浅草岳

浅草岳


【日時】 2012年9月29日(土) 前夜発日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り後雨

【山域】 守門・浅草岳
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
浅草岳・あさくさだけ・1585.5m・一等三角点本点・新潟県、福島県
【コース】 登り:ブナ曽根コース 下り:桜曽根コース
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟、日光/小林、須原、守門岳、只見/田子倉湖、毛猛山、守門岳、只見
【ガイド】 新・にいがたファミリー登山(新潟日報事業者)、新・新潟花の山旅(新潟日報事業者)、アルペンガイド「上信越の山」(山と渓谷社)、山と高原地図「越後三山・卷機山・守門岳」(昭文社)
【時間記録】  9月28日(金) 15:00 新潟発=(R.49、茅野山、R.403、加茂、R.290、下田、R.290、R.252、大白川 経由)=18:00 五味沢  (車中泊)
9月29日(土) 6:05 エコミュージアム入口―6:38 ネズモチ平駐車場―6:45 ネズモチ平登山口―8:14 前岳分岐―8:37 浅草岳〜8:50 発―9:08 前岳分岐―9:27 カヘヨノポッチ〜9:35 発―10:27 桜曽根コース登山口―10:52 ネズモチ平登山口―10:58 ネズモチ平駐車場―11:35 エコミュージアム入口=(大白川、R.252、R.290、栃尾、R.351、中之島IC、北陸自動車道 経由)=13:30 新潟着
 浅草岳は、江戸時代より越後と会津を結ぶ交易路として利用されてきた六十里越と八十里越に挟まれた新潟と福島との県境沿いにある山である。なだらかな山容の西面に対し、福島県側の浅草岳から鬼ヶ面山に続く稜線の東側は、大岩壁になって、対称的な姿を見せている。一般には、歩行時間の短いネズモチ平あるいは桜曽根から登る者が大部分であるが、沼の平のブナ林と組み合わせることのできる入叶津に至るロングコース、急登の連続となるが鬼ヶ面山の岩壁の眺めが素晴らしい田子倉登山口からのコース、六十里越峠から岩壁の縁を辿りながら鬼ヶ面山を越して浅草岳に至るコースなど、それぞれ特徴のあるコースを楽しむことができる。

 9月も終わろうとし、秋の山を味わうため、浅草岳を登ることにした。土曜日の夕方に家に戻る必要があるため、前夜のうちに登山口に到着しておくことにした。
 浅草岳のある奥只見方面は、昨年の夏に集中豪雨に襲われて、只見線も全通していない状態で、浅草岳のネズモチ平登山口への林道も不通のままであるという。ただ、エコミュージアム入口までの道路は整備が進んで、車の通行に問題はないようである。少し余分に歩けば良い距離なので、登山に問題は無いはずである。
 高速代の節約のため、一般道を使い、下田、栃尾を経由して五味沢に入った。夜中には星空が広がっていたが、朝になってみると雲が広がっていた。車を走らせると、早朝にもかかわらず、車の脇で身支度をしている人を多く見かけるようになったが、これは釣り客のようであった。
 廃業になっている洞窟ホテルの先で通行止めのコーンが置かれていたが、車の進入ができるようになっていた。道路の崩落が何か所も起きていたが、すでに整備しなおされ、通行に問題は無い状態であった。エコミュージアムの入り口の先から林道は細くなり、その先は通行不能の標識が置かれていた。ここから歩き出すことにした。
 林道を歩き出すと、道路に土砂が流れ込んでいた。ここはなんとか突破できそうであったが、さらに進むと、舗装が完全に無くなって石が転がる状態になっていた。さらに路肩が崩壊して車一台ぎりぎりの幅だけが残されているような所も現れた。ネズモチ平登山口駐車場までの林道の復旧には本格的な工事が必要で、登山者のためだけに復旧が行われるのかは不明な状態である。
 ネズモチ平には広大な駐車場が設けられている。いつもは賑わっているのだが、人影の無い駐車場を初めてみることになった。
 駐車場からネズモチ平登山口までの林道に被害は出ていなかった。ここから始まる登山道の状態に不安があったが、道はしっかりしており、草も刈られていた。林道が不通とあっても、それなりの登山者がいるようであった。
 登山口からしばらくは樹林帯の中の緩やかな登りが続くが、沢を渡ると傾斜が増してきて急登に変わる。いつもは団体に遭遇して、道を譲ってもらっても、一気に追い越すのに息が切れることになるのだが、今回は誰にも会わず、マイペースで歩くことができた。9月も終わろうとしているにもかかわらず、気温は高く、汗がしたたり落ちた。
 急登の途中で岩場が現れるが、足場もしっかりしており、問題なく通過できる状態であった。高度が上がると、雲の中に入ってしまい、周囲の展望は閉ざされてしまった。
 ようやく傾斜が緩むと前岳の分岐に到着した。ここから先は、草紅葉を楽しみながらのんびり歩くつもりであったが、場所によっては緑のままで、草紅葉はようやく始まったばかりであった。ガスに包まれて木道を進んでいくと、山頂が一瞬現れて、また消えた。山頂下の木のテラスにも誰もいなかった。ひと登りで浅草岳の山頂に到着した。ガスが切れるかと期待して少し待ったが、諦めて下山することにした。
 前岳分岐に戻ると、単独行が休んでいるのに出会ったが、出会ったのはこの人だけであった。下りを続け、カヘヨノポッチで大休止にしたが、やはりガスは切れそうになかったので、下りに専念することになった。
 桜曽根コース登山口からネズモチ平登山口へは林道歩きで戻ることになるのだが、完全に崩壊して、泥斜面の踏み跡を辿って通過するような所が何か所も現れた。この区間は、これまでは登山者の車は通行禁止になっており、利用者も限られていることから、今後の復旧工事は行われないのではないだろうか。
 ネズモチ平駐車場を過ぎて最後の林道歩きを頑張っていると雨が降り出し、傘をさして歩くことになった。
 現在の浅草岳は、林道の不通の関係で登山者が少なくなっているが、静かな山歩きを楽しめることを考えると、林道歩きが少し長くなるのも苦痛にはならない。
 
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