風越山

不動堂山、風越山、三五郎山、大蔵山


【日時】 2013年3月17日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 菅名山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 不動堂山・ふどうどうやま・557.4m・三等三角点・新潟県
 風越山・かざこしやま・806m・なし・新潟県
 三五郎山・さんごろうやま・910m・なし・新潟県
 大蔵山・おおくらやま・864.3m・三等三角点・新潟県
【コース】 登り:不動堂山鉄塔コース 下り:大蔵尾根
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/新津/村松、馬下
【ガイド】 なし

【時間記録】5:50 新潟=(R.49、R.403、新津、五泉、村松 猿和田、R.290、大蔵山登山口駐車場 経由)=7:00 不動堂山登山口〜7:17 発―9:15 不動堂山―9:43 鞍部―10:41 尾根合流点―11:00 風越山〜11:10 発―12:15 三五郎山―12:36 大蔵山〜12:42 発―13:40 四合目―14:15 大蔵山階段コース登山口―14:34 大蔵山駐車場=(自転車)=15:25 不動堂山登山口=(村松、五泉、新津、R.403、R.49 経由)=16:45 新潟
 新潟周辺でも人気の菅名山塊の大蔵山から菅名岳を経て鳴沢峰に至る主稜線には登山道が開かれているが、その南の風越山さらに不動堂山は、それぞれに登山道が開かれているものの、縦走路は結ばれていない。不動堂山から風越山を経て三五郎山へは冬限定のコースになるが、大展望を楽しみながらの雪陵歩きが続き、雪山を堪能することができる。

 菅名山塊の主稜線のうち登山道の無い区間の、風越山から三五郎山まではヤブコギで歩いているが、不動堂山から風越山の間がまだ歩いていなかった。残雪期限定のため、時期を狙っていた。土曜日は、午後から天気が崩れるというので、日曜日に決行することにした。
 不動堂山と風越山の登山口は、少々頑張れば歩ける距離である。ただ、風越山まで登ってしまえば、三五郎山までは、標高差もあまりない雪原歩きになる。しかも大蔵山まで到達すれば、下山は多くの登山者が歩いて気楽な道になる。風越山から大蔵集落への尾根をエスケープルートとし、大蔵山の登山口に自転車をデポして、不動堂山から大蔵山への縦走を行うことにした。
 大蔵山登山口の駐車場は除雪されて、周囲の雪も少なくなっていた。時間も早かったためか、登山者はまだ現れていなかった。自転車を置いて、不動堂山登山口に向かった。
 いつものように、福連寺山入口のスペースに車を置いて歩き出した。今回は、つぼ足期待であったが、スノーシューに六爪軽アイゼンを持った。谷沿いの林道は吹き溜まり状態で、残雪に足が取られて歩き難かったが、杉林に取りつくと、雪は無くなって、土道の歩きになった。急斜面の登りで、早くも息が切れた。前日の歩きで、疲れもたまっていた。
 鉄塔下に出て、白山や川内山塊の眺めを楽しみながら一息入れた。上々の天気で、展望が楽しみになった。不動堂山への主尾根に乗ると、残雪も多くなって、雪道と土道が入り混じるようになった。残雪は、時折踏み抜くものの、つぼ足で歩ける状態であった。登山道沿いにはマンサクの花も咲いて、雪国の春を告げていた。
 林道終点からの登山道の合流点に到着すれば、後はひと登りで不動堂山の山頂に到着するはずであった。ところが、夏道では思いもよらぬ細尾根になり、山頂を目の前にしたところでは、上が三角形に盛り上がった雪稜に変わった。しかも割れており、通り抜けるこができなくなっていた。斜面を一旦下ってからトラバースし、再び雪陵の上に戻った。雪陵を少し進むと、足元に不動堂山山頂に置かれている鐘が現れた。山頂に雪が吹き寄せられて、尖った雪陵ができていたようである。山頂手前は、不動堂山から南に下る尾根に回り込んでから登った方が安全であったかもしれない。縦走を終えてからコースを振り返ると、不動堂山山頂部が一番の難所であった。
 不動堂山の山頂からは、谷を隔てて、風越山が聳えていた。谷は深く、風越山へは一旦大きく下る必要があるのだろうかという不安が湧いてくる眺めであった。
 不動堂山から先は、幅広尾根の緩やかな下りになった。ブナ林が広がって気持ちの良い尾根であった。標高550m付近で、直進する尾根から右に沿う尾根にコースを変える必要があった。コース沿いには、所々テープが残されていた。
 最後に左手にコースを変えると、標高420mの鞍部に到着した。不動堂山の山頂からは、130m下っただけなので、思ったよりもロスは少ない。鞍部からは、標高差380mの登りが待ち構えているが、これは頑張るしかない。
 鞍部からは、杉林を抜けて、そのまま直登を続けた。標高450m付近から500m付近までが一番の急坂であったが、息がきれるものの、危険というほどではなかった。右手に沿う尾根に合流してひと息ついた。この先は、雪堤が高みに続いていた。標高500mほどの低山で本格的な雪山歩きを楽しんでいるのは、不思議な気分であった。標高600m付近からは雪の台地なって、風越山の山頂も目の前に迫っていた。振り返ると、不動堂山は下に遠ざかり、白山、粟ヶ岳、川内山塊の遮るもののないパノラマが広がっていた。
 風越山から西に延びる尾根の合流点までは、幅広の雪原が続いており、すぐそこのように見えたが、歩いてみると遠く、辛い登りになった。視界が開けているため、距離感が無くなっているのかもしれない。
 尾根の合流点に到達すると、古いトレースの跡が残されていた。風越山は、夏山シーズンよりも残雪期の方が登られているかもしれない。風越山の山頂までと、力を振り絞った。風越山の山頂は、遠くから見ても尖った高まりになっていた。地形的に雪が吹き上げられて、尖った山頂になっているようである。高まりを越すと、窪地になっていたので、ザックを下ろしてひと休みした。稜線を吹き抜ける風は強かったので、防風のため雨具の上着を着込んだ。
 第一目標地点に到着して、この後どうしようかと考えていると、二人連れが登ってきた。大蔵集落から登ってきて、三五郎山に抜けるとのことであった。少し休むと、歩く元気も出てきたので、二人を追って三五郎山に向かった。
 風越山の先は、幅広の雪陵歩きが続く。緩やかに高度を上げていくと、兎平からの尾根が合流する。兎平から三五郎山まで歩いたことがあるので、残雪歩きとしても、コースがつながったことになる。861mピークに向かってコースを北に変えると、飯豊連峰も見え始めた。やはり、風越山までで引き返すよりは、もう少し頑張って三五郎山に抜けるべきである。
 861mピークからの下りは、先回の兎平からのスノーシュー歩きで、急坂で難所になるであろうと推測していた。861mピークの下り口に進むと、山頂直下に大きなクラックが横切っていた。クラックの上に出て、少しトラバースして、クラックの細い所を跨ぎ越すと、後は問題の無い下りになった。
 三五郎山目指して雪陵を登っていくと、人声も聞こえるようになった。三五郎山に到着すると、しっかりしたトレースが続いていた。晴天に誘われて、大勢の登山者が登ってきているようであった。
 三五郎山から大蔵山へは、斜面のトラバースが続いて気の抜けない場所もあったが、トレースがしっかり付けられていたので、問題なく歩くことができた。大蔵山山頂は風が強かったため、少し下ったところで腰を下ろし、少し遅い昼食にした。
 大蔵山からの下山は、トレースも付けられているため、気楽に下ることができたが、足に疲れも出て長く感じられた。
 大蔵山登山口の駐車場に戻ると、何人もの登山者が下山後の片づけをしていた。私の場合は、アルバイトはここで終わりではなく、自転車にまたがって最後の頑張りを行うことになった。不動堂山までの車道は、ほとんど高低差が無いので助かった。
 不動堂山から大蔵山までの縦走は、その標高以上の雪山を楽しめて、もっと知られても良いコースであった。

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