由)=14:10 新潟
 春日山は、上杉謙信の居城が置かれていたことで知られている。標高は低く、険しい地形も持たないが、大規模な遺構が広がっている。一般観光客は、中腹の春日神社と、その入り口に立つ上杉謙信の銅像を見て終わりとなるが、遊歩道が整備されて山中を散策できる。春日山の西に位置する城ヶ峰は、越中方面の見張りを行う春日山の支城で、両者間を桑取道(くわどりみち)と呼ばれる古道が結んでいた。

 新田山は、焼山の北山麓にある山である。麓の焼山温泉から山頂下まで林道が延びている。

 大毛無山は、上越市の高田の西に広がる南葉山塊と妙高山塊に挟まれた矢代山塊にある山である。大毛無山から南西に延びる尾根は、不動山、容雅山を経て火打山に続いている。大毛無山周辺は豪雪地で、遅くまで雪が残るため、東斜面には「ARAI・マウンテンANDスノーパーク」というスキー場が設けられていたが、現在では休業している。

 連休後半は、初日に雨が残るようなので、低山歩きを行うことにした。上越方面の山を考えいくうちに、まだ登っていない城ヶ峰に目が留まった。城ヶ峰は、麓の中桑取からは短時間で登れるようだが、ネットで調べると、春日山からの桑取道が整備されていることが判った。NHKの大河ドラマの「天地人」では、景勝方が春日山の本丸を確保したものの、兵糧が足りないことが判り、兼続が桑取へ食料調達に行くというエピソードが出てきた。「天地人」関係では、縁の地をずいぶんと訪れたが、ここはまだ歩いておらず、その点でも歩く必要があった。
 上越に向かう途中は雨が降っていたが、高田に到着すると雨は止んでいた。御前清水駐車場に車を停め、ここから歩き出すことにした。春日山神社付近は、駐車禁止になっており、観光客は付近からのシャトルバスを利用するようになっていた。
 御前清水駐車場脇の路肩に大手道の案内板があり、ここから柿崎屋敷をまず目指すことになる。田圃の中を進んでいくと左手に溜池が現れ、遊歩道として整備された大手道が始まった。幅広の階段道をひと登りすると、迂回してきた車道に再び合わさり、塚状の盛り土がある番所跡に出た。再び遊歩道に進むと南三ノ丸に出て、ここは車道を横断して、直進した。この先をひと登りすると草地の台地が広がる柿崎和泉守屋敷跡に出た。
 桑取道はここから始まるはずと標識を探すと、柿崎和泉守屋敷跡の看板の裏に桑取道の案内が書かれていた。どうやら城ヶ峰までは4.6kmあるようであった。往復するには、それなりの体力が必要になりそうであった。
 桑取道は、良く整備されてはいたが、歩く者は少ないようであった。緩やかに下っていくと、牛池新田に通じる車道に飛び出し、それを少し辿った後に再び山道に戻った。初めは杉林が広がっていたが、やがて雑木林の中を歩くようになった。カタクリが終わっているのは残念であったが、ミツバツツジやチゴユリ、オオイワカガミが咲いていたが。途中から高圧ガスの埋設道の標識が現れるようになった。左手の谷間には正善寺ダムの堰堤や北陸自動車を見下ろすことができた。車の走行音が一時高くなったが、歩くうちに再び静けさが戻ってきた。
 桑取道はアップダウンは小さいといっても、距離があり、途中には1km毎に城ヶ峰砦までの距離が書かれており、歩きの助けになった。
 城ヶ峰が近づくと、未舗装の林道歩きに変わった。城ヶ峰の肩部を林道は巻いており、遊歩道をひと登りすると、城ヶ峰に到着した。山頂一帯は、段々になっており、曲輪が上下に重なっていたようである。山頂は台地になっており、日本海の眺めが広がっていた。山頂一帯は一面にカタクリの葉が覆っており、花の季節は素晴らしいお花畑になっているようであった。いずれ、花の季節に再訪する必要がある。一段下がった崖の縁に腰を下ろし、正善寺ダムや頸城平野の眺めを楽しんだ。尾根の末端部の高まりが春日山のようであった。
 ひと休みの後、春日山に引き返した。柿崎屋敷から本丸に向かうと、ハイカーにも多く出会うようになった。景勝屋敷によって本丸に出ると、山頂広場はハイカーや観光客で埋め尽くされていた。南葉山や頸城平野の眺めが広がり、お弁当を広げるには良い山頂であった。いささか混雑にへきへきして、春日神社に向かって下山した。
 車に戻って、翌日の山を考えた。まだ登っていない山として、新田山を登ることにした。
 焼山に登った時は、早川の右岸を進んで笹倉温泉の先に進んだが、今回は左岸に渡って、焼山温泉の先から段丘上に進んだ。以前、焼山温泉スキー場というファミリー向けのスキー場があったが、現在は閉鎖になっている。その上部終点の鉄塔脇に車を停めるスペースがあったので、ここで夜を過ごした。
 早朝から車が脇を通り過ぎていく音がした。林道の除雪終点で寝ていると、早朝から起こされているところであった。
 快晴の登山日和の朝になった。段々畑の中を歩いていくと、林道が尾根の末端に突き当たったところで、除雪終点になっていた。三台の車が停められていたが、山スキーヤーのもののようであった。
 雪に埋もれた林道を進むと、谷の前方に砂防ダムの堰堤が現れた。この先から九十九折の登りが始まった。
 登るにつれて、烏帽子岳と阿弥陀岳の眺めが広がるようになった。今回の山行では、防水機能を持ったコンパクトデジカメが欲しくて、新たにオリンパス製品を買ったので、その試し撮りも目的の一つであった。歩きながら撮影できるという点では、コンデジはやはり便利である。特にパノラマ撮影は、一眼レフではできないものである。ただ、機能の一つであるGPSは、電池の消耗が著しく、カメラを取り出してからの位置決定に時間がかかることから、写真に位置情報を入れる必要がある場合にオンにする必要がある。
 写真を撮りながら登っていくと、一面の雪原が広がるようになって、林道をショートカットできるようになった。稜線が迫って見えるところで、林道から分かれて、雪原を直登した。ひと登りすると傾斜は緩やかになったが、山頂は少し奥にあった。山頂は一部藪が出ていたが、残雪を辿ることができた。
 新田山の山頂は残雪に覆われており、早川側は切り落ちていた。雪庇の崩落が怖く、崖の縁には近寄れなかった。山頂からは火打山と焼山、高松岳や昼闇山の展望が広がっていた。高松岳や昼闇山は登ってみたく、登れそうなルートを目で追った。新田山は、低いながら、展望の山であった。
 下山は、林道をショート・カットしながら快調に下った。林道脇にはフキノトウが頭を出しており、収穫しながらの歩きになった。連休前半は、刈羽黒姫山でフキノトウをを採って天麩羅にしたので、今度はフキミソ作りになる。
 下山後、焼山温泉で汗を流した。連休中は日帰り入浴は2時までになっており、山で時間がとられると、入浴できないところであった。
 二日続けて新しい山を登ることができたが、三日目は展望を楽しむため、大毛無山を登ることにした。先回は、粟立山を合わせて登ったため、大毛無山の山頂に立った時には靄ってきてしまっていた。今回は、早い時間に山頂に立って、展望を楽しむことを目的とした。
 高田に戻って食料の買い出しと食事をした後に、現在は閉鎖になっている「ARAI・マウンテンANDスノーパーク」に向かった。レストハウスの脇から御備川沿いの林道に進んだ。林道脇には、幾人もの山菜取りが見られた。残雪も多く、林道がどこまで入れるか判らないので、カーブ手前の駐車場に車を停めた。先を確かめるために歩いていくと、左に大きく曲がった先で雪のために通行不能になっていた。朝方に車を移動させるのも面倒なため、駐車場から歩き出すことにした。
 三日目は、一番の快晴になった。先回は、スキー場内のコースが判らないままに登りを続けたが、今回は気分的に楽であった。林道歩きを続け、最初の目標地点のゴンドラ中間駅に到着した。ここから林道は、左手にトラバースしていく。デブリが一ヶ所林道を埋めていた。尾根上の山麓第二リフト終点からは、尾根沿いに歩いて林道をショートカットした。
 林道に戻って右手のトラバースを進んでいくと、急に雪が深くなって足が取られるようになった。少しでも歩きやすいようにスキーや足の跡を辿ったが、スノーシューが欲しいところであった。週の半ばの冷え込みで、一定の高さ以上が本格的な雪になったようである。林道が大きくカーブするところも、ショートカットは体力を消耗するので、林道を辿って緩やかな登りを続けることになった。
 小毛無第一リフト終点でひと息いれた。この先はまだ長い。この先で、急斜面が現れるが、一旦鞍部へ下る必要がある。左手の斜面をトラバースしながら登っていくようにトレースが続いていた。滑降コースとの間には浅い谷が入るが、登っていけば自然に横断できそうであった。雪が締まっているとトラバースは滑落の心配があるが、足が潜る状態でその危険性はなかった。枝尾根を少し登ってから奥に進むと、浅くなった谷に出て、これを横断すると、本来の滑降コースに戻った。
 この先は、一面の雪原が広がっていた。雪原の上部に見えるピークは、まだ大毛無山ではない。そのピークに向かってトレースが延びていたが、直登は息が切れ、右手の稜線に逃げることになった。稜線に出てからは、もうひと頑張りで、ゲレンデ上の偽ピークに出た。ここからは、火打山から焼山、大毛無山の大展望が広がっていた。山頂からの眺めを楽しみに最後の登りを頑張ることになった。
 山頂への最後の登りは、直登は急なので、神葉沢の源頭部をトラバースして右から回り込む。大毛無山の山頂からは、妙高山から火打山、焼山、金山に至るパノラマが広がり、期待通りの大展望が広がっていた。この展望が楽しめるので、大毛無山は何度も登りたい山になっている。腰を下ろして、展望を楽しみながらの大休止にした。
 下山に移ると、神葉沢の源頭部のトラバースで登ってくる軽装の5名グループにすれ違った。不思議なのは、小毛無第一リフト終点までの下りで足跡が見当たらないことであった。要山経由で登ってきて、テント泊でもしたのだろうか。下りの途中、山スキヤーにもすれ違うようになったが、こちらが挨拶しても、返事を返してこなかった。山スキーヤーというのは、登山者とは感覚が違うような気がする。


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