竜門山、寒江山、高館山

竜門山、寒江山
高館山


【日時】 2011年7月1日(金)〜3日(日) 前夜発各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 雨

【山域】 朝日連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 清太岩山・せいたいわやま・1464.6m・三等三角点・山形県
 ユーフン山・ゆーふんやま・1565m・なし・山形県
 竜門山・りゅうもんさん・1688m・なし・山形県、新潟県
 寒江山・かんこうざん・1694.9m・三等三角点・山形県、新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 村上/朝日岳/朝日岳
【ガイド】 新・分県登山ガイド「山形県の山」(山と渓谷社)、山と高原地図「朝日連峰」(昭文社」

【山域】 鶴岡付近
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 高館山・たかだてやま・273.3m・一等三角点本・山形県
【地形図 20万/5万/2.5万】 酒田/鶴岡/鶴岡、湯野浜
【ガイド】 分県登山ガイド「山形県の山」(山と渓谷社)

【時間記録】
7月1日(金) 12:00 新潟=(R.7、R.113、今泉、R.287、左沢、大井沢トンネル、見附 経由)=5:20 日暮沢小屋  (車中泊)
7月2日(土) 4:05 日暮沢小屋―5:34 ゴロビツ清水―6:35 清太岩山〜6:45 発―7:16 ユーフン山―8:06 竜門山―8:25 竜門小屋―9:40 寒江山〜10:10 発―11:53 竜門小屋―12:09 竜門山分岐―12:49 ユーフン山―13:17 清太岩山〜13:30 発―14:19 ゴロビツ清水―15:29 日暮沢小屋=(見附。大井沢、月山大橋、R.112、西山、R.112 経由)=17:30 志津  (車中泊)
7月3日(日) 5:00 志津=(R.112 経由)=6:20 大山公園〜6:40 発―7:06 金沢コース登山口―7:51 高舘山―8:34 岩倉コース登山口―9:20 大山公園=(R.7 経由)=12:30 新潟
 寒江山は、朝日連峰の中央部に位置し、南峰、本峰、北峰の三ピークからなる山であり、主縦走路がこの山を通過している。連峰の中央部に位置することから、最高の展望を楽しむことができる。さらに、ヒナウスユキソウが有名であり、山頂周辺が花で埋め尽くされる。山名は、岩石がごろごろした険しい崩壊地をさす方言「ガッコウ」に由来するという。

 高館山は、山形県庄内平野の海岸部にある低山である。山頂まで車道がのび、山頂にはアンテナが立ち並んでいるが、山中にはブナ林が良く保たれており、麓の池と結んだハイキングコースが開かれて、森林浴の場になっている。

 梅雨の間の天気予報は、曇り時々雨というものが続くが、この週末は直前になって晴天に変わった。貴重な晴に恵まれるならば、積極的な山歩きをすることにして、飯豊か朝日連峰の山を考えることになり、しばらく歩いていない寒江山を目指すことにした。寒江山は、96年7月20日に登っただけで、かなり時間が開いているし、この時期ならばヒナウスユキソウの花が盛りのはずである。
 前日の夕方に日暮沢小屋登山口に到着するために、家を早めの昼に出に出た。登山口へのアプローチに、左沢から大井沢トンネルを経由するコースをとったが、途中、狭い山道になる。少し大回りになるが、寒河江から月山IC経由で入った方が、時間はともかく楽であるようである。
 見附から根子川沿いの林道に進むと、途中から未舗装に変わり、いささか長く感ずる。登山口直前では、日暮沢を渡ることになるが、ここは橋ではなく、流の中を車でつっきることになる。水量も多く、トラブルに見舞われないか、いつもながら不安が湧いてくる。朝日連峰の登山口は、辿りつくまでがひと苦労である。
 駐車場には、四台の車が停められているだけであった。その夜に到着する車はなかった。
 ロングコースのため、夜明けとともに出発した。時間の余裕を持たせるのと同時に、朝の涼しいうちに、登りをあらかた終えてしまおうという作戦である。
 歩き初めの林道跡から分かれると、木の根を足掛かりにする急な登りが始まった。久しぶりの本気モードの登りになった。すぐに汗がしたたり落ちるようになり、上はTシャツだけになり、ズボンの裾を捲りあげて半ズボン状態にした。
 登りの途中では、傾斜が緩くなる所もあり、息を整えることができた。小さなピークを幾つか越えていくことになるが、登りの途中にはそれほど気にはならないものの、下山の際には体力を消耗することになる。
 最初の目的地は、ゴロビツ清水になる。ゴロビツ清水は、標高1145m地点にある。広場になっており、良い休憩地になっている。水場はすぐ脇に入った所で、豊富な水が流れていた。冷たい水を飲んで元気を取り戻すことができた。下山の際の水の心配が無くなった。
 再び登りに耐えることになった。緩急の登りを繰り返していくと、ようやく清太岩山に到着した。青空のもと、大朝日岳から以東岳に至る朝日連峰の主稜線の眺めが広がった。残雪が白く筋を引く山の眺めは、この時期ならではのものである。稜線上に建つ竜門小屋も目に飛び込んできた。
 竜門小屋の標高は、清太岩山とそれほど変わらないが、その間にはユーフン山と竜門山が入っており、まだまだ頑張る必要がある。
 ユーフン山からは、竜門山が目の前に迫り、寒江山から以東岳に至る稜線の眺めもピークが連なって迫力が増してくる。眺めを楽しんだ後に、竜門山への最後の登りに取り掛かった。竜門山の山頂手前で、残雪の横断になった。登山口には軽アイゼンが必要と掲示されており、念のために五本爪アイゼンは持ってきていたが、足元に注意すれば、つぼ足で充分であった。
 残雪を登ると、その先が縦走路の分岐であった。左に曲がって、まずは竜門山の山頂を踏んだ。とりあえずピークを一つ踏むと気も楽になる。
 竜門山分岐から竜門小屋へは、標高差110mほどの下りになる。小屋の前にはホースで水が引いてあり、思い切り水を飲むことができた。暑さのせいで、水の消費量が増えていた。
 寒江山までは、たおやかな稜線が広がっているが、小さなピークが連続して、まだ頑張って歩く必要がある。もっとも、このような残雪に彩られた稜線歩きは、登山の醍醐味なので、苦労を口に出すわけにはいかない。
 登山道脇には、ヒナウスユキソウの群落が現れるようになった。花の写真は帰りに撮ることにして、まずは寒江山をめざした。
 寒江山の手前には南寒江山と呼ばれるピークが待ち構えている。急登を終えて南寒江山に到着すると、寒江山の山頂は目の前で、残された登りも僅かである。
 寒江山の山頂からは、大展望が広がっていた。稜線の先には、北寒江山越しに以東山を望むことができた。その左には、相模山が残雪の筋を引いて、目を引き付けた。先回は、ここからの眺めに魅かれて、相模山まで足を延ばしたものの、帰りに体力が尽きて、大変な下りなった。今回は、おとなしく寒江山までで引き返すことにした。振り返ると大朝日岳のピラミッド型の山頂を望むことができたが、周辺を眺めているうちに雲がかかってきた。梅雨時の晴天は、湿気が多いために気温が上がると雲が出やすいようである。早立ちしたかいがあった。
 腰を下ろして、風景を楽しみながら、少し生ぬるくなったビールを飲んだ。帰りも半日ほどがかかるため、下山までにアルコールは完全に抜けてしまう。
 戻りは、ヒナウスユキソウの写真を撮りながらで、コースタイムの参考にはならないのんびりとした歩きになった。
 竜門小屋まで戻ったところで、水を飲んで気分をあらため、下山に専念することにした。
 下山の途中、三名の単独行と一組の高齢者グループとすれ違った。高齢者グループには、ガイドらしき大荷物を持った若者がつきそっていたが、急坂の途中で一命が足が出なくなっていた。清太岩山までも達していない場所で、竜門小屋まではまだ遠い。蒸し暑い中を登ってくるのが、そもそも無理の元なのだが、その後どうなったのであろうか。下山途中の単独行にユウフン山の手前で追い付き、しばらくは前後したが、結局後に残してきた。装備や服装からして、登山の経験も少ないようで、大朝日岳から周回してきたとも思われないので、竜門山までで引き返したように思われた。結局、この日に寒江山からの大展望を楽しむことができたのは、私だけであった。
 清太岩山で腹ごしらえをしながら休みを取り、後は下りに専念したが、小ピークの乗り越しに体力を消耗していった。寒江山は、帰りも登りと同じくらいの体力を使うので心構えが必要である。
 汗びっしょりになって無事に下山。まずは五味沢の温泉に入ってさっぱりした。
 翌日の山に頭を悩ますことになった。食料の買い出しとガソリン入れに、一旦西山付近まで車を走らせた。二日目は軽い山としうことで、月山で遊ぶことにして、志津に入ったところで夜を明かした。
 夜中から時折激しい雨が降るようになった。月山では花の写真撮影を行うつもりであったが、この雨では無理であった。新潟に戻る途中の山を考えていき、結局、庄内平野の日本海沿いにある高舘山を登ることにした。月山道路を下る途中、ワイパー全速の豪雨に出会ったが、鶴岡が近づくと雨が上がってくれた。
 予定していなかったため、地図やGPSへのルート入力はなく、ガイドブックの概念図頼りの登山になった。大山公園の駐車場に到着すると、下池へは、ここに駐車するするように掲示されていた。実際には、下池にも駐車スペースがあったが、帰りに大山公園の城跡を抜けたので、無駄な歩きにはならなかった。
 住宅地を抜けていくと、下池の脇に出て、ここには駐車場とトイレが設けられていた。トイレに入って出てくると、激しい雨が降り出し、傘をさして歩くことになった。幸い、雨はすぐに止んでくれた。ガイドブックには、池を左回りに歩くように書いてあったが、湖畔を辿る道は長そうなので、右回りに進むことにした。
 池脇の堰堤をしばらく辿ることになった。下池は、東西500m、南北700mほどで、予想していたよりも大きく、「大山下池・上池」としてラムサール条約にも登録されている。冬はマガモやコハクチョウが飛来するということだが、この季節は鳥は少なく、池の脇の雑草を刈り取りする回転ノコの音が響いていた。池の向こうに見えるはずの高舘山の山頂は雲に隠されていた。
 池を回り込んでいき、神社の手前で池から離れて右手に沿う道に進むと、池の周回道になった。
 池の北に回り込んだところで、金沢コースが始まった。高舘山には、何本もの登山道が開かれているというので、地元の人間が毎日登っていて、遊歩道並みの道かと思ったが、雨によって草が倒れこむ通常の登山道並みの道であった。新・奥の細道ということで、自然歩道が整備されたものの、荒廃が進んでいるようであった。
 ひと登りすると尾根沿いの登りになった。途中で、他の登山道が合流するため、分岐でコースを確かめる必要があった。右にトラバース気味に登るようになると、湯野浜カントリークラブ方面からの未舗装の林道に飛び出した。ガイドブックの概念図とは様子が違っていた。
 ここから山頂までは林道歩きになった。大きくヘアピンカーブを描くと、舗装された林道に出た。放送基地の間を抜けていくと、展望タワーのある山頂広場に出た。
 ここで一等三角点を探すことになった。あずまやの脇に三角点の標柱が置かれていたので、場所はすぐに判ったが、三角点は金属製のマンホールの中で、直接見ることはできなかった。1995年6月4日に一等三角点を確かめに車で上がってきたことがあるが、この時は標石は表面に姿を現していたと思う。マンホールの蓋には日本地図が描かれており、これはこれで興味深いものである。展望タワーはかなりの高さがあるが、雨雲で展望が閉ざされているため、登るのはやめた。
 車道を下っていくと、カーブ地点で下山に使う岩倉コースがはじまった。この入口には案内標識がないので、注意が必要である。
 下っていくと、うっそうとした原生林の中に出た。遊歩道として整備された丸太の段々や木道が現れたが、朽ちかけており、足元に余計に注意が必要であった。観音台を過ぎると、一旦車道に出て、すぐ先で再び山道に戻った。その先は、林道跡であったのか、大きなジグザグを切る道が続いた。
 下池の脇に飛び出してからは、湖畔を辿る長い道が続いた。池の南東部で車道に飛び出した。ここからは、大山公園の上に車道が延びていた。大山公園一帯は、大平山(城山)と呼ばれるようなので、ピークの頂上を踏んでいくことにした。緩やかに登っていくと、ピークの上に出て、ここには三吉神社が置かれていた。
 ピークからは、石段を下りて行くと車道に出て、後は車道歩きで大山公園の駐車場に戻った。
 
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