鳥屋山、観音山

鳥屋山
観音山


【日時】 2011年2月5日(土)〜6日(日) 1泊2日 各日帰り
【メンバー】 5日:単独行 6日:12名
【天候】 5日:曇り 6日:晴

【山域】 北会津
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 鳥屋山・とやさん・586.6m・一等三角点補点・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/野沢/野沢
【コース】 別茶屋より
【ガイド】 分県登山ガイド「福島県の山」(山と渓谷社)
【温泉】 芦ノ牧ドライブ温泉 400円(石鹸無し)

【山域】 那須連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 観音山・かんのんやま・1640m・なし・福島県
【地形図 20万/5万/2.5万】 日光/田島/甲子山
【コース】 野際新田より
【ガイド】 会津百名山ガイダンス(歴史春秋社)
【温泉】 弥五島温泉郷の湯 300円(石鹸なし)

【時間記録】
2月5日(土) 7:30 新潟=(磐越自動車道、西会津IC、R.49 経由)=9:00 別茶屋〜9:18 発―10:42 鳥屋山〜11:02 発―11:38 別茶屋=(会津本郷、R.118、湯野上、R.121、八幡橋 経由)=15:30 観音沼森林公園  (車中泊)
2月6日(日) 8:00 野際新田―8:48 1214m点―10:43 観音山〜11:01 発―12:11 1214m点―12:33 野際新田=(塩生、R.289、R.121、湯野上、R.118、新鶴PA、磐越自動車道 経由)=16:00 新潟
 鳥屋山は、磐越道西会津ICの北の阿賀野川左岸にある里山である。一等三角点が置かれ、山頂は木立に囲まれているが付近からは飯豊や磐梯山の眺めが広がっている。漆窪から始まる登山道沿いにはカタクリの群落が広がっており、4月中旬頃にお花畑を楽しむことができる。

 観音山は、那須連峰北部の旭岳から北西に延びる尾根上のピークである。登山道はないことから残雪を利用して登ることになる。山頂からは、旭岳の鋭鋒が目の前に聳えるのを眺めることができる。

 宇都宮グループが会津の観音山を登るというので参加することにした。観音山は、残り少なくなった会津百名山に選ばれており、登らなければならない山になっている。2008年2月24日に、観音山を登るために、前夜に観音沼森林公園の駐車場で夜を過ごしたが、夜中から車が埋まるような大雪になってしまい、夜明けとともにほうほうのていで山を下ったことがある。幸い、今回は晴天が巡ってくるようであった。
 日曜日に観音山を登ることから、土曜日は会津の山を考えて、結局、鳥屋山を登ることにした。鳥屋山は、最近ではカタクリのお花畑で有名になり、春先は大勢の登山者で賑わう山になっている。しかし、雪山としては登る者は少ないようである。カタクリ見物には、漆窪登山口から登るのが良いが、雪山としては、国道49号線沿いの別茶屋から登る方が近い。西会津では、昨年末に大雪のために国道上で車が閉じ込められる災害が発生しており、この冬は大雪になっている。冬型もひと段落し、道路の除雪も進んでおり、幹線国道沿いの登山口までは問題のないはずであった。
 時間に余裕があるため、高速料金の節約のため、安田まで一般道を走ってから高速道にのった。西会津で高速道を下りて、国道49号線を走ると、鳥屋山の登山口の別茶屋はすぐである。
 国道の路肩部の駐車スペースは、除雪車が作業中であった。軽沢集落への道に入ったところに駐車スペースがあったので、ここに車を停めた。この分岐付近に落ち込む尾根が、鳥屋山の山頂に続いているのだが、法面が続いて直接取りつくことはできなかった。取りつきは、夏道通りに歩く必要があった。
 軽沢集落に続く車道は、除雪されているが、圧雪状態であった。300mほど車道を進むと、折り返すように、道が法面の上に続いていた。除雪でできた雪の段の低いところを見つけて這い上がった。
 車道の一段上に続く道は、幅は充分あるといっても、下の道路に向かって雪庇が張り出しているため、端に近づかないように注意が必要であった。下の道路に転落すると、大怪我は免れない。ここが一番の難所であった。国道を新潟方面に少し戻った所の奥に畑が広がっているので、ここから取りつけないか、次回登る際には確かめてみる必要がある。
 道型を辿っていくと、電柱の立つ尾根末端に出たので、ここから尾根沿いの登りを続けることになった。
 気になる雪の状態だが、スノーシューにイクステンションを付けた状態では、少し潜るとはいっても、歩きを続けることができる状態であった。新雪のための底なし沼状態はようやく過ぎていた。
 雪はたっぷりあるので、登山道は完全に隠されていた。木立の間が開けたところが登山道のように思えたが、登山道は時々判らなくなった。ただ、鳥屋山へは一本尾根の登りなので、歩きやすいところを辿ればよいことになる。
 最後のつめは、登山道は鳥屋山の西の肩に登りつくのだが、直接山頂をめざした。傾斜は少し増したが、一気に登る爽快感もある。
 鳥屋山の山頂では、山頂標識が姿を現していた。山頂からの展望図も置かれていたが、小雪がちらつき、飯豊の展望は閉ざされていた。晴れている時にまた訪れることにしよう。
 下山は、ほどほどに柔らかい雪を蹴散らかしながら、一気に下ることができた。
 時間は早かったが、この後は温泉に入り、観音沼森林公園に向かった。
 観音沼森林公園への道は、除雪されて、道路も乾いた所が多くなっていた。先回の観音山や夏の三倉山登山のために何度か夜を過ごしたことのあるトイレも設けられた駐車場は、改装工事中であった。その先に、有料駐車場が新しく設けられており、除雪されていた入口のスペースに車を停めて夜を過ごした。
 夜中には星空が広がり、翌日の期待が高まったが、明け方の冷え込みもきびしかった。
 集合時間前に宇都宮グループが車二台で到着し、合流して観音沼森林公園の先の野際新田に向かった。野際新田付近は、道路上の雪が凍っており、傾斜も増してくるので、車の運転に注意が必要であった。途中のスペースに先行の車二台が置かれていたので、さらに進んだ。
 林道が右にカーブした先の堰堤下で林道の除雪は終わっていた。先行の二台の車が駐車する様子を見るために坂の途中で車を停めると、タイヤが滑って発進できなくなった。手前に浄水施設があり、その脇のスペースに車を停めることにしたが、バックすると、車の脇が雪壁にぶつかって動かせなくなった。皆に車を押してもらってコースを修正し、なんとか車を停めることができた。余計な車は、下に置いてくるべきであった。
 今回は、総勢12名という大人数のため、ラッセル要員は充分であった。雪もしまっており、天気は快晴。観音山登頂は、約束されたものといって良い状態であった。
 スノーシューでは、トレースがしっかりつくとかえって歩き難くなることから、まずはトップで歩かせてもらった。
 林道からひと登りすると、スキーとスノーシューの混じったトレースが続いていたので、これに従うことにした。少しこれを辿ると、谷奥に進んでいくのが判ったので、方向を北に変えて、尾根上を目指すことにした。
 観音山へは、「会津百名山ガイダンス」などでは、谷を進んだ後に1312mピークの先の鞍部に出て、南西尾根から山頂を目指すというコースが紹介されている。これはスキー向きのコースで、我々は、1214m点のある西尾根を登ることにした。
 尾根に上がるまでの傾斜は少しきつかったが、ラッセル要員も多いので、トップ交代を一巡するころには尾根上に出ることができた。
 緩やかになった尾根を少し辿ると、1214m点に出て、ひと休みになった。目指す観音山に至る稜線の眺めも広がった。谷を挟んで、三倉山が鋭いピークを連ねた姿を見せていた。栃木県方面から、裏那須の稜線を越えて雲が会津側に流れ込んでいた。
 1214m点からしばらくは、尾根が細くなった。横に枝を広げた針葉樹を避けるために、一段下を歩いては、尾根上に戻るといった歩き難い区間になった。
 再び尾根が広がると、尾根の一本登りが続くようになった。地図には、1330m付近で尾根に崖マークが記されているが、雪原が広がっているのが岩場なのであろうと推測するだけで、問題なく通過することができた。地図読みはしっかりする必要があるが、実際に歩いてみると現地の状況が違っていることも多い。
 スノーシューにはイクステンションを付けていたが、急斜面にわかんで付けられた足跡に乗るには、スノーシューの先だけをつっこむ必要があり、次第に足が草臥れてきた。反省点としては、わかんが主体の団体の中では、スノーシューを軽くするためイクステンションは外すべきであった。
 ようやく傾斜が緩んで山頂の肩部に出ると、その先は緩やかな傾斜の樹氷原が山頂に向かって続いていた。展望も広がり、カメラを取り出しては時々立ち止まりながらの歩きになった。
 観音山の山頂は、なだらかな台地状になっていた。東の下り口に進むと、旭岳が目の前に大きく聳えていた。旭岳の手前の小ピークにはマイクロウェーブのアンテナが立っているが、氷におおわれていた。尾根は旭岳に続いているが、山頂手前に崖があるため、冬季に登るのは難しい。甲子山や、三本槍岳、流石山から三倉山に至る裏那須の眺め、二岐山など、飽きない眺めであった。
 快晴であったが、山頂を吹き抜ける風は強かったため、一段下って、樹氷の陰に腰を下ろして大休止にした。休んでいると、山頂に別グループが登ってきた。
 下りは、歩きやすい雪の状態であったので、一気のダウンヒルになった。
 ここ数年の懸案であった観音山であったが、快晴の天候と締まった雪、仲間のおかげで登ることができた。これで会津百名山も残り2山となり、完登も見えてきた。

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