粟ヶ岳中央ハイキングコース

粟ヶ岳中央ハイキングコース


【日時】 2012年5月23日(水) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 曇り

【山域】 川内山塊周辺
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 454m無名峰・454m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/粟ヶ岳
【コース】 中央ハイキングコース
【ガイド】 なし

【時間記録】 8:00 新潟発=(R.49、亀田、R.403、加茂、黒水、R.290 経由)=9:05 岳山寺〜9:25 発―9:16 長峰神社―10:25 岩野展望台―10:33 粟薬師分岐―10:52 454m無名峰―11:26 中央登山道三合目―11:56 454m無名峰―12:12 粟薬師分岐―12:22 岩野展望台〜12:38 発―13:02 貯水池―13:16 岳山寺=(往路を戻る)=14:30 新潟
 粟ヶ岳の登山道として利用者の多い加茂の第二貯水池から始まる中央登山道は、三合目で枝尾根から北西尾根に上がる。この北西尾根は、分岐からさらに岳山寺へと下っており、中央ハイキングコースという名前で登山道が切り開かれているが、粟ヶ岳登山と組み合わせるにはアップダウンもあって体力的にきつくなるため、歩く者は少ない。途中には、三合目から形の良い三角形の山頂が良く目立つ454mピークがあるものの、無名峰であるために目標とする山が無いのも、このコースを歩く者が少ない原因になっている。

 週の半ばであるが、休みになったので山に出かけることにした。この週末の山の疲れもあるので、軽い山歩きということで、先の土曜日に粟ヶ岳に登って気になっていた中央ハイキングコースを歩くことにした。ピークハントになる山が途中に無いのは残念であるが、GPSを使って歩いた登山道を地図上に赤く記すのが目標になる。
 加茂の水源地手前の岳山寺の前に車を停めた。予定では、中央ハイキングコースを歩いて、中央登山道の三合目から第二貯水池に下って、後は車道歩きのつもりであった。
 川を渡ると、長瀬神社への石段が始まっており、中央ハイキングコースと書かれた目立たない標識も置かれていた。
 しばらくは石段の登りに汗を流すことになった。神社への参道といっても、歩き初めの急登はきつく感じる。登りの途中で木の鳥居をくぐると、登山道といった感じの道に変わった。不動明王像の置かれた水場を過ぎると、ようやく長瀬神社の境内に到着した。正面と右手に社殿が設けられていた。境内に立つ御神木の熊野杉は、頭が無くなって、根元だけが残されていた。昨年の豪雨の影響であろうか。
 長瀬神社は、地元では、「虫歯の神様」として信仰されているというが、虫歯に関係するような物は見当たらなかった。登り口の木のお堂には、姥像が祀られており、これが虫歯の神様と関係するように思われる。歯の無い姥像が、虫歯になって痛む歯が抜けますようにというお参りの対象になっているのを、他の山で見たことがある。ただ、その姥像には、金物のやっとこなどが奉納されていたが、ここの姥像にはそのような物は無かったので、推測が当たっているかは判らない。
 この長瀬神社のある台地は、岳山城跡とも呼ばれ、「今からおよそ600年前(西暦1360年頃)南朝の後醍醐天皇をいただいた新田義貞と、これに謀叛して北朝の天皇を擁立した足利尊氏の間に勢力をめぐって争いが続いた。
 この頃後醍醐天皇の第五皇子宗良親王は新田義貞の三男義宗とともに七谷に兵をおいた。
 ここがその城跡である。 」と説明板に書かれていた。
 さて、ここからいよいよハイキングコースの始まりである。以前に、このハイキングコースを歩こうかと思って情報を集めると、藪になっているというので、登らず仕舞いになっていた。今回は、中央登山道の三合目分岐からみたところ、刈り払い道が続いているので、歩けるはずということでやってきたのだが、長瀬神社から先はしっかりした道が続いていた。
 長瀬神社の上の242小ピークには、崩れかかったコンクリートの土台があり、なにかの施設が以前にはあったようである。登山道の両脇は、木立が幅広に伐採されて、開放的な尾根道になっていた。空堀も現れて、尾根の南側も守りを固めていたようである。
 尾根にはワラビが伸び放題に生えており、藪化防止のためにもワラビ採りが入山した方が望ましい状態であった。ワラビの多くは伸びきっていたため、ワラビ採りにくるなら、もう少し早い時期にする必要がある。
 新緑の尾根には、ヤマツツジやオオイワカガミに加えて、ヒメサユリが現れた。ほとんどは開花一歩手前の蕾であったが、それでもきれいに咲いた花を見ることができ、今年最初のヒメサユリになった。
 ハイキングコースというには、長い登りが続いた。387mピークにでると、東屋が置かれてベンチも設けられていた。見ると、水源地への登山道が整備されていた。三合目まで進んでからここまで戻ってきて、水源地へ下るのが面白そうであった。
 緩やかに下っていくと、粟薬師への道が分かれた。しっかり刈り払いされている道であった。小俣川林道に下ってから、再度尾根に登り返すことになるようである。小俣川林道からここに上がって粟ヶ岳を周回することができるが、その前に小俣川林道を偵察しておく必要がある。ただし、小俣川林道周辺はヒルの生息域のようなので、秋になってからでないと入れない。
 前方には、454mピークがピラミッド型の山頂を見せていた。このピークの乗り越しが、ハイキングコースの最大の難所といって良い。454mピークに向かっては急登が現れたが、虎ロープも張られていていた。
 454mピークに出ると、粟ヶ岳に向かって一気に上がっていく尾根を一望できた。家を出る時は青空が広がっていたのだが、その後に雲が広がって山頂が隠されていたのは残念であった。
 一旦大きく下ってから、再び443m点に向かっての登りになった。三合目は、443m点を越して、緩やかになった尾根を少し先に進んだところであった。振り返ると、454mピークが存在感のある山頂を見せていた。
 展望台から水源地への登山道を確かめたく、来た道を戻った。454mピークへの登り返しは、やはりきつく感じた。岳山寺からのハイキングとして歩くなら、454mピークで折り返すのが良さそうである。
 展望台に戻って、昼食にした。ベンチに座って、倒れ掛かっている草を蹴倒そうとして良く見ると、ヒメサユリであった。
 水源地への下りは、水源地の上流部の橋に向かっての尾根沿いに続いていた。初めは細尾根であったが、尾根が広がると、山腹をジグザグに下るようになった。ハイキングコースとして切り開いたというよりは、昔からあった山道を整備しなおしたようであった。 水音が近づいてくると、貯水池の橋の脇に下り立った。
 予定を変更して貯水池に下ったので、最後の車道歩きも短くて済んだ。
 中央ハイキングコースは、展望の良い尾根道が続くので、いずれ晴天の時に登ってみたいものである。

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