宝蔵山、白山

宝蔵山から白山


【日時】 2012年10月27日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 白山・粟ヶ岳山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 宝蔵山・ほうぞうざん・897.1m・三等三角点・新潟県
 白山・はくさん・1012.4m・二等三角点・新潟県
【コース】 上高柳林道入口からより
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/越後白山
【ガイド】 なし
【温泉】 七谷コミュニティーセンター 100円(沸かし湯、石鹸無し)

【時間記録】 5:35 新潟=(R.49、亀田、R.403、加茂 経由)=6:45 上高柳送林道入口〜7:05 発―7:34 鉄塔―8:03 権現堂コース分岐―9:14 宝蔵山―10:32 白山―(11:15 〜11:35 昼食)―12:01 宝蔵山―12:59 権現堂コース分岐―13:19 鉄塔―13:42 上高柳送林道入口=(往路を戻る)=16:00 新潟
 白山と粟ヶ岳は、新潟平野の東の縁に沿い、川内山塊の前衛を成している。新潟周辺で人気の山になっており、それぞれの山は登山者で賑わっている。この二つの山を結ぶ縦走路が開かれているが、1日で歩くことは難しいため、歩く者は少なく、中間に位置する権ノ神岳や宝蔵山を訪れる登山者は、両脇の二山に比べて格段に少ない。

 ここのところ土曜日は晴天、日曜日は雨という天候が続いている。秋も深まり、新潟周辺の山でも紅葉が進んでいるだろうと思い、久しぶりに宝蔵山から白山へのコースを歩くことにした。大蔵山や権ノ神岳方面の登山道の状況は以前と違っているようなので、今回は上高柳送林道入口からの往復とした。
 5月13日に笠峰や橋立への登山道の偵察のために訪れた時は、送電線鉄塔まで続く林道の入り口には、沢山の車が停められていたのだが、今回は一台も見当たらなかった。山菜取りはできても、キノコ採りには適しない山なのだろうか。道路脇に花火の燃え残りが落ちており、熊よけに爆竹を鳴らしたようである。先日、上高柳に熊が現れて、檻で捕獲されたという。鈴はザックに付けていたが、緊張しながらの歩きになった。
 春先には林道に流れ込んでいた土砂もきれいに片づけられていた。林道の傾斜は急で、歩きはじめから息が切れた。車道歩きでは、登山道歩きよりもペースが早めになってしまうようである。林道の途中では、重機も入って伐採作業が行われていたが、土曜日は休みのようで、作業員は見当たらなかった。
 舗装道路は、尾根上に立つ鉄塔までで、ここから登山道が始まる。林道幅の刈り払いが行われており、快調に歩くことができた。尼池山を知らないままに通過し、高柳川方面に下る山道の分岐に到着すると、刈り払いは終わって、その先の登山道は草が被っていた。
 高柳川方面へは、権現堂コースという標柱が立てられていたが、縦に裂けていた。熊が爪とぎをしたようである。権現堂コースは、一旦は刈り払いが行われたようであるが、入口をのぞいた限りでは笹が被っていた。
 分岐の先は、ススキが茂って煩いところが出てきた。草のために、歩く際の抵抗は少ないものの、隠された道型をさぐるのが煩わしかった。前宝蔵山への急坂は、以前は下から道型を見分けることができたが、草が被っていた。初心者や初めての登山者では、先に進むのを諦めてしまいそうな状態であった。
 急坂を終えて、林の中を通る道になると、はっきりした道に変わった。紅葉も始まっており、秋の眺めを楽しみながらの歩きになった。前宝蔵山のトラバースも、登山道の状態は以前と変わらなかった。ただ、御前清水の水場は判らなくなっていた。
 尾根沿いに戻ってもうひと登りすると宝蔵山に到着した。宝蔵山の山頂は木立に囲まれて展望が無いのは残念である。縦走路の様子を確かめに三叉路に進んだ。白山方面は、問題の無いしっかりいた道で、橋立方面は、少し草が生えているものの、道ははっきりしていた。
 この先の登山道の状態は良さそうなため、予定通りに白山まで足を延ばすことにした。宝蔵山から緩やかに下った後に、ほぼ水平な尾根道を辿ると、荒沢峰へと枝尾根が下る890mピークに到着する。その先で細尾根に出ると、紅葉した灌木に彩られた登山道の向こうに白山の山頂が頭をもたげた眺めが広がった。川内山塊や粟ヶ岳方面の眺めも広がって、天空の散策路といった気分が味わえる。しばらくは、カメラを首に下げて写真を撮りながらの歩きになった。白山の山頂が迫ると、急な登りに変わるが、そう長くはない。滑りやすい泥斜面が現れるが、ロープも取り付けられている。
 急登を終えると避難小屋の脇に到着して滋光寺からの登山道に合流する。すっかり水の無くなった鯖池の脇を通り抜けると、白山の山頂に到着する。混雑の予想に反し、ザックが一つ置かれているだけであった。山頂広場は、草が茂って、休憩のために腰を下ろす場所も狭まっていた。晴天の秋山で、白山の登山シーズンとしては最適なのだが、最近はあまり人気はないのだろうか。
 白山の山頂の展望はあまり良くないので、細尾根まで戻ってから、展望と紅葉を楽しみながら、大休止にした。
 下りは、橋立方面を回遊することも考えたが、来た道をそのまま戻ることにした。
 絶好の登山日和にも関わらず、宝蔵山の登山者には、誰も合わなかった。登山道維持のためにも、もっと歩いてもらいたい。

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