朴坂山塊縦走

朴坂山塊縦走


【日時】 2012年5月20日(日)
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 朴坂山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 嶽薬師・だけやくし・391m(386.7m・四等三角点)・新潟県
 ミクラ山・みくらやま・399m・なし・新潟県
 朴坂山・ほうざかやま・438.2m・一等三角点本点・新潟県
 タカツボ・たかつぼ・407m・なし・新潟県
 三ノ輪山・みのわやま・303.0m・四等三角点・新潟県
 要害山(加護山)・ようがいさん・281mなし・新潟県
【コース】 小岩内より平林城跡へ縦走
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/中条、小国/坂町、越後下関
【ガイド】 山の遊学道

【時間記録】 6:30 新潟=(R.7、十文字、R.113 経由)=7:45 小岩内〜8:00 発―8:35 姥杉―8:52 朴坂山分岐―8:58 嶽薬師〜9:03 発―9:06 朴坂山分岐―9:26 ミクラ山―9:43 あこや谷鞍部―10:05 朴坂山〜10:13 発―10:27 朴坂分岐―10:46 タカツボ〜11:00 発―11:34 滝谷川鞍部―11:45 三ノ輪山―12:00 種松―12:17 要害山―12:35 首切り清水―12:59 平林城跡登山口=(自転車)=13:19 小岩内=(往路を戻る)=14:40 新潟
 日本海の海岸平野部と荒川と女川の間に挟まれた一帯には、標高200〜400m程度の山塊が広がっている。その中では、一等三角点の置かれた朴坂山が有名で、朴坂から桂の集落へ周遊するコースが歩かれている。また、要害山と赤坂川をへだてて向かい合う嶽薬師には、薬師堂の奥の院が置かれて、信仰の山となっている。要害山から朴坂山、さらに嶽薬師へと赤坂川の源頭部を周回する登山道が整備されているが、それぞれのピークはともかく、周回する者は少ない。

 粟ヶ岳に登った翌日で、足にも疲れが出ていることから低山歩きを考えた。そこで思いついたのが、朴坂山塊縦走であった。2005年11月に三山縦走を行ったことがあったが、この時は友人を誘って、車二台で出かけた。今回は、自転車を使って、単独行で歩くことにした。時間もかなり経っていることから、現在の状態を確認する必要もある。低山のため、暑くなってから歩くのはきつくなるため、時期的にもここで歩いておく必要がある。
 どちらから登るかは、朴坂山から嶽薬師へのコースの下り口が急斜面のため、ここを登りにとるため、嶽薬師から歩き出すことにした。
 まず、平林城跡の登山口に自転車を置いてから嶽薬師岳の登山者用駐車場に入った。家からだと、道順になるのも都合が良い。
 嶽薬師は、ここのところスノーシュー歩きで登っており、久しぶりの夏道の歩きである。
 駐車場のすぐ上に医王院のお堂があり、ここから登山道が続いている。堀状に窪んでいるのが、昔からの山道であることを示している。緩やかな尾根道の登りが続くが、早くも汗が噴き出てきた。
 見晴らし、油こぼしを順調に通過していくと、台地に出て、姥杉が現れる。樹齢800年の古木であるが、冬の雪の中に立つ姿の方が巨大さが浮き立つような気がする。
 冬には、姥杉の先は急斜面を直登するのだが、夏道は右側から巻くように登る。稜線上に立つ岩場の下に出てから左に斜上していくと、うがい池に出る。パイプからは細いながら水が流れ出ていた。
 その上で稜線に出ると、すぐ先で桂分岐、そこからひと登りで、朴坂山への道が分かれる。しばらく来ていなかったので、登山道の刈り払いが心配であったが、最近の刈り払い跡もみられ、歩くのに問題はなさそうであった。
 分岐を見送って、嶽薬師の山頂に向かった。以前は古びた木目を見せていたお堂であるが、壁は茶色、屋根は青に塗られていた。山頂のお堂としては、あまり似合うとは言えない色使いであった。高坪山や関川の河口部の眺めを楽しんだ後に分岐に戻った。
 朴坂山への縦走路は、幅広の刈り払いが行われ、所々で、登山道脇の木立も切られて展望が広がっていた。歩く者が少ないのがもったいないような、落ち葉が積もった道であった。
 朴坂山との途中にある主要なピークである399m峰に到着すると、ミクラ山と書かれた標柱が立てられていた。以前に歩いた時には、このピークの名前は書かれていなかったので、今回初めて名前を知ったことになる。
 ミクラ山からは標高差90mの一気の下りになって、最低部から少し進んだ所であこや谷鞍部という標識が現れる。ここからは標高差150mの急登になる。自然に四つん這いになって、木の根を掴みながら登ることになる。地図上では岩場マークの中を登ることになるが、岩場は一ヶ所短く現れるだけで、危険な岩場の通過ではない。
 稜線直下でトラバースすると、ようやく稜線上に出る。東に向かうコースは閉鎖という案内が置かれていたが、要害山への縦走路には問題はないようであった。
 稜線沿いの登山道から東に少し入った所の広場にお堂と一等三角点がある。展望台に進むと、光兎山方面と関川村方面の展望が広がっていた。水を張った水田に残雪の白い筋を浮かべた飯豊山が影を映していた。
 昼には時間が少し早いので、タカツボまで進んでから休むことにした。朴坂山の山頂を後にすると、二組の登山者とすれ違ったが、朴坂分岐の先からは、誰にも合わなくなった。良く整備された緩やかな道が続き、再び登りに転じると、タカツボの山頂に出た。ここには山頂標識も立てられていた。腰を下ろして昼食とした。低山であっても、誰にも会わない独り占めの山頂は贅沢な気分になる。
 タカツボからは、小ピークを越えながら高度を落としていくことになる。標高も300mに満たないながら、深山の趣がある。大欅やさなぶりの松といった大木も現れる。
 滝谷川鞍部を過ぎると、三の輪山に向かっての登りが始まる。足にも疲れが出てきて辛い登りになった。三の輪山を越して下っていくと、種松の分岐に出た。自転車を使わないで小岩内に戻るには、要害山の山頂から戻って、ここから川部に下るのが車道歩きの短縮になる。今回は一番長い距離ということで、平林城跡まで歩くことにしている。
 要害山への最後の登りを頑張った。要害山は大勢のハイカーで賑わっていた。要害山にはわらび採りで入山している者が多いようであった。要害山山頂のプレハブ小屋は、先日の強風で飛ばされたと聞いていたが、やはり無くなっていた。
 要害山からの下山は、緩やかな下りで、気楽に歩くことができた。
 平林城跡の登山口に戻った後は自転車にまたがり、小岩内をめざした。自転車でも20分かかり、歩くには長すぎる距離である。

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