茂倉岳、武能岳、下権現堂山、上権現堂山

茂倉岳、武能岳
下権現堂山、上権現堂山


【日時】 2010年10月1日(金)〜3日(日) 2泊2日 各日帰り
【メンバー】 単独行
【天候】 2日:晴 3日:晴

【山域】 谷川連峰
【山名・よみ・標高・三角点・県名】
 茂倉岳・しげくらだけ・1977.9m・三等三角点・新潟県、群馬県
 武能岳・ぶのうだけ・1759.6m・三等三角点・新潟県、群馬県
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田/越後湯沢/茂倉岳
【コース】 茂倉新道登山口より
【ガイド】 山と高原地図「谷川岳・苗場山・武尊岳」(昭文社)
【温泉】 岩の湯 400円

【山域】 権現堂山塊
【山名・よみ・標高・三角点・県名】 
 下権現堂山・しもごんげんどうさん・896.6m・三等三角点・新潟県
 上権現堂山・かみごんげんどうやま・997.9m・二等三角点・新潟県
【コース】 戸隠神社より周回
【地形図 20万/5万/2.5万】 高田、日光/小千谷、須原/小平尾、須原
【ガイド】 新・新潟ファミリー登山(新潟日報事業社)

【時間記録】
10月1日(金) 15:30 新潟=(関越自動車道、小出IC、R.17、湯沢、土樽 経由)=20:00 茂倉新道登山口
10月2日(土) 4:23 茂倉新道登山口―6:24 矢場の頭―7:44 茂倉岳避難小屋―8:00 茂倉岳〜8:18 発―9:46 武能岳―(10:04〜10:25 昼食)―10:58 蓬峠―11:12 水場―10:21 東俣沢出合―13:00 林道終点―13:30 茂倉新道登山口=(土樽、湯沢、R.17、小出、江口 経由)=16:00 戸隠神社
10月3日(日) 6:30 戸隠神社―7:52 弥三郎清水―8:20 下権現堂山―8:55 中越分岐―9:34 上権現堂山〜9:50 発―10:24 中越分岐―11:38 戸隠神社=(江口、小出IC、関越自動車道 経由)=13:20 新潟
 茂倉岳は、谷川岳の北に一ノ倉岳を挟んで連なる山である。これら三山はほぼ同じ標高を持つが、この先の稜線は一気に高度を下げて武能岳に続く。土合を起点とする環状縦走あるいは谷川岳から土樽へ下る際に通過する山といった感じが強いが、新潟側の湯沢から一番目立つ谷川連峰の山は茂倉岳である。

 権現堂山塊は、小出の奧の守門岳・浅草岳山塊、毛猛山塊と越後三山の間に位置する山塊である。周囲にいわゆる名山が並んでいるため損をしているきらいはあるが、下・上権現堂山は、展望に優れたハイキングの山として地元には親しまれている。

 今年は暖冬のため季節の移り変わりも遅れているが、10月に入って、そろそろ紅葉も始まっているはずである。先週計画変更した茂倉岳を登ることにした。
 金曜日に早めに家を出て、夕方の割引のきく小出まで高速を使い、あとは一般道で湯沢に向かった。金曜日の夜とあって、茂倉新道の登山口に他の車はいなかった。
 茂倉岳新道は、これまで四回歩いているが、いつも下りばかりであった。茂倉岳と蓬峠を結ぶ周回なら、どちらを先に登るか迷うが、今回は経験したことのない茂倉岳新道の登りを行うことにした。
 ヘッドランプを使って、暗い中、歩きだした。谷川連峰のメインルートということで登山道は、闇の中でも迷う心配はない。ひと登りすると、背後に関越道の土樽パーキングの灯りが見えるようになった。しばらくは高速道を通る車の走行音が聞こえていたが、急登を続けているうちに周囲は静かになった。
 ブナ林を抜けて、細尾根に変わる頃、ヘッドランプもいらなくなった。その先は、木の根が露出した歩きにくい。下りに使うと足も疲れていて辛い歩きになる区間であるが、今回は体力にも余裕があり、楽に通過することができた。
 矢場の頭に到着すると、展望が一気に開けた。谷向こうには万太郎山や仙ノ倉岳、苗場山の眺めが広がっていた。茂倉岳の山頂に向かって、尾根が上がっていくのが見えた。逆光で見にくかったが、まだまだ標高差があり、汗を振り絞る必要があった。尾根脇の灌木も、紅葉に染まったところが出てきた。
 茂倉岳の避難小屋に到着すると、山頂もようやく近付いてきた。登る途中振り返ると、緑の笹原の中に、色づいた灌木に囲まれた避難小屋が印象的であった。。
 茂倉岳の山頂には、男女の登山者が休んでいた。はじめ、同行の登山者と思ったが、男性は蓬峠経由で土合へ、女性は万太郎山への吾策新道を登ってきて茂倉新道を下るとのことであった。茂倉岳への到着時間を考えると、前夜は小屋泊りのようである。
 一ノ倉岳から谷川岳への続く稜線も一望できたが、逆光のために谷川岳は黒いシルエットになっていた。万太郎山と仙ノ倉岳、苗場山の山頂も、光を増した朝日に輝いて見えていた。これから進む武能岳は少し下に見えて、その山頂に雲がかかり始めていた。群馬県側に雲海が広がり、朝日岳は山頂だけをのぞかせていた。この後は、雲が広がってくるような感じであった。
 朝食を取りながらひと休みした後、武能岳へと進んだ。
 茂倉岳からは、細尾根の急降下になった。尾根の新潟県側にはカエデ類が多く、美しい紅葉が広がっていた。小岩峰を巻いた頃には、ガスの中に入って、展望が閉ざされてしまった。せっかく紅葉が美しくなってきたところだったので、残念であった。
 下りを続け、鞍部の笹平を過ぎると、武能岳への登りが始まった。足も疲れてきていたが、意外に早く武能岳の山頂に到着した。笹平から武能岳へは150m、茂倉岳へは380mの標高差となる。周回コースの最後の登りという点だけからすると、茂倉岳から武能岳に向かった方が楽である。
 武能岳の山頂で大休止のつもりであったが、ガスに覆われて風も強かった。蓬峠で休もうと思って歩きだすと、急な下りが始まる手前の尾根張り出して、急にガスが切れてきた。紅葉に染まった西尾根の眺めが素晴らしかったので、登山道に腰を下して大休止にした。この先も下山までにはまだ時間がかかるので、ビールを飲むことができる。最近では、ロングコースの良い点は、途中でビールを飲むことができることがあげられる。苗場山方面の山の眺めがガスの切れ間から時々姿を現した。
 蓬峠に向かって下っていくと、ガスもなくなって、たおやかな笹原の広がる蓬峠の眺めが広がった。なだらかな七ツ小屋山と、鋭い山頂を持つ大源太山の取り合わせが、目を引いた。
 峠付近には先行の男性が休んでいるだけで、他には誰もいなかった。蓬ヒュッテは、ドアが少し開いていたので、管理人がいるようであった。
 蓬峠からの下りは、しばらくトラバース道が続く。沢を巻く手前で水場が現れる。蓬峠に泊る者は、ここまで水を汲みに往復する必要があるが、下り15分の道のりはなかなか辛い。
 その後もトラバース道が続く。途中で沢を横断する所も多いので、水の心配はいらないコースである。今回は行動時間が多いために2Lの水を持ってきたが、半分で良かったようである。
 下りの途中に、日帰り単独行と、テント泊装備の5名グループと単独行にすれ違った。谷川岳は大混雑で近寄る気にはなれないが、茂倉岳を中心とする今回のコースは静かな山を楽しむことができる。
 尾根の下りを終えると東俣沢出合に出て、後は水平に近い道になるが、沢の脇では夏草が茂り気味であった。
 堰堤が左手に見えると、林道の末端に到着する。林道末端部は車の方向転換のスペースが無いため、少し手前の砂防ダム下への道が分かれる所の広場に車を停める必要がある。出迎えてくれる車もないため、茂倉新道登山口の広場まで車道歩きをもうひと頑張りする必要があった。
 早立ちのおかげで余裕を持って下山でき、いつものように岩の湯の温泉で汗を流した。 日曜日の天気は、あまり良くないようであった。家の仕事の関係もあって、早めに山を切り上げる必要もあり、手頃な山を考えて権現堂山を登ることにした。権現堂山は、四回登っているが、前回は2006年10月で、少し時間があいている。
 戸隠神社の駐車場で夜を過ごした。一帯は、公園として良く整備されている。
 まずは、石段を上って戸隠神社の社殿の下に出る。登山道は、広場の右隅から始まっている。別の遊歩道もあるので、標識を良くみる必要がある。下権現堂山への道に進むと、いきなりの急登が始まる。ひと汗かいて尾根の張り出し部に到着すると、業の秤と呼ばれる展望地に出る。眼下には、神社と江口周辺の里の眺めが広がっていた。
 この先は、一本尾根の登りが続く。ここのところ、運動不足気味のため、前日の山行の疲れの具合がどのようなものかを確かめることも目的の一つであった。足は重いながら、登りを続けることはできた。ただ、スピードは少し落ちているようであった。
 登山道の周囲には、はじめ灌木帯が広がっているが、下権現堂山が近付くと、ブナ林が広がるようになる。左にトラバース気味に進むと、弥三郎清水に到着した。大岩の下から、清水が勢いよく流れ出ていた。水を飲んで元気を取り戻した。
 その先は、大岩を巻くような登りが続く。岩舞台のように上に立つことのできる大岩もあり、その上からは、越後三山や谷川連峰の眺めを楽しむことができた。小出周辺は青空が広がっていたが、谷川連峰は雲に覆われていた。
 登りをもうひとがんばりすると、神湯、旧AXIONスキー場からの登山道が合わさり、その少し先で下権現堂山の山頂に到着した。大岩の上に立つと、魚沼平野や守門岳、毛猛山塊、越後三山の眺めを楽しむことができた。
 下権現堂山まで登ってくると、上権現堂山まで足を延ばさないわけにはいかない。下権現堂山から先は、登山道を草が覆うようになった。道型はしっかりしているといっても、初めて歩く者だとすると、不安を覚えるかもしれない。
 一気に高度を落とすと、中越の分岐に出た。この先にも、新道を呼ばれる戸隠神社への下降点があるが、この日は分岐が判らないままに通過してしまった。4年の間に廃道になったのか、夏草のために見落としたのかのかは判らない。
 上権現堂山の手前にも小ピークがあり、それを乗り越える必要がある。体力を必要とするが、小ピーク付近は草地もあって、展望を楽しむことができる。振り返ると、下権現堂山が紅葉に彩られていた。
 上権現堂山への最後の登りはきつく感じられる。やがて傾斜が緩くなり、少し先に進むと上権現堂山の山頂に到着する。上権現堂山の山頂は、木立に囲まれて展望はないが、腰をおろして朝食とした。場合によっては、中間ピークに戻ってから展望を楽しみながら休んだ方が良いかもしれない。
 中越分岐に戻り、戸隠神社への下りを開始した。ブナ林を下っていくと、沢に出るが、夏草がうるさかった。その先でトラバース気味に下ると沢に出て横断ということを数回繰り返すことになる。
 小黒川沿いに下るようになると、林道終点に続く山道との分岐になるが、その方面は夏草に覆われており、戸隠神社に一旦戻ることになった。
 下・上権現堂山は、変化に富んだ周回コースをとることができてお勧めの山であるので、初心者でも安心して歩けるように、夏草の刈り払いが望まれる。
 
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