守門岳、鳴倉岳

守門岳
鳴倉岳


【日時】 2011年10月28日(金)〜30日(日) 前夜発2泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 29日:晴 30日:曇り

【山域】 守門山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 守門岳・すもんだけ・1537.2m・二等三角点・新潟県
 大岳・おおだけ・1432.6m・三等三角点・新潟県
【コース】 登り:二口コース 下り:保久礼コース
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/守門岳/穴沢、守門岳
【ガイド】 アルペンガイド「谷川岳と越後の山」(山と渓谷社)、分県登山ガイド「新潟県の山」(山と渓谷社)、山と高原地図「越後三山」(昭文社)
【温泉】 ゆーパーク薬師 湯之谷薬師温泉センター 600円

【山域】 越後三山周辺 【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 鳴倉山・なりくらやま・578.6m・三等三角点・新潟県
【コース】 大沢登山口より
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/須原/大湯
【ガイド】 無し

【時間記録】
10月28日(金) 14:30 新潟=(R.403、加茂、下田、R.290、貫木 経由)=17:00 二口登山口  (車中泊)
10月29日(土) 6:30 二口登山口―6:59 護人清水―8:53 大岳分岐―9:25 守門岳〜9:37 発―10:13 大岳分岐―10:52 大岳〜11:10 発―12:31 保久礼小屋―13:12 二口登山口=(貫木、R.290、渋川、R.252 経由)=14:30 小出  (車中泊)
10月30日(日)6:55 鳴倉山登山口―7:10 十二山の神―8:00 鳴倉山〜8:30 発―8:59 十二山の神―9:14 鳴倉山登山口=(小出IC、関越自動車道 経由)=11:30 新潟
 守門岳は、長岡と会津を結ぶ八十里越の南、現在では同じ役割を果たしている只見線とR.252の北側に、大きく裾野を広げた姿を見せる山である。最高峰の守門岳を中心に、爆裂火口壁に沿って、網張山、大岳、青雲岳、烏帽子山といったピークが連なっている。多くの登山道が開かれているが、最近では、林道が延びて歩行時間の短い保久礼から大岳へのコースが多く利用されるようになっている。

 鳴沢山は、越後駒ヶ岳からカネクリ山、ヨモギ山、笠倉山を経て北西に延びる尾根が魚沼の平野部に終わる所にある山である。地図にも載っている大沢から延びる登山道は、地元の小学校の登山コースとして使われている。また、南面から山頂まで林道が延びており、ハンググライダーの山頂基地としても利用されている。山頂周辺は、丈の低い潅木帯で、周囲の展望の良い山である。

 秋は足早に通り過ぎようとしており、新潟周辺の山では、山の中腹あたりが紅葉の見どころになっていると思われた。土曜日は久しぶりの快晴が巡ってくるようなので、展望を楽しめる山を考えていき、守門岳を登ることにした。
 金曜日の午後は時間が空いていたので、一般道を使って登山口の二口に向かった。先日の豪雨で大きな被害を受けた下田や栃尾付近の復旧状態を見ておきたかった。下田付近では、道路の脇が大きくえぐられているようなところが幾つもあったが、車一台の通過は可能な程度には復旧されていた。
 二口の登山口に至る道路も、一ヶ所路肩が崩壊しており、ぎりぎりで車が通過できる状態であった。夕暮れ時に到着したから良かったが、夜間の通過は不安を覚えて引き返したかもしれない。
 その夜は、満天の星空が広がった。朝は、通過する車の音で目が覚めた。登山者の他にキノコ採りも入山しているようである。先行する登山者数名を見送り、コーヒーを飲んでからゆっくりと出発した。
 登山口から林道跡を少し辿ると、尾根に取りついて急登が始まる。ひと登りすると、ブナ林が広がるようになる。紅葉の盛りで、歩いているうちに太陽の光も差し込んできて、明るく輝くようになった。猿倉岳の南東の肩に出ると、しばらくは緩やかな尾根歩きになる。
 護人清水を過ぎると、880mピークの山腹をトラバースしながら登っていくようになる。この付近のブナ林は、木の間が開いて見通しも良く、その美しさを堪能できる。このブナ林でのんびりしたいものだが、まだ歩き出しで先は長い。
 ピークを巻き終わって尾根に乗ると、左に谷内平の窪地が現れる。この先は、緩やかな尾根歩きが続くので、息を整えながら歩いた。このコースは、真東に向かって登っていくので、前方がまぶしく見えづらい。
 滝見台は、細尾根上の露岩帯で、周囲の展望が広がっている。谷向こうの大岳山腹の紅葉が美しかった。
 滝見台から傾斜は再びきつくなる。400m程を一気に登ることになるが、効率は良い。登山道周辺の植生が、ブナ林から灌木帯に変わっていくのを見て、高度が上がってきたことを知ることができる。傾斜が緩むと、大岳との分岐に出て、この先は、展望を楽しみながらの歩きになる。
 まずは、枯草色に染まった大岳を眺める。左手には、烏帽子山が、孤高の姿を見せている。烏帽子山は、うまく刈り払いのチャンスをものにして登ることができたが、その後、登山道はどうなったのであろう。吉ヶ平への車道と八十里越えの山道が、先日の豪雨によって被害を受けているはずである。
 台地状の青雲岳に出ると、守門岳の山頂は目の前である。驚いたことに、雪が所々に積もっており、木道も白くなっている所があって、足元に注意が必要であった。青雲岳での眺めは後回しにして、まずは守門岳の山頂に向かった。早くも下山してくる登山者がいたが、途中で追い抜いていった登山者とも違っていた。大岳から周回してきたのだろうか。 守門岳の山頂からは、周囲の大展望が広がっていた。越後駒ヶ岳は、すでに白く染まっていた。毛猛山塊、浅草岳、烏帽子山、粟ヶ岳などが目に留まるが、名前を挙げることのできない山々が取り囲んでいる。
 山頂で取り出したカメラをそのまま首にかけた状態で、写真を撮りながら来た道を戻った。青雲岳は、草地が広がっているが、黄金色に輝いていた。大岳分岐から少し下ったところにも草地が広がり、谷を見下ろすことができる。ブナの梢の葉は落ちて、枝が灌木の紅葉の中に光っていた。
 カメラを一旦しまい、大岳への登りに専念することにした。ひと汗かいて大岳に到着し、山頂標識手前の見晴の良い広場で、大休止にした。穏やかな陽だまりのもとでの昼食は楽しい。眼下の谷に広がる紅葉の進みを見ると、晩秋も過ぎつつあって、初冬までもう一歩というところであった。
 大岳からは、一気の下りが続く。傾斜はさほどないが、雨水で土が流され、石が露出しているので歩き難い。積雪期ならば、スキーでなくともスノーシューでも、爽快な下りになるのだが。
 きびたき小屋周辺まで下ると、周囲にブナ林が広がるようになる。保久礼小屋手前の車道に車が何台も停められているのが見えた。ブナ林の紅葉の写真を撮りながら下った。
 保久礼小屋からは、コウクルミ沢に下って、車道歩きをショートカットした。その先は、車道歩きをしばらく頑張る必要があったが、周辺の紅葉を眺めながら楽しく歩くことができた。
 翌日は、天気は崩れるようだが、とりあえず小出に出て、明日の状態を見て登る山を決めることにした。
 日曜日は、山の眺めは広がるものの、雲が空を覆う朝になった。雨も近いようなので、早めに終えることのできる山として、鳴倉山を登ることにした。
 山裾を走る車道を進み、民家が途切れるとこが登山口になる。田圃を突っ切って山に向かう農道の入り口には、鳴倉山の登山標識があるものの、古びて見落としやすい。車道は、その先が工事のために通行止めになっているので、路肩に寄せて車を停めた。
 杉林に入ったところで、登山道が左に分かれる。ひと登りすると、鳴倉大明神のお堂がある。台地には畑も広がっているが、その脇から尾根に向かって登山道が始まっている。 急な登りが始まる。一旦林道跡に飛び出すが、林道は雑木が生えて、辿れない状態になっている。
 再び急な登りに汗を流すことになる。登りの途中には、十二山の神や見晴の松といった休憩地点も現れる。民家が眼下に遠ざかっていった。小さな山ではあるが、高度感はある。
 途中で小雨がぱらついたが、じきに止んでくれた。この日は、このような小雨が繰り返された。一旦傾斜が緩み、左の方から巻くように登っていくと、つつじヶ原の台地に出る。紅葉した鳴倉山の山頂が目の前に迫っている。おとみ坂とそれに続く急坂を登ると、鳴倉山の山頂に到着した。
 天気がぱっとしないためか、誰もいない静かな山頂であった。越後駒ヶ岳と八海山が白く染まった姿を見せていた。大力山から城山にかけての山裾には、雲がかかって、里山とは思えない深山の姿を見せていた。権現堂山や毛猛山塊の眺めも楽しむことができ、鳴倉山は、知られざる展望の山といって良い。
 山頂に登りついた所に、「鏡ヶ池 下り口」という新しい標識が目に入った。トヤの頭方向の尾根沿いに新しい刈り払い道が続いていた。新しい下山路ができたのかと思って、この道に進んでみた。木の枝を掴んでの急降下になった。一般登山道とするならば、固定ロープが必要になるところである。道が二又に分かれたので、右に進むと尾根の南の杉林に向かった。この様子では、南から上がってくる林道に飛び出すので、引き返すことになった。分岐を左に進むと、丸い湿地帯に出て、鏡ヶ池の標識が置かれていた。道はここで行き止まりのようであった。結局、この道は周回には使えないため、引き返しになった。鳴倉山の山頂に再び戻り、来た道を戻ることになった。

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