薬師岳、赤谷城山

薬師岳、赤谷城山


【日時】 2011年2月12日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 雪

【山域】 東頚城丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 薬師岳・やくしだけ・382.6m・二等三角点・新潟県
【コース】 仙田より
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/岡野町/岡野町
【ガイド】 無し

【山域】 東頚城丘陵
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 赤谷城山・あかたにじょうやま・296.4m・三等三角点)・新潟県
【コース】 赤谷より
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/岡野町/岡野町
【ガイド】 無し

【時間記録】 6:40 新潟=(関越自動車道、越後川口IC、R.117、下条、R.252 経由)=8:40 仙田〜9:03 発―10:10 引き返し(標高400m)―10:46 仙田=11:23 赤谷―12:30 赤谷城山〜12:49 発―13:26 赤谷=(往路を戻る)=16:00 新潟
 薬師岳は、十日町の信濃川左岸の丘陵地にあるピークである。山頂には薬師堂があって、登山道も通じているようである。

 赤谷城山は、十日町の信濃川左岸の丘陵地にあり、渋海川とその支流によって山裾が取り囲まれている山である。築城時期・築城主体ともに不明であるが、節黒城の支城で、妻有から刈羽に繋がる街道を監視する機能があったとされている。

 今年は大雪のために中越方面に足が向いていなかった。寒気がゆるんで、除雪もある程度落ち着いた頃と思って、出かけることにした。まずは、アプローチと駐車場の問題を考える必要があった。登ろうと考えていた山のうち、薬師岳と赤谷城山を候補にして出かけることにした。両山は隣り合っているが、その麓に道の駅「仙田」があり、幹線道路沿いでもある。
 新潟市内の雪はすでに無くなっていたが、長岡を過ぎると、雪は多くなっていき、越後川口で高速を降りると、道路脇には2m以上の壁が続くようになった。雪原に上がるための取りつきが心配になった。これまでにも、まずはスコップで雪壁に階段を掘ってから雪原に上がったこともあるが、それをするにも高すぎる雪壁であった。
 仙田に到着して、まずは薬師岳の偵察を行った。赤谷への道との交差点部にJAの施設があり、その脇から奥の稲苗の育成施設へと除雪された道が続いていた。赤谷側に入った所の路肩に車を停めて歩き出した。
 薬師岳から落ち込む尾根を見ると、雪崩を起こして、地肌がむき出しになった斜面が目立っていた。大雪のために積もった雪が重くなって、雪崩が起きているようであった。
 雪原を横断して、尾根の末端部から登り始めた。杉林を抜けると、雑木林の尾根が続くようになった。雪も締まっており、快調に高度を上げていくことができた。横に広がった稜線の上に小さな高まりを見せる薬師岳の山頂が目に入ってきて、登りももうひと頑張りと思った。ところが、標高400mで地図を見て予想していなかった痩せ尾根が現れた。両脇から崖が迫ってきて、幅は2mに満たない雪陵が続いていた。慎重に渡って、安全地帯と思われるところで、先をうかがうと、痩せ尾根はまだ続いているようであった。渡ってきたトレース部分も、雪が緩むと落ちてしまう危険性があった。危険を避けるために、薬師岳は諦めることにした。
 足早に山を下り、このまま引き下がるのは面白くないので、続いて赤谷城山を目指すことにした。赤谷城山へは、以前、道の駅から吊り橋を渡り、西尾根に続く破線道を辿ろうとしたが、途中で道が無くなっており、断念したことがあった。
 道の駅に車を置いて歩き出した。雪原に上がって吊り橋に近づいていくと、吊り橋の横板は外されていないことが判ってひと安心した。ところが、吊り橋に下りるには、2m程の雪壁をクリアする必要があり、吊り橋を渡るのは断念することになった。
 渋海川にかかる橋は、赤谷の集落にもあることから、こちらを試みることにした。
 赤谷のバス停脇に駐車スペースがあったので、ここから歩き出した。川に向かう道の入り口には赤谷十二社の案内板が置かれていた。一車線幅に除雪された道を進むと、橋が現れたが、幸い、橋は対岸まで除雪されていた。対岸に民家は無いが、雪の重さで橋が傷むのを防ぐための除雪のようであった。
 橋を渡った先は、雪原になった段々畑が斜面の上に向かって続いていた。そこを詰めれば、ひと登りで稜線上に出られるようであった。段々畑をつっきって登り始めたが、田圃脇の壁が急で、迂回しながら登っていくことになった。最後の登りも、ほどほどの傾斜で、なんなく稜線上に辿りつくことができた。地図には破線は記載されていないが、山道があるような感じあった。
 稜線の上に出て、東に向かって尾根を辿ることになった。杉林の広がる尾根には、林道跡の切り開きが認められ、邪魔物も無い歩きになった。斜度が増すと、林道跡は巻くように続いており、それに従えば良いので歩きやすくなっていた。
 尾根が南に方向を変えると、前方に杉の木立を乗せた赤谷城山の山頂が迫ってきた。山頂手前に辿りつくと、曲輪や土塁跡のような山城特有の地形が現れた。山頂に上がるためには土塁跡を突破する必要があり、短いが急な斜面を登る必要があった。
 赤谷城山の山頂は、小さな広場になっており、木立に囲まれていた。祠のようなものがあるのかどうかは、雪のために判らなかった。山頂標識や赤布のような登山者の記は、全く見当たらなかった。広場の片隅に、天然杉の大木が佇んでいた。眼下に国道252号線を見下ろすことができ、自動車の走行音がかすかに聞こえてきていた。
 少し遅くなった昼食を食べてから下山にうつった。
 帰りは、重力まかせに足早に下って、登山を終えた。
 赤谷城山は、小さな山ではあるが、結構苦労してようやく登ることができた。その名前からして、今回辿ったコースが、本来の道であったと思われる。

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