長森山、刈羽黒姫山、八石山

長森山から六万騎山
刈羽黒姫山
八石山


【日時】 2013年4月27日(土)〜29日(月) 2泊3日 各日帰り
【メンバー】 27日:宇都宮グループ(9名) 28日:単独行 29日:単独行
【天候】 27日:雨 28日:晴 29日:晴

【山域】 越後三山周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 長森山・ながもりやま・538m・なし・新潟県
 六万騎山・ろくまんきやま・321.0m・四等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/十日町/五日町
【コース】 六万騎山登山口より周回
【ガイド】 岳人09年10月号
【温泉】 ゆーパーク薬師 湯之谷薬師温泉センター 600円

【山域】 東頸城丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 刈羽黒姫山・かりわくろひめやま・891m・なし(889.5m・二等三角点)・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/岡野町/岡野町、石黒
【コース】 白倉コース
【ガイド】 新・にいがた花の山旅(新潟日報事業社)
【温泉】 千手・千年の湯 500円

【山域】 東頚城丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 下八石山・しもはちこくさん・513.8m・二等三角点・新潟県
【コース】 登り:滝コース・三ツ小沢コース 下り:峰コース
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/岡野町/法坂
【ガイド】 なし

【時間記録】 
27日(金) 6:20 新潟=(関越自動車道、小出IC、R.291 経由)=8:10 六万騎山登山口〜8:30 発―8:54 長森山登山口―9:33 地蔵ピーク―10:19 長森山〜10:26 発―11:02 分岐―11:20 六万騎山〜11:31 発―11:50 六万騎山登山口=(R.291、小出、堀之内、R.252、中条、R.117、十日町、R.252 経由)=16:00 岡田  (車中泊)
28日(土) 6:15 小清水分岐―7:00 白倉集落跡―8:15 林道終点広場―8:52 黒姫峠―9:27 鵜川神社―9:38 黒姫山〜9:55 発―10:02 鵜川神社―10:26 黒姫峠―10:53 林道終点広場―11:54 白倉集落跡―12:42 小清水分岐=(R.252 経由)=15:30 赤尾の溜池  (車中泊)
29日(日) 6:08 赤尾の溜池―6:15 滝コース登山口―6:46 十三滝入口―7:08 沢コース分岐―7:22 見晴観音―7:37 赤尾展望台―7:56 八石山〜8:07 発―8:50 登山口駐車場―9:17 赤尾の溜池=(R.252、柏崎IC、北陸自動車道 経由)=11:00 新潟
 八海山の大崎登山道の三合目から南西に延びる尾根は、猿倉山、堂平山を経て六万騎山で終わる。長森山は、堂平山と六万騎山の間のピークで、地図には名前が記載されていないが、麓の集落の名前が山名として使われている。長森山への登山道に加えて、六万騎山への縦走路が整備されている。

 日本海に臨む米山の南東部の内陸部にあるこの山は、他の黒姫山と区別するため、刈羽黒姫山と呼ばれている。米山、八石山とともに、刈羽三山に数えられ、里人の信仰の山であり、各方面からの登山道が開かれ、山頂一帯にはブナ林が残されている。

 今年の五月連休は前半と後半に分かれている。天気は短い周期で変わり、晴天が続くことはないようであった。宇都宮グループが新潟の山に来るというが、初日は雨の予報であった。当初の予定の山は登れずに、計画変更に苦労しそうであったため、直前に連絡して、長森山から六万騎山の縦走に誘うことにした。
 料金節約のため、小出で高速を下りて、一般道で六万騎山に向かった。予報通りに本降りの雨になった。六万騎山には宇都宮グループがすでに到着していた。傘をさして相談していると、雨が止んだので、歩き出すことにした。車の回送の手前を考えて、長森山の登山口まで歩くことにした。この日は、雨が断続する状態であったが、長森山登山はなんとか行える状態であった。
 車屋という酒屋があり、その先の尾根末端が登山口になる。登山道はしっかりしているが、登山者は多くはなっていないようであった。登山道沿いのカタクリはほとんど終わっていたが、登るにつれて、イワウチワやピンクのイカリソウも現れて、目を楽しませてくれた。付近の山の残雪はまだ多いが、長森山から六万騎山にかけての登山道沿いは、すでに雪は消えていた。最初の目標地点は地蔵の置かれた342mピークであるが、その前後には山城の横堀跡のような段差があって、体力を奪われる。
 高度が上がると、杉林も消えて雑木の尾根が続くようになる。雨に濡れた新緑が、気持ちよかった。長森山が前方に迫ると、急登に変わる。下から見えていたピークは尾根の張り出しで、それを越した先の痩せ尾根を越してひと登りすると長森山の山頂になる。団体が休むには狭すぎる山頂のため、ひと通り写真を撮っただけで、下山に移った。
 雨が降っているせいか、皆早足で下っていってしまったため、それを追いかけることになった。分岐からは、六万騎山に向かっての登りが始まる。空堀跡を越しながら登っていくと、六万騎山の山頂に到着した。
 六万騎山山頂の桜も咲いていたが、登山者は他にいなかった。六万騎山山頂部のカタクリは、まだ盛りであったが、雨のために閉じているのは残念であった。下山途中には、他のグループが登ってくるのにすれ違った。雨のために山頂で休まずに、歩き通しで周回しているようであった。
 車を置いた登山口に到着すると、Iさん夫妻が待ち構えていた。久しぶりの再会であった。自動車に積んだ布団やスノーシューやらを見て、私と見当つけたようである。立ち話をしてから、坂戸山に向かうという夫妻と分かれた。
 二日目は、まだ歩いていない白倉コースから刈羽黒姫山を登ることにした。時間も早かったので、小出で温泉に入り、六日町のブックオフで漫画をあさって時間をつぶした。
 高柳町の岡田集落から鬼沢川沿いの林道に進んだ。集落を抜けた先の小清水への分岐で、鬼沢川沿いの林道は冬季閉鎖になっていた。鬼沢川沿いの林道は細く、途中から歩くつもりであったので、この分岐からの歩き出しは想定内であった。分岐付近は道幅も広くなっていたので、車を停めて夜を過ごした。
 朝は青空が広がっていた。ゲートを抜けて林道を歩き出した。脇の田圃の中の農道を辿って、少し先の林道に回り込んだ車がいたが、すぐ先で残雪が現れて、車は通れなくなっていた。谷間には、田圃が広がっていたが、雪解けは遅そうで、田植えは相当先になるようであった。
 林道が右岸に移ると、道幅も狭くなって、残雪歩きが続くようになった。カーブを交えながら高度を上げていくと、石垣跡や神社が見られる白倉集落跡に出た。帰りに気が付いたのだが、白倉清水と呼ばれる湧水が、雪融けが進んだ窪地の中に姿を見せていた。ガイドブックによれば、雪が無ければここまで車で入れるようであるが、残雪期の山を楽しむのなら、ここまで林道歩きを行うだけの価値はある。
 杉林を抜けていくと、再び林道歩きになるが、一面の残雪で林道が判りにくくなってきた。カーブを抜けた330m標高付近で登山道が始めるようであった。林道をそのまま辿っても、登山道が合流するようであったが、林道が判りにくいことから、登山道に進むことにした。
 登山口の標識は見つからなかったので、尾根沿いに登ることにした。杉の落ち葉で隠されて、登山道は判りにくくなっていた。さらに、登山道がジグザグに続いているためか、登山道は現れて消える状態であった。藪を漕ぎながら進むのに問題は無かったが、登山道を辿ったとは言えない状態であった。
 470m標高点で、雪融けが進んだ林道に飛び出した。林道歩きの方が楽そうなので、下山時には林道を辿ることにした。林道周辺はブナ林になっており、新緑が始まって残雪と美しいコントラストを見せていた。水上コースの合流点から緩やかに下っていくと、その鞍部で林道終点になった。地形図の破線は、南に大きく回り込んで尾根沿いに通じているが、実際には、尾根の北側を巻くように続いていた。
 尾根沿いの登りに変わると、夏道と雪堤を交互に辿るようになった。低山とは思えない残雪歩きになった。
 清水谷コースが合わさる分岐には、黒姫峠と書かれた標識が置かれていた。以前、清水谷コースを歩いているが、今回は残雪歩きのため、この先の歩きは、まったく新しいコースの歩きと変わらない。
 黒姫峠の先で、尾根の残雪が大きく割れて通過が難しくなっていたが、雪塊を乗り越し、藪を踏んで突破した。幸い、難所はここだけで、その後は快適な残雪歩きが続いた。
 黒姫山の肩部に置かれている鵜川神社は、屋根だけが出ていた。黒姫山で最も使われている磯之辺コースが合流するが、踏み跡は見当たらなかった。磯之辺コースは急斜面が続くので、この季節は難しそうである。
 鵜川神社からは、ひと登りで、アンテナの立つ山頂台地に出た。ここが最高点であるが、少し先の避難小屋まで進んだ。小屋の前に三角点が置かれて、ここに山頂標識が置かれている。雪が吹き寄せられて、崖際に小山ができており、実際の標高よりも高くなっていた。
 青空が広がっていたが、靄って遠望は気かなかったが、ブナ林の間から米山が山頂をのぞかせていた。予定では、三日目にまだ歩いていないコースから登るつもりであったが、残雪のために難しそうであった。予定を変えることにして、登る山は下りの途中に考えることにした。
 下山に取り掛かると、雪道は速く、登りの苦労はどこにといった感じで戻ることになった。登りの際に林道から外れたところは、そのまま林道を下ることにした。谷に滑落するような危険個所は無かったが、杉林の中で、辿るのが難しくなるところもあった。登りの足跡に出会えば、後は気楽な下りになった。
 林道脇の雪解け部にはフキノトウが顔をのぞかせており、摘み取りながらの歩きになった。山菜取りも入山していたが、フキノトウは目的にしていないようであった。
 結局、この日の黒姫山登山者は私だけであったようである。静かな山を楽しむことができるなら、この時期の定番の山にしようか。
 下山後の温泉と思って、じょんのびの里高柳に向かったが、駐車場は満杯で、ここでの入浴は諦めた。結局、食料の仕入れも兼ねて十日町に向かい、千手で温泉に入った。五月連休は、道の駅の駐車場も満杯になるので、余計な苦労をすることになる。
 結局、三日目は、柏崎の八石山を登ることにした。何度も登って、地図無しでも歩ける山である。ただ、一般的な峰コースでは単純すぎるので、滝コース・三ツ小沢コースから登って峰コースを下ることにした。以前、赤尾コースから登って三ツ小沢コースに下って、両登山口の間の車道歩きの時間は判っているので、今度は峰コース登山口との車道歩きを確かめておくのも必要である。
 滝コース入口の峰コースよりに溜池があり、その脇に駐車スペースがあったので、ここに車を停めて夜を過ごし、翌朝はここから歩き出すことにした。
 谷間に広がる田圃の農道を進んでいくと、登山者用の駐車場に到着する。一般車用駐車場であるが、ここまでの農道は狭く、対向車に出会うと苦労しそうである。この先も林道が続いているが、一般車は無理である。林道終点からは、赤尾川に沿った山道が続く。谷に落ち込むデブリで、通過に注意が必要な所も出てきた。
 十三滝手前で尾根に取りつくと、急登の連続になる。右手に沿った尾根が合流すると、傾斜も少し緩くなって、峰コースからの連絡コースが合わさる。さらに尾根沿いの登りを続けると、見晴観音が現れる。金属製の囲いの中に石仏が置かれていた。以前は、木のお堂であったような気もするのだが。見晴観音にはベントも設けられていたが、その脇には植えたものなのかシラネアオイが花を開いていた。
 さらに尾根の登りを頑張ることになった。汗を絞られて、運動のためには良い山である。傾斜が緩むと、展望台の設けられた赤尾八石山に到着した。八石山の山頂までは、もうひと頑張りが必要である。沢コースとの分岐から先は、登山道をカタクリが覆うように咲いていた。花を眺めながら登っていくと、山頂手前で残雪が現れた。ステップを切りながらひと登りすると、山頂のいっかくに到着した。
 八石山の山頂には、二軒の避難小屋があるが、以前からある豆ノ木小屋の方からは、ひと声がしていた。地元の山の会のメンバーが泊まっていたのかもしれない。陽気も良いので、眺めを楽しめる外のベントに腰を下ろした。まだ残雪豊富な黒姫山や米山の眺めが広がっていた。連休とあって、もう少しすれば騒々しい山頂になるのであろうが、静かな山を楽しむことができた。
 峰コースは階段が続き、下りでも、足に負担がかかってきた。途中から、すれ違う登山者も多くなってきた。
 かやかりばに下ると、カタクリはすでに終わっていたが、残雪をまとった米山と桜の花が美しいコンビネーションを見せていた。
 林道上横断点の路肩や登山口の駐車場は満杯状態になっていた。
 最後の車道歩きも、30分弱であったので、我慢の内であった。


山行目次に戻る
表紙に戻る