古城山

古城山


【日時】 2011年1月15日(土) 日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 吹雪

【山域】 櫛形山脈
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 古城山・こじょうさん・283m・なし・新潟県
【地形図 20万/5万/2.5万】 新潟/新発田/菅谷
【コース】 箱岩より
【ガイド】 なし

【時間記録】 8:20 新潟=(R.7、貝屋、七社 経由)=9:30 箱岩〜9:55 発―11:02 箱岩峠―11:29 登山口―12:25 古城山〜12:42 発―13:39 箱岩=(往路を戻る)=15:20 新潟
 櫛形山脈は、日本海沿いに広がり、胎内川と加治川によって両端が切りおとされる、全長約13キロメートルの山塊である。25000分の1図に山脈と記されている唯一の例といわれ、日本一のミニ山脈と呼ばれている。北部の白鳥山から鳥坂山、櫛形山を経て大峰山に至る縦走路は、良く知られているが、それより南部の箱岩峠に至る縦走路は、良く整備されているにもかかわらず歩く者は少ない。古城山は、箱岩峠の北1kmにあるピークである。

 この週末には、強い寒波が襲来するという天気予報が出た。金曜日の夜から雪が降り続き、気温も下がった。山行計画を考える際に、車でのアプローチと登山口の駐車スペースが一番の問題になっている。先週末から冬型が続いており、山は新雪に覆われて、歩ける距離も短くなっているはずである。
 結局、先週に続いて、箱岩から箱岩峠まで歩き、今度は古城山を目指すことにした。古城山は、アプローチのほとんどが車道で、除雪の状態や駐車場所の様子が判っているので、雪の日の登山に適している。
 除雪が終了して、路面の凍結が緩むのを待つため、ゆっくりと家を出た。高速では、中央分離帯の無い対面通行部分で正面衝突事故が起きたばかりなので、危険を避けて一般道を走った。吹雪の中を、ライトを点灯しながら車を走らせることになった。
 七社の交差点で国道から離れると、除雪されているとはいっても、路面に積もった雪は多くなった。幸い、二車線幅の道路で、対向車もないので、中央部を走ることができた。先週と同じ、二車線幅の道が一車線幅に細くなる所の路肩に車を停めた。雨具を着てから車の外に出ると、容赦なく雪が降り注いできた。
 車道の上には車の轍はなく、すぐ先で雪の重みでしなった竹が道路に倒れこんでいた。スノーシューを手に持って歩き出したが、冬季閉鎖のゲート手前で、除雪が終了していた。脇に廃車を置いた空地のある地点であった。うっかり車で進むと、回転場所が無く、バックで戻らなければならなくなる所であった。
 スノーシューを履いて、除雪終点の小山を乗り越えた。先週は、箱岩峠までつぼ足で歩いたが、今回は深雪のラッセルに変わっていた。スノーシューを履いても、膝まで潜る状態であった。ゲートを越したところで、スノーシューにイクステンションを付けて、浮力を増した。雪に潜る量は減ったが、一歩ずつ足を出すには、力が必要であった。
 吹雪の中で雪に埋まった林道を歩くのは、コースを見失う心配が無いのは良いが、吹き溜まりになって、かえって辛い歩きになる場合がある。この日も、杉林の下に入ると、雪は少なく歩きやすくなった。これなら、古城山の山頂に通じる尾根に直接取りついた方が良かったかなと後悔することになった。
 それでも歩くうちに体も慣れてきて、スピードはともかく、歩き続けることができるようになった。箱岩峠までは1km弱であるが、場合によっては、そこで引き返しても良いなという気持になった。
 1時間かかってようやく箱岩峠に到着した。体力もまだ余裕があったので、古城山に向かうことにした。翌日は悪天候で山は休みになりそうなので、体力のぎりぎりまで歩いておいた方が良い。
 箱岩峠から始まる林道に進むが、ここも吹き溜まり状態で、体力を消耗した。林道を400mほど進んだ所には、大峰山登山口の登山標識も置かれているが、ここから歩く登山者は少ない。この区間にも、30分近くかかってしまった。
 登山道に進むと、吹き溜まり状態からは解放されて、むしろ歩きやすくなった。その代わりに、傾斜が増して、登るのに体力を消耗するようになった。雑木林に囲まれた尾根道を進んでいくと、三角点小ピーク手前で、右手にトラバースするようになる。雪原のトラバースは難しいので、早めに尾根通しに戻ることにしたが、しばらくは、木の枝を掴みながら体を持ち上げるような、ラッセルが続いた。
 夏道に再び合流すると、三角点の置かれた広場に到着する。その先で、夏道は古城山の山頂下をトラバースしながら通過していくため、尾根通しに進んだ。
 山頂手前では、空堀や土塁跡と思われる地形が残されており、短い急斜面を木の枝を掴みながら登ることになった。名前の通りに山城が置かれていたことは確かなようだが、その謂れが判らないのは残念である。
 古城山の山頂部は、雑木林に囲まれた台地で、展望も閉ざされている。もっとも、吹雪で、見通しも悪くなっていた。
 なんとか古城山の山頂まで達することができたと、腰を下ろしてひと息ついた。古城山から南西尾根を下れば早いのだが、ラッセルを考えると、来た道を戻る方が楽そうに思えた。吹雪も続いているので、安全策を取った方が良い。
 下りのためにスノーシューのイクステンションを外した。イクステンションを付けて歩いたトレースは、数人で歩いたように幅広にしっかり付けられており、短くしたスノーシューで楽に歩くことができた。下りは、深雪のラッセルを楽しむ余裕も出てきた。
 車に戻ると、屋根には10セントほどの雪が積もっていた。帰りの道路は、圧雪状態ででこぼこになっており、スピードを上げることができなかった。この日の古城山は、体力の限界近くまで歩くことができ、翌日は、悪条件のなか山に出かけることはせずに、家にとじこもることになった。

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