松平山から五頭山

松平山から五頭山


【日時】 2011年5月26日(木) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 晴

【山域】 五頭山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 山葵山・わさびやま・693m・なし・新潟県
 松平山・まつだいらやま・853.9m・一等三角点補点・新潟県
 五頭山・ごずさん・912.5m・三等三角点・新潟県
 赤安山・あかやすやま・582m・なし・新潟県
【コース】 魚止滝登山口より周遊
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/津川/ 出湯
【ガイド】 なし

【時間記録】 6:40 新潟発=(R.49、水原、R.290、少年自然の家 経由)=7:25 赤安山登山口〜7:44 発―7:51 魚止滝登山口―8:11 尾根取り付き―9:00 山葵山―9:59 松平山―10:54 大日清水―11:24 中ノ沢分岐―11:30 五頭山―11:40 前一ノ峰〜11:51 発―12:12 五ノ峰―12:25 赤安山分岐―12:25 赤安山―13:31 赤安山登山口=(往路を戻る)=14:20 新潟着
 五頭連峰は、飯豊連峰の前衛峰で、阿賀野川と加治川の間25kmほどに、新潟平野の縁に沿って1000mに満たない峰々を連ねている。松平山は、北部を代表するピークで一等三角点が置かれているが、最高峰の菱ヶ岳や中心部の五頭山に比べると、登山者は格段に少ない。

 平日であるが、仕事が無く、山に行くことができた。平日とあっては、遠出をする気になれず、近場の山を考えることになった。適当な運動のできる山として、松平山から五頭山への周回を行うことにした。五頭山は、新潟周辺では人気の山塊であるが、それでも、松平山は二回しか登っておらず、それも先回は2003年9月であったからずいぶんと時間が経っている。
 最近では、登っていない山といっても、簡単に登らせてくれる山はなかなか無い。山行の方針も、何年も登っていない山を改めて登るというものになってくる。
 登山口への林道入口にある五頭連峰少年自然の家には、多くの車が停められて、窓に洗濯物が干してあった。東日本大震災の避難者が生活しているようであった。この施設は、最近は閉鎖しているような雰囲気であったから使った方が良いが、静かな環境といっても、買い物や仕事に出かけるには、ちょっと不便であろう。
 五頭連峰少年自然の家の先で沢を渡ると、林道はカーブを交えながら高度を上げる。今回は周回のため、下山口になる赤安山登山口に車を停めた。登山口には、登山標識が置かれているので、見落とす心配はない。その手前には、車を置くことにできるスペースがある。
 まずは、林道歩きで松平山登山口に向かう。途中で、若い単独行を追い抜いたが、そのまま会うことはなかった。服装からいって、山を初めて間もない感じであった。
 林道のカーブ地点から登山道が始まっていた。松平山は健脚向きという警告があいかわらず置かれていた。緩やかに下っていくと、丸太を並べた橋があって、これを渡る。対岸の急斜面をひと登りすると、へつり道が続くようになる。右下に続く沢には、滝を時々見下ろすことができた。へつり道では、足元に注意しなければならない所も所々にあり、そう気を抜いて歩くわけにはいかなかった。
 枝沢を巻いて尾根に突き当たると、へつり道から分かれての本格的な登りが始まった。一気の登りで、汗がしたたり落ちるようになった。幸い、風が強く、体を冷やしてくれた。高度を上げていくと、周囲にはブナ林が広がるようになった。太陽を透かす葉が緑に輝いていた。
 傾斜が緩み、前方の高まりを目指して登っていくと山葵山の山頂に到着した。登山道から左に入ったところが、小広場になった山葵山の山頂である。松平山から五頭山、赤安山に至るこれから歩くコースを、目で辿ることができる。距離はまだまだ長いが、まとまった登りを終えたことが、慰めになる。緑に包まれた山肌に、まだ残雪の白い筋が残されているのに、いささか驚かされた。
 山葵山から松平山へは、だらだらの長い登りが続く。松平山の登山者が少ないのも、この区間の歩きを敬遠してのもののように思われる。松平山への最後の登りにかかる所で、雷清水の標識があった。すぐ下が沢の源頭部で、水場まではそれほどの距離ではないようであった。
 雷清水からひと登りすると、松平山の山頂に到着した。広場の中に頭を出した一等三角点は、コンクリートによってきれいに補修されていたが、残念ながら一等という文字は失われていた。先は長いので、先へと進んだ。松平山から先は、登山道の刈り払いが行われておらず、道ははっきり見分けられるものの、木の枝や笹が体に触れる状態であった。
 今回の興味の一つに、金鉢山方面への刈り払いの点があった。尾根の分岐部に到着してみると、分岐にはテープが取り付けられて、荒い刈り払いが行われていた。金鉢山方面へ進もうかという誘惑も浮かんできたが、この方面の地図は印刷しておらず、GPSにもルートデーターが入れていない。今回は諦めることにした。この刈り払い道を確認するには、荒川山方面からの方がアプローチが近い。秋になったら、あらかじめ松平山登山口に自転車を置いて、荒川山方面から辿ってみようか。
 金鉢山分岐を過ぎると、尾根は南に方向を変える。残雪を横切る所も現れ、一ヶ所は、滑落もしかねない急斜面のため、ステップを切りながら慎重に通過した。標高1000mにも満たない山で、しかも五月末のことである。越後の山は、あなどれない。
 この先は、小さなアップダウンを繰り返す道が続いた。大日清水で中間点となる。時間的には、五頭山で昼食になりそうなので、時間配分としては丁度良いペースであった。
 中ノ沢分岐に出ると、幅広の登山道が続いていてほっとした。振り返ると、松平山方面の登山道は笹に隠されていた。この様を見ると、松平山方面に進むのに躊躇してしまうかもしれない。分岐の少し先で初老の単独行とすれ違ったが、松平山方面に進んだのだろうか。
 ひと登りで五頭山に到着。この先はお馴染みの道である。前一ノ峰に登ったところで大休止にした。平日にもかかわらず、登山者で賑わっていた。さてお昼と思ったら、コンビニで買ったおにぎりとパンを、ザックに入れ忘れていた。お菓子でごまかすことになった。前一ノ峰からは、残雪に輝く飯豊連峰を望むことができた。飯豊の季節も近づいてきている。
 ひと休みの後、一気に下ることにした。途中までは登山者とすれ違ったものの、赤安山への登山道に入ると、人には出会わなくなった。雪のある時は、美しい展望を楽しめるコースであるが、緑に囲まれた淡淡とした下りが続くことになる。
 赤安山の山頂標識であるが、最高点ではなく、少し登山口よりに置かれているので注意が必要である。最後に急斜面の九十九折を終えると林道に飛び出して、周回は終わった。
 
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