粟ヶ岳

粟ヶ岳


【日時】 2012年5月19日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 川内山塊【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 粟ヶ岳・あわがたけ・1292.7m・二等三角点・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/加茂/粟ヶ岳
【コース】 中央登山道
【ガイド】 アルペンガイド「谷川岳と越後の山」(山と渓谷社)

【時間記録】 6:05 新潟発=(R.49、亀田、R.403、加茂、黒水、R.290 経由)=7:10 水源地駐車場〜7:32 発―7:48 第二貯水池―8:30 中央ハイキングコース分岐(三合目)―9:00 大栃平―9:35 粟庭ノ頭(六合目)―9:45 水場入口―9:56 砥沢ヒュッテ(七合目)―10:32 権ノ神岳分岐―10:56 粟ヶ岳〜11:18 発―11:39 権ノ神岳分岐―12:12 砥沢ヒュッテ(七合目)〜12:17 発―12:24 水場入口―12:34 粟庭ノ頭(六合目)―12:59 大栃平〜13:12 発―13:30 中央ハイキングコース分岐(三合目)―14:00 第二貯水池―14:15 水源地駐車場=(往路を戻る)=15:40 新潟
 粟ヶ岳は、新潟平野から福島県境に広がる川内山塊の最高峰である。川内山塊の山々は、標高は低いながら雪崩に磨かれたスラブをまとい、険しい渓谷に囲まれて容易に人を寄せ付けない、現在では少なくなっている秘境である。その中にあって、粟ヶ岳は、新潟平野に接する位置にあり、麓からその姿を良く眺めることができ、信仰あるいは登山の対象として、親しまれる山になっている。

 前の週に笠峰や橋立の偵察を行い、以前と状況が変わっているところもあるため、白山・粟ヶ岳山塊を改めて集中的に登る必要があるなと思った。
 そこで、今回は粟ヶ岳に登ることにした。どのコースを歩くかを考えると、粟ヶ岳の中央登山コースは、代表的コースであるにもかかわらず、1997年10月以来登っていない。まずは、中央コースを歩いてから他のコースを確認していく必要がある。
 水源地駐車場に車を停めて、ここから歩き出すことにした。登山口の第二貯水池まで林道を進むことはできるが、駐車スペースは限られている。駐車場所を探してうろうろしているよりは、潔く駐車場から歩いた方が良い。
 準備の間にも数台の車が林道の先に進んでいた。15分程の歩きで第二貯水池の堰堤に到着すると、脇のスペースは埋まっていて、奥に進んだ所に車を停めて歩き出す準備をしているのが見えた。
 堰堤を渡ってから湖岸を少し進むと、一合目となって登山道が始まる。まずは、粟ヶ岳の山頂から北西に延びる主尾根までの標高差280mの枝尾根の登りになる。途中で、二合目の標識が現れ、主尾根上の中央ハイキングコースの分岐は三合目になる。一時期、長瀬神社に至る中央ハイキングコースは、藪で覆われていたようであるが、新しい刈り払いが行われていた。歩く必要のあるコースがまた見つかった。
 三合目からは、傾斜は少し緩やかになるといっても、長い登りが続く。四合目を過ぎると、やがて大栃平に到着する。展望が開けて、目の前に粟庭ノ頭への急登が迫っている。粟ヶ岳の山頂部は雲に覆われていたが、時間が経てば晴れてきそうな感じであった。ベンチに腰を下ろして、急登前のひと休みにした。
 大栃平から緩やかに下った後に登りに転じたところで、四合目の標識が現れた。中央登山道の合目標識の位置をGPSで記録したが、水平距離あるいは標高といった法則性は見つからなかった。
 急登を続けて、下からは三角ピークに見える粟庭ノ頭が迫ると、岩場が現れる。鎖やロープが取り付けられていて、岩にはステップも刻まれているが、水がしみだして岩が濡れているので、慎重に通過する必要がある。斜上してピークの下を右から巻いてひと登りすると、粟庭ノ頭に到着する。このピークからは、遮るもののない展望が広がっているが、急登はまだ続くので、ひと息入れたら先に進む必要がある。
 ひと登りしたところで、水場入口の標識が現れる。この上の砥沢のヒュッテに泊まるなら、ここで水を汲んでから登る必要がある。ヒュッテから下ってきて往復するには、標高差80mで、きついアルバイトになりそうである。
 傾斜が緩むと、台地の上に立つ砥沢のヒュッテに到着する。台地の西の端近くにヒュッテは立っており、地図とは異なっている。
 台地には残雪が広がっていたが、この先の登山道で残雪を踏むのは数か所で支障はなく、夏山の状態になっていた。
 六合目の砥沢のヒュッテからは、まだ標高差250mの登りが残されており、もうひと頑張りする必要がある。イメージとしては、登山口から粟ヶ岳までの山頂を、大栃平と砥沢のヒュッテで区切って、三分割すれば良いように思う。
 砥沢のヒュッテの先は灌木帯となって、尾根に沿って延びる登山道を下から一望できるようになった。元気であればファイトが湧いてくるが、バテていようものなら、先に長く続く登りに気分がなえてしまうかもしれない。
 下山してくる登山者にも数組出会うようになった。相当な早立ちか、泊り組のようである。この日に出会った登山者は、健脚な者が多かった。
 ようやく八合目を過ぎると、その先で権ノ神岳への縦走路の分岐が現れた。入口付近は草が体に触れるような状態で少々藪っぽい感じであったが、稜線の残雪が消えた所には登山道を見分けることができた。昨年あたりに刈り払いが行われているような雰囲気であった。
 九合目の北峰に出れば、緩やかに起伏する稜線の歩きに変わる。登山道の左手には、残雪が広がり、その奥には川内山塊の眺めが広がっていた。新緑と残雪の取り合わせは、越後の山ならではの魅力である。
 最後の急登を終えると、粟ヶ岳の山頂に到着した。山頂部は風が強かったので、一本岳寄りに進んでから腰を下ろして休んだ。そのうちに、下田方面からも登山者が登ってきて、山頂は賑わうようになった。
 下山は、登山道が滑りやすいため、一歩ずつブレーキをかけるため、足に負担がかかった。中央コースは途中でアップダウンや岩場があるため、下田からの五百川コースの方が楽なような感じがした。
 下山の時には、足にも疲労が出てきており、久しぶりにハードな歩きをしたという感じになった。

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